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第二十八話
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【第二十八話】
サイド:グレープ
トーマ、ハッパと別れた俺は、鉱山に向かって街道を歩き始めた。
そして道中、足を動かしながら、師匠から言われたことを思い出す。
『グレープは向こう見ずだ。【自己再生】があるからと、敵を観察せずにただ突っ込む。
それでは、いつまで経っても成長しない』
確かに、その通りだと思った。
あのときの俺は魔物との戦いに勝てず、死に戻りを繰り返して、ヘラヘラしながら遊んでた。
基本ソロだし、誰に迷惑をかけるわけでもない。攻撃力のあるスキルではないから、強靭な魔物に勝てないのは当然だ。
それでも、十分楽しかった。
だけど…。
『そんなプレイスタイルで満足してるのか?俺には考えられないが、どう遊ぼうが人の勝手だしな。とやかく言うつもりはない。いや、今さっき批判したな。悪かった』
いや、師匠の言う通りだ。
強かったら、もっと楽しいはず。もっとOSOが面白くなるはず。
『なに?弟子にしてくれ、だと?そんなめんどくさいこと御免だ。断る』
第一回、『悪魔』のイベントが終わって数日後くらい。
師匠とはフィールドで偶然出会った。
俺が魔物に負けまくって何度も死に戻りしているところに、師匠が通りかかったのだ。
運命だと思った。
俺が強くなれるかどうかの分岐点が、今ここにあるような気がした。
『なに、それなら勝手についていく、だと?…分かった、分かった。師匠呼ばわりはやめてほしいが、少し立ち回りを教えよう。グレープは俺の戦い方を真似してみろ』
師匠は心底めんどくさそうだったが、ぶっきらぼうにそう言った。
その後、俺に戦い方を見せるようにして、師匠は魔物と戦い始めた。
それはもう、めちゃくちゃに強かった。
体の動かし方、剣の振り方、視線の動かし方。
そのどれもが、俺とは全く違った。
俺も師匠みたいになりたい。
そう思い、見様見真似で師匠の戦い方を実践した。
『…少しはマシになったな。もっと練習したら、今度は自分で考えながら動け。一つ一つの行動に、意味を持たせろ』
師匠の言うことは的確で、俺が考えてもいないことだった。
しかし、俺はたった十分ほど教わっただけで、今まで手も足も出なかった魔物を倒せた。
『別にフレンドにならないとかじゃない。師匠呼ばわりをやめろと言っているだけだ。都合が合えば、これからも一緒にプレイしよう』
ただ、師匠として指南するのはこの場限りだと言われた。
もう教えてもらえない?
最後になるなら、せめて名前を聞きたかった。
『名前?ああ忘れてた。同じフルーツの名を持つ者として言っておかないとな』
俺は今日まで、その名を忘れたことはない。
というか、忘れてもフレンドリストを確認すればいいんだけど。
『俺はオレンジ。みかんが大好きな、ただのゲーマーだ』
※※※
つい数週間前のことを考えていると、俺はいつの間にか鉱山に着いた。
目の前には緩やかな斜面が広がっている。
これから山登りだ。といっても頂上ではなく、鉱山の中腹にある廃坑の入口を目指す。
ここから街道を外れるから、魔物との戦闘が多くなっていく。
気を引き締めなきゃな!
師匠に、じゃなくてオレンジに教えてもらったことを活かして、『サクラ個体』が相手だろうが勝つ。
そう思って一歩踏み出した瞬間…。
「おいお前、グレープとかいうやつだな」
不意に、耳元から声がする。
いつの間にすぐ後ろに!PKプレイヤーか!?
俺は足を止め、剣を引き抜こうとする。
「…ぐっ!」
しかし、右手をかけた剣の柄を後ろから押さえられる。
剣士は密着されるほど接近されると弱い。武器の剣を封じられるとなおさらだ。
それを知っているとは…、こいつ、できる!
かなりのやり手だ!
「安心しろ、殺すつもりはない」
「お前は誰だ!?」
「俺は、『魔王』と呼ばれている者だ」
『魔王』って、最悪のPKプレイヤーの、あの『魔王』か!?
流石の俺でも、βテストでの彼の悪行は知っている。
「信用できないな!『魔王』の名を騙った偽物かもしれないだろ!」
トーマは言っていた。PKプレイヤーの言うことを真に受けてはいけないと。
NPCの盗賊やプレイヤーによるPKは何度か経験がある。
多くが無言で襲いかかってきたり、馬鹿正直に名乗りを上げて襲いかかってきたりしたが、『魔王』に成りすますやつがいないとも限らない。
「お前が俺をどう思おうが、どうでもいい。問題は、お前がここに一人で居るということは、トーマは来ていないということだ。当てが外れた。俺の時間をどうしてくれる?」
なんて警戒していると、支離滅裂なことを言って責めてきた。
なんで俺が小言を言われなきゃいけないんだ?
