アベ・コベの日常

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幼少期

アベとコベとの生活 前編

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アベとコベの住居は俺が隠居している組織所有の一軒家で俺と一緒に住むことが決まった。隣の家は500メートル先にあるので静かでのんびりとできる家だ。3LDKで1人一部屋あるしもちろん風呂も完備されている。
「今日からここがお前達の家になる。元は俺が1人で住んでいたから特に掃除も必要ないしお前達の部屋もすぐ準備できる。まぁ家具はないがな。今日はベッドが一つしかないから全員一緒に寝るか。お前達のものは明日買い揃える。」
「一緒に寝るのは嫌だけど、買い物には早く行かないとね。」
「…おれ…今日…床…買い物…行かない…」
アベは寝るのは床でいいということだろう。コベは一緒に寝るのが嫌らしい。買い物もコベは賛成だがアベは行かないと、意見がバラバラだ。
「あのなぁ、今日一緒のベッドで寝るのも、明日買い物に行くのも決定事項だ。文句は受け付けてない。飯作るから手伝え。」
コベが後ろで「えー」と言っているが聞いしない。もう夕方になるし、何より俺が腹が減った。
「アベは皿を机に出して、コベは調理を手伝え。」
ただここで問題が起こった。
《パリンッ》
「…シン…ごめん…皿…割った…」
アベが手で皿を割った。皿は買い替えて丈夫な物にすることにした。
「大丈夫だ皿はまた買えばいい。それより怪我はないか?」
皿を手で割ってしまったので欠片などで怪我をしていないか心配だった。
「…ない…大丈夫…」
アベは怪我はなく手を握ったり開いたりした。
「大丈夫そうだな。今度から気をつけろよ。だが、皿が出せないから何させるかな…そうだ、今日はポテトサラダ作るから、ジャガイモを潰してくれないか?あれ意外と力いるから大変なんだよ」
皿を割ってしまったことでアベの仕事がなくなってしまったので違う仕事を与える事にした。
「…分かった…」
やる気はあるようなので頑張ってもらおう。
「アベ大丈夫?」
コベも心配していたようでアベに安否を確認している。
「…大丈夫だ…それより…コベ…なにやってる…?」
コベの方を見ると既に何が何と混ざっているか分からない紫色のドロドロとしたものが鍋にはいっていた。
「いや~何を入れたらどんな風になるのかな~って実験してみたくなっちゃって~」
「何か入れる前に俺に聞けよ!」
もう引き受けたことを特にコベについては後悔していた。
「でも、ちゃんと美味しくできてるよ?」
コベが先ず飲んで見せ、アベは嫌がっていたが無理矢理飲まされていた。
「…おいしい…」
あまり顔から表情が分からないアベが驚いた様子が分かったから確かに上手いのだろう。
「ちょっと貸してみ」
俺もアベを信じて少し飲んでみると
「…うまい」
自然と言葉が溢れた。見た目に反して想像以上に美味しかったのだ。
「確かに美味いが今度からは俺にちゃんと聞いてから混ぜろよ。」
そのあとアベとポテトサラダを作って、夕食はパンとアベと俺特製のポテトサラダとコベ特製の謎のスープになった。
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