転移したら獣人国からお迎えが来ました

白葉

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番限定露天コース 前編*

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 「こちらが番限定露天風呂コースのお部屋となっております」

 スタッフさんがカチャっとドアを開けてくれた先には、落ち着いた雰囲気のリビング、その隣にはムーディーな雰囲気のキングベッドのような大きな施術台が一つ、その向こうにはガラスで仕切られた露天風呂とサウナがあったんだ。

 「おおー!すっげー、綺麗!」

 「うむ、なかなかいいな」

 俺もヴァレリーも納得の部屋で、各種施術道具や高級そうなブラシや獣人用スチームアイロンまであったんだ。

 それに目立つようにリビングテーブルには、ウェルカムドリンクが置いているが……

 「あの?これ一つですか?それに一人分にしては多い気がするんですけど?」

 もう一つないの?と思って聞いた俺に、にっこりと笑ってスッとカップルストローを置くスタッフさん。

 「こちらはお二人でお飲み頂くドリンクでございます。そして、施術は番同士でお互いに行う趣向になっております。
 やり方は、こちらの冊子をご覧になりながら行って頂きます。勿論、当方で用意した道具は簡単且つ高性能ですので、ご安心下さいませ。
 では、心ゆくまでお互いの絆をお確かめ下さいませ」

 ぺこりと一礼をして、パタンとドアを閉めて退室していったスタッフさん。そうなると、ムーディーなクラシック音楽が流れる中二人っきりになる訳で……

 「んっ、………ん、はっ、……ん……」

 クチュクチュと舌を合わせてキスをし出す俺達。つか、二人になった途端、ヴァレリーが俺を抱きしめて、顔を舐め出すんだもんなぁ。どうしてもそういう流れになるんだけどさぁ……

 「んっ、ヴァルっ!ちょっとっ……んっ……待って!」

 「何故だ?ここは愛を深め合う場所だろう?」

 「うん、だけど……!ちょっと手順通りに、あっ!コラっ、まだダメだって!」

 ヴァルの不埒な手は俺の尻を掴み、いやらしく揉みほぐしてくる。俺はそれだけで準備万端になっちゃう体だっつーのに!

 「折角だから、ちゃんとこのコース味わおうって!」

 「俺はトオヤを味わえればそれでいいが?」

 「俺は、嫌、なの!そんなの、いつもの部屋とっ、変わんないじゃん」

 「……まあな」

 お、ヴァレリーが動いた!おし、ここはこの冊子の表紙の言葉を借りようじゃないか……!

 「ヴァル?ヴァルの手で、俺をもっと魅力的にして……ね?」

 ヴァレリーに抱きついて顔をすりすりさせながらの、俺の精一杯の甘えた声を出す。

 ………うおおおお、正気になると寒気がして来た……!いかん!自分に負けるな、俺!次こそが俺の本懐!

 「俺にも……ヴァルをもっとかっこよくさせて、欲しい……な?」

 至近距離、更に上目使いでヴァルを見つめる……!

 どうだ!ヴァレリー!というか、これで落ちてくれ……!(寒気と羞恥心でプルプル震えてるんだ……!)

 すると、俺を抱きしめながら天井を仰ぎ見るヴァレリー。グルゥ……と弱った声を出して「……参った」と言ってくれた。

 よかった……!これ以上は、俺正気じゃ無理だし……!

 ともかく気持ちが変わらない内に、ソファーに座って冊子を見る事にしたんだ。うん、安定のヴァレリーさんの膝の上です。

 「ふむ、『貴方の手で、より魅力的な番に仕立て上げましょうー人間編ー』か。トオヤは既に魅力的だがな」

 「うん、ありがとう(これが素で言ってんだからなぁ……わからん)」

 まずは、ヴァレリーに言われて俺のエステを優先させる事になったんだけどさ。

 順序は、体と髪を洗って、湯船に10分以上浸かる→垢すり→体を流す→体全体を特製オイルでマッサージしながら仕上げるって感じ。で最後に特製スチームドライヤーで髪を乾かせば完成!