「意味わっ…!かんっ…ねえよっ……!」
意味が分からないが、時間稼ぎにはなる。
俺は反論しながら腕に力を込めて剣を抜こうとするが、『魔王』の押さえる力が強すぎて、拘束から逃れられない。
「別に分かるように話していないから、問題ない」
「……俺とまともに話す気ないだろ」
この理解不能な話を好き勝手に展開する感じ、トーマに似ている。
俺の勘が間違っていなければ、知り合いだろうな。
「トーマがどうとか言ってたが、何か用だったのか?俺が代わりに伝えといてもいいぞ!」
こうなったら、もうやけだ。
キルされてもいいから、少しでも話を長引かせて情報を引き出そう。
「用というほどのことはない。魔物を放つついでに殺そうと思っただけだ」
「おまえええっ!」
再度抜け出そうと試みるも、やはりダメだ。
魔物を放つって、一体こいつは何をするつもりなんだ?
「主要なダンジョンとゴブリン領との境界は、我々【魔王軍】が占領する。お前たちプレイヤーが自由に狩りをすることは許さん」
「何言ってやがる!」
本当に理解不能だ!
そんなことしたら『サクラジェム』が集められなくなるだろ!
それに…。
「楽しくねえだろっ!そんなん!」
俺はそう言い放ち、勢いよくしゃがみ込む。
魔王の腕から逃れた俺は前に転がり、振り返りながら剣を抜いて背後を斬り払う。
「ちっ!」
かわされた。
先ほどまですぐ後ろにいたはずなのに、『魔王』は数十メートルほど離れた街道の上に立っている。
「先ほど、俺はお前を殺さないと言った」
そして呟き始めた『魔王』はいつの間にか、本を手にしていた。
革製か、黒い背表紙の本。
『魔王』のスキルはあれをどうこうする感じか?
くそっ!こんなことになるなら、トーマから要注意人物について聞いておけばよかった!
「だが、こいつらはどうかな?『ハイプレーンウルフ・ソニック』、『ハイプレーンウルフ・ソニック』、『ハイプレーンウルフ・ソニック』…」
本を開き、魔物の名を何度も口ずさむ『魔王』。
聞いたことのない名前だ。
言葉を詠唱して発動するタイプなら攻撃しにいきたいが、スキルの正体が分からない。
うかつに攻めるのは自殺行為か…?
「『ハイプレーンウルフ・ソニック』、『ハイプレーンウルフ・ソニック』…」
本が光る光る。また光る。
光が止む度、『魔王』の前に狼の魔物が増えていく。
魔物を召喚している?
もしかして、これが『魔王』のスキルか!
「…『ハイプレーンウルフ・ソニック』。都合十体。これくらいでいいだろう」
『魔王』の傍らに十頭の狼が召喚された。
灰色の毛並みを持つ、細身の狼だ。それが十体。
単独であっても、明らかに今まで戦ってきたどの魔物よりも強い!
「狼たちよ。この山の中腹にある廃坑に行き、中にいるプレイヤーを皆殺しにしろ」
何ともないような口ぶりで、『魔王』が狼の魔物たちに指令を出す。
「ウォンッ!!」
命令された狼たちは短く吠えると、こちらに向かって走ってくる。
速い!
俺を通り過ぎて、後ろにある廃坑に向かうつもりか!
「ここで戦って死ぬか、逃げきれずに死ぬかはお前次第だ」
『魔王』はそう言うと、くるりと振り返って街道を歩き始める。
どこに行くつもりだ!?
「待てえええっ!」
俺は叫ぶが、一瞬で狼の波に飲まれた。
サイド:ハッパ
「はえー、いっぱいいるねえ!」
「でしょ、いつもこうなのよ」
数百メートル先にひしめくゴブリンの群れを見ながら、ウチは歓声を上げる。
今ウチは、一緒の馬車で仲良くなったリーパーと一緒に、目の前に広がる圧巻の景色を眺めている。
聞くところによると、彼女はあるクランに所属してるんだけど、そこのクランマスターに無理やり言われてゴブリン領に来たらしい。
クラン勤めも楽じゃないってことだね。
やっぱり、ソロの方が気楽でいいよ。
「ま、そのストレスも戦って晴らしちゃおうよ」
「そうね」
勝手によじ登った馬車の屋根の上で、ワイワイ話すこと数分。
やっと目的地に着いた。
「足元に気をつけるのよ」
「は~い」
リーパーはお母さんみたいなことを言う。
ずっこけるなんてヘマ、するわけないじゃん。
…大丈夫だよね?
