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第1部 1章 始まりの大地
新たなる世界
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「ここが新天地…」
女神様に新たな世界に送ってもらった私は周りを見渡す。
「それにしても周りは真っ暗だわ。やだ!本当にかわいい声!」
この世界で初めてあげた自分の声の可愛さに自分でも驚く。流石は神様基準といったところだ。でも、辺りは真っ暗闇。顔を確認することができない。
「ひとまずは装備の確認よね。身に着けているものはと…」
ガシャン
身に着けているものや辺りを確認するために少し歩くと、金属音がした。なんだろうと思うと、どうやら鎧を着込んでいるらしい。
「そっか、デュラハンなんだから鎧は標準装備なんだ」
色は分からないけど、どうやら全身鎧らしい。ご丁寧に頭もすっぽり覆うタイプの兜だった。
「というか、目線が滅茶苦茶低いわ。背も低くなったし、頭を手で持ってるからね」
頭を首の近くに持っていき目測すると、身長は155センチぐらいだろうか?前は182センチの高身長だったから、何かと不便もあったのよね。さっそく、頭を首に置いて人間の姿も試したいけど残念ながらそれは後回し。
「何事も安全が一番!能力が激減するって言われてたし、我慢よ我慢。とりあえずは暗闇に目が慣れてきたかな?」
しばらく待つと流石に目が慣れてきたのか、周りが分かるようになった。辺りはごつごつとした岩肌で、たまにぴちゃんぴちゃんと水滴の音がするだけだ。
「どうやら、洞窟の奥深くのようね。助かった、いきなり人間相手はできないし」
魔物…デュラハンは魔族らしいけど、流石にいきなり対人戦はね。元人間としては悪人以外で手出しはできるだけしたくない。とりあえず装備を確認すると、全身鎧一式と腰に一振りの剣があることが分かった。
「ん~、食事とかの知識はと…」
とりあえず、戦えることが分かったので次は食料だ。頭の中を探すとそれっぽい知識に当たった。
『デュラハンの食事というか魔族は魔力を主食とします。食料は必要ありませんが、食料からも取ることができます。あなたは闇魔法が使えるはずですので、魔物や人間からも搾り取ることができますよ』
「搾り取るって、女神様って表現豊かだなぁ。とはいえ、肝心の魔法の使い方はわからないし、魔力を得られそうなものはといえば…」
周りを見渡すが雑草?しか生えていない。ただ、魔力という言葉を意識してみてみると、ぼんやりだけど魔力を含んでいることがわかる。
「ひょっとしてしばらくはこれ食べるの?ま、まあ、女神様もお腹を壊すとは書いてなかったし、魔族の状態なら大丈夫でしょ」
そう言いながらも安全を考え少しだけ食べる。
「にが~い。味覚はちゃんとあるんだ…あっ、こっちはちょっとましかな?」
隣にあったものを口に含むと、さっきと違う味だった。同じ雑草に見えてもちょっと味が違うのはなんでだろう?
「こういう時はさっきの知識をと」
『魔族の食事は魔力のため、食料に含まれている魔力量が味に直結します。魔力が多ければおいしく、少なければ人がいくらおいしいと思うものでも不味くなります』
「なるほどね。つまり、劇物とかに関わらず、魔力がこもっていればOKと。これってうまく使えば品質が分かったりする?」
さっきのまずい草とおいしい草の見た目は一緒だった。つまりは魔力の品質が味の差だということだ。
「うまく使えば目利きもできるようになるし、魔力の流れも追いやすくなるかも!」
それから私は毎日のように草を鑑定したり、剣を振って剣術の練習をしたりした。どうやら、デュラハンという種族は元々、剣に長けているようでなんとなく振り方も分かるのはうれしかった。
「後の問題は…日の光が入ってこないことだよね」
日付の感覚なんて全くない。最初の1日でさえ、時間を計るものがないので分からなかった。
「そもそも、24時間制か分からないから、せめて日の光でも入ればな~」
そう思いながらもどうすることもできないので、月日だけが過ぎていった。ま、時間はたっぷりあるし大丈夫でしょ。それより、外に出る日を考えて実力を付けないとね!
