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後編
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あれから1か月…。家族にもハンナにも自分の生まれを伝えた私は、王都で人員を集めていた。
「う~ん、研究所を作るといっても中々集まらないものね」
「仕方ありません。当家は公爵家とは言え王都近くに小規模の領地を持つだけで、特定の事業は起こしておりませんでしたから」
色んな名士や学園にも話をするのだけど、指導できそうな人からは断られ続けている。研究所を作る時に私の名前でやるということでお父様から資金をもらったけれど、どうもそれが引っかかっている様だ。
「こっちも現在の研究が忙しくって書いてあるわね…」
「こちらは別の研究所からの誘いをすでに受けてしまっていると。どうやら、令嬢が興味本位でやると思われているようですね」
「ん~~~。これはあれね、諦めましょう!」
「諦める…ですか?」
「ええ。多分、王都にいてそこそこの研究成果を上げている人を短時間で説得するのは無理よ。だから、何名か反応がある学園の方にしましょう。特に平民向けのところにします。王立学園にも身分問わずって出し直して人員にめどをつけないと…」
「そこまで焦らずともよろしいのでは?お嬢様は薬学に精通されているとのことですし、気長にされても…」
「いいえ、魔法治療のお陰で切り傷なんかは直ぐに治るけど、病気に関しては治療する人によって効果も治せるものもまちまちだわ。こうしている間にも多くの人が苦しんでいるの」
「それでここまで頑張っておられたのですね。わかりました、ハンナも少々知恵を使います」
それから1週間後、とうとう面接までこぎつけた人が10人ちょっと来てくれた。
「ようこそ皆さん。集まって頂けてありがとうございます」
「い、いえ。しかし、私たちのようなもので本当に大丈夫なのでしょうか?私たちは平民ですが…」
「もちろん構いません。それに、研究所といっても薬草の栽培も収穫も行いますので、そういったことに抵抗がない方がいいのです。研究所も建設中でお見せすることはできないのですが…」
「えっと、転居について書かれていたのですが…」
「はい。王都での薬草の栽培などには制限もありますから、その内に公爵領にある研究所に移ってもらうことになると思います。ただ、距離は馬車で1日ですからそこまで遠くはありません」
「研究のテーマは?」
「テーマというか最初にすることは創薬です。すでに何種かは目処が付いていて、2チームに分けて行ってもらう予定です」
こうして面接を行い、最終的には7名の人間を採用した。他の人はやはり王都を離れることや、研究所が未完成であるというところがネックだったようだ。
「お嬢様、研究所が完成しました!」
「本当!すぐに行くわ」
裏庭の一角を使った研究所が完成した。まずは王都で道具の使い方などを学んでもらって、それから領地に行って本格的な研究に打ち込んでもらう手はずだ。
「では彼らにも来てもらうように手配を」
「はいっ!」
それから3日後には初出勤を迎えた。
「こうして研究所が出来ましたので、これから皆さんには活動してもらいます。ですが、研究所にはルールがありますのでそれを守ってもらうところからです」
私はこの日のために用意した冊子を用いてみんなに説明する。
「この1名の調整役というのは?」
「普段は研究から遠ざかってもらい、私かここに居るハンナに研究所の状況を伝えてもらう役目です。後は給料の計算とか予算、買い出しなどですね」
この役職には酒場での勤務経験がある女性を任命した。他にも基本的なことを決め、保管方法や道具の使い方だ。
「特に保管と使用方法については注意です。似たようなものと間違えたり、製作過程がおかしくなると思わぬ副作用が起きます。みんなに安心して使ってもらえるようにするのが目的ですので、これは絶対に守ってください」
「「はいっ!」」
私も本当は領地で研究を行いたかったけど、流石に殿下と婚約したままでは王都を離れることがかなわず、この邸にある研究所のみが私のお城だ。そんなことをしていると、再び殿下がやって来た。
「アルマナ久しぶりだな。どうだ調子は?」
「思ったよりかかってしまいましたが、何とか動き出しました」
「そうか。実は困ったことにこっちの方でも意見が割れていてね。いくら、公爵家の令嬢とはいえ事業に手を出す令嬢と婚姻などと言う声も上がってきているんだ。全く、要は自分の娘を嫁がせたいだけの貴族の横やりだな」
「ふ~ん、そうなのですね…」
ここで私にピコンと名案が浮かんだ。つまり、事業を成功させれば貴族からの批判はもっと大きくなり、流石に第2王子の相手には不適格になるのでは?金に意地汚い令嬢である私より、政治的な事情が優先されるのでは?