しっかり足元を見ながら、ウチは屋根から降りた。
これでウチとリーパーを含む、人ゴブ戦争に参加するプレイヤーたちがゴブリン領との境界近くに到着した。
「ふい~、やっと地に足が着いたね」
ウチは大きく伸びをして、紅蓮に輝く杖を握り締める。
「気を引き締めて、これからが本番よ」
隣のリーパーは大きな鎌を持っている。
戦闘では振り回して戦うんだって。かっこいいね。
「【天候魔法】!一分後にいきまーす!!」
早速、ウェザーさんという、【天候魔法】を使う魔法使いの女の人のかけ声が後ろから聞こえる。
今日は【天候魔法】の発動が開戦の合図らしいよ。
いつもと違って、魔法を先に撃つんだって。
理由は、ゴブリンたちの中に強力な『サクラ個体』が混じっているかもしれないから。
「彼女の魔法、すごいわよ」
「そうなんだ!楽しみ~」
【爆発魔法】も楽しいけど、他の人のスキルを見るのも好きだ。
ウチは見逃さないように、前方に視線を向ける。
まだゴブリンは遠くにいるし、おしゃべりする時間は充分にあるね。
「ところで、リーパーのクランハウスはどこにあるの?」
「秘密よ」
「え~、ケチ!」
遊びに行きたいのに!
ウチとリーパーは雑談しながら、【天候魔法】が発動するのを待つ。
ふと空を見上げると、空を覆う雲が徐々に厚くなっていく。
そして、きっちり一分後。
「いきます!『メガトン・ヘイル』!!」
「ヘイル?何それ、英語?」
「今に分かるわよ」
ウチはリーパーの方を向いて聞いたけど、意地悪で返された。
「ねえ教えてよ、リ~パ~」
「シャキッとしなさい。もう少しで戦いが始まるのよ」
ウチらがうだうだやっている間に、曇り空から何かが降ってくる。
それは、氷みたいな灰色の塊だった。
「あれってもしかして、ひょう!?」
大きい。ものすごい大きい。
SF映画で見たことある、バカでかい隕石ぐらい大きい。
『メガトン・ヘイル』はつまり、メガトンなひょうってことか。
「こりゃすごいね!ゴブリンなんて一網打尽で倒せちゃうじゃん」
メガトンなひょうは戦線の奥、境界線のゴブリン領側に向かって落下を続けている。
ゴブリンたちも捕捉したみたいで、ギャアギャアと騒ぎ出したみたい。高いキーキーとした声がうっすらと聞こえてくる。
そりゃ慌てるわけだ。
でっかいひょうが自分たちに向かって落ちてくるんだから。
「ずいぶんと派手な開会式ね」
リーパーが皮肉を言う。
「『サクラ個体』はアレを耐えるかもしれない!充分に警戒してあたってくれ!」
「「「おうッッッ!!」」」
さらに【英雄の戦禍】のマスター、マスターさんが大声で指示を出し、クランメンバーたちが一斉に頷く。
「クランマスターのマスターさんって、面白いね」
「緊張感ゼロね、ハッパ…」
失礼な。これでも心臓バクバクですよ~、だ。
なんてリーパーと話しているうちに、ひょうがもうあんなに近くに!
本当に大きい。
あんなのが落ちたら、ゴブリンたちはひとたまりもないだろうね。
こっちには来ないよね?
「衝撃に備えろっ!」
クランマスターのマスターさんが警告する。
クランマスターの、マスターさん。
「ふふっ、ふふふ」
「ほら、姿勢を低くして」
一人でおかしくなって含み笑いを漏らしていると、リーパーが頭を押してくる。
「痛いって、自分でできるよ!」
グイグイと押してくるので、ウチは観念してその場にしゃがみこむ。
本当にお母さんみたいだね、リーパーは!
「なによニヤニヤして。また変なこと考えて…」
ドガアアアンッ!
瞬間、大きな音と光が爆ぜる。
それとほぼ同時に、ゴブリンの方を見ていたリーパーが絶句する。
「なに!?落ちた!?落ちた!?」
リーパーの体で隠れてて、ウチは前が見えない。
せっかくなら、ひょうが落ちる瞬間を見たかったのに!
