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晋さんの『温泉』ギフト。
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会議終了後、俺のギフトとの今後のやり取りの事で、まずは晋さんのギフトを見せてもらう事になったんだ。
晋さんのギフトは現在、拠点の中心部分にあり、牙狼部隊だけじゃなくて、今だけ一般の人達にも解放しているらしい。
そして……
「シン様~!どうだった?」
「やっぱり駄目だったろ?」
「あー、うん。でも牙狼部隊は討伐功労者には招待で、みんなには物資供給で話しがついたよ~!」
「うおおお!やった!」
「シン様、ありがとう!」
「言ってみるもんだ!」
道ゆく人達や屋台から声がかかる度に、晋さんは笑顔で対応して行く。そう、現在、クレッシェルド国側の屋台ストリートを歩いていて、晋さんの拠点までそのまま徒歩で移動しているんだ。
だから晋さんと一緒にいると、屋台の店主さんから俺にまで声がかかるんだ。
「あちら側の転移者様かい?迷惑かけちまったね」
「なんとも凄い力だから、ちょっと拝見したかっただけなんだがなぁ」
「ま、駄目で元々だったけど」
カラカラと笑いながら、屋台から声がかかる事かかる事。ついでに俺の護衛でついている騎士さん達にも、気さくに話しかけては謝ってくれていたんだ。
あ、因みにヴァレリーはスタッグさんに連れられて仕事に戻っているぞ。
今、俺の護衛として一緒にいるのは、黒豹さんのサイルさんのチーム。メンバーは、サイルさんがリーダーで虎獣人さん、チーター獣人さん、ジャガー獣人さん、サーベルタイガー獣人さんの選りすぐりの人達。
あ、メンバーさんの名前一応聞いたけど……俺、見分けつかないから省略させて貰った。うう……不甲斐ない俺でごめん……!
そうそう、晋さんの護衛には、副団長の黒狼のイゲルさんがついている。カレッド様も忙しいみたいだしなぁ。
で、休日を楽しんでいる牙狼騎士団員さん達の姿もチラホラ見えるけど、住民さん達と距離感が近いんだ。犬科獣人さん達は基本的に従順だから、決まった事には何も言わないんだってさ。
「うちの国はみんなが近いからな。流石に一部貴族は気を使う奴らもいるけど、ここに居る獣人達は信頼出来る気が良い獣人ばっかりなんだ」
嬉しそうに俺に声をかける晋さんは、本当にクレッシェルド国に馴染んでいるようだ。コソっと、「さっきは困らせてごめんな」って俺にフォローもしてくるし。
俺は俺で、すれ違う犬科の獣人さん達に目が奪われっぱなし。
狐さんも狸さんもチラホラ見えるけど、一般協力者には犬獣人さんが多い多い。
セントバーナード獣人さんがお肉を焼いていたり、プードル獣人さんがジュースを売っていて、非番の狼獣人さん達が並んでいたり、シベリアンハスキー獣人さんが、でっかい深鍋でスープを作っていたりーーー
すっげえ、楽しすぎて俺は晋さんにハイテンションで接してしまった。晋さんも流石に苦笑してたけど……
「じゃあ、トオヤ君が俺のギフトんとこ来たらもっと喜ぶだろうなぁ」
ニヤっと笑って言う晋さんに連れられて、やっと着いたシンさんのギフト『温泉』は……
「え?何これ?天然温泉?いや、でもなんでここ一帯が湯気出てんの?」
そう、そこはまるで日本の温泉郷を思い出す様な幻想的な空間が展開されていたんだ。
一歩空間に入ると、温泉の独特な香り。でも獣人達は匂いがキツすぎると駄目だからほのかに薫るくらいに調整しているって晋さん言ってたけど。
「あっちは岩盤浴ゾーン、で所々にある小さなログハウスはサウナ小屋で反対側は砂風呂ゾーンだな」
歩きながら教えてくれる晋さんの指の先には、服を着たまま楽しむ獣人さん達の姿がある。うはぁ、みんな毛がぺったりしているけど、尻尾が揺れて気持ち良さそう……!
