白き時を越えて

第３章雑談：柊

体調のこと

「……もう、問題ないが」

「本当に？」

「ああ」

「……でも、体調が良さそうには
　見えないんですけど。
　話し方も……なんていうか、その……
　静かですし。
　疲れているんじゃないですか？」

「そんなことはない。
　俺はいつもこんなものだ」
「う～ん……」

「あ！　やっぱり熱い！！」

「……貴女の体温が低いのではないか？」

「いいえ、私の平熱は３６．５℃、
　低いなんてことはありません」

「…………！」

「駄目でしょう？
　治ってないのに治ったふりをしたら」

「……そう、かもしれないな。
　悪かった」

あれ、意外と素直だ。
なんか、拍子抜け……って
私は何を期待していたんだろう？

物足りないと思う時点で、
何かは期待しちゃってたってことだよね……
うーん。

「気遣いに感謝する。
　だが俺は……本当に大丈夫だ」

「…………」
こういう人って、なんて言ってあげれば
ちゃんと休むんだろ？