あれ?
でもこの音って、どこかで聞いたことがあるような?
ドガアアアンッ!
さらに、なぜかもう一度同じ音と光が放たれる。
続けてもう一回。またもう一回。何回も何回も。
まさか、あんな大きなひょうがいくつも落ちてきたの!?
「ちょっと、放してってば」
「あ、ごめんなさい。それよりハッパ、あれを見て」
リーパーはようやくウチを押さえる手をどけて、空の一点を指す。
え、空?
地面じゃないの?ひょうが衝突したんじゃないの?
「もう、今更衝突した跡を見てもつま…、え!?」
リーパーに言われ、空を見上げたウチは絶句する。
ドガアアアンッ!
再び、音と光が爆ぜる。
未だ落下を続けるひょうの表面で。
あ。ひょうのひょう面だって、面白いね。
「って、私の【爆発魔法】じゃん!」
「ええ、そうよ」
リーパーは私のスキルのことを知っていたみたい。有名人はつらいよ。
って、そんなことは今はよくて…。
なぜか分からないけど、ウチの【爆発魔法】がひょうに向かって幾度となく放たれているようだ。
「でも、どうしてウチのスキルが…」
マスターさんの説明にはこんな段取りはなかった。
だとすると…。
「そんなことありえるの!?」
だとすると、ゴブリンが魔法を使っているの!?
「まずいわ、ハッパ。想定外の事態だし…」
「…」
リーパーの切羽詰まった声に、ウチは頷きだけで返す。
徐々にではあるけど、爆発はひょうを削ってる。
あと数回爆発が起こったら、とんでもないことが起きちゃう!
「総員、撤退しろ!」
ちょうど、マスターのマスターさんが言うのと同時くらい。
もう一度、ウチが【爆発魔法】を使うときに発する音と光が広がる。
そして、大きなひょうの塊が、いくつもの欠片になって割れた。
色んな方向に飛び散って、まるで花火を見てるみたい。
「なに見とれてんのよ、ハッパ!今すぐ逃げるわよっ」
そう言って、リーパーがウチの手を引いて後ろに引っ張る。
すると、砕け散った破片の一つがヒュウウウウと空気を震わせ、ウチらの近くに落ちてきた。
「きゃっ!」
激しい揺れが襲い、ウチはすっ転ぶ。
はずみで、前にいたリーパーを巻き込んじゃった。
「ごめーん、リーパー!」
「もう、仕方ないわね。…え?」
「どうしたの?」
「あれ…」
「あれ?」
手を貸してもらって立ち上がったウチは振り返り、リーパーが指す背後を確認する。
あらきれい。
全身ピンク色に染まったゴブリンが、こちらに向かって走ってきていた。
「あれが…、サクラゴブリンだっけ?」
「サクラゴブリンじゃなくて『ゴブリン・サクラ』よ。って、そんなことはいいから、早く逃げましょう!」
「いや、間に合わないよ」
「え?」
「逃げらんない。ひょうの破片がウチら側にも落ちてきてるし、なにより『ゴブリン・サクラ』の走るスピードが速すぎる」
「急に冷静になられると困るけれど、確かにものすごい脚力ね。もうすぐここまで来る」
「リーパー」
「なによ?」
「ウチらは戦線の一番前にいたよね?」
「そうね。ハッパの魔法が危険だから、前に出ざるを得なかったんだけど」
「じゃあ、ウチらがしんがりってやつを努めなきゃいけないわけだよね?」
「ええ、そういうことになるわね」
「じゃあ、戦おうよ」
「なにがじゃあ、なのよ。ハッパは今日初めて会った、よく知りもしないプレイヤーたちのために死ねるっていうの?」
「死ぬかどうかは分からないけど、死ねるよ!ウチ死に慣れてるから!」
「…流石は『爆破の魔女』ね」
「いや~、それほどでも~」
「褒めてないわよ」
「じゃあ、リーパーだけでも逃げていいよ?」
「いいえ、戦わないとは言ってないわ」
「…ありがとう」
「礼には及ばないわ。やるからには勝つ。それだけよ」
「うん!」
落ちてくるひょうと『ゴブリン・サクラ』が迫るこの状況、おちおちしていられない。
ウチとリーパーは、矢継ぎ早に作戦会議をする。
そして今、決意が固まった!
二人で絶対に勝って、『サクラジェム』を手にするよ!
