転移したら獣人国からお迎えが来ました

白葉

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お約束?

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 「うーむ……?」

 「あら、どうしました?トオヤ様?」
 「何か見ていらっしゃいます?」
 「お顔はいつも通り可愛いらしいですわ」
 「ええ、本日もたっぷり団長様よりマーキングされておりましたし……?」

 ……相変わらず、俺達の営みは四人のメイドさん達に筒抜けでございます。だってお世話になってますから!(ヤケ)

 そう、今朝もしっかり愛されて動けない俺。だから、何気なく気になったステータスを開いてみたんだよ。そしたらさ……

 トオヤ クガ 27 人間(希少種)
 HP 200
 MP 100,000,000
 スキル 言語理解 生活魔法 アイテムボックス
 ギフト 召喚
 称号 招かれ人/永遠の童貞/ケモナー/溺愛される番
 祝福 クウェイト神の加護  

 ……いや、そうだろうよ、そうだけども……!要らんわ!永遠の童貞の称号なんぞ!!詳しい事見てみたらこう書いてたんだぞ?

 [永遠の童貞]
 感じるとアナルから愛液が分泌される。いつでもどれだけ行為をしても締まりの良いままになる。思うだけで腸内は洗浄可能。番の陰茎は常時受けいれ可能。

 誰得だ!!!ってヴァレリーだけしか喜ばねえじゃん!……え?俺も気持ちいいから良いんじゃないかって?ん、まあ、洗浄は助かるけどさ。

 でも、抱かれまくるのが目に見えていて嫌だああああ!

 あ、勘違いはするなよ?ヴァレリーは好きだし、その、行為だって、い、嫌じゃねえよ。ただ、俺だって動きたいんだって!最近は主に部屋しか居ないし!街歩きたいし!

 「あら?トオヤ様が見る物あるかしら?」
 「そうよねえ。だってトオヤ様のお店の方が楽しいわ」
 「そうよね!おかげで甘みが増えたのは嬉しいわ!」
 「料理長なんか、毎日仕入れに行きたいって言っているくらいだもの」

 「え……?俺、声出てた?」

 四人メイドさん達に言われて、口にだしていた事を気付いたの俺(赤面)。

 ……確かに、俺のギフトの方が楽しいのは同感だ……!そうそう、ギフトといえばこっちも増えていたなぁ。

 [住居召喚]
 (使用毎に呼び出し撤去可能。一回の召喚時間制限無し。電気/ガス/水道使用可能)
 ・ログハウス(3LDK)   MP100,000
 ・コンテナハウス(1LDK) MP90,000
 ・宮殿(出入り口扉だけ出現) MP 50,000,000
 [店舗召喚]
 (店舗呼び出しMPと商品購入時のMPは毎回召喚時必要)
 ・スーパーマーケット  召喚MP10,000
 ・家電量販店      召喚MP30,000
  *(家電のみ召喚住居内限定で使用可能)
 ・インテリア・雑貨店  召喚MP20,000
 ・ドラッグストア    召喚MP10,000
 ・ホームセンター    召喚MP25,000
 ・車量販店       召喚MP50,000
 ・スパ・リゾート『宮』 召喚MP 100,000
 ・ファッションパレス『Q』召喚MP 80,000
 
 イヤイヤイヤ……何処で出すんだ?宮殿なんぞ、需要あんのか?

 でもスパ・リゾート『宮』は良いな!これは行って見たいし、ファッションパレス『Q』は王妃やフルールちゃん、メイドさんやマリッサが行きたいだろうなぁ。

 あ、そうそう。経済に思いっきり影響を及ぼす俺のギフトは、王族専用って事になったんだ。他の貴族には提供せず、王族も大量買い禁止、セレリオ国専用って事で落ち着いている。

 まあ、思いっきり外交に用いられるけど、俺の許可制なのは変わらないし、誰彼構わず入れる訳じゃねえし。

 だから、流行の発信、経済発展の起爆財、外交の隠し球として居る俺の価値は王族以上らしい。

 ………そうなんだよ。俺一人で供給が間に合うって、恐ろしい事なんだよなぁ。

 でも、まあ身の安全に関しては、転移者不可侵条約ってのもあってさ。現れた国に登録された時点で、他の国には手出し無用って条約もあるらしい。

 安全の為には自由度は減っているのは仕方ないといえば、仕方ないかぁ……とはいえ、俺は、敢えて言おう!

 子もふもふが足りん!(注:子供のもふもふが見たい!)

 あ、ヴァレリーに不満はないぞ?ヴァレリーの毛艶は堪能しまくっているし、手入れだって俺が率先してやっているから、騎士だというにモデル張りに整っているヴァレリー。

 ……最近は更にモテまくっているらしい。べ、別に心配はしてないがな。

 自慢じゃないが、俺の周りにいる王家の皆さんやメイドさん達、マリッサ、ベクターさん、料理長は皆、毛艶毛並みとも最高品質だ!ふっふっふ、俺の手の届く範囲は抜かりはないぜ!

