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先手必勝とはこれ如何に? *

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  「もう完璧ですわね!」
 「ええ、ヴァレリー団長様もご満足頂けますわ!」
 「でもお一人だけにお見せするには、些か勿体ないですわ」
 「ええ、本当に。でも、あのマーキングのつけっぷりを見るならば、このくらいは気合い入れないといけませんわ」
 「「「ですわね」」」

 昼から取り掛かった俺の仕上がりに、頷きながら話している四人の俺専属のメイドさん達。当の本人の俺は、ソファーにグッタリ寄りかかり脱力中。

 ……何故、俺程度の支度に、女性はこんなにも熱くなれるのだろう……?

 「あら、いけませんわ!ヴァレリー団長が戻って来る時間ですわね!」
 「まあ、大変!では私達は下がらせて頂きますわ」
 「後は任せますわ、トオヤ様」
 「ええ、存分に力を発揮して下さいませ!」

 疲れ切った表情で了解をする俺の姿に、満足気に部屋を後にするメイドさん達を見送り、ふうと息を吐く。

 ……俺、孤児院に行きたいって言っただけなのになぁ。

 そして、ついでだから言っておこう。何故俺は四人のメイドさん達の名前を呼ばないのか?

 ……何故なら、メイドさん達は、リス獣人の四ツ子だからなんだよ……

 もふもふ尻尾がとっても可愛いメイド4姉妹は、カラ/サラ/エラ/シャラさんという名前がある事はある。

 ……要は、俺が見分けつかねえんだ……!正直、ケモナーとして恥ずかしい!!

 因みに、獣人同士なら匂いで見分けつくんだってさ。俺の鼻は流石にそこまで性能良くねえんだ。悔しいぜ……!

 いつかは見極めて見せる!と力んでいると、ノックの音と共に「トオヤ?」とヴァレリーの声が聞こえてきた。

 「ドウゾ」と了承すると、ドアを開けて入って来たヴァレリー。

 「トオヤ?今日は真っ直ぐこちらに行くように言われたが……っ⁉︎」

 あ、やっぱり。……俺の姿見て固まったわ。はっ!気を取り直して例の言葉を言わねば!

 「お帰りなさいませ、旦那様」

 「!!」

 「まずはお荷物お預かり致しますうっっっ⁉︎って、待て待て待て待てって!ヴァレリーっ!」

 無言でスタスタと俺の側まで来るとヴァレリーの奴ってば、ヒョイっと俺を横抱きに抱えてベッドへ歩き出したんだよ。

 イカン!このままじゃ、ただ喰われ(抱かれ)ちまう!

 「ヴァレリー様!お話を聞いてくれないと、一週間俺を触らせません!!」

 俺の言葉にようやくピタッと止まるヴァレリーは、グルルル……と喉を鳴らして足掻いているが、ここは引かねえぞ!

 「まずはソファーへお戻り下さいませ」

 グウウウ……!と切ない鳴き声を上げるヴァレリーに負けずに、にっこり笑ってお願いすると、ようやくソファーへと戻ってくれたんだけどさ。

 皆さん、もうお分かりだろうか?そう、女性陣に太鼓判を押された今の俺の姿はメイド。それもセパレートタイプのミニスカメイド服に、ニーハイブーツ着用ときたもんだ。頭には豹耳カチューシャまでつけているんだぜ?

 これも以前の転移者さんの知恵なんだろうか……?絶対領域と腹出し、獣耳なんて、なんで獣人の世界にまで広まっているのか……!お会い出来たら、小一時間程問い詰めたい……!

 なんせ、お前のせいで!俺は!何処もかしこも!ツルッツルのスベッスベにされたんだぞ!と声を大にして叫びたいのを我慢して!コレを着たんだっての!!!

 ……と、顔も知らぬ転移者に怒りを向けてないで、ソファーに座ったものの、俺を横抱きにして触りまくっているヴァレリーに一言申さねばなるまい……!

 「旦那様、お願いを聞いて頂けますか?」

 そして、ここで首を傾げるのも忘れずに!(4姉妹メイドさん達からの指示あり)
 
 「……俺の番が、俺の理性の限界を試して来る……!」

 お、効いてる?ヴァレリーが片手で両目を塞ぎ天井を見上げている間に、もう一段階。頑張れ、俺!

 ヴァレリーの足を跨ぎ膝立ちになった俺はヴァレリーの首に抱きつき、モフモフの顔に俺の顔を擦り付ける。そうする事により、絶対領域のチラ見せを……!!

 ……なんて頑張ってやってたら、いつの間にかヴァレリーの両手が俺の足からスカートの中に侵入して来た。

 「んっ!ヴァルッ、んあっ!」

 「愛しい俺の専属メイドは、何をご所望かな?」

 そう、俺の永遠の童貞の称号が働き、俺のアナルはヴァルに触られただけで準備は万端。ヴァレリーは、片手で尻をいやらしく揉みながら、もう片方の手がパンツの中に入らせてきたんだ。

 そのまま俺のアナルに指を入れて、ジュボジュボと動かして来る早業よ……!

 「あっ、あん、駄目……!っまだっ、話して、ないってぇっ!」

 「俺のメイドは、ご主人様をこんなにさせたまま放っておくのか?」

 俺を尻で喘がせながら、ヴァレリー自身と俺自身を布越しにゴリゴリ強く擦り合わせて来るヴァレリーによって、うっかりムラムラして来てしまった俺。

 だが、ここでヴァレリーのペースに飲まれたら不味い……!けどここまで来たら、一回抜かなきゃ話しにならん!というか、俺もキツい!