迫りくる『ゴブリン・サクラ』に向かって、ウチらはそれぞれの武器を構えた。
サイド:グレープ
トーマ、ハッパと別れた俺は、鉱山に向かって街道を歩き始めた。
そして道中、足を動かしながら、師匠から言われたことを思い出す。
『グレープは向こう見ずだ。【自己再生】があるからと、敵を観察せずにただ突っ込む。
それでは、いつまで経っても成長しない』
確かに、その通りだと思った。
あのときの俺は魔物との戦いに勝てず、死に戻りを繰り返して、ヘラヘラしながら遊んでた。
基本ソロだし、誰に迷惑をかけるわけでもない。攻撃力のあるスキルではないから、強靭な魔物に勝てないのは当然だ。
それでも、十分楽しかった。
だけど…。
『そんなプレイスタイルで満足してるのか?俺には考えられないが、どう遊ぼうが人の勝手だしな。とやかく言うつもりはない。いや、今さっき批判したな。悪かった』
いや、師匠の言う通りだ。
強かったら、もっと楽しいはず。もっとOSOが面白くなるはず。
『なに?弟子にしてくれ、だと?そんなめんどくさいこと御免だ。断る』
第一回、『悪魔』のイベントが終わって数日後くらい。
師匠とはフィールドで偶然出会った。
俺が魔物に負けまくって何度も死に戻りしているところに、師匠が通りかかったのだ。
運命だと思った。
俺が強くなれるかどうかの分岐点が、今ここにあるような気がした。
『なに、それなら勝手についていく、だと?…分かった、分かった。師匠呼ばわりはやめてほしいが、少し立ち回りを教えよう。グレープは俺の戦い方を真似してみろ』
師匠は心底めんどくさそうだったが、ぶっきらぼうにそう言った。
その後、俺に戦い方を見せるようにして、師匠は魔物と戦い始めた。
それはもう、めちゃくちゃに強かった。
体の動かし方、剣の振り方、視線の動かし方。
そのどれもが、俺とは全く違った。
俺も師匠みたいになりたい。
そう思い、見様見真似で師匠の戦い方を実践した。
『…少しはマシになったな。もっと練習したら、今度は自分で考えながら動け。一つ一つの行動に、意味を持たせろ』
師匠の言うことは的確で、俺が考えてもいないことだった。
しかし、俺はたった十分ほど教わっただけで、今まで手も足も出なかった魔物を倒せた。
『別にフレンドにならないとかじゃない。師匠呼ばわりをやめろと言っているだけだ。都合が合えば、これからも一緒にプレイしよう』
ただ、師匠として指南するのはこの場限りだと言われた。
もう教えてもらえない?
最後になるなら、せめて名前を聞きたかった。
『名前?ああ忘れてた。同じフルーツの名を持つ者として言っておかないとな』
俺は今日まで、その名を忘れたことはない。
というか、忘れてもフレンドリストを確認すればいいんだけど。
『俺はオレンジ。みかんが大好きな、ただのゲーマーだ』
※※※
つい数週間前のことを考えていると、俺はいつの間にか鉱山に着いた。
目の前には緩やかな斜面が広がっている。
これから山登りだ。といっても頂上ではなく、鉱山の中腹にある廃坑の入口を目指す。
ここから街道を外れるから、魔物との戦闘が多くなっていく。
気を引き締めなきゃな!
師匠に、じゃなくてオレンジに教えてもらったことを活かして、『サクラ個体』が相手だろうが勝つ。
そう思って一歩踏み出した瞬間…。
「おいお前、グレープとかいうやつだな」
不意に、耳元から声がする。
いつの間にすぐ後ろに!PKプレイヤーか!?
俺は足を止め、剣を引き抜こうとする。
「…ぐっ!」
しかし、右手をかけた剣の柄を後ろから押さえられる。
剣士は密着されるほど接近されると弱い。武器の剣を封じられるとなおさらだ。
それを知っているとは…、こいつ、できる!
かなりのやり手だ!
「安心しろ、殺すつもりはない」
「お前は誰だ!?」
「俺は、『魔王』と呼ばれている者だ」
『魔王』って、最悪のPKプレイヤーの、あの『魔王』か!?
流石の俺でも、βテストでの彼の悪行は知っている。
「信用できないな!『魔王』の名を騙った偽物かもしれないだろ!」
トーマは言っていた。PKプレイヤーの言うことを真に受けてはいけないと。
NPCの盗賊やプレイヤーによるPKは何度か経験がある。
多くが無言で襲いかかってきたり、馬鹿正直に名乗りを上げて襲いかかってきたりしたが、『魔王』に成りすますやつがいないとも限らない。
「お前が俺をどう思おうが、どうでもいい。問題は、お前がここに一人で居るということは、トーマは来ていないということだ。当てが外れた。俺の時間をどうしてくれる?」
なんて警戒していると、支離滅裂なことを言って責めてきた。
なんで俺が小言を言われなきゃいけないんだ?
