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1.crime
1.crime_03
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園田と話すようになって、さらに一週間。
今のところは、校内で会話する程度の関係が続いている。
他に話す相手もいないので、気が付いたら園田の姿を目で追うようになった。
元々の印象通り、社交的。誰とでも分け隔てなく喋り、同じように笑顔を向ける。
だが、その裏側を垣間見たためか、ふと気づいてしまった。
園田の社交性は、一種の壁なのだと。
誰に対しても同じように、心を許していない。そんな風に見え始めていた。
「園田のそれって、猫被りなのか?」
昼休み。二人きりで話せるタイミングを見計らい、そんなことを聞いた。
俺達は適当な空き教室で食事をするようになっていた。たまたま誰もいない場所を見つけ、勝手に使っている。
俺はコンビニで買ったパン。園田は弁当。なんと自分で作っているらしい。マメなのか、飲み物なんか水筒を持参している。
「猫かぶりって……そんな風に見えるの?」
「いや、なんとなく」
「えー、やだなぁ。そういうとこ似たくないのに」
「誰に」
「姉」
さらりと言う。が、明らかに空気が変わった。室内の気温が体感二度ほど下がった気がする。
園田との会話の中には、たびたび兄と姉が出てくる。
兄のことは楽しげに話すが、姉のことは、たまにポロリと出てくる程度。詳しく語ることもなく、俺も踏み込んだことはない。
ただ、察しはついていた。身内にいたという『頭がおかしいの』が姉なのだろうと。
猫かぶりから姉を連想している時点で、良い印象を持っていないことがわかる。
「猫かぶってるつもりはないけど、警戒……してるのかも」
「警戒?」
「木を隠すなら森の中って言うじゃん。自分が森に紛れてる自覚があるから、他にもいるかも……って思う」
「紛れなきゃいいのに」
「だから今は紛れてないよ」
「ああ、そう」
「俺の態度、そんなわかりやすい? 変なぶりっ子みたいに見えてたりしない?」
「そこまでは……多分俺しか感じてねぇよ」
俺だって、ついこの間までは、こいつを普通の木だと思っていたんだ。何も知らないままだったら今もそう思っていただろう。
園田は心底ほっとしたように「なら良かった」と胸を撫で下ろし、水筒のコップに茶を注いで啜った。
猫かぶりなんて言ったが、人で態度を変えているようには見えていない。
ただ、空気が変わる。これをどう説明したらいいのか分からないが、そう感じるんだ。
「そういえば、立川っていつもコンビニ?」
「時間がない時だけ。普段はスーパー。安いから」
本当は死角が多いスーパーの方が盗りやすいので、できれば使いたくない……なんて言っていられないのが現実だ。
できるだけ監視カメラの死角が少なくて手狭なスーパーを選ぶなんてこと、俺くらいしかしないんだろうな。
「立川、ほぼ一人暮らしなんだっけ」
「ああ」
「一人だと自炊の方が高くついたりするもんね」
俺の保護者は親戚――叔父夫婦だが、今は一緒に住んでいない。叔父がワンルームを借りて、そのまま俺に使わせてくれている。
保護者になってくれた人のものは盗りたくないし、迷惑もかけたくないので、本当に有難い。
家賃も払ってくれて、生活費まで貰っている。いつか絶対返さなければならない恩だ。
「節約したいとは思うけど、難しいんだよな」
家事全般、元々経験などなく苦手というのも勿論ある。だが、それだけではない。
俺にとって一番簡単な節約は万引きだ。息をするようにできるのだから。
しかしそれでは本末転倒。あまり節約を意識しすぎても、自分の首を絞めていく。考えるだけで頭が痛い問題だった。
「材料費くれたら俺作るけど、どう?」
「えっ?」
思わず声のトーンが上がってしまった。
園田は「そんな驚く?」ときょとんとしている。
「手間そんな変わんないし。バイトある時は無理だけど」
「い、いや……さすがに悪いっていうか……」
「友達料みたいな扱いでもいいよ?」
「それ俺の性格が悪いみたいじゃねーか」
