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両国合同祝勝会 壱
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ジュージューと焼けるやき鳥、クルクルと回るたこ焼き、ジュワっと生地を焼くお好み焼き、そしてクツクツ煮えるおでん達よ……
くぅー!コレぞ屋台!
「おっし!こんなもんか!」
晋さんと俺が額に汗をかきながら準備するここは、クレッシェルド国側の屋台村。屋台の皆さんに協力してもらい、日本式の屋台を提供してもらう事にした今回の祝勝会。
いやもう……大変だった……!
今日は、朝早くに一般協力者やカワタ温泉スタッフや非戦闘員を総動員させて準備したよ……!
準備の為の食材はどうしたかって?
店舗召喚でニューマートだけ解放する事を、ディグラン様に事前許可もらってたんだ!だから単体でニューマートだけ呼び出し、食材集め班に買い物を頼む事が出来たんだ。
そして、食材調達は俺がもちろん指揮をとったぞ。だって全部回ってたら時間足りなくなるからなぁ。更に、ここで獣人スタッフ(AI搭載)も一人一人につけた。
何せ日本料理は食材も調味料も豊富だ。だから説明役がどうしても必要だと思ってたら、宮殿の執事さん曰く……
「召喚店舗のスタッフは召喚店舗内なら移動できます」
サラッとアドバイスをくれたんだ。店舗スタッフ移動は、宮殿を召喚しているなら可能って制約がつくらしい。
そして、召喚店舗に入れる事を伝えたら、クレッシェルド側屋台店主の皆さんの喜びようが凄かった。あと、カレッド殿下付きの料理人さんも。
自分の知らない料理を覚える事ができるって事で、俺達が依頼する屋台に我先に名乗り出てくれた屋台店主と料理人達。そして、料理人さん達だからこそ覚えが早いのも助かったわ。
昼過ぎあたりには、もう全員自分の持ち場の味をしっかり覚えたんだぜ?テスト屋台も行って、足りないもの、やりたい事の調整も行った。
あ、でもそこは晋さんにも頑張ってもらったんだ。晋さんは宮殿を入れる唯一のクレッシェルド側の人間。だから、ビッガーカメラ、ファッションパレス『Q』、ホームセンターへと行ったり来たりと忙しい。
仕方ないんだ。ここは他の獣人さん達が入ったら長くなるだろうからな……
「だー!終わらん!トオヤ!お前も来い!」
「うおっ?」
……途中からは、疲れて来た晋さんに俺も呼ばれて設営・裏方組に。アイテムボックスあるから大丈夫って、んなわけなかったわ。
走ったぜ……!ビッカーカメラとホームセンター内。
日本の料理の屋台って、クレッシェルド国より設備凄え必要なんだわ。あ、コレに関しては今は秘密だ。全貌はヴァレリー達が帰って来てからだな。
そしてーーー
「クリィ?なんだ?今忙しいんだって」
「おお!クリィ君!(相変わらず可愛い!)」
裏方をやっていた晋さんと俺を迎えに来た、カワタ温泉スタッフ。有無を言わさず連れて行かれ、俺と晋さんは風呂に担ぎこまれるという場面もあった。
そうこうしていると、伝令役の騎士が「討伐終了!死傷者無し!」と声高らかに宣言をし、会場は割れるような歓声でいっぱいになったんだ。……俺もホッとしたぜ。
「さあ、シン様とトオヤ様は今日の主催です。しっかり着飾って下さいね」
そして風呂上がりの俺達を待っていた、ダックスフンド獣人のクリィ君やチワワ獣人のピューリ君に着付けをされた俺と晋さん。ついでに、頭に何故か花を飾られた俺。
あ!晋さん狡い!なんで一本で済んでいるんだ?俺と同じになりやがれ!
って事で出来た、浴衣に花冠をつけた日本男子二人。何を好き好んでこんな花をつけねばならんのか……?
「シン様とトオヤ様もしっかり祝勝会の品の一つですから!」
力強く言い切ったいい表情のクリィ君。いやいや、ピューリくんも頷くなって。
「はぁ……仕方ない、トオヤ。俺達は、ここでは俺達人間はいい見せ物になるんだ。ここは一つ、男を見せて頑張ってきた団員達を迎えようぜ」
なんて晋さんに言われたら仕方ない……!開き直って、その格好で屋台の最終点検をしていたのが、さっき終わったんだ。
そして伝令役の騎士が「本陣営部隊、間もなく到着します!」って駆け込んできたのは、この直ぐ後。正にナイスタイミング!