「トオヤ君。それよりほら、前見て」
周りに目が奪われてなかなか進まない俺に苦笑しながら、晋さんが教えてくれたのは……
「うわぁ!江戸時代のセットみたいだ!」
「だろ?ここは温泉商店街なんだ。ほら呼び込みも凄いだろ?」
そうなんだ、さっきから晋さんまで呼び込まれているんだぜ。でもさ、ここでも俺を悶えさせるものが……!
「いらっしゃいませ~!当店自慢のお饅頭はいかがですか~?」
「みたらし団子追加入ったよー!」
「温泉卵はどうだい!美味いよ!」
「温泉煎餅は焼きたてだよー!」
「温泉水を使ったお粥だよー!湯上がりにどうぞー」
「風呂上がりにはやっぱり焼酎!温泉水を使った地ビールもあるぞー!」
まあ賑やか賑やか!しかも、みんな着物着てんだぜ!歩いている獣人さん達も浴衣着てるし。
ああ、お饅頭を売る着物を着たボーダーコリーの獣人さんのかわいさよ……!うおお!あっちではビーグルの獣人さんが袴姿でお団子売ってる……!ブルドック獣人さんの煎餅美味そう……!
ぬあっ!柴犬獣人さんの着物姿似合いすぎ!あー、ダルメシアンの獣人さんがお酒売ってるのかぁ、なんか似合う!
思わず晋さんの腕を掴んで「ここは桃源郷ですか……?」と尋ねる俺に笑い出す晋さん。俺の後ろの騎士さん達も苦笑い。
「あはははは!トオヤ君本当に獣人が好きなんだね。俺でさえ未だに違和感を覚えるってのに」
「ん?晋さん転移して来たのいつですか?」
「俺?んー高校生の時に来たからなぁ。十二年前か?」
「え?10年前じゃなくて?」
「10年前はセレリオ国の方だろ?春輝(ハルキ)さんにまだあってねえの?」
「あ、俺ずっと宮殿にいたからなぁ……」
「まあ、最初の頃の転移者は、ずっとマーキングされまくるからなぁ……」
晋さんも覚えがあるのか「ああ……うん」とわかってくれた。カレッド様もヴァレリーと同じだったのかな?
あ、それで、晋さんと春輝さんとは親戚らしく、お互いの情報を聞いた時にカレッド様に頼み混んで、晋さん自らセレリオ国まで会いに行ったんだって。
で、互いに情報交換をして、今では、手紙で連絡をとっているらしい。
「へえ~、晋さんの親戚とは、世の中狭いね。つか、転移者って日本人が多いの?」
「日本人比率は高いらしいよ。でも他の国や世界からもくるんだって。その中で1番人気が高いのが日本人って言ってたかな?あ、ほら着いた。ここが俺の温泉施設」
話して歩いていたら、いつのまにか目の前に立派なお屋敷の入り口があったんだ。入り口の暖簾に『湯』ってついているのを見ると、温泉情緒溢れる感じでなんだか懐かしいと思ってしまう。
「お帰りなさいませ!晋様!お客様ですか?」
受付から歩いて来たのは、なんとダックスフンド獣人さん。番台法被も来ていて、なんて可愛い!
「ああ、ちょっと特別なお客様だけど、俺が案内するからクリィはそのままで良いよ」
「畏まりました。では皆さんのスリッパだけご用意致しますね」
「うん、頼む」
ちょこちょこ動く小型獣人さんに、俺はまた「ぐう」と胸を押さえて悶えてしまう。やばい……!此処は俺を殺しに来ている……!
「晋様?お客様は何か具合が悪いのでは?」
「あー、良いんだ。持病だから、そのうち治まるだろ」
晋さんが慣れた手つきで、ウチの騎士さん達にスリッパの説明をしてくれるのは良いけど、ちょっとは俺も構ってくれ……!
すると、放って置かれた俺の下に、奥から出て来たチワワ獣人さんやポメラニアン獣人さんが心配して水や濡れたタオル持って来てくれるんだぜ?
「お水です!」
「冷やされますか?」
俺は天を仰いだ……!なんて尊い……!