 「旦那っ様っ、お願いっ、パンツ、脱がせてぇ……!」

 スカートを上げて俺が装着されたレースの紐パンを見せると、グルルル……!と唸り出し、器用に紐を解くヴァレリー。

 パラリ……とパンツが落ち、俺の緩く立ち上がった陰茎が空気に触れて、思わず「んっ!」と声を上げる俺も正直言って限界だ。

 「旦那っ様……!お願いの前に、一度旦那様を此処に挿れて……?」

 ムラムラした俺は、そのまま勃起したヴァレリー自身に尻を押し付け腰を揺らす。

 「……はしたないな、俺の専属メイドはっ!だが、それもまた良いっ!」

 グルグル喉を鳴らしながらカチャカチャと制服のズボンを下ろすと、すぐ様ヴァレリーの硬く勃起した陰茎が飛び出してきた。そして、そのまま俺の腰を掴み、アナルに熱いヴァレリー自身を当てると……

 「あああああああっっ!!」

 「クッ!」

 一気に貫かれヴァレリー自身を飲み込み、奥まで届いてしまう俺の有能なアナル。

 やべえ……!気持ち良さが上がっている……!っっ一回だけ……!一回だけ、イッたら、話すんだっ……!
 
 対面座位の体勢でジュボジュボと貫かれている俺は、そんな決意をしながら一旦快感に身を委ねてしまった。

 そうなるとどうなるかって?

 「あっ、あっ、あっ、あんっ!ヴァルっ!ヴァルっ!もっとぉっ……!」

 「ああっ、トオヤ!トオヤ!幾らっでも、注いでやるっ!」

 喘ぐ俺にズンズンと腰を動かしながら、器用に俺のメイド服を脱がしていくヴァレリー。パラリ……と上着の前が開いたら、ヴァレリーの腰の動きが更に早くなった。

 「あっ!お“っ!あぅっ!あ”あ“っ!ヴァルっ!深いっって!あ”あ“あ”っ!」

 「俺の番はっ!これ以上、俺を!煽って、どうするつもりだっ!」
 
 そう。実は、ヴァルの目の前には、レースの乳首ブラをつけた俺の胸があるんだよ。しかもレースだから、俺の成長したぷっくり乳首が透けて見える事だろう。

 「こんな、淫らなメイドには!お仕置きがっ、必要だなっ!」

 「んあっ!あぅっ!ヴァルっ!同時は、駄目っ!」

 「駄目、じゃない!気持ちいいっ、と言え!」

 ズチュズチュとピストンを激しくさせながら、指で乳首を弾き、ジュルジュルともう片方の乳首を吸い舐めるヴァレリーによって、俺の陰茎からはブシュッブシュッと先走りが流れ出る。

 「っっっっ出すぞ!」

 「あっ、あ、あああああああああっっ!」

 バチュンッ!と腰を強く打ち付けられて、仰け反り声を上げる俺の身体の中に熱いものが注がれていく。

 あああああ………!気持ち、いい……!

 じっくり注がれながら、ハアハアと荒い息を整えつつもスッキリした俺。さあ本題に入ろう、としてヴァレリーに声を掛けようとするも………

 「ヴァレリー、あの……っあ“あ”あんっ!」
 
 「俺を煽っといて、一回で逃げれると思うなっ!」

 ……どうやら本気になってしまった、ウチの旦那様。正常位で俺にキスをしながら激しく腰を打ち付けて来たんだよ……!

 ズチュズチュ、ギシギシッと淫らな音を部屋に響かせ俺を執拗に攻めてくる。

 「ヴァルッ!ヴァルッ!(話しをさせて!)」

 「あんっ!もうっ!止まってぇっっっ!(まだ続くんかい!)」

 「んぅっ、ん、んん“っ、んっん~~~!!(だから、待てってば!)」

 まあ、当然こうなるわな。

 で、……気がつくと駅弁体勢でベッドに運ばれて、ヴァレリーに本格的に抱かれ始めてしまった俺。

 その夜はいつもより激しく、いつもよりトロトロに蕩けさせられ、回数を重ねられてーーーーー

    ◇

 「成る程。トオヤ様はあの状態なのですわね」

 「まあ、それで本題はどうなったのかしら?」

 「王妃様。その点は、今朝私共からさせて頂きましたら、ヴァレリー団長様は週二回で許可を下さいましたわ」
 「私共の気遣いに感謝までして下さいましたわね」
 「ええ、とてもご満足した足取りで仕事に行かれましたもの」
 「頑張った甲斐がありましたわ!」

 ………現在、シーツを被って顔を出せない俺の部屋では、気にせず優雅にお茶を楽しむ王妃様とマリッサに、現状報告をする四人のメイドさん達。

 「トオヤ様も頑張っていましたわ!」
 「そうよね!恥ずかしがりながらもきっちりこなしてましたもの!」
 「そうですわ!王妃様ご期待の「ニャア」も今朝やっておりましたもの!」
 「ええ!服は破かれましたが、本懐は達成しましたわ!」

 「あらあら」
 「まあまあ」

 四人のメイドさん達が俺をフォローしてくれる度に、俺の傷が深くなっていくとは言えず……悶える俺を生暖かく見守ってくれた女性陣達。

 勿論王妃様は、王様から許可を貰って来ていたのは言うまでもないが、今回の事で一つ教訓を得た俺。

 ーーー何事も人を巻き込むと、被害がデカくなるという事を思い知ったのだった。
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