「あはは、ごめんごめん。冗談」
断る雰囲気にしてしまったが、正直この上なく魅力的な提案だった。
買い物に行く。生きるために必要不可欠なことだが、俺にとっては大きいストレスでもある。
減らせるなら、どれだけ楽になることか。
でも、さすがにそこまで甘えるわけには……ただのクラスメイトなのに……。
「友達料は冗談だけどさ。立川と話せるの、けっこう助かってるから。助け合いになればいいなーとは思った」
「助けるようなことした覚え、ねーけど」
「森から離れてゆっくりできてる」
「それは……」
それは、たぶん、俺も同じだ。
断る理由を考えるが、思い浮かばない。この提案で俺にデメリットがない。
ノーリスク、ハイリターン。それなのに受け入れたくないと思っているのは、俺に都合がよすぎて怖いからだろうか。
その恐怖も、いつ罪を犯すか分からない現実的恐怖に比べたら、とても小さい。
ごくりと生唾を呑む。
「まー自分で言っといてアレだけど、さすがに手作り弁当は重いか。やっぱ今のはナ……」
「あ、の……」
ひねり出した声は震えていて、妙な気恥しさに襲われる。
今俺の顔は赤いのか、青いのか、まったくわからない。
「頼んでも、いいか……?」
ああ、人を頼るってのは、こんなに難しいのか。
園田の顔なんか直視できるはずもなく、返事のない時間がひたすら長く感じた。
ただ驚かれているだけなのは分かっていても、長かった。
「え……あっ、う、うん! もちろんいいよ! じゃあ明日……は今日バイトだからダメか。来週からで」
「助かる」
「あ、そうだ」
ぱちんと手を叩く音に、心臓が飛び出るかというほど驚いてしまう。
遅れて声のトーンが明るかったことを理解し、ようやく園田の顔を見る。いつものように笑っていた。
「弁当箱だけは用意して欲しいんだけど」
弁当箱……?
「あー……持ってないな。買わないと」
考えたことがなかった。どこで買えるのだろうか。
「園田、どこで買った?」
「地元にあるショッピングモールだけど。実家から持ってきたから」
ショッピングモール。大敵である。できれば近寄りたくもない。
「通販は小物買うと高いしな。ホムセンとかにもありそうだけど、あそこもなぁ……。雑貨屋、とか」
「弁当箱、そんなハードル高い?」
困惑され、思わず息を飲む。それはそうだ。買い物にここまで気を遣うことなんて普通ない。
だが、俺にとっては大事だ。避けられないなら行くが、避けられるなら避けたい。
できるだけ欲しくならないものを売っている店に行かないと、高確率で何かしら盗ってきてしまう。
こんな悩みが園田に分かるはずもなく、どうしたのだと首を傾げられた。
弁当箱ごと園田に任せるという選択肢も思い浮かんだが、さすがに厚かましすぎやしないだろうか。
「よくわかんないけど、買いに行くならついてっていい? 受け取らないと、月曜使えないし」
「えっ」
「なんか都合悪かった……?」
「そ、れは……ちょっと……」
血の気が引いていく。
園田は俺の悪癖を知らない。親の服役は知っているだろうが、そこまでのはずだ。噂の罪状は尾ひれがついて、めちゃくちゃになっている。窃盗と特定はできないだろう。
知られたくはない。
話す程度の仲だが、失いたいわけじゃない。
今の関係は、校内に留まっているからこそ、成り立っているんだ。
学校という場所であれば、俺の悪癖は多少鳴りを潜める。
スリル目的ではないので、自分で持っている勉強道具を他人から盗ることはない。特進科に進んだおかけで、ゲーム機のような娯楽用品を持参する人間もいない。気をつけるべきは財布とスマホくらいになる。元々貴重品類はよほど盗らない。大問題になるので、潜在意識から避けているんだろう。
それが外……しかも買い物に行くとなると、当然まったく違ってくる。どうなることか。想像するのも恐ろしい。
「べ、弁当箱なんて探しゃ見つかるよな。今日探して、明日渡すからさ」
「そう? ならそれで」
とくに詮索されることなく同意され、ほっとする。
園田はこういうところで深入りしてこない。この距離感が心底有難い。
「二つあるといいよ。ローテーションして使うと、洗うの後回しにできるから」