くうっ、と阿保声を出す俺を心配してくれる小型獣人さん達の様子を見て、「あー、やっぱり」と予測済みの晋さん。
大丈夫だから、と奥に戻るようにスタッフ獣人さん達の背中を押し、結局晋さんが俺の手を引っ張って連れて行ってくれた内部は……
「源泉掛け流し、壺、樽、釜風呂完備……!打たせ湯、座り湯、足湯、寝湯の種類があるだけじゃなく、大浴場は3種類に、洞窟風呂まであるとは……!」
館内案内板に表示されている風呂の種類だけじゃなく、リラックスルーム(仮眠用エナジー○ット、マッサージチェア、ドリンクバー完備)と、更に!漫画喫茶まであるんだぞ!
十分娯楽あるじゃねえか!と思った俺は悪くないと思う。……で、結局風呂に入ったかって?
「ヴァレリーがさあ、怒るんだよ。肌出すなって」
「あ、わかるわ。カレッドも同じこと言うんだ。で、俺のギフトだけど貸し切りにしないと全部の風呂入れねえの」
「あ、俺も俺も。ウォーターパーク行きたいけど行けないんだ。一人で行ってもちょっとつまらないし」
「あーうん。だよなぁ。番って大事にされるけど、結構縛りあるよなぁ」
「わかる!けどさ、体全体で求愛されると絆されるんだよ……」
「より、わかるわ……!」
なんて漫画喫茶でまったりしながら、ゆるーい会話を晋さんとしてた俺。
もはやお互い敬語は取れて、転移者あるある話で盛り上がっていたら、時間あっっと言う前に過ぎちゃってさ。ヴァレリーが心配して迎えに来てくれるまでお世話になったよ。
因みに俺の護衛騎士の皆さんと牙狼部隊副団長のイゲルさんは、まったりお風呂を楽しんだんだ。晋さんのギフトもセキュリティバッチリだったからさ。
帰り際「また来させてな!」「ああ、そっちにも行くからな!」と俺と晋さんが握手していたら、それを見ていた騎士さん達が何かに気付いたらしい。
そしてその日以降、牙狼部隊とウチの部隊で、晋さんと俺の護衛の権利をめぐって、毎日白熱したくじ引きがされるようになったらしいのは、余談である。
ーーーーーーーーー
はい!宣伝です!
お気に入りに登録数1490超えに作者より感謝の気持ちから、お題リクエストをお待ちしております。
見たい話、気になる話、見てみたい召喚店舗等ありましたら、感想欄にリクエスト頂けたら嬉しいです!
ん?リクエストがなかったらって?
………泣ける……!!
けど、何かしらでお題見つけて描きたいと思います!
一つでもリクエストあったら良いな。因みに受付は明日いっぱいまでです。
晋さんのギフトは現在、拠点の中心部分にあり、牙狼部隊だけじゃなくて、今だけ一般の人達にも解放しているらしい。
そして……
「シン様~!どうだった?」
「やっぱり駄目だったろ?」
「あー、うん。でも牙狼部隊は討伐功労者には招待で、みんなには物資供給で話しがついたよ~!」
「うおおお!やった!」
「シン様、ありがとう!」
「言ってみるもんだ!」
道ゆく人達や屋台から声がかかる度に、晋さんは笑顔で対応して行く。そう、現在、クレッシェルド国側の屋台ストリートを歩いていて、晋さんの拠点までそのまま徒歩で移動しているんだ。
だから晋さんと一緒にいると、屋台の店主さんから俺にまで声がかかるんだ。
「あちら側の転移者様かい?迷惑かけちまったね」
「なんとも凄い力だから、ちょっと拝見したかっただけなんだがなぁ」
「ま、駄目で元々だったけど」
カラカラと笑いながら、屋台から声がかかる事かかる事。ついでに俺の護衛でついている騎士さん達にも、気さくに話しかけては謝ってくれていたんだ。
あ、因みにヴァレリーはスタッグさんに連れられて仕事に戻っているぞ。
今、俺の護衛として一緒にいるのは、黒豹さんのサイルさんのチーム。メンバーは、サイルさんがリーダーで虎獣人さん、チーター獣人さん、ジャガー獣人さん、サーベルタイガー獣人さんの選りすぐりの人達。
あ、メンバーさんの名前一応聞いたけど……俺、見分けつかないから省略させて貰った。うう……不甲斐ない俺でごめん……!
