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本編
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………あれからたくさんの月日が流れた。学園を無事に卒業した私はガーランド様と結婚して翌年に第1子となる長女をさらに2年後には長男を生んだ。今は10歳になる長女と8歳の長男、そして5歳の次女がいる。
「たあぁ!やあぁ!」
「うんうん。その調子よ、アーシャ」
私は伯爵となったガーランド様とともに長女の剣の稽古を見ている。あれから数年のち、ガイザル様の引退とともに第2騎士団の団長に選ばれ、その時に伯爵へと格上げされた。また、地方を回っている時に盗賊退治に功があり、今では男爵家相当の土地ではあるが領地を持つまでになった。おかげで私は領地と王都を往復する毎日だ。でも、調子よくパーティーの日だけは領地で過ごすため、逆に私が夜会に出る日は何かあるのではと緊張されてしまう。しかし、アーシャは10歳にしてなかなかの腕ではなかろうか?
「ふむ、アーシャ!少しだけ腕が開いている。もう少し意識しろ」
優しく教えるといっていた夫も剣となれば目つきが真剣だ。
「せぇい!」
ぽか
いい音とともに対戦相手の頭に一撃が入る。
「いたた、お嬢様少しは手加減ください」
「何を言っているのクレス。私がレディンやリーナを守るのよ。これぐらいではだめよ!」
ちなみにレディンが私の長男、リーナが次女だ。相手をしていたクレスというのがなんとリラの子供だ。私の結婚前に急に紹介されたと思ったら、そのまま結婚して子供を産んで、子供も我が家に執事見習いとして仕えている。旦那さんは夫と同じ騎士団所属で男爵家の次男だ。しかし、長男が病気がちで今は当主となっている。なのになぜかリラはあんまり男爵家にはおらず、こっちに働きに来ている。本人曰く、『うちの領は台所事情が苦しいので出稼ぎ』とのことだ。
「そう言われましても…では、私はレディン様と稽古をしてきます」
「そうね。まだまだクレスには私の相手は早いわね!」
「ふむ、私は向こうを見てこよう。こっちを頼む」
「分かりました」
どうやら、レディンたちが気になるみたい。まあ、順当にいけばあの子がこの家を継ぐのだし、まだまだ未熟な方を見たいわよね。そう思って私はアーシャと稽古の続きをした。
「ちゃんと手を抜けていたぞクレス」
俺はクレスの頭を撫でてやる。
「そんな…お嬢様に手を上げられませんから…」
クレスもリラと同じようでティアナの子であるアーシャに入れ込んでいる。ただ異性の為、より思いが強い気もするが…。我が家の使用人事情はどうなっているのだろう。男爵家の夫人がわざわざ働きに来ているし、あれから数年後に結婚したカレンの子供も最近お仕えしたいですと今はレディンに仕えている。カレン自身は今は貴族として領地を運営しているためここに来られないことを悔しがっていたそうだ。
「さあ父上、クレスと稽古をつけてください!」
「ああ、いいだろう。だが、くれぐれも気づかれるなよ?」
「「はい!」」
俺たちはひそかにこうやって稽古に見せた特訓をしている。アーシャも確かに強いのだが、2人はそれ以上だ。最初は一緒でいいだろうといったが、こうした方が上達が早かったので仕方なくやっている。影から守るヒーローにあこがれでもあるのか?クレスはアーシャを、レディンはアーシャに振り回されるであろうリーナが心配なようだ。稽古が始まって1時間しても汗をぬぐうことすらせず、ひたすら打ち込んでいる。このまま成長すれば俺より強くなるかもな。
「れ、レディンさま、クレスさま。少しお休みになられては?」
「ああ、シャイアか…そうしよう。クレス休もう」
「そうですね」
「はい、タオルです」
シャイアがタオルを2人に渡し、近くのイスとテーブルにティーセットを用意する。このシャイアがカレンの娘で、半年ほど前から屋敷に仕えている。よく気が付く子で助かっている。
「では、代わりに今度は俺が練習するかな」
剣を抜き素振りをする。伯爵となっても自分は騎士だ。こうして剣を振っていると落ち着く。
「さすがは父上です。素振り一つとっても素晴らしいです!」
「ええ、私も早く追いつかなければ…」
「ははは、褒められてもな。ここ数年で騎士団戦も代わり映えしたからな」
「でも、10年間で4度の優勝ではありませんか」
「だが、カイラスに2回、ガイザル殿にも1度、ギルバート殿にも2度負けている。この前は組み合わせとはいえグライムに持って行かれてしまったからな」