「意味わっ…!かんっ…ねえよっ……!」
意味が分からないが、時間稼ぎにはなる。
俺は反論しながら腕に力を込めて剣を抜こうとするが、『魔王』の押さえる力が強すぎて、拘束から逃れられない。
「別に分かるように話していないから、問題ない」
「……俺とまともに話す気ないだろ」
この理解不能な話を好き勝手に展開する感じ、トーマに似ている。
俺の勘が間違っていなければ、知り合いだろうな。
「トーマがどうとか言ってたが、何か用だったのか?俺が代わりに伝えといてもいいぞ!」
こうなったら、もうやけだ。
キルされてもいいから、少しでも話を長引かせて情報を引き出そう。
「用というほどのことはない。魔物を放つついでに殺そうと思っただけだ」
「おまえええっ!」
再度抜け出そうと試みるも、やはりダメだ。
魔物を放つって、一体こいつは何をするつもりなんだ?
「主要なダンジョンとゴブリン領との境界は、我々【魔王軍】が占領する。お前たちプレイヤーが自由に狩りをすることは許さん」
「何言ってやがる!」
本当に理解不能だ!
そんなことしたら『サクラジェム』が集められなくなるだろ!
それに…。
「楽しくねえだろっ!そんなん!」
俺はそう言い放ち、勢いよくしゃがみ込む。
魔王の腕から逃れた俺は前に転がり、振り返りながら剣を抜いて背後を斬り払う。
「ちっ!」
かわされた。
先ほどまですぐ後ろにいたはずなのに、『魔王』は数十メートルほど離れた街道の上に立っている。
「先ほど、俺はお前を殺さないと言った」
そして呟き始めた『魔王』はいつの間にか、本を手にしていた。
革製か、黒い背表紙の本。
『魔王』のスキルはあれをどうこうする感じか?
くそっ!こんなことになるなら、トーマから要注意人物について聞いておけばよかった!
「だが、こいつらはどうかな?『ハイプレーンウルフ・ソニック』、『ハイプレーンウルフ・ソニック』、『ハイプレーンウルフ・ソニック』…」
本を開き、魔物の名を何度も口ずさむ『魔王』。
聞いたことのない名前だ。
言葉を詠唱して発動するタイプなら攻撃しにいきたいが、スキルの正体が分からない。
うかつに攻めるのは自殺行為か…?
「『ハイプレーンウルフ・ソニック』、『ハイプレーンウルフ・ソニック』…」
本が光る光る。また光る。
光が止む度、『魔王』の前に狼の魔物が増えていく。
魔物を召喚している?
もしかして、これが『魔王』のスキルか!
「…『ハイプレーンウルフ・ソニック』。都合十体。これくらいでいいだろう」
『魔王』の傍らに十頭の狼が召喚された。
灰色の毛並みを持つ、細身の狼だ。それが十体。
単独であっても、明らかに今まで戦ってきたどの魔物よりも強い!
「狼たちよ。この山の中腹にある廃坑に行き、中にいるプレイヤーを皆殺しにしろ」
何ともないような口ぶりで、『魔王』が狼の魔物たちに指令を出す。
「ウォンッ!!」
命令された狼たちは短く吠えると、こちらに向かって走ってくる。
速い!
俺を通り過ぎて、後ろにある廃坑に向かうつもりか!
「ここで戦って死ぬか、逃げきれずに死ぬかはお前次第だ」
『魔王』はそう言うと、くるりと振り返って街道を歩き始める。
どこに行くつもりだ!?
「待てえええっ!」
俺は叫ぶが、一瞬で狼の波に飲まれた。
サイド:ハッパ
「はえー、いっぱいいるねえ!」
「でしょ、いつもこうなのよ」
数百メートル先にひしめくゴブリンの群れを見ながら、ウチは歓声を上げる。
今ウチは、一緒の馬車で仲良くなったリーパーと一緒に、目の前に広がる圧巻の景色を眺めている。
聞くところによると、彼女はあるクランに所属してるんだけど、そこのクランマスターに無理やり言われてゴブリン領に来たらしい。
クラン勤めも楽じゃないってことだね。
やっぱり、ソロの方が気楽でいいよ。
「ま、そのストレスも戦って晴らしちゃおうよ」
「そうね」
勝手によじ登った馬車の屋根の上で、ワイワイ話すこと数分。
やっと目的地に着いた。
「足元に気をつけるのよ」
「は~い」
リーパーはお母さんみたいなことを言う。
ずっこけるなんてヘマ、するわけないじゃん。
…大丈夫だよね?
