4 / 38
ケモナーの血が騒ぐ……!
しおりを挟む
ーーーどうやら、俺はヴァレリー団長さんの膝の上で食事をするのが決定らしい。……俺も男だ!もふもふの為ならば羞恥心だって捨てて見せようではないか……!(赤面症は隠せないが致し方なし)
しかし、問題はそこではない……!
俺の食事が問題でもない……!(塩味主体のスープでもベーコンが効いてて美味かった)
……齢27にして、周囲から微笑ましく見守られながら、アーンを強いられた事ではない……(多少問題有り)
問題は!騎士の!軍の!体格の良い団員さん達のメシが!カロリー○イト(もどき)だった事だ!
例えそれがしっかり国で研究された国支給の食料で、満腹感が得るものだとしても!
国民からの税金を大切にする、王家の指針だったとしても!(行軍中だけのようだ……後日談)
団員の料理が、壊滅的だったとしても……!(俺用のだけマジックバックみたいなのに入れてきたらしい)
栄養バランス考えて食わないと、毛艶に影響するだろうがあああ!!!
と、心の中でシャウトする俺。
ーーー余談だが……うちの実家のミケには、俺が用意した高級且つ栄養バランスの取れたカリカリと、俺が厳選に厳選した猫缶を実家に送っている。
更には、ササミやマグロやサーモンもたまには用意してあげるように、母さんに仕送りまでしているんだ。
勿論、某有名メーカーの偉大なおやつだって用意して送っていたさ!食べさせすぎは決してさせなかったがな……!(主に母さんが)
そして、ブラッシングやシャンプーをマメに行い、ブラシだって厳選したものを用意させたんだ!おかげでうちのミケはご近所で評判の美猫として有名だ。(母さんの管理の手腕だが)
……話がそれた。
志は立派でも、現在進行形で危険な状態(毛並みが荒れる事)に向かっているヴァレリー団長を始め、ディグラン様、スタッグさん、目の保養の団員さん達の大切なお身体に、俺は我慢出来ない……!
ーーーだが、異世界の俺にはギフトがある!
俺の為に迎えにきてくれた皆様を、このまま何もせずに指を咥えて過ごすだけで良いものだろうか⁉︎……答えは、否!!!ならば、やってやろうじゃないか!
……と、気合い入れは此処まではいいとして。
実際問題、どうやって使うものなのか?まだギフトどころか、スキルも試してねえんだよなぁ。迎えに来てくれた皆さん、有能だから。
……まあ、とりあえずヴァレリー団長さんに聞いてみるか。
「ヴァレリー団長さん、聞きたい事があるのですが……」
「トオヤ……だからヴァレリーと呼ぶように言っただろう?」
「いえ、でも「ヴァレリー、と」あの「ヴァレリー、だ」……ヴァレリー?」
「なんだ?トオヤ」
それこそなんだ?ヴァレリー団長さんのこの甘い声と雰囲気は……!ただこそっと確認したかっただけなのに、全員の視線が集中していて居た堪れないじゃないか……!
誰か!誰か、この雰囲気を打開してくれる人………っていた!ジッとヘルプ!と目で訴えていると、クッと笑って気づいてくれた!
「……ヴァレリー、一旦トオヤを離したらどうだ?」
「例え殿下のお言葉でも、従いかねます」
「お前……その口調は嫌みか?良いからトオヤに聞いてみろ。一旦離してほしいって顔してるぞ?」
ありがとう!殿下あああ!目線で助けを呼んだ甲斐があった!
俺が目で感謝を伝えていると「グルゥ」とヴァレリー団長さん、いや、慣れないといけないから、思いの中でもヴァレリーって呼んどくか。
うん、それでちょっとヴァレリーが怒ってる声が聞こえたんだ。気になってヴァレリーを見上げると、俺をジッと見つめてゴロゴロ喉を鳴らしてる。
……やべえ、なにこの可愛い生き物……?クッ、負けるな!俺!
「……ヴァレリー。これ以上はみんなの前では恥ずかしい……離して?」
「「「「「「ブフゥッッッ!!」」」」」
赤面症は仕方ないが、此処は下手に出るべきと選んだ言葉だったが何か不味かったのだろうか……?