ガイザル殿が引退された後は4強と言われていたが、その内、ギルバード殿の息子のグライムが着々と腕を磨いてきた。それ以外にも強い騎士も出ているので安心はできない。
「でも、皆さんがいてくれれば安心できます」
「シャイアたちにそう言ってもらえるとありがたいな。騎士として戦えぬものが安心してくれることが勇気につながる」
「…僕もそうなるようにしないと」
休憩を切り上げひょいっと椅子から降りて、クレスもレディンも稽古を再開する。
「2人とも無理はするなよ」
「「大丈夫です」」
「シャイア、悪いが2人をよく見ていてくれ」
「わかりました」
2人をシャイアに任せて屋敷に戻る。そろそろ暇をしているころだろう。
「とうさまおそ~い!」
「すまないなリーナ。みんな一生懸命にやっていたから…」
「ううん。ロイもリラもいたからだいじょうぶ」
「ふふっ、たくさん遊びましたものね」
「ははは」
「それはよかったな」
「うん!」
「…にしてもロイもいいのか?もう、歳だろうに」
「ガーランド様、私は元々隣国の貴族の次男です。今更戻るところなどありません」
「そうですよ。ロイ様はお屋敷のことをよく知っておられますし」
「いや、リラ。君こそ領地は良いのか?」
「あら、夫はガーランド様のファン。私はティアナ様のメイドですわ。この屋敷に平穏をもたらすことこそ使命です」
何だろうこの夫婦は。仲がいいとは思っていたがそういう仲なのか。まあ、なんにせよ忠誠心のある使用人は助かる。伯爵家になってから時々、別の家からの推薦などをもらうこともあったが、屋敷を探るものなども紛れていた。幸いロイやカレンやリラが気づくことが多かったので大事には至らないが、そういう気を遣わなくていいのは助かる。
「とうさま~あそびましょ」
考え事にふけっていると膝の上でリーナがかわいく話しかけてくれる。リーナは誰に似たのか剣には一切興味はなく、お菓子作りや掃除などメイドの仕事にばかり興味を持っている。
「じゃあ、何にする?」
「きゅうけいしつ!」
「休憩室?」
「あら、今日もだんなさまはきんりんのじゅんかいですか?」
「は?」
「そうみたいですわ。お子さんたちがしゅみを見つけてからおおくなりましたわね」
「リーナ?」
「もうすこし、いえにいていただけるとてぃあなさまもたすかるのですけど…」
「てぃあなさまの、みおくりのすがたにあんしんしきっておられるのです。これだからおとこは…りらはモガガ」
「リーナ様そこはいりませんわ」
「大体なにかは分かったけれど、どうしてメイドの休憩室に?」
「アーシャ様たちが稽古するのにティアナ様が付き合われるので、リーナ様は私や他のメイドが見ることが多くなってしまうのです。ロイもいるので仕事に影響はありませんが…」
「そうだったのか、気を付けるようにする」
「旦那さまも慣れぬ伯爵業はお疲れとは思われますが、もう少しご家族をいたわってください。我らも領民たちも心配なのです」
「そうだな。もう少し休めるように軍務卿にも掛け合ってみよう」
ちなみに軍務卿はギルバート殿が引き受けられている。さんざん拒否したらしいが受ける他なかったらしい。その時にカイラスが第1騎士団団長に昇格した。
「とうさまおやすみふえるのやった~」
「ああ、アーシャたちには内緒だぞ。後でびっくりさせてやりたいからな」
リーナを抱っこしながら言うと、うんうんと首を振る。ゆさゆさとしているとすぐに眠ってしまった。こういう子供っぽいところがこの子は多いと思う。他の2人よりも将来が心配だ。しっかりした奴を見つけないとな。
「あら、あなたリーナは寝ちゃったの?」
「ああ、ちょっと待たせすぎたみたいだ」
「もう少し、あなたにも気を配らないとねリーナ。そうだ!今度サーラやレミリア様と一緒に侯爵家に行きましょうね~」
俺からリーナを受け取ったティアナがそう言いながら幸せそうに微笑んでいる。今になると時々思うことがある。あの日、レーガン家に警備で呼ばれていなければ自分はどんな日々を送っていただろうかと。俺は今、本当に幸せな人生を送っている…。
「たあぁ!やあぁ!」
「うんうん。その調子よ、アーシャ」
私は伯爵となったガーランド様とともに長女の剣の稽古を見ている。あれから数年のち、ガイザル様の引退とともに第2騎士団の団長に選ばれ、その時に伯爵へと格上げされた。また、地方を回っている時に盗賊退治に功があり、今では男爵家相当の土地ではあるが領地を持つまでになった。おかげで私は領地と王都を往復する毎日だ。でも、調子よくパーティーの日だけは領地で過ごすため、逆に私が夜会に出る日は何かあるのではと緊張されてしまう。しかし、アーシャは10歳にしてなかなかの腕ではなかろうか?
