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4 いざギルド登録
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今日は待ちに待ったギルド登録の日だ。前日から十分に準備をして向かう。サラさんが付いてくると言っていたけど、私ももう10歳。一人でも大丈夫だ!
「失礼します…」
恐る恐るギルドの扉を開いて中に入る。
「あら、かわいい子ね。どうしたの?」
「登録に来たんですけど…」
「そうなのね。出来るけど、お金とかは大丈夫?銀貨5枚だけど…」
「はい!これですね」
私はそう言いながら銀貨を5枚渡す。お金の勉強は去年街に出られるようになってしたので大丈夫だ。
「はい、確かに。じゃあ、説明するわね。まず、登録すると登録証がもらえるわ。自分のクラスと名前と所属パーティーとが書かれるから、なくさないようにしてね。再発行料は銀貨3枚だから。各街のギルドで行えるわ。ここまではいい?」
「はい!」
分かり易い説明だ。この人で良かったな。
「次に行くけど、クラスっていうのは例えば剣士とか魔法使いとかっていうのね。必ず何かを選ぶんだけど、選んだクラスによってちょっとだけ自分の能力が上がったり下がったりするの。剣士なら剣が使い易くなるんだけど、ちょっとだけ魔法は使いにくくなるのよ。これはそれぞれクラスを司っている神様の力が関わっていると言われているわ」
「クラスっていうのは何でもなれるんですか?」
「なれるのは今からこの水晶に手を入れてもらうんだけど、そこで表示されるものだけね。レアなクラスとかは補正が大きくかかるから、お得なんだけどなれる人も少ないの。あと、なったクラスは通常は3か月で別のものに変われるんだけど、これを加護の固定期間と呼んでいるわ。神様の加護をぽんぽんと変えるわけにはいかないから、3か月は同じクラスでいなくちゃいけないのよ。ただ、さっき言ったレアクラスは違うから気を付けてね。あと、水晶に表示されるクラスを押すとそのクラスになれるの。すぐに別のクラスになれないから慎重にね」
「おいおい、そんなガキにレアクラスの説明なんぞ必要ないだろ?」
「業務中です。用事がないのなら話しかけないでください」
「けっ!」
「ごめんなさい。今のところで何か聞きたいところはない?」
「大丈夫です」
「では、水晶に手を入れてください」
「手が入るものなんですか?」
「特殊な魔道具だから大丈夫よ。安心して」
手を水晶に入れる。ちょっとひんやりして気持ちいいかな?
パアァ
水晶が光って収まると文字が浮かび上がった。何々、剣士・戦士・魔法使い・魔法剣士・格闘家・狂騎士かぁ。
「全部で6つですか。まだ、小さいのに将来有望ですね。普通は2つぐらいなんですけど…」
「そうなんですね。この中に珍しいクラスはありますか?」
「そうですね…魔法剣士は少し珍しいですね。中級者であれば割といるんですけど、最初からという事だと特に。後は狂騎士!これは…」
「レアなんですか?とってもいい響きですよね。きっと、いいんでしょうね~」
「いや、文字面からしてそんなに良くは…」
「いや~、なんてったってすっごく惹かれますもん。きっと天のお告げですよ。なりますか…’はい’っと」
「ちょっ、ちょっとまっ…」
『クラスが決定されました。あなたはこれからずっと狂騎士です』
水晶の魔道具から声がする。これで私もちゃんとした冒険者なんだね。
「ああ、そんな…有望な子が」
お姉さんはなんだか様子がおかしいけど、大丈夫かな?
「お姉さん、このクラスについて説明してもらっていいですか?」
「は、はい。狂騎士はとてもレアなクラスです。同様のクラスに狂戦士がいますが、あちらは戦闘が始まったら見境なく戦うので、非常に厄介な存在です。一方この狂騎士というクラスは、戦闘中常に興奮状態ですが、最低限の理性を保ち戦えます。また、1対1での戦いにおいては逆に冷静さが極限まで高められる非常に戦闘特化したクラスです」
「すごいじゃないですか!」
「ですが、通常時でもやや興奮しており、あまり理性的ではなく、日常生活においても大変切れやすくなる傾向にあります。また、一番の問題ですがこのクラスは加護の固定期間は永久なの。要するになったら2度とこれ以外のクラスにはなれないわ」
「でも、補正も大きいんですよね?だったら他のクラスなんて必要ありませんよ!」
「確かに、魔法にも剣にも大きな補正はあると言われてますが、その…なり手がいないので、記録上ももう何十年も前なんです」
「じゃあ、実質専用クラスですね!やった!」
「喜ぶべきなんでしょうか…ギルドとしても。とりあえず、登録証を渡しておきますね」
貰った登録証には『名前:クレア クラス:狂騎士 パーティー:』となっていた。パーティーは組んでないからだね。裏には…ランクFってある。何だろうこれ?