女神様に新たな世界に送ってもらった私は周りを見渡す。
「それにしても周りは真っ暗だわ。やだ!本当にかわいい声!」
この世界で初めてあげた自分の声の可愛さに自分でも驚く。流石は神様基準といったところだ。でも、辺りは真っ暗闇。顔を確認することができない。
「ひとまずは装備の確認よね。身に着けているものはと…」
ガシャン
身に着けているものや辺りを確認するために少し歩くと、金属音がした。なんだろうと思うと、どうやら鎧を着込んでいるらしい。
「そっか、デュラハンなんだから鎧は標準装備なんだ」
色は分からないけど、どうやら全身鎧らしい。ご丁寧に頭もすっぽり覆うタイプの兜だった。
「というか、目線が滅茶苦茶低いわ。背も低くなったし、頭を手で持ってるからね」
頭を首の近くに持っていき目測すると、身長は155センチぐらいだろうか?前は182センチの高身長だったから、何かと不便もあったのよね。さっそく、頭を首に置いて人間の姿も試したいけど残念ながらそれは後回し。
「何事も安全が一番!能力が激減するって言われてたし、我慢よ我慢。とりあえずは暗闇に目が慣れてきたかな?」
しばらく待つと流石に目が慣れてきたのか、周りが分かるようになった。辺りはごつごつとした岩肌で、たまにぴちゃんぴちゃんと水滴の音がするだけだ。
「どうやら、洞窟の奥深くのようね。助かった、いきなり人間相手はできないし」
魔物…デュラハンは魔族らしいけど、流石にいきなり対人戦はね。元人間としては悪人以外で手出しはできるだけしたくない。とりあえず装備を確認すると、全身鎧一式と腰に一振りの剣があることが分かった。
「ん~、食事とかの知識はと…」
とりあえず、戦えることが分かったので次は食料だ。頭の中を探すとそれっぽい知識に当たった。
『デュラハンの食事というか魔族は魔力を主食とします。食料は必要ありませんが、食料からも取ることができます。あなたは闇魔法が使えるはずですので、魔物や人間からも搾り取ることができますよ』
「搾り取るって、女神様って表現豊かだなぁ。とはいえ、肝心の魔法の使い方はわからないし、魔力を得られそうなものはといえば…」
周りを見渡すが雑草?しか生えていない。ただ、魔力という言葉を意識してみてみると、ぼんやりだけど魔力を含んでいることがわかる。
「ひょっとしてしばらくはこれ食べるの?ま、まあ、女神様もお腹を壊すとは書いてなかったし、魔族の状態なら大丈夫でしょ」
そう言いながらも安全を考え少しだけ食べる。
「にが~い。味覚はちゃんとあるんだ…あっ、こっちはちょっとましかな?」
隣にあったものを口に含むと、さっきと違う味だった。同じ雑草に見えてもちょっと味が違うのはなんでだろう?
「こういう時はさっきの知識をと」
『魔族の食事は魔力のため、食料に含まれている魔力量が味に直結します。魔力が多ければおいしく、少なければ人がいくらおいしいと思うものでも不味くなります』
「なるほどね。つまり、劇物とかに関わらず、魔力がこもっていればOKと。これってうまく使えば品質が分かったりする?」
さっきのまずい草とおいしい草の見た目は一緒だった。つまりは魔力の品質が味の差だということだ。
「うまく使えば目利きもできるようになるし、魔力の流れも追いやすくなるかも!」
それから私は毎日のように草を鑑定したり、剣を振って剣術の練習をしたりした。どうやら、デュラハンという種族は元々、剣に長けているようでなんとなく振り方も分かるのはうれしかった。
「後の問題は…日の光が入ってこないことだよね」
日付の感覚なんて全くない。最初の1日でさえ、時間を計るものがないので分からなかった。
「そもそも、24時間制か分からないから、せめて日の光でも入ればな~」
そう思いながらもどうすることもできないので、月日だけが過ぎていった。ま、時間はたっぷりあるし大丈夫でしょ。それより、外に出る日を考えて実力を付けないとね!
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