「ああ、わかった」
そんな返事をしながら、どうやって自分の手を止めようか、そればかり考えた。
今のところは、校内で会話する程度の関係が続いている。
他に話す相手もいないので、気が付いたら園田の姿を目で追うようになった。
元々の印象通り、社交的。誰とでも分け隔てなく喋り、同じように笑顔を向ける。
だが、その裏側を垣間見たためか、ふと気づいてしまった。
園田の社交性は、一種の壁なのだと。
誰に対しても同じように、心を許していない。そんな風に見え始めていた。
「園田のそれって、猫被りなのか?」
昼休み。二人きりで話せるタイミングを見計らい、そんなことを聞いた。
俺達は適当な空き教室で食事をするようになっていた。たまたま誰もいない場所を見つけ、勝手に使っている。
俺はコンビニで買ったパン。園田は弁当。なんと自分で作っているらしい。マメなのか、飲み物なんか水筒を持参している。
「猫かぶりって……そんな風に見えるの?」
「いや、なんとなく」
「えー、やだなぁ。そういうとこ似たくないのに」
「誰に」
「姉」
さらりと言う。が、明らかに空気が変わった。室内の気温が体感二度ほど下がった気がする。
園田との会話の中には、たびたび兄と姉が出てくる。
兄のことは楽しげに話すが、姉のことは、たまにポロリと出てくる程度。詳しく語ることもなく、俺も踏み込んだことはない。
ただ、察しはついていた。身内にいたという『頭がおかしいの』が姉なのだろうと。
猫かぶりから姉を連想している時点で、良い印象を持っていないことがわかる。
「猫かぶってるつもりはないけど、警戒……してるのかも」
「警戒?」
「木を隠すなら森の中って言うじゃん。自分が森に紛れてる自覚があるから、他にもいるかも……って思う」
「紛れなきゃいいのに」
「だから今は紛れてないよ」
「ああ、そう」
「俺の態度、そんなわかりやすい? 変なぶりっ子みたいに見えてたりしない?」
「そこまでは……多分俺しか感じてねぇよ」
俺だって、ついこの間までは、こいつを普通の木だと思っていたんだ。何も知らないままだったら今もそう思っていただろう。
園田は心底ほっとしたように「なら良かった」と胸を撫で下ろし、水筒のコップに茶を注いで啜った。
猫かぶりなんて言ったが、人で態度を変えているようには見えていない。
ただ、空気が変わる。これをどう説明したらいいのか分からないが、そう感じるんだ。
「そういえば、立川っていつもコンビニ?」
「時間がない時だけ。普段はスーパー。安いから」
本当は死角が多いスーパーの方が盗りやすいので、できれば使いたくない……なんて言っていられないのが現実だ。
できるだけ監視カメラの死角が少なくて手狭なスーパーを選ぶなんてこと、俺くらいしかしないんだろうな。
「立川、ほぼ一人暮らしなんだっけ」
「ああ」
「一人だと自炊の方が高くついたりするもんね」
俺の保護者は親戚――叔父夫婦だが、今は一緒に住んでいない。叔父がワンルームを借りて、そのまま俺に使わせてくれている。
保護者になってくれた人のものは盗りたくないし、迷惑もかけたくないので、本当に有難い。
家賃も払ってくれて、生活費まで貰っている。いつか絶対返さなければならない恩だ。
「節約したいとは思うけど、難しいんだよな」
家事全般、元々経験などなく苦手というのも勿論ある。だが、それだけではない。
俺にとって一番簡単な節約は万引きだ。息をするようにできるのだから。
しかしそれでは本末転倒。あまり節約を意識しすぎても、自分の首を絞めていく。考えるだけで頭が痛い問題だった。
「材料費くれたら俺作るけど、どう?」
「えっ?」
思わず声のトーンが上がってしまった。
園田は「そんな驚く?」ときょとんとしている。
「手間そんな変わんないし。バイトある時は無理だけど」
「い、いや……さすがに悪いっていうか……」
「友達料みたいな扱いでもいいよ?」
「それ俺の性格が悪いみたいじゃねーか」
「あはは、ごめんごめん。冗談」
断る雰囲気にしてしまったが、正直この上なく魅力的な提案だった。
買い物に行く。生きるために必要不可欠なことだが、俺にとっては大きいストレスでもある。