「その裏にあるランクがあなたの冒険者としてのランクです。同ランクの依頼以下しか受けられませんので気を付けてください」
「どうやったら上がりますか?」
「ギルドの依頼を受けていただいて、昇格条件を満たしていくと上がっていきます。ただし、条件はランクが上がるごとに難しくなりますので注意してくださいね」
「はい!」
「ガキが何を受けるってんだよ!手伝いか?」
ギャハハハ
昼間っからお酒を飲んでる人たちが一斉に笑い出す。ふ~んだ。私見た目はこんなんだけど割と強いんだから。
「何なら戦ってみます?」
「はっ?」
「ちょ、ちょっとあなた…」
「大丈夫ですよ。あれぐらいの人になら負けませんから」
最近はある程度実力が読めるようになってきたし、あのおじさんぐらいなら問題ない。
「ほ、ほう?この重戦士の俺に挑むとは身の程知らずなガキだ。いいだろう!奥で勝負だ!」
「ガナッシュさんほんとにやるんですかあんなガキと」
「おう!ガキにも社会のつらさを教えねぇとな」
どかどかと大股でギルドの奥に進んでいく大男。私も実際に人を斬るのは久しぶりだし、頑張ろう!
「大丈夫…じゃないわね。マスターを呼んでこないと!」
「それじゃあ、レイド。合図しろ!」
訓練場のようなところについた私たちはお互いに間合いを取り、開始の合図を待つ。
「始め!」
ウオォォォォォ
勢いよく、アックスを抱えて突っ込んでくる大男。迫力満点だ。騎士のみんなはある程度体を絞ってるからこういう人を倒したかったんだよね。旅先だと山賊とかも出るみたいだし!
ひょい
ひょひょい
まあ、予想通りというか遅いなぁ…。迫力だけならいいんだけどもう得るものはないかな?
「えいっ!」
何度目かのアックスの攻撃を避けた私はスッと側面に回り込んで腕を根元から落とす。一応利き手と逆だからいいよね?
「お前たち!何をして…」
「あにきぃ!」
ぶしゅっ
当然のように切り落とした腕から血が飛び散る。あの時は気分が悪くなったけど、もう何ともないみたい。よかったぁ~。戦闘中に気分が悪くなるなんてどうしようもないからね。こういう安全なところで確かめることができてよかった良かった。
「い、いてぇぇよう」
「ど、どういうことだ!子供が危険だと…」
「私は大丈夫ですよ?こんな人に負けませんよ流石に」
にへら
「あっ、次はあなたが相手してくれるんですか?強そうだし冒険に出る前に手合わせできると私も安心です!」
「手合わせ?これがか!だれか、治癒魔法を…そいつが払えるなら治癒院にでも連れていってやれ!」
「はい!」
みんな優しいんだね。あんな、暴力的な人に気を使ってあげるなんて。
「お前は一体…」
「私ですか?私はクレア!狂騎士なりたての新米冒険者です!」
「失礼します…」
恐る恐るギルドの扉を開いて中に入る。
「あら、かわいい子ね。どうしたの?」
「登録に来たんですけど…」
「そうなのね。出来るけど、お金とかは大丈夫?銀貨5枚だけど…」
「はい!これですね」
私はそう言いながら銀貨を5枚渡す。お金の勉強は去年街に出られるようになってしたので大丈夫だ。
「はい、確かに。じゃあ、説明するわね。まず、登録すると登録証がもらえるわ。自分のクラスと名前と所属パーティーとが書かれるから、なくさないようにしてね。再発行料は銀貨3枚だから。各街のギルドで行えるわ。ここまではいい?」
「はい!」
分かり易い説明だ。この人で良かったな。
「次に行くけど、クラスっていうのは例えば剣士とか魔法使いとかっていうのね。必ず何かを選ぶんだけど、選んだクラスによってちょっとだけ自分の能力が上がったり下がったりするの。剣士なら剣が使い易くなるんだけど、ちょっとだけ魔法は使いにくくなるのよ。これはそれぞれクラスを司っている神様の力が関わっていると言われているわ」
「クラスっていうのは何でもなれるんですか?」
「なれるのは今からこの水晶に手を入れてもらうんだけど、そこで表示されるものだけね。レアなクラスとかは補正が大きくかかるから、お得なんだけどなれる人も少ないの。あと、なったクラスは通常は3か月で別のものに変われるんだけど、これを加護の固定期間と呼んでいるわ。神様の加護をぽんぽんと変えるわけにはいかないから、3か月は同じクラスでいなくちゃいけないのよ。ただ、さっき言ったレアクラスは違うから気を付けてね。あと、水晶に表示されるクラスを押すとそのクラスになれるの。すぐに別のクラスになれないから慎重にね」
「おいおい、そんなガキにレアクラスの説明なんぞ必要ないだろ?」
「業務中です。用事がないのなら話しかけないでください」
「けっ!」
「ごめんなさい。今のところで何か聞きたいところはない?」
「大丈夫です」
「では、水晶に手を入れてください」
「手が入るものなんですか?」
「特殊な魔道具だから大丈夫よ。安心して」
手を水晶に入れる。ちょっとひんやりして気持ちいいかな?