ヴァレリーは「グッ」と喉を鳴らし、片手を両目に当てて天を仰いでいるわ、団員の皆様は一部倒れ出すわ、スタッグさんとディグラン様は笑っているわで、俺は困惑中。
しかしヴァレリーが固まっている隙をついて、俺をヒョイッと隣に降ろしてくれたディグラン様には助けられた。
「まあ、今頃ヴァレリーの馬鹿は、頭ん中で悶えているだろうから気にするな。で?トオヤは何が聞きたかったんだ?」
ディグラン様のありがたい申し出に、俺は自分のスキルやギフトの相談をしたい事を伝えると、真剣な表情に変わったディグラン様。
「ふむ……招かれ人の力は、伝承では凄い力だと聞く。本来なら王宮で確認するのだが……トオヤは此処でやりたい理由があるんだな?」
「はい。俺のいた国は、相手の事を良く気遣いおもてなし、いわば感謝を伝える国民性でした。俺をわざわざ迎えにきてくれた皆さんに俺のギフトでそれが出来る、と考えまして。宜しければ、使い方をお教え下さればと思ったんです」
「ふむ……それはなんとも素晴らしい考え方だな。本来は招かれ人の力は秘めておくか、一部だけに開示するかだが……この隊は俺の信頼の置ける者たちばかりだ、良いだろう」
「あ、ありがとうございます!」
「でだ。我らはステータスは自分では見れないものだが、招かれ人は見えるそうだな?」
「はい。ステータスといえば見えます」
「そうか。では、一応聞こう。トオヤの力は生産系なのか?攻撃特化型なのか?どっちだ?」
「召喚なんですけど。生産より取り寄せる能力ですね」
「召喚か……ならば尚更使う場所を気をつけよ。うちの国でも貴族も色々いるからな。……さて、此処で俺がトオヤに教えていると、隣の馬鹿に恨まれるのでな。ヴァレリー、お前も調べて来ただろう?教えてやれ」
「畏まりました」
正気?に戻ったヴァレリー曰く、招かれ人はステータス上で操作するのが一般的らしい。
俺もステータスを出して[召喚]の文字をタップし、やりたい事を操作してみた。
で、ギフトで何出したかは、次回だな。
だが少しは教えておこう!俺は生粋の(笑)ケモナーだ。当然皆さんの毛並みを整える環境を作ったぜ!
ブラッシングが直接出来ずともやりようはあるとも!
しかし、問題はそこではない……!
俺の食事が問題でもない……!(塩味主体のスープでもベーコンが効いてて美味かった)
……齢27にして、周囲から微笑ましく見守られながら、アーンを強いられた事ではない……(多少問題有り)
問題は!騎士の!軍の!体格の良い団員さん達のメシが!カロリー○イト(もどき)だった事だ!
例えそれがしっかり国で研究された国支給の食料で、満腹感が得るものだとしても!
国民からの税金を大切にする、王家の指針だったとしても!(行軍中だけのようだ……後日談)
団員の料理が、壊滅的だったとしても……!(俺用のだけマジックバックみたいなのに入れてきたらしい)
栄養バランス考えて食わないと、毛艶に影響するだろうがあああ!!!
と、心の中でシャウトする俺。
ーーー余談だが……うちの実家のミケには、俺が用意した高級且つ栄養バランスの取れたカリカリと、俺が厳選に厳選した猫缶を実家に送っている。
更には、ササミやマグロやサーモンもたまには用意してあげるように、母さんに仕送りまでしているんだ。
勿論、某有名メーカーの偉大なおやつだって用意して送っていたさ!食べさせすぎは決してさせなかったがな……!(主に母さんが)
そして、ブラッシングやシャンプーをマメに行い、ブラシだって厳選したものを用意させたんだ!おかげでうちのミケはご近所で評判の美猫として有名だ。(母さんの管理の手腕だが)
……話がそれた。
志は立派でも、現在進行形で危険な状態(毛並みが荒れる事)に向かっているヴァレリー団長を始め、ディグラン様、スタッグさん、目の保養の団員さん達の大切なお身体に、俺は我慢出来ない……!
ーーーだが、異世界の俺にはギフトがある!
俺の為に迎えにきてくれた皆様を、このまま何もせずに指を咥えて過ごすだけで良いものだろうか⁉︎……答えは、否!!!ならば、やってやろうじゃないか!