しっかり足元を見ながら、ウチは屋根から降りた。
これでウチとリーパーを含む、人ゴブ戦争に参加するプレイヤーたちがゴブリン領との境界近くに到着した。
「ふい~、やっと地に足が着いたね」
ウチは大きく伸びをして、紅蓮に輝く杖を握り締める。
「気を引き締めて、これからが本番よ」
隣のリーパーは大きな鎌を持っている。
戦闘では振り回して戦うんだって。かっこいいね。
「【天候魔法】!一分後にいきまーす!!」
早速、ウェザーさんという、【天候魔法】を使う魔法使いの女の人のかけ声が後ろから聞こえる。
今日は【天候魔法】の発動が開戦の合図らしいよ。
いつもと違って、魔法を先に撃つんだって。
理由は、ゴブリンたちの中に強力な『サクラ個体』が混じっているかもしれないから。
「彼女の魔法、すごいわよ」
「そうなんだ!楽しみ~」
【爆発魔法】も楽しいけど、他の人のスキルを見るのも好きだ。
ウチは見逃さないように、前方に視線を向ける。
まだゴブリンは遠くにいるし、おしゃべりする時間は充分にあるね。
「ところで、リーパーのクランハウスはどこにあるの?」
「秘密よ」
「え~、ケチ!」
遊びに行きたいのに!
ウチとリーパーは雑談しながら、【天候魔法】が発動するのを待つ。
ふと空を見上げると、空を覆う雲が徐々に厚くなっていく。
そして、きっちり一分後。
「いきます!『メガトン・ヘイル』!!」
「ヘイル?何それ、英語?」
「今に分かるわよ」
ウチはリーパーの方を向いて聞いたけど、意地悪で返された。
「ねえ教えてよ、リ~パ~」
「シャキッとしなさい。もう少しで戦いが始まるのよ」
ウチらがうだうだやっている間に、曇り空から何かが降ってくる。
それは、氷みたいな灰色の塊だった。
「あれってもしかして、ひょう!?」
大きい。ものすごい大きい。
SF映画で見たことある、バカでかい隕石ぐらい大きい。
『メガトン・ヘイル』はつまり、メガトンなひょうってことか。
「こりゃすごいね!ゴブリンなんて一網打尽で倒せちゃうじゃん」
メガトンなひょうは戦線の奥、境界線のゴブリン領側に向かって落下を続けている。
ゴブリンたちも捕捉したみたいで、ギャアギャアと騒ぎ出したみたい。高いキーキーとした声がうっすらと聞こえてくる。
そりゃ慌てるわけだ。
でっかいひょうが自分たちに向かって落ちてくるんだから。
「ずいぶんと派手な開会式ね」
リーパーが皮肉を言う。
「『サクラ個体』はアレを耐えるかもしれない!充分に警戒してあたってくれ!」
「「「おうッッッ!!」」」
さらに【英雄の戦禍】のマスター、マスターさんが大声で指示を出し、クランメンバーたちが一斉に頷く。
「クランマスターのマスターさんって、面白いね」
「緊張感ゼロね、ハッパ…」
失礼な。これでも心臓バクバクですよ~、だ。
なんてリーパーと話しているうちに、ひょうがもうあんなに近くに!
本当に大きい。
あんなのが落ちたら、ゴブリンたちはひとたまりもないだろうね。
こっちには来ないよね?
「衝撃に備えろっ!」
クランマスターのマスターさんが警告する。
クランマスターの、マスターさん。
「ふふっ、ふふふ」
「ほら、姿勢を低くして」
一人でおかしくなって含み笑いを漏らしていると、リーパーが頭を押してくる。
「痛いって、自分でできるよ!」
グイグイと押してくるので、ウチは観念してその場にしゃがみこむ。
本当にお母さんみたいだね、リーパーは!
「なによニヤニヤして。また変なこと考えて…」
ドガアアアンッ!
瞬間、大きな音と光が爆ぜる。
それとほぼ同時に、ゴブリンの方を見ていたリーパーが絶句する。
「なに!?落ちた!?落ちた!?」
リーパーの体で隠れてて、ウチは前が見えない。
せっかくなら、ひょうが落ちる瞬間を見たかったのに!