パアァ
水晶が光って収まると文字が浮かび上がった。何々、剣士・戦士・魔法使い・魔法剣士・格闘家・狂騎士かぁ。
「全部で6つですか。まだ、小さいのに将来有望ですね。普通は2つぐらいなんですけど…」
「そうなんですね。この中に珍しいクラスはありますか?」
「そうですね…魔法剣士は少し珍しいですね。中級者であれば割といるんですけど、最初からという事だと特に。後は狂騎士!これは…」
「レアなんですか?とってもいい響きですよね。きっと、いいんでしょうね~」
「いや、文字面からしてそんなに良くは…」
「いや~、なんてったってすっごく惹かれますもん。きっと天のお告げですよ。なりますか…’はい’っと」
「ちょっ、ちょっとまっ…」
『クラスが決定されました。あなたはこれからずっと狂騎士です』
水晶の魔道具から声がする。これで私もちゃんとした冒険者なんだね。
「ああ、そんな…有望な子が」
お姉さんはなんだか様子がおかしいけど、大丈夫かな?
「お姉さん、このクラスについて説明してもらっていいですか?」
「は、はい。狂騎士はとてもレアなクラスです。同様のクラスに狂戦士がいますが、あちらは戦闘が始まったら見境なく戦うので、非常に厄介な存在です。一方この狂騎士というクラスは、戦闘中常に興奮状態ですが、最低限の理性を保ち戦えます。また、1対1での戦いにおいては逆に冷静さが極限まで高められる非常に戦闘特化したクラスです」
「すごいじゃないですか!」
「ですが、通常時でもやや興奮しており、あまり理性的ではなく、日常生活においても大変切れやすくなる傾向にあります。また、一番の問題ですがこのクラスは加護の固定期間は永久なの。要するになったら2度とこれ以外のクラスにはなれないわ」
「でも、補正も大きいんですよね?だったら他のクラスなんて必要ありませんよ!」
「確かに、魔法にも剣にも大きな補正はあると言われてますが、その…なり手がいないので、記録上ももう何十年も前なんです」
「じゃあ、実質専用クラスですね!やった!」
「喜ぶべきなんでしょうか…ギルドとしても。とりあえず、登録証を渡しておきますね」
貰った登録証には『名前:クレア クラス:狂騎士 パーティー:』となっていた。パーティーは組んでないからだね。裏には…ランクFってある。何だろうこれ?
「その裏にあるランクがあなたの冒険者としてのランクです。同ランクの依頼以下しか受けられませんので気を付けてください」
「どうやったら上がりますか?」
「ギルドの依頼を受けていただいて、昇格条件を満たしていくと上がっていきます。ただし、条件はランクが上がるごとに難しくなりますので注意してくださいね」
「はい!」
「ガキが何を受けるってんだよ!手伝いか?」
ギャハハハ
昼間っからお酒を飲んでる人たちが一斉に笑い出す。ふ~んだ。私見た目はこんなんだけど割と強いんだから。
「何なら戦ってみます?」
「はっ?」
「ちょ、ちょっとあなた…」
「大丈夫ですよ。あれぐらいの人になら負けませんから」
最近はある程度実力が読めるようになってきたし、あのおじさんぐらいなら問題ない。
「ほ、ほう?この重戦士の俺に挑むとは身の程知らずなガキだ。いいだろう!奥で勝負だ!」
「ガナッシュさんほんとにやるんですかあんなガキと」
「おう!ガキにも社会のつらさを教えねぇとな」
どかどかと大股でギルドの奥に進んでいく大男。私も実際に人を斬るのは久しぶりだし、頑張ろう!
「大丈夫…じゃないわね。マスターを呼んでこないと!」
「それじゃあ、レイド。合図しろ!」
訓練場のようなところについた私たちはお互いに間合いを取り、開始の合図を待つ。
「始め!」
ウオォォォォォ
勢いよく、アックスを抱えて突っ込んでくる大男。迫力満点だ。騎士のみんなはある程度体を絞ってるからこういう人を倒したかったんだよね。旅先だと山賊とかも出るみたいだし!
ひょい
ひょひょい
まあ、予想通りというか遅いなぁ…。迫力だけならいいんだけどもう得るものはないかな?
「えいっ!」
何度目かのアックスの攻撃を避けた私はスッと側面に回り込んで腕を根元から落とす。一応利き手と逆だからいいよね?
「お前たち!何をして…」
「あにきぃ!」
ぶしゅっ
当然のように切り落とした腕から血が飛び散る。あの時は気分が悪くなったけど、もう何ともないみたい。よかったぁ~。戦闘中に気分が悪くなるなんてどうしようもないからね。こういう安全なところで確かめることができてよかった良かった。
「い、いてぇぇよう」
「ど、どういうことだ!子供が危険だと…」
「私は大丈夫ですよ?こんな人に負けませんよ流石に」
にへら
「あっ、次はあなたが相手してくれるんですか?強そうだし冒険に出る前に手合わせできると私も安心です!」
「手合わせ?これがか!だれか、治癒魔法を…そいつが払えるなら治癒院にでも連れていってやれ!」
「はい!」
みんな優しいんだね。あんな、暴力的な人に気を使ってあげるなんて。
「お前は一体…」
「私ですか?私はクレア!狂騎士なりたての新米冒険者です!」
応援ありがとうございます!
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