 ん?ファビアン君フルールちゃんじゃ足りないのかって?

 俺と違って王家の皆さんは暇じゃないのだよ。お稽古やお勉強(王族のしきたり)が始まったんだ。毎日だったのが、週に二、三回の数時間じゃ、俺が足りん!

 という事で、本日俺の部屋にお越しの王妃様にご相談。

 「ストレートに言います!王妃様、子供作って下さい!」

 「あらあら!まあ、どうしましょう?」

 真っ赤になる王妃様。これはこれで、可愛くてめっちゃ癒される。因みに王妃様の名前呼びは、早い段階で王様に駄目だしされて居るが、こういう事が言えるくらいは仲が良いんだ。

 「トオヤ様?いきなりにも程がございますわ。理由は……恐らくファビアン様フルール様が毎日来れなくなった事でしょうか?」

 真面目にお願いする俺と真っ赤になってクネクネして居る王妃様だと話が進まない、と思ったのだろう。最近俺の考えを読むのに長けてきたマリッサが言い当ててきた。

 「元を正せばそう!だけど、赤ちゃんも見てみたいって思ってさ。俺、王族に保護されているし、自分の立場を考えると、結局我儘言えないだろ?で、言うだけ言ってみようかと思ってさ」

 「王妃様にそう言えるのはトオヤ様くらいですわ……」

 「ふふふっ、マリッサ。トオヤ様が他意はないのはわかっていますわ。でも、トオヤ様、子供達も好いて下さるのですね。嬉しいですわ」

 俺の言葉に頭を抱えるマリッサを見て、王妃様はクネクネから一瞬で王妃の顔に戻りにっこりと笑って俺を見る。その笑顔で真意は何かを、言わずに尋ねてくる辺りは流石だけどさ。
 
 「……実はメイドさん達から、王家が直接携わっている孤児院があるって聞いたんです。勿論、子供達を可愛がりたいのもあるけど、俺の仕事として関われないか、と思ったんですけど……」

 「あら、トオヤ様は働かなくても、十分貢献して下さっていますわよ?素晴らしいギフトを私達に解放して下さっているんですもの」

 「王妃様。俺、一応元の世界で働いてたんですよ。で、働いている時は働きたくないって思ってたんですけどね……やっぱり元の世界の性質っていうか、働かないと落ち着かないって感じなんです。

 それで、王家が関わっている孤児院なら俺も安全に働けるし、孤児院の経費削減に協力できるんじゃないかって思ったんです。どうでしょうか?」

 「まあ!素晴らしいですわ、トオヤ様!……そうですわね、『大地の宮』なら良いと思いますわ!ただ、やっぱり先に話すべきは王である主人よりも、ヴァレリー団長だと思いますわよ?」

 「そうですわ。番の執着が強いのは、毎日実感していらっしゃるでしょう?」

 俺に対する王妃様の助言に、頷くマリッサ。四人のメイドさん達も力強く同意しているし……

 ーーーーという事で、話し合いはヴァレリー攻略方法に変わった今日のお茶会。それはもう、それはもう楽しんでいた王妃様とマリッサや四人のメイドさん達。

 「やっぱりコレは必要ですわよ!王妃様!」
 「いえ、やはりこちらの方が魅力的ですわ!」
 「私、グッとくるのは控えめながらもチラ見えするこちらかと……」
 「いいえ、むしろコレはどうでして……?」

 四人のメイドさん達は楽しそうに、奥の俺のクロークからあれこれと持って来ては王妃様やマリッサに提案しているけどさぁ。

 そんなん、何処にあったのさ!!って服や夜着ばっかり。

 そりゃ、俺だって最初は抵抗していたが、女は強し……!結局は完全に着せ替え人形のように色々されて、もうどうでも良いや……と諦めた。

 そして数時間後……

 「良いですわね!これで決定ですわ!」

 「ええ、トオヤ様の魅力が引き立ちましたわ。ヴァレリー団長もこのお姿でお願いされたら頷くでしょう」

 「「「「ええ!」」」」

 既に気力を使い切った俺は、団結した女性陣の納得した様子にやっとか……と安堵した。

 けど、どうなったのかは次回に話す……!

 「さあ、やりますわよお!」
 「まずはお風呂ですわね!」
 「その後はマッサージですわ!」
 「最後に香油で仕上げましょう!」

 やる気に溢れたメイドさん達の声でわかるだろう?ニコニコして見守っている王妃様やマリッサは止める訳もなく、ただただ俺は思い知らされた。

 女性に相談する前に、ヴァレリーに直接相談すれば良かった事を……トホホ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者より

皆さん♡、感想、お気に入り登録ありがとうございます!
日々の糧になっております!有り難や~!

さて、0:00更新は変わりませんが、今回から一話更新になります。
はい、ご明察!……ストックが尽きました。毎日更新目指しますが、不定期になる事もあります事をお知らせしておきます。頑張ってみますね!
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