あれ?
でもこの音って、どこかで聞いたことがあるような?
ドガアアアンッ!
さらに、なぜかもう一度同じ音と光が放たれる。
続けてもう一回。またもう一回。何回も何回も。
まさか、あんな大きなひょうがいくつも落ちてきたの!?
「ちょっと、放してってば」
「あ、ごめんなさい。それよりハッパ、あれを見て」
リーパーはようやくウチを押さえる手をどけて、空の一点を指す。
え、空?
地面じゃないの?ひょうが衝突したんじゃないの?
「もう、今更衝突した跡を見てもつま…、え!?」
リーパーに言われ、空を見上げたウチは絶句する。
ドガアアアンッ!
再び、音と光が爆ぜる。
未だ落下を続けるひょうの表面で。
あ。ひょうのひょう面だって、面白いね。
「って、私の【爆発魔法】じゃん!」
「ええ、そうよ」
リーパーは私のスキルのことを知っていたみたい。有名人はつらいよ。
って、そんなことは今はよくて…。
なぜか分からないけど、ウチの【爆発魔法】がひょうに向かって幾度となく放たれているようだ。
「でも、どうしてウチのスキルが…」
マスターさんの説明にはこんな段取りはなかった。
だとすると…。
「そんなことありえるの!?」
だとすると、ゴブリンが魔法を使っているの!?
「まずいわ、ハッパ。想定外の事態だし…」
「…」
リーパーの切羽詰まった声に、ウチは頷きだけで返す。
徐々にではあるけど、爆発はひょうを削ってる。
あと数回爆発が起こったら、とんでもないことが起きちゃう!
「総員、撤退しろ!」
ちょうど、マスターのマスターさんが言うのと同時くらい。
もう一度、ウチが【爆発魔法】を使うときに発する音と光が広がる。
そして、大きなひょうの塊が、いくつもの欠片になって割れた。
色んな方向に飛び散って、まるで花火を見てるみたい。
「なに見とれてんのよ、ハッパ!今すぐ逃げるわよっ」
そう言って、リーパーがウチの手を引いて後ろに引っ張る。
すると、砕け散った破片の一つがヒュウウウウと空気を震わせ、ウチらの近くに落ちてきた。
「きゃっ!」
激しい揺れが襲い、ウチはすっ転ぶ。
はずみで、前にいたリーパーを巻き込んじゃった。
「ごめーん、リーパー!」
「もう、仕方ないわね。…え?」
「どうしたの?」
「あれ…」
「あれ?」
手を貸してもらって立ち上がったウチは振り返り、リーパーが指す背後を確認する。
あらきれい。
全身ピンク色に染まったゴブリンが、こちらに向かって走ってきていた。
「あれが…、サクラゴブリンだっけ?」
「サクラゴブリンじゃなくて『ゴブリン・サクラ』よ。って、そんなことはいいから、早く逃げましょう!」
「いや、間に合わないよ」
「え?」
「逃げらんない。ひょうの破片がウチら側にも落ちてきてるし、なにより『ゴブリン・サクラ』の走るスピードが速すぎる」
「急に冷静になられると困るけれど、確かにものすごい脚力ね。もうすぐここまで来る」
「リーパー」
「なによ?」
「ウチらは戦線の一番前にいたよね?」
「そうね。ハッパの魔法が危険だから、前に出ざるを得なかったんだけど」
「じゃあ、ウチらがしんがりってやつを努めなきゃいけないわけだよね?」
「ええ、そういうことになるわね」
「じゃあ、戦おうよ」
「なにがじゃあ、なのよ。ハッパは今日初めて会った、よく知りもしないプレイヤーたちのために死ねるっていうの?」
「死ぬかどうかは分からないけど、死ねるよ!ウチ死に慣れてるから!」
「…流石は『爆破の魔女』ね」
「いや~、それほどでも~」
「褒めてないわよ」
「じゃあ、リーパーだけでも逃げていいよ?」
「いいえ、戦わないとは言ってないわ」
「…ありがとう」
「礼には及ばないわ。やるからには勝つ。それだけよ」
「うん!」
落ちてくるひょうと『ゴブリン・サクラ』が迫るこの状況、おちおちしていられない。
ウチとリーパーは、矢継ぎ早に作戦会議をする。
そして今、決意が固まった!
二人で絶対に勝って、『サクラジェム』を手にするよ!
迫りくる『ゴブリン・サクラ』に向かって、ウチらはそれぞれの武器を構えた。
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