 って、事で早速お風呂に入るわけだけど……

 「……ヴァル?流石にジッと見られるのは、恥ずかしいんだが……?」

 ボタンを外し、上着を脱ぎ、ズボンを脱いで下着姿になると、ヴァレリーの強い視線が気になり出す。

 俺が部屋の中で一人服を脱ぐのを、ヴァレリーは椅子に座って目をそらさずじっとり舐めるように見ているんだぜ?流石に気になるって!

 「何故だ?いつもはもっと凄いところまでみているが?」

 「ウッ、そうだけどさ……」

 だって、俺、今紐パン履いてんだよ……いや、こうなるのがわかってたわけじゃないぞ?……慣れただけなんだ。まあ、毎日脱がせられているんだからって、メイドさん達がこれしか用意しないっていうのもあるけどさ。

 でも、さ。脱がせられる訳じゃなくて、ジッと見られているのが視姦されているようで……うう、今更だけど恥ずかしい(赤面)。

 「これはこれで、たまらない……!」

 そんな俺を獲物のように見つめ、グルル……と喉を鳴らせながらペロリと口を舐めるヴァレリーに、俺は俺でキュンと来てしまったわけで……

 だったら煽るだけ煽ってやれ!と乗ってしまった俺。

 ヴァレリーに背を向けて、振り向きながらモジモジと紐を解く演技を始めちゃったんだよなぁ。

 一つ紐が取れるとガルル……と唸り声が聞こえるのに、俺は気分を良くし、パラリ……と下着が落ちた時に「ヴァルのエッチ……!」と胸と股を隠して状態で振り向き、そのまま洗い場に逃げ込む。

 やり切った俺はそれだけで満足し、「さて、洗うかぁ」なんて呑気に言ってたんだけどさ。

 俺、教訓忘れてたんだよなあ。……獣人を煽ると、碌な目に合わないって言うのに。

 俺が身体を洗おうとしていると、ガララ……ッと勢いよく浴室の扉が開き、入り口から入ってきたのは服を脱いで全裸になったヴァレリーさん(フル勃起中)。

 「……トオヤ?俺の手で魅力的になるんじゃないのか?」

 と、ニヤリと笑うヴァレリーは、カッコよかったと言っておきます。だって、その後は……

 「あっ、あんっ!ヴァルっ、乳首ばっかり洗わないでぇっ!」

 「そうか。では、しっかり下半身も洗わねばな」

 そう言って俺を膝に乗せたヴァルに翻弄される俺。だって、ヴァルの手で直に太ももから足の指まで洗われるんだ。しかも、俺自身を触らず、アナルも撫でたり、際どいところまで丹念に洗われてみろ!

 俺の身体は、称号のおかげで既に受け入れ準備はできているっていうのに、触ってくれないヴァレリー。感じさせるだけ感じさせてくれるもんだから、俺のアナルから流れる愛液で、ヴァレリーの膝がビショビショになっている。

 それに腰や尻にヴァル自身を押し付けられているもんだから、快感を覚えた身体にはたまったもんじゃない……!

 とはいえ、洗うのが優先!この次は湯船に入るんだ!っとグッと堪えて、我慢していたんだけど……ぐううううう!駄目だ……!この開発済みの身体にコレは拷問だ……!

 「あっ、んっ!もうっ、ヴァルぅ……!」

 「可愛いすぎて、たまらないな……!だが、ちょっとだけ待て」

 泡まみれの俺を丹念に洗いながして、俺を抱き上げて湯船に浸かりに行くヴァレリー。俺は触られると感じるくらい蕩けさせられたため、むしろ自分からヴァルに抱きつき腰を振ってしまう。

 「トオヤ……!俺を余り煽るな……!」

 うん、わかる……!ヴァレリーが俺の希望に応える為に我慢してくれているのは……!でも、そんなところも俺は愛おしくて、ついヴァレリーにお願いしてしまう。

 「ヴァル?俺の、中に、挿れて……?」
 

 ーーーーーーーーー

 作者より

 はい、すみません!またもや時間取れませんでしたm(__)m
 一話で終わらせるつもりが、こんな中途半端で終わる羽目に……!
 その分、明日は甘々のもふもふにさせますので!!(ほぼR18です)
 読んで下さりありがとうございます!!
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感想 16

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