気合いの入った晋さんは屋台でジュージュー作業している獣人達に振り向いて声を上げる。
「みんなー!そろそろだぞー!準備はいいかー?」
晋さんの掛け声にノリのいい屋台獣人達からうおおおお!と気合いの入った声が上がる。よっしゃ!じゃあ、俺も!
「おーし!じゃあ、始めるぞー!両国歓迎!合同祝勝会、開幕だーーー!」
「「「「「「「「「オオッ!!!」」」」」」」」」
◇
ーセレリオ国 副団長スタッグ視点ー
流石にドラゴンがそのまま入るマジックバックは、なかったからなぁ。少し解体していたら予定より遅くなってしまった……
フェザーラプラスでの移動の最中俺がそんな事を考えていると、前方で「うおお!」と叫ぶ団員達の声が聞こえて来た。
……?何かあったのか?
ヴァレリー騎士団長に目で合図をして先方へ急ぐと……そこにはなんとシン様とトオヤ様は二人、なんとも色っぽい服装をして迎えてくれていたじゃないか!
「あ!スタッグさん!お帰り!」
ヴァレリー団長より先に、トオヤ様の姿を見てしまった俺は焦った……!
「トオヤ様!しかもシン様まで、なんて格好をしているんですか⁉︎」
遠巻きに二人を囲んでいた両国の先頭部隊の団員を押し退けて、俺は思わず叫びながらトオヤ様達の側へ行くと……
「はい!スタッグさん!お疲れ様です!」
笑顔で花の首飾りを渡された俺。シン様もクレッシェルド国側の牙狼部隊の一人一人に花の首飾りを渡している。
……うわあ……!コレをあの二人が見たらなんて言うか……⁉︎
笑顔を振りまき俺達を労ってくれる二人の姿は眼福だけど、嫉妬深いあの二人が見たらと思うと正直ヒヤヒヤする。少し、団員達に空気読め目線を飛ばすものの、やはりあの姿のシン様トオヤ様には勝てない。
まあ、そうなると……
「トオヤ?何をしているんだ?」
「シン?その姿はなんだ?」
うわあ……!騒ぎを聞きつけて来たよ、あの二人。すかさずお互いの伴侶を抱き上げ隠す二人に、シン様とトオヤ様が焦って何やら耳打ちをしている。
頷いたヴァレリー団長が俺達の方に振り向いて、嬉しい事を教えてくれたんだ。
「ふむ……!喜べ!シン様の温泉施設に俺達も入れるぞ!先に汗を流して、疲れをとってほしい、と言う配慮だそうだ!」
おっとぉ!コレは嬉しい!
ヴァレリー団長の言葉に、俺と同じように喜びの雄叫びを上げるセレリオ国側とクレッシェルド国側の団員達。カレッド殿下は仕方ない、と言った態度でフンッと言いながら、シン様を抱いて温泉施設に入っていく。
「やった!気になってたんだよ!シン様の温泉!」
「トオヤ様のスパ・リゾートの温泉と違うのか?」
「こんなの滅多にある機会じゃないぞ?」
「今回の遠征、本当に豪華だぜ!」
「凄えんだぞ?シン様の温泉!」
「すっげえ広いんだ!」
両国の団員達の喜ぶ声に耳を傾けていたら、トオヤ様を連れたヴァレリー団長もいつの間にか居なくなっている。
「ったく……!羨ましいもんだ」
「ディグラン様、お疲れ様です。すみません、団長がディグラン様より先に行ってしまったようで……」
「ああ、気にするな。大方そうなるだろうと予想していたからな。皆も気にするな!今日は無礼講だ!思いっきり騒ぐがいい!」
男気溢れる王族のディグラン様の声に、歓喜の雄叫びが更に上がる。そして、トオヤ様達の代わりにカワタ温泉スタッフから、お疲れ様という言葉と花の首飾りを渡された団員達は、両国入り乱れて温泉施設へと入っていく。
「スタッグ?俺達も行くぞ?」
花の首飾りをかけて貰ったディグラン様が、俺を振り返って誘ってくれる。
「はい、行きますか!」
フェザーラプラスは地元協力住民達がきっちり世話をしてくれるみたいだし、両国の騎士達が一度に押しかけても大丈夫な程のシン様の温泉。
疲れなんか一挙に吹き飛ばす程の催しが、この後に控えているとはこの時の俺も予想は出来なかったんだよなあ……
ーーーーーーーーーー
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晋さんと俺が額に汗をかきながら準備するここは、クレッシェルド国側の屋台村。屋台の皆さんに協力してもらい、日本式の屋台を提供してもらう事にした今回の祝勝会。
いやもう……大変だった……!