「ふむ、アーシャ!少しだけ腕が開いている。もう少し意識しろ」
優しく教えるといっていた夫も剣となれば目つきが真剣だ。
「せぇい!」
ぽか
いい音とともに対戦相手の頭に一撃が入る。
「いたた、お嬢様少しは手加減ください」
「何を言っているのクレス。私がレディンやリーナを守るのよ。これぐらいではだめよ!」
ちなみにレディンが私の長男、リーナが次女だ。相手をしていたクレスというのがなんとリラの子供だ。私の結婚前に急に紹介されたと思ったら、そのまま結婚して子供を産んで、子供も我が家に執事見習いとして仕えている。旦那さんは夫と同じ騎士団所属で男爵家の次男だ。しかし、長男が病気がちで今は当主となっている。なのになぜかリラはあんまり男爵家にはおらず、こっちに働きに来ている。本人曰く、『うちの領は台所事情が苦しいので出稼ぎ』とのことだ。
「そう言われましても…では、私はレディン様と稽古をしてきます」
「そうね。まだまだクレスには私の相手は早いわね!」
「ふむ、私は向こうを見てこよう。こっちを頼む」
「分かりました」
どうやら、レディンたちが気になるみたい。まあ、順当にいけばあの子がこの家を継ぐのだし、まだまだ未熟な方を見たいわよね。そう思って私はアーシャと稽古の続きをした。
「ちゃんと手を抜けていたぞクレス」
俺はクレスの頭を撫でてやる。
「そんな…お嬢様に手を上げられませんから…」
クレスもリラと同じようでティアナの子であるアーシャに入れ込んでいる。ただ異性の為、より思いが強い気もするが…。我が家の使用人事情はどうなっているのだろう。男爵家の夫人がわざわざ働きに来ているし、あれから数年後に結婚したカレンの子供も最近お仕えしたいですと今はレディンに仕えている。カレン自身は今は貴族として領地を運営しているためここに来られないことを悔しがっていたそうだ。
「さあ父上、クレスと稽古をつけてください!」
「ああ、いいだろう。だが、くれぐれも気づかれるなよ?」
「「はい!」」
俺たちはひそかにこうやって稽古に見せた特訓をしている。アーシャも確かに強いのだが、2人はそれ以上だ。最初は一緒でいいだろうといったが、こうした方が上達が早かったので仕方なくやっている。影から守るヒーローにあこがれでもあるのか?クレスはアーシャを、レディンはアーシャに振り回されるであろうリーナが心配なようだ。稽古が始まって1時間しても汗をぬぐうことすらせず、ひたすら打ち込んでいる。このまま成長すれば俺より強くなるかもな。
「れ、レディンさま、クレスさま。少しお休みになられては?」
「ああ、シャイアか…そうしよう。クレス休もう」
「そうですね」
「はい、タオルです」
シャイアがタオルを2人に渡し、近くのイスとテーブルにティーセットを用意する。このシャイアがカレンの娘で、半年ほど前から屋敷に仕えている。よく気が付く子で助かっている。
「では、代わりに今度は俺が練習するかな」
剣を抜き素振りをする。伯爵となっても自分は騎士だ。こうして剣を振っていると落ち着く。
「さすがは父上です。素振り一つとっても素晴らしいです!」
「ええ、私も早く追いつかなければ…」
「ははは、褒められてもな。ここ数年で騎士団戦も代わり映えしたからな」
「でも、10年間で4度の優勝ではありませんか」
「だが、カイラスに2回、ガイザル殿にも1度、ギルバート殿にも2度負けている。この前は組み合わせとはいえグライムに持って行かれてしまったからな」
ガイザル殿が引退された後は4強と言われていたが、その内、ギルバード殿の息子のグライムが着々と腕を磨いてきた。それ以外にも強い騎士も出ているので安心はできない。
「でも、皆さんがいてくれれば安心できます」
「シャイアたちにそう言ってもらえるとありがたいな。騎士として戦えぬものが安心してくれることが勇気につながる」
「…僕もそうなるようにしないと」
休憩を切り上げひょいっと椅子から降りて、クレスもレディンも稽古を再開する。
「2人とも無理はするなよ」
「「大丈夫です」」
「シャイア、悪いが2人をよく見ていてくれ」
「わかりました」
2人をシャイアに任せて屋敷に戻る。そろそろ暇をしているころだろう。