「何か名案でも?」
「いえ、私には政治などよくわかりませんから。では、研究も始まったばかりですので、失礼します」
「そうか。邪魔して悪かったな」
私はひるがえってにやりと笑みを浮かべると研究所に戻って行った。その為、殿下も同じような笑みをしていることに気が付けなった。
「あの、裏の無い笑みは他の奴らにはもったいない。何より、公爵がわざわざ娘の名でさせることだ、きっと大きな成果になるだろう」
第2王子でもある自分と兄だけが知っていることがある。王宮の何気ない役職についている公爵に父がたまに会いに行っていることを。そして、そこでアドバイスをもらっていることも。対外的には政争が起きない婚約だが、実はその公爵の知見を王族に引き継ぐことが目的なのだ。
「どうしたんですかそんな笑みを浮かべて。すぐに馬車に帰ってきたというのに」
「いや、少し待てば貴族どものうるさい声も引っ込むと思うとな」
「ご令嬢の遊びじゃないんですか?」
「そんなことを言っていると頭が上がらなくなるぞ」
こうして2人の思惑が動き始めた。そして、2年後…。
「どうして、学園をすっ飛ばして結婚式なの…」
「悪いなアルマナ。お前の製薬研究のお陰で多くの国民が救われたのだ。救国の聖女とも揶揄されるお前をこれ以上放っておいては王家の評判にも関わるのでな」
「で、でも、私との婚姻よりみんな新しい薬が欲しいですよ!」
「お嬢様、その表現はちょっと…」
「ハ、ハンナだってそう思うでしょ?私と一緒に山に行ったり、1人で珍しい薬草を採りに行ったりしてくれたじゃない」
「私はお嬢様のためでしたらどこへでもついて行きます。しかし、この件につきましては…」
「そういうしかないだろうな。お前の研究所が生み出した商品はうちの輸出品でもかなりの額だ。当然、他国に嫁ぐことはできんし、国内貴族でも相手は相当限られる。その中で、研究を続けてよいという貴族が何人いるかな?彼らはお前が優秀な研究員を見つけたものだと思っているのだぞ?」
「そんな!私の製薬ライフが…」
「諦めることだ。貴族たちの攻撃の元だった悪評もなくなった今、王家から俺が婿入りすることは好意的に見られている」
「どうしてですか?」
「王家の人間であれば好き嫌いで出し惜しみしないからな。仲の悪い貴族が婿入りして薬の取り扱いに問題が出ないということが一番大きい」
「どうしてこんなことに…」
「なあ、アルマナは俺が嫌いか?」
「殿下をですか?うう~ん…」
私も婚約者としてこの2年。それなりに付き合ってきた。
『アルマナ、根をつめすぎてはならん。程々のところで休憩がてら街に行くぞ』
『以前の薬を試したところに行く。相手とも会えるようにしてある』
『薬価を抑えろだと?しかし、その価格では周りがな。しょうがない…国内価格のみ安くして検問を強化するよう陛下に進言しておく』
『お前のために新しい薬草を持ってきた。遠い国の物だからまだ持ってないだろう?』
「嫌いじゃないですよ。お世話になりっぱなしですし。でも、好きかと言われると…」
「それなら問題ないだろう?政略結婚でそれ以上を望むなどと罰が当たるぞ」
「そういえば、殿下も考えてみれば政略結婚なんですよね。これまで私は自分のことばかり考えてきました」
「ん?まあ、それは仕方のないことだろう。それに俺は政略結婚ではないからな」
「えっ!?それって…」
「今日は覚悟しておけよ」
小声で殿下にささやかれ真っ赤になる私。そんなこと前世でも体験してないよ。こうなったら…。
「ハンナ、今日の夜はお願い」
こっちも小声で合図する。しかし、私は花嫁として打ち合わせがあるので部屋を出て行くことになった。
「分かっていると思うけど、邪魔は無用だよ。俺が公爵になった時に仕えていたければだけどね」