今日は、朝早くに一般協力者やカワタ温泉スタッフや非戦闘員を総動員させて準備したよ……!
準備の為の食材はどうしたかって?
店舗召喚でニューマートだけ解放する事を、ディグラン様に事前許可もらってたんだ!だから単体でニューマートだけ呼び出し、食材集め班に買い物を頼む事が出来たんだ。
そして、食材調達は俺がもちろん指揮をとったぞ。だって全部回ってたら時間足りなくなるからなぁ。更に、ここで獣人スタッフ(AI搭載)も一人一人につけた。
何せ日本料理は食材も調味料も豊富だ。だから説明役がどうしても必要だと思ってたら、宮殿の執事さん曰く……
「召喚店舗のスタッフは召喚店舗内なら移動できます」
サラッとアドバイスをくれたんだ。店舗スタッフ移動は、宮殿を召喚しているなら可能って制約がつくらしい。
そして、召喚店舗に入れる事を伝えたら、クレッシェルド側屋台店主の皆さんの喜びようが凄かった。あと、カレッド殿下付きの料理人さんも。
自分の知らない料理を覚える事ができるって事で、俺達が依頼する屋台に我先に名乗り出てくれた屋台店主と料理人達。そして、料理人さん達だからこそ覚えが早いのも助かったわ。
昼過ぎあたりには、もう全員自分の持ち場の味をしっかり覚えたんだぜ?テスト屋台も行って、足りないもの、やりたい事の調整も行った。
あ、でもそこは晋さんにも頑張ってもらったんだ。晋さんは宮殿を入れる唯一のクレッシェルド側の人間。だから、ビッガーカメラ、ファッションパレス『Q』、ホームセンターへと行ったり来たりと忙しい。
仕方ないんだ。ここは他の獣人さん達が入ったら長くなるだろうからな……
「だー!終わらん!トオヤ!お前も来い!」
「うおっ?」
……途中からは、疲れて来た晋さんに俺も呼ばれて設営・裏方組に。アイテムボックスあるから大丈夫って、んなわけなかったわ。
走ったぜ……!ビッカーカメラとホームセンター内。
日本の料理の屋台って、クレッシェルド国より設備凄え必要なんだわ。あ、コレに関しては今は秘密だ。全貌はヴァレリー達が帰って来てからだな。
そしてーーー
「クリィ?なんだ?今忙しいんだって」
「おお!クリィ君!(相変わらず可愛い!)」
裏方をやっていた晋さんと俺を迎えに来た、カワタ温泉スタッフ。有無を言わさず連れて行かれ、俺と晋さんは風呂に担ぎこまれるという場面もあった。
そうこうしていると、伝令役の騎士が「討伐終了!死傷者無し!」と声高らかに宣言をし、会場は割れるような歓声でいっぱいになったんだ。……俺もホッとしたぜ。
「さあ、シン様とトオヤ様は今日の主催です。しっかり着飾って下さいね」
そして風呂上がりの俺達を待っていた、ダックスフンド獣人のクリィ君やチワワ獣人のピューリ君に着付けをされた俺と晋さん。ついでに、頭に何故か花を飾られた俺。
あ!晋さん狡い!なんで一本で済んでいるんだ?俺と同じになりやがれ!
って事で出来た、浴衣に花冠をつけた日本男子二人。何を好き好んでこんな花をつけねばならんのか……?
「シン様とトオヤ様もしっかり祝勝会の品の一つですから!」
力強く言い切ったいい表情のクリィ君。いやいや、ピューリくんも頷くなって。
「はぁ……仕方ない、トオヤ。俺達は、ここでは俺達人間はいい見せ物になるんだ。ここは一つ、男を見せて頑張ってきた団員達を迎えようぜ」
なんて晋さんに言われたら仕方ない……!開き直って、その格好で屋台の最終点検をしていたのが、さっき終わったんだ。
そして伝令役の騎士が「本陣営部隊、間もなく到着します!」って駆け込んできたのは、この直ぐ後。正にナイスタイミング!