「とうさまおそ~い!」
「すまないなリーナ。みんな一生懸命にやっていたから…」
「ううん。ロイもリラもいたからだいじょうぶ」
「ふふっ、たくさん遊びましたものね」
「ははは」
「それはよかったな」
「うん!」
「…にしてもロイもいいのか?もう、歳だろうに」
「ガーランド様、私は元々隣国の貴族の次男です。今更戻るところなどありません」
「そうですよ。ロイ様はお屋敷のことをよく知っておられますし」
「いや、リラ。君こそ領地は良いのか?」
「あら、夫はガーランド様のファン。私はティアナ様のメイドですわ。この屋敷に平穏をもたらすことこそ使命です」
何だろうこの夫婦は。仲がいいとは思っていたがそういう仲なのか。まあ、なんにせよ忠誠心のある使用人は助かる。伯爵家になってから時々、別の家からの推薦などをもらうこともあったが、屋敷を探るものなども紛れていた。幸いロイやカレンやリラが気づくことが多かったので大事には至らないが、そういう気を遣わなくていいのは助かる。
「とうさま~あそびましょ」
考え事にふけっていると膝の上でリーナがかわいく話しかけてくれる。リーナは誰に似たのか剣には一切興味はなく、お菓子作りや掃除などメイドの仕事にばかり興味を持っている。
「じゃあ、何にする?」
「きゅうけいしつ!」
「休憩室?」
「あら、今日もだんなさまはきんりんのじゅんかいですか?」
「は?」
「そうみたいですわ。お子さんたちがしゅみを見つけてからおおくなりましたわね」
「リーナ?」
「もうすこし、いえにいていただけるとてぃあなさまもたすかるのですけど…」
「てぃあなさまの、みおくりのすがたにあんしんしきっておられるのです。これだからおとこは…りらはモガガ」
「リーナ様そこはいりませんわ」
「大体なにかは分かったけれど、どうしてメイドの休憩室に?」
「アーシャ様たちが稽古するのにティアナ様が付き合われるので、リーナ様は私や他のメイドが見ることが多くなってしまうのです。ロイもいるので仕事に影響はありませんが…」
「そうだったのか、気を付けるようにする」
「旦那さまも慣れぬ伯爵業はお疲れとは思われますが、もう少しご家族をいたわってください。我らも領民たちも心配なのです」
「そうだな。もう少し休めるように軍務卿にも掛け合ってみよう」
ちなみに軍務卿はギルバート殿が引き受けられている。さんざん拒否したらしいが受ける他なかったらしい。その時にカイラスが第1騎士団団長に昇格した。
「とうさまおやすみふえるのやった~」
「ああ、アーシャたちには内緒だぞ。後でびっくりさせてやりたいからな」
リーナを抱っこしながら言うと、うんうんと首を振る。ゆさゆさとしているとすぐに眠ってしまった。こういう子供っぽいところがこの子は多いと思う。他の2人よりも将来が心配だ。しっかりした奴を見つけないとな。
「あら、あなたリーナは寝ちゃったの?」
「ああ、ちょっと待たせすぎたみたいだ」
「もう少し、あなたにも気を配らないとねリーナ。そうだ!今度サーラやレミリア様と一緒に侯爵家に行きましょうね~」
俺からリーナを受け取ったティアナがそう言いながら幸せそうに微笑んでいる。今になると時々思うことがある。あの日、レーガン家に警備で呼ばれていなければ自分はどんな日々を送っていただろうかと。俺は今、本当に幸せな人生を送っている…。
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とても楽しく読ませていただきました😊‼️
ありがとうございました🌷🌷🌷
また楽しいお話をお願い申し上げますね😊❤️
読了、感想ありがとうございました。
未熟ではありますが他の作品にも触れていただけたら有り難いです
今、18話まで読ませていただいております😊‼️
ほのぼのしていて、優しいお話で、とても楽しませてもらっています😊‼️
これからドキドキする展開もあるのでしょうか(^^)?
楽しみにしております😊‼️
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます😊🌷🌷🌷