そうそう、晋さんの護衛には、副団長の黒狼のイゲルさんがついている。カレッド様も忙しいみたいだしなぁ。
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「うちの国はみんなが近いからな。流石に一部貴族は気を使う奴らもいるけど、ここに居る獣人達は信頼出来る気が良い獣人ばっかりなんだ」
嬉しそうに俺に声をかける晋さんは、本当にクレッシェルド国に馴染んでいるようだ。コソっと、「さっきは困らせてごめんな」って俺にフォローもしてくるし。
俺は俺で、すれ違う犬科の獣人さん達に目が奪われっぱなし。
狐さんも狸さんもチラホラ見えるけど、一般協力者には犬獣人さんが多い多い。
セントバーナード獣人さんがお肉を焼いていたり、プードル獣人さんがジュースを売っていて、非番の狼獣人さん達が並んでいたり、シベリアンハスキー獣人さんが、でっかい深鍋でスープを作っていたりーーー
すっげえ、楽しすぎて俺は晋さんにハイテンションで接してしまった。晋さんも流石に苦笑してたけど……
「じゃあ、トオヤ君が俺のギフトんとこ来たらもっと喜ぶだろうなぁ」
ニヤっと笑って言う晋さんに連れられて、やっと着いたシンさんのギフト『温泉』は……
「え?何これ?天然温泉?いや、でもなんでここ一帯が湯気出てんの?」
そう、そこはまるで日本の温泉郷を思い出す様な幻想的な空間が展開されていたんだ。
一歩空間に入ると、温泉の独特な香り。でも獣人達は匂いがキツすぎると駄目だからほのかに薫るくらいに調整しているって晋さん言ってたけど。
「あっちは岩盤浴ゾーン、で所々にある小さなログハウスはサウナ小屋で反対側は砂風呂ゾーンだな」
歩きながら教えてくれる晋さんの指の先には、服を着たまま楽しむ獣人さん達の姿がある。うはぁ、みんな毛がぺったりしているけど、尻尾が揺れて気持ち良さそう……!
「トオヤ君。それよりほら、前見て」
周りに目が奪われてなかなか進まない俺に苦笑しながら、晋さんが教えてくれたのは……
「うわぁ!江戸時代のセットみたいだ!」
「だろ?ここは温泉商店街なんだ。ほら呼び込みも凄いだろ?」
そうなんだ、さっきから晋さんまで呼び込まれているんだぜ。でもさ、ここでも俺を悶えさせるものが……!
「いらっしゃいませ~!当店自慢のお饅頭はいかがですか~?」
「みたらし団子追加入ったよー!」
「温泉卵はどうだい!美味いよ!」
「温泉煎餅は焼きたてだよー!」
「温泉水を使ったお粥だよー!湯上がりにどうぞー」
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ああ、お饅頭を売る着物を着たボーダーコリーの獣人さんのかわいさよ……!うおお!あっちではビーグルの獣人さんが袴姿でお団子売ってる……!ブルドック獣人さんの煎餅美味そう……!
ぬあっ!柴犬獣人さんの着物姿似合いすぎ!あー、ダルメシアンの獣人さんがお酒売ってるのかぁ、なんか似合う!
思わず晋さんの腕を掴んで「ここは桃源郷ですか……?」と尋ねる俺に笑い出す晋さん。俺の後ろの騎士さん達も苦笑い。
「あはははは!トオヤ君本当に獣人が好きなんだね。俺でさえ未だに違和感を覚えるってのに」
「ん?晋さん転移して来たのいつですか?」
「俺?んー高校生の時に来たからなぁ。十二年前か?」
「え?10年前じゃなくて?」
「10年前はセレリオ国の方だろ?春輝(ハルキ)さんにまだあってねえの?」
「あ、俺ずっと宮殿にいたからなぁ……」
「まあ、最初の頃の転移者は、ずっとマーキングされまくるからなぁ……」
晋さんも覚えがあるのか「ああ……うん」とわかってくれた。カレッド様もヴァレリーと同じだったのかな?