「くっ、卑怯な…」
「俺も裏切らない部下は欲しいけど、歯向かうならしょうがない」
「お嬢様申し訳ありません。ハンナはもう一度幼女時代のお嬢様にお会いしたいのです…」
「いい判断だ。これからもアルマナの側仕えを許してやろう」
こうして私は結婚して、公爵家は殿下が継ぐこととなったのだった。
「くそっ!また逃げられたか!」
「ハンナ様が見事な手配でして…」
「元王宮仕えのプライドはないのか。領地の研究所は見張っていたのだろう?」
「今度は別荘の改造をされておりまして…」
「すぐに向かう。予定を調整しておけ」
「置いて行かれたというのに、随分楽しそうですね」
「最近は来ると笑顔で出迎えてくれるのでな。実は楽しみなのだ」
「この無自覚夫婦は…」
という訳で完結です。短い…よね?
「う~ん、研究所を作るといっても中々集まらないものね」
「仕方ありません。当家は公爵家とは言え王都近くに小規模の領地を持つだけで、特定の事業は起こしておりませんでしたから」
色んな名士や学園にも話をするのだけど、指導できそうな人からは断られ続けている。研究所を作る時に私の名前でやるということでお父様から資金をもらったけれど、どうもそれが引っかかっている様だ。
「こっちも現在の研究が忙しくって書いてあるわね…」
「こちらは別の研究所からの誘いをすでに受けてしまっていると。どうやら、令嬢が興味本位でやると思われているようですね」
「ん~~~。これはあれね、諦めましょう!」
「諦める…ですか?」
「ええ。多分、王都にいてそこそこの研究成果を上げている人を短時間で説得するのは無理よ。だから、何名か反応がある学園の方にしましょう。特に平民向けのところにします。王立学園にも身分問わずって出し直して人員にめどをつけないと…」
「そこまで焦らずともよろしいのでは?お嬢様は薬学に精通されているとのことですし、気長にされても…」
「いいえ、魔法治療のお陰で切り傷なんかは直ぐに治るけど、病気に関しては治療する人によって効果も治せるものもまちまちだわ。こうしている間にも多くの人が苦しんでいるの」
「それでここまで頑張っておられたのですね。わかりました、ハンナも少々知恵を使います」
それから1週間後、とうとう面接までこぎつけた人が10人ちょっと来てくれた。
「ようこそ皆さん。集まって頂けてありがとうございます」
「い、いえ。しかし、私たちのようなもので本当に大丈夫なのでしょうか?私たちは平民ですが…」
「もちろん構いません。それに、研究所といっても薬草の栽培も収穫も行いますので、そういったことに抵抗がない方がいいのです。研究所も建設中でお見せすることはできないのですが…」
「えっと、転居について書かれていたのですが…」
「はい。王都での薬草の栽培などには制限もありますから、その内に公爵領にある研究所に移ってもらうことになると思います。ただ、距離は馬車で1日ですからそこまで遠くはありません」
「研究のテーマは?」
「テーマというか最初にすることは創薬です。すでに何種かは目処が付いていて、2チームに分けて行ってもらう予定です」
こうして面接を行い、最終的には7名の人間を採用した。他の人はやはり王都を離れることや、研究所が未完成であるというところがネックだったようだ。
「お嬢様、研究所が完成しました!」
「本当!すぐに行くわ」
裏庭の一角を使った研究所が完成した。まずは王都で道具の使い方などを学んでもらって、それから領地に行って本格的な研究に打ち込んでもらう手はずだ。
「では彼らにも来てもらうように手配を」
「はいっ!」
それから3日後には初出勤を迎えた。
「こうして研究所が出来ましたので、これから皆さんには活動してもらいます。ですが、研究所にはルールがありますのでそれを守ってもらうところからです」