気合いの入った晋さんは屋台でジュージュー作業している獣人達に振り向いて声を上げる。
「みんなー!そろそろだぞー!準備はいいかー?」
晋さんの掛け声にノリのいい屋台獣人達からうおおおお!と気合いの入った声が上がる。よっしゃ!じゃあ、俺も!
「おーし!じゃあ、始めるぞー!両国歓迎!合同祝勝会、開幕だーーー!」
「「「「「「「「「オオッ!!!」」」」」」」」」
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ーセレリオ国 副団長スタッグ視点ー
流石にドラゴンがそのまま入るマジックバックは、なかったからなぁ。少し解体していたら予定より遅くなってしまった……
フェザーラプラスでの移動の最中俺がそんな事を考えていると、前方で「うおお!」と叫ぶ団員達の声が聞こえて来た。
……?何かあったのか?
ヴァレリー騎士団長に目で合図をして先方へ急ぐと……そこにはなんとシン様とトオヤ様は二人、なんとも色っぽい服装をして迎えてくれていたじゃないか!
「あ!スタッグさん!お帰り!」
ヴァレリー団長より先に、トオヤ様の姿を見てしまった俺は焦った……!
「トオヤ様!しかもシン様まで、なんて格好をしているんですか⁉︎」
遠巻きに二人を囲んでいた両国の先頭部隊の団員を押し退けて、俺は思わず叫びながらトオヤ様達の側へ行くと……
「はい!スタッグさん!お疲れ様です!」
笑顔で花の首飾りを渡された俺。シン様もクレッシェルド国側の牙狼部隊の一人一人に花の首飾りを渡している。
……うわあ……!コレをあの二人が見たらなんて言うか……⁉︎
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まあ、そうなると……
「トオヤ?何をしているんだ?」
「シン?その姿はなんだ?」
うわあ……!騒ぎを聞きつけて来たよ、あの二人。すかさずお互いの伴侶を抱き上げ隠す二人に、シン様とトオヤ様が焦って何やら耳打ちをしている。
頷いたヴァレリー団長が俺達の方に振り向いて、嬉しい事を教えてくれたんだ。
「ふむ……!喜べ!シン様の温泉施設に俺達も入れるぞ!先に汗を流して、疲れをとってほしい、と言う配慮だそうだ!」
おっとぉ!コレは嬉しい!
ヴァレリー団長の言葉に、俺と同じように喜びの雄叫びを上げるセレリオ国側とクレッシェルド国側の団員達。カレッド殿下は仕方ない、と言った態度でフンッと言いながら、シン様を抱いて温泉施設に入っていく。
「やった!気になってたんだよ!シン様の温泉!」
「トオヤ様のスパ・リゾートの温泉と違うのか?」
「こんなの滅多にある機会じゃないぞ?」
「今回の遠征、本当に豪華だぜ!」
「凄えんだぞ?シン様の温泉!」
「すっげえ広いんだ!」
両国の団員達の喜ぶ声に耳を傾けていたら、トオヤ様を連れたヴァレリー団長もいつの間にか居なくなっている。
「ったく……!羨ましいもんだ」
「ディグラン様、お疲れ様です。すみません、団長がディグラン様より先に行ってしまったようで……」
「ああ、気にするな。大方そうなるだろうと予想していたからな。皆も気にするな!今日は無礼講だ!思いっきり騒ぐがいい!」
男気溢れる王族のディグラン様の声に、歓喜の雄叫びが更に上がる。そして、トオヤ様達の代わりにカワタ温泉スタッフから、お疲れ様という言葉と花の首飾りを渡された団員達は、両国入り乱れて温泉施設へと入っていく。
「スタッグ?俺達も行くぞ?」
花の首飾りをかけて貰ったディグラン様が、俺を振り返って誘ってくれる。
「はい、行きますか!」
フェザーラプラスは地元協力住民達がきっちり世話をしてくれるみたいだし、両国の騎士達が一度に押しかけても大丈夫な程のシン様の温泉。
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