あ、それで、晋さんと春輝さんとは親戚らしく、お互いの情報を聞いた時にカレッド様に頼み混んで、晋さん自らセレリオ国まで会いに行ったんだって。
で、互いに情報交換をして、今では、手紙で連絡をとっているらしい。
「へえ~、晋さんの親戚とは、世の中狭いね。つか、転移者って日本人が多いの?」
「日本人比率は高いらしいよ。でも他の国や世界からもくるんだって。その中で1番人気が高いのが日本人って言ってたかな?あ、ほら着いた。ここが俺の温泉施設」
話して歩いていたら、いつのまにか目の前に立派なお屋敷の入り口があったんだ。入り口の暖簾に『湯』ってついているのを見ると、温泉情緒溢れる感じでなんだか懐かしいと思ってしまう。
「お帰りなさいませ!晋様!お客様ですか?」
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「ああ、ちょっと特別なお客様だけど、俺が案内するからクリィはそのままで良いよ」
「畏まりました。では皆さんのスリッパだけご用意致しますね」
「うん、頼む」
ちょこちょこ動く小型獣人さんに、俺はまた「ぐう」と胸を押さえて悶えてしまう。やばい……!此処は俺を殺しに来ている……!
「晋様?お客様は何か具合が悪いのでは?」
「あー、良いんだ。持病だから、そのうち治まるだろ」
晋さんが慣れた手つきで、ウチの騎士さん達にスリッパの説明をしてくれるのは良いけど、ちょっとは俺も構ってくれ……!
すると、放って置かれた俺の下に、奥から出て来たチワワ獣人さんやポメラニアン獣人さんが心配して水や濡れたタオル持って来てくれるんだぜ?
「お水です!」
「冷やされますか?」
俺は天を仰いだ……!なんて尊い……!
くうっ、と阿保声を出す俺を心配してくれる小型獣人さん達の様子を見て、「あー、やっぱり」と予測済みの晋さん。
大丈夫だから、と奥に戻るようにスタッフ獣人さん達の背中を押し、結局晋さんが俺の手を引っ張って連れて行ってくれた内部は……
「源泉掛け流し、壺、樽、釜風呂完備……!打たせ湯、座り湯、足湯、寝湯の種類があるだけじゃなく、大浴場は3種類に、洞窟風呂まであるとは……!」
館内案内板に表示されている風呂の種類だけじゃなく、リラックスルーム(仮眠用エナジー○ット、マッサージチェア、ドリンクバー完備)と、更に!漫画喫茶まであるんだぞ!
十分娯楽あるじゃねえか!と思った俺は悪くないと思う。……で、結局風呂に入ったかって?
「ヴァレリーがさあ、怒るんだよ。肌出すなって」
「あ、わかるわ。カレッドも同じこと言うんだ。で、俺のギフトだけど貸し切りにしないと全部の風呂入れねえの」
「あ、俺も俺も。ウォーターパーク行きたいけど行けないんだ。一人で行ってもちょっとつまらないし」
「あーうん。だよなぁ。番って大事にされるけど、結構縛りあるよなぁ」
「わかる!けどさ、体全体で求愛されると絆されるんだよ……」
「より、わかるわ……!」
なんて漫画喫茶でまったりしながら、ゆるーい会話を晋さんとしてた俺。
もはやお互い敬語は取れて、転移者あるある話で盛り上がっていたら、時間あっっと言う前に過ぎちゃってさ。ヴァレリーが心配して迎えに来てくれるまでお世話になったよ。
因みに俺の護衛騎士の皆さんと牙狼部隊副団長のイゲルさんは、まったりお風呂を楽しんだんだ。晋さんのギフトもセキュリティバッチリだったからさ。
帰り際「また来させてな!」「ああ、そっちにも行くからな!」と俺と晋さんが握手していたら、それを見ていた騎士さん達が何かに気付いたらしい。
そしてその日以降、牙狼部隊とウチの部隊で、晋さんと俺の護衛の権利をめぐって、毎日白熱したくじ引きがされるようになったらしいのは、余談である。
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はい!宣伝です!
お気に入りに登録数1490超えに作者より感謝の気持ちから、お題リクエストをお待ちしております。
見たい話、気になる話、見てみたい召喚店舗等ありましたら、感想欄にリクエスト頂けたら嬉しいです!
ん?リクエストがなかったらって?
………泣ける……!!
けど、何かしらでお題見つけて描きたいと思います!
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