減らせるなら、どれだけ楽になることか。
でも、さすがにそこまで甘えるわけには……ただのクラスメイトなのに……。
「友達料は冗談だけどさ。立川と話せるの、けっこう助かってるから。助け合いになればいいなーとは思った」
「助けるようなことした覚え、ねーけど」
「森から離れてゆっくりできてる」
「それは……」
それは、たぶん、俺も同じだ。
断る理由を考えるが、思い浮かばない。この提案で俺にデメリットがない。
ノーリスク、ハイリターン。それなのに受け入れたくないと思っているのは、俺に都合がよすぎて怖いからだろうか。
その恐怖も、いつ罪を犯すか分からない現実的恐怖に比べたら、とても小さい。
ごくりと生唾を呑む。
「まー自分で言っといてアレだけど、さすがに手作り弁当は重いか。やっぱ今のはナ……」
「あ、の……」
ひねり出した声は震えていて、妙な気恥しさに襲われる。
今俺の顔は赤いのか、青いのか、まったくわからない。
「頼んでも、いいか……?」
ああ、人を頼るってのは、こんなに難しいのか。
園田の顔なんか直視できるはずもなく、返事のない時間がひたすら長く感じた。
ただ驚かれているだけなのは分かっていても、長かった。
「え……あっ、う、うん! もちろんいいよ! じゃあ明日……は今日バイトだからダメか。来週からで」
「助かる」
「あ、そうだ」
ぱちんと手を叩く音に、心臓が飛び出るかというほど驚いてしまう。
遅れて声のトーンが明るかったことを理解し、ようやく園田の顔を見る。いつものように笑っていた。
「弁当箱だけは用意して欲しいんだけど」
弁当箱……?
「あー……持ってないな。買わないと」
考えたことがなかった。どこで買えるのだろうか。
「園田、どこで買った?」
「地元にあるショッピングモールだけど。実家から持ってきたから」
ショッピングモール。大敵である。できれば近寄りたくもない。
「通販は小物買うと高いしな。ホムセンとかにもありそうだけど、あそこもなぁ……。雑貨屋、とか」
「弁当箱、そんなハードル高い?」
困惑され、思わず息を飲む。それはそうだ。買い物にここまで気を遣うことなんて普通ない。
だが、俺にとっては大事だ。避けられないなら行くが、避けられるなら避けたい。
できるだけ欲しくならないものを売っている店に行かないと、高確率で何かしら盗ってきてしまう。
こんな悩みが園田に分かるはずもなく、どうしたのだと首を傾げられた。
弁当箱ごと園田に任せるという選択肢も思い浮かんだが、さすがに厚かましすぎやしないだろうか。
「よくわかんないけど、買いに行くならついてっていい? 受け取らないと、月曜使えないし」
「えっ」
「なんか都合悪かった……?」
「そ、れは……ちょっと……」
血の気が引いていく。
園田は俺の悪癖を知らない。親の服役は知っているだろうが、そこまでのはずだ。噂の罪状は尾ひれがついて、めちゃくちゃになっている。窃盗と特定はできないだろう。
知られたくはない。
話す程度の仲だが、失いたいわけじゃない。
今の関係は、校内に留まっているからこそ、成り立っているんだ。
学校という場所であれば、俺の悪癖は多少鳴りを潜める。
スリル目的ではないので、自分で持っている勉強道具を他人から盗ることはない。特進科に進んだおかけで、ゲーム機のような娯楽用品を持参する人間もいない。気をつけるべきは財布とスマホくらいになる。元々貴重品類はよほど盗らない。大問題になるので、潜在意識から避けているんだろう。
それが外……しかも買い物に行くとなると、当然まったく違ってくる。どうなることか。想像するのも恐ろしい。
「べ、弁当箱なんて探しゃ見つかるよな。今日探して、明日渡すからさ」
「そう? ならそれで」
とくに詮索されることなく同意され、ほっとする。
園田はこういうところで深入りしてこない。この距離感が心底有難い。
「二つあるといいよ。ローテーションして使うと、洗うの後回しにできるから」
「ああ、わかった」
そんな返事をしながら、どうやって自分の手を止めようか、そればかり考えた。
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