私はこの日のために用意した冊子を用いてみんなに説明する。
「この1名の調整役というのは?」
「普段は研究から遠ざかってもらい、私かここに居るハンナに研究所の状況を伝えてもらう役目です。後は給料の計算とか予算、買い出しなどですね」
この役職には酒場での勤務経験がある女性を任命した。他にも基本的なことを決め、保管方法や道具の使い方だ。
「特に保管と使用方法については注意です。似たようなものと間違えたり、製作過程がおかしくなると思わぬ副作用が起きます。みんなに安心して使ってもらえるようにするのが目的ですので、これは絶対に守ってください」
「「はいっ!」」
私も本当は領地で研究を行いたかったけど、流石に殿下と婚約したままでは王都を離れることがかなわず、この邸にある研究所のみが私のお城だ。そんなことをしていると、再び殿下がやって来た。
「アルマナ久しぶりだな。どうだ調子は?」
「思ったよりかかってしまいましたが、何とか動き出しました」
「そうか。実は困ったことにこっちの方でも意見が割れていてね。いくら、公爵家の令嬢とはいえ事業に手を出す令嬢と婚姻などと言う声も上がってきているんだ。全く、要は自分の娘を嫁がせたいだけの貴族の横やりだな」
「ふ~ん、そうなのですね…」
ここで私にピコンと名案が浮かんだ。つまり、事業を成功させれば貴族からの批判はもっと大きくなり、流石に第2王子の相手には不適格になるのでは?金に意地汚い令嬢である私より、政治的な事情が優先されるのでは?
「何か名案でも?」
「いえ、私には政治などよくわかりませんから。では、研究も始まったばかりですので、失礼します」
「そうか。邪魔して悪かったな」
私はひるがえってにやりと笑みを浮かべると研究所に戻って行った。その為、殿下も同じような笑みをしていることに気が付けなった。
「あの、裏の無い笑みは他の奴らにはもったいない。何より、公爵がわざわざ娘の名でさせることだ、きっと大きな成果になるだろう」
第2王子でもある自分と兄だけが知っていることがある。王宮の何気ない役職についている公爵に父がたまに会いに行っていることを。そして、そこでアドバイスをもらっていることも。対外的には政争が起きない婚約だが、実はその公爵の知見を王族に引き継ぐことが目的なのだ。
「どうしたんですかそんな笑みを浮かべて。すぐに馬車に帰ってきたというのに」
「いや、少し待てば貴族どものうるさい声も引っ込むと思うとな」
「ご令嬢の遊びじゃないんですか?」
「そんなことを言っていると頭が上がらなくなるぞ」
こうして2人の思惑が動き始めた。そして、2年後…。
「どうして、学園をすっ飛ばして結婚式なの…」
「悪いなアルマナ。お前の製薬研究のお陰で多くの国民が救われたのだ。救国の聖女とも揶揄されるお前をこれ以上放っておいては王家の評判にも関わるのでな」
「で、でも、私との婚姻よりみんな新しい薬が欲しいですよ!」
「お嬢様、その表現はちょっと…」
「ハ、ハンナだってそう思うでしょ?私と一緒に山に行ったり、1人で珍しい薬草を採りに行ったりしてくれたじゃない」
「私はお嬢様のためでしたらどこへでもついて行きます。しかし、この件につきましては…」
「そういうしかないだろうな。お前の研究所が生み出した商品はうちの輸出品でもかなりの額だ。当然、他国に嫁ぐことはできんし、国内貴族でも相手は相当限られる。その中で、研究を続けてよいという貴族が何人いるかな?彼らはお前が優秀な研究員を見つけたものだと思っているのだぞ?」
「そんな!私の製薬ライフが…」
「諦めることだ。貴族たちの攻撃の元だった悪評もなくなった今、王家から俺が婿入りすることは好意的に見られている」
「どうしてですか?」
「王家の人間であれば好き嫌いで出し惜しみしないからな。仲の悪い貴族が婿入りして薬の取り扱いに問題が出ないということが一番大きい」
「どうしてこんなことに…」
「なあ、アルマナは俺が嫌いか?」
「殿下をですか?うう~ん…」
私も婚約者としてこの2年。それなりに付き合ってきた。
『アルマナ、根をつめすぎてはならん。程々のところで休憩がてら街に行くぞ』
『以前の薬を試したところに行く。相手とも会えるようにしてある』
『薬価を抑えろだと?しかし、その価格では周りがな。しょうがない…国内価格のみ安くして検問を強化するよう陛下に進言しておく』
『お前のために新しい薬草を持ってきた。遠い国の物だからまだ持ってないだろう?』
「嫌いじゃないですよ。お世話になりっぱなしですし。でも、好きかと言われると…」
「それなら問題ないだろう?政略結婚でそれ以上を望むなどと罰が当たるぞ」
「そういえば、殿下も考えてみれば政略結婚なんですよね。これまで私は自分のことばかり考えてきました」
「ん?まあ、それは仕方のないことだろう。それに俺は政略結婚ではないからな」
「えっ!?それって…」
「今日は覚悟しておけよ」
小声で殿下にささやかれ真っ赤になる私。そんなこと前世でも体験してないよ。こうなったら…。
「ハンナ、今日の夜はお願い」
こっちも小声で合図する。しかし、私は花嫁として打ち合わせがあるので部屋を出て行くことになった。
「分かっていると思うけど、邪魔は無用だよ。俺が公爵になった時に仕えていたければだけどね」
「くっ、卑怯な…」
「俺も裏切らない部下は欲しいけど、歯向かうならしょうがない」
「お嬢様申し訳ありません。ハンナはもう一度幼女時代のお嬢様にお会いしたいのです…」
「いい判断だ。これからもアルマナの側仕えを許してやろう」
こうして私は結婚して、公爵家は殿下が継ぐこととなったのだった。
「くそっ!また逃げられたか!」
「ハンナ様が見事な手配でして…」
「元王宮仕えのプライドはないのか。領地の研究所は見張っていたのだろう?」
「今度は別荘の改造をされておりまして…」
「すぐに向かう。予定を調整しておけ」
「置いて行かれたというのに、随分楽しそうですね」
「最近は来ると笑顔で出迎えてくれるのでな。実は楽しみなのだ」
「この無自覚夫婦は…」
という訳で完結です。短い…よね?
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最後の方で駆け足感がありますが、短くてさらっと読めるのでいいと思います。
えっ! これをプロットにして、長編ですか?
感想ありがとうございます。
プロットは書いたことがないので、勝手がわかりません。似た話を作るならジャンルが変わって来そうです。
ハンナさんがヤバいです。(笑)
誤字報告を
庭師のおじいさんが来てたやつ → 庭師のおじいさんが着てたやつ
あるかもしれないし、底だけは → あるかもしれないし、其処(そこ)だけは
過剰に聞いて → 過剰に効いて
殿下の元に は漢字ですと 殿下の下に になるのですが、読みづらいので 殿下のところに としたほうがいいかと思います。
感想・指摘ありがとうございます。
キャラを立たせようとすると長くなるので、やや修正を入れて本日完結しました。
ハンナは無理を言われる=自分の存在を肯定される、という図式に気づいてわがままを加速させた側面もあります。
普段できる人間なだけに、周りもよくやっているとしかとらえなかったのでしょう。
これから、どんな展開になるのか楽しみです。
感想ありがとうございます。
ショートなのでそこまで長くならないはず…多分…恐らく…。
短編書ける人すごいです。