……と、気合い入れは此処まではいいとして。
実際問題、どうやって使うものなのか?まだギフトどころか、スキルも試してねえんだよなぁ。迎えに来てくれた皆さん、有能だから。
……まあ、とりあえずヴァレリー団長さんに聞いてみるか。
「ヴァレリー団長さん、聞きたい事があるのですが……」
「トオヤ……だからヴァレリーと呼ぶように言っただろう?」
「いえ、でも「ヴァレリー、と」あの「ヴァレリー、だ」……ヴァレリー?」
「なんだ?トオヤ」
それこそなんだ?ヴァレリー団長さんのこの甘い声と雰囲気は……!ただこそっと確認したかっただけなのに、全員の視線が集中していて居た堪れないじゃないか……!
誰か!誰か、この雰囲気を打開してくれる人………っていた!ジッとヘルプ!と目で訴えていると、クッと笑って気づいてくれた!
「……ヴァレリー、一旦トオヤを離したらどうだ?」
「例え殿下のお言葉でも、従いかねます」
「お前……その口調は嫌みか?良いからトオヤに聞いてみろ。一旦離してほしいって顔してるぞ?」
ありがとう!殿下あああ!目線で助けを呼んだ甲斐があった!
俺が目で感謝を伝えていると「グルゥ」とヴァレリー団長さん、いや、慣れないといけないから、思いの中でもヴァレリーって呼んどくか。
うん、それでちょっとヴァレリーが怒ってる声が聞こえたんだ。気になってヴァレリーを見上げると、俺をジッと見つめてゴロゴロ喉を鳴らしてる。
……やべえ、なにこの可愛い生き物……?クッ、負けるな!俺!
「……ヴァレリー。これ以上はみんなの前では恥ずかしい……離して?」
「「「「「「ブフゥッッッ!!」」」」」
赤面症は仕方ないが、此処は下手に出るべきと選んだ言葉だったが何か不味かったのだろうか……?
ヴァレリーは「グッ」と喉を鳴らし、片手を両目に当てて天を仰いでいるわ、団員の皆様は一部倒れ出すわ、スタッグさんとディグラン様は笑っているわで、俺は困惑中。
しかしヴァレリーが固まっている隙をついて、俺をヒョイッと隣に降ろしてくれたディグラン様には助けられた。
「まあ、今頃ヴァレリーの馬鹿は、頭ん中で悶えているだろうから気にするな。で?トオヤは何が聞きたかったんだ?」
ディグラン様のありがたい申し出に、俺は自分のスキルやギフトの相談をしたい事を伝えると、真剣な表情に変わったディグラン様。
「ふむ……招かれ人の力は、伝承では凄い力だと聞く。本来なら王宮で確認するのだが……トオヤは此処でやりたい理由があるんだな?」
「はい。俺のいた国は、相手の事を良く気遣いおもてなし、いわば感謝を伝える国民性でした。俺をわざわざ迎えにきてくれた皆さんに俺のギフトでそれが出来る、と考えまして。宜しければ、使い方をお教え下さればと思ったんです」
「ふむ……それはなんとも素晴らしい考え方だな。本来は招かれ人の力は秘めておくか、一部だけに開示するかだが……この隊は俺の信頼の置ける者たちばかりだ、良いだろう」
「あ、ありがとうございます!」
「でだ。我らはステータスは自分では見れないものだが、招かれ人は見えるそうだな?」
「はい。ステータスといえば見えます」
「そうか。では、一応聞こう。トオヤの力は生産系なのか?攻撃特化型なのか?どっちだ?」
「召喚なんですけど。生産より取り寄せる能力ですね」
「召喚か……ならば尚更使う場所を気をつけよ。うちの国でも貴族も色々いるからな。……さて、此処で俺がトオヤに教えていると、隣の馬鹿に恨まれるのでな。ヴァレリー、お前も調べて来ただろう?教えてやれ」
「畏まりました」
正気?に戻ったヴァレリー曰く、招かれ人はステータス上で操作するのが一般的らしい。
俺もステータスを出して[召喚]の文字をタップし、やりたい事を操作してみた。
で、ギフトで何出したかは、次回だな。
だが少しは教えておこう!俺は生粋の(笑)ケモナーだ。当然皆さんの毛並みを整える環境を作ったぜ!
ブラッシングが直接出来ずともやりようはあるとも!
1,460
お気に入りに追加
1,813
あなたにおすすめの小説

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる