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「よし! これで代官には協力を取り付けたわ。そういえばテレサ、新しく来る代官は誰なの?」
「それは会ってからのお楽しみですよ」
「そう。まあ、期待しますか」
「ええ、期待くださいませ。何せ王都勤めで説得に時間が少しかかりましたので」
「へぇ、テレサがそこまで言うなんて楽しみね」
「お二人は本当に信頼し合っておられますね」
「年月が経ってるだけよ。ケイトとエマもそのうちこうなっちゃうかもね」
「そうなれるといいね、エマ」
そんなことを話しながら領都へはゆったりと進む。ゆったりというのも、もう宿泊先が見えているからだ。
「さあ、明日の朝は早いわよ。それとドレスもきちんとしたのを着て入るわよ」
「はい!」
「ある意味ここが山場よ。みんなしっかりね! 私の人生がかかってるのよ!」
「「「はい!!」」」
なんだかみんなのやる気が高すぎてちょっと怖いわね。まあいいわ。
「さあ、いよいよ今日は乗り込む日よ。準備はいい!」
「完了しております」
「大丈夫です」
「こちらも準備は完了しております」
「いざ、出発!」
こうして私たちは領都に入っていった。領都はやはり元気がない。クレーヒルの方はまだ活気の感じられる町だったのに。そのまま街中を通り抜け、子爵邸へ。
「ようこそいらっしゃいました。ケイト様、イリス侯爵令嬢様」
本当にここの警備にまともなのはいないわね。まあこの顔も見納めならもういいわ。
「通してもらえる?」
「はっ!」
中に入るとご満悦の子爵と夫人が立っていた。
「ようこそ、イリス様。ケイトもよく来たな」
「は、はい」
肉親の気の変わりようが今のケイトにはまだきつかったようだ。
「で、どうでしたかな陛下へのお話は?」
「はい! 問題もなく済みましたわ。ただし、エルマン子爵家については良くないうわさがあるとのことで、私が子供の代まで名義上は当主になり、新たにカーナヴォン子爵に改名されることが決まりました」
「おお、そのようなことは杞憂だ。私たちの流れを汲むということなのだろう?」
「はい」
「そうそうまずは座っていただかないとな」
「では失礼して……」
私たちはようやく椅子に座ることができた。本当に自分のことばっかりなおっさんだ。
「そういえば、代官の方はどうなっておいでかな?」
「ええ、手配しているのですが、王都からこのために呼び戻しているので一緒ではなくて……」
「おお! そのような人材をいただけるとは」
そこから十分ほど苦痛の時間を過ごすと、ようやく代官が来たみたいだ。この苦痛を後で与えてやる!
「失礼いたします」
入ってきたのは金色の髪がきれいな青年だった。短くアッシュでまとまっており清潔感抜群の好青年だ。だけどどこかで……。
「お久ぶりです。イリス様!」
「あ、あなた、デュラン! 王都の内政官として出仕していたんでしょう?」
「この度、優秀な人材をということで馳せ参じました」
「この方は?」
「あ、はい。王都の王立学園首席卒業後は内務省に勤め、現在は内政官として勤めておりますデュランです。生まれのため役職は内務官止まりですが、最年少でその職に就いたほど優秀ですわ」
「なんと! それほど優秀な人材を送ってくださるとは、さすがはイリス様ですな! いや、今夜はゆっくりとおくつろぎください」
「ええ、そうさせて頂きます。それでは代官が彼でよろしければこちらの方と先日の書類にサインを頂けますか?」
「こちらですな。すぐに書きましょう。して、邸の建設の方はどうでしょうか?」
書きながら子爵は新しい邸のことを聞いてくる。この男は本当にごうつくばりだな。
「すでに着工にかかっておりますから、外観ぐらいはお見せできるかと思います」
「さすがは侯爵家ともなれば手回しが違いますな。この邸を建てた者など言い訳ばっかりで……」
そりゃ、普通は建てる側の希望も聞いて不満が出ないように打ち合わせもしっかりするからね。適当に作っていいなら簡単よ。それに今回の内装は作る方も楽だといっていたし、こんなもんでしょ。それにしてもテレサも良くデュランに声をかけたわね! デュランはこの前結婚したばかりなのよ。こんな激務続きの場所に呼んでくるなんて私が奥さんに恨まれちゃうじゃないの。
「では早速、明日にでも邸の下見に向かいましょうか?」
「そうですな。そうと決まれば明日の段取りをしてきますので……」
「私は大丈夫です。その間にアレンとお話をさせていただきますので」
「そうですか。あの子も良い相手が見つかって良かったですわ」
いや、お母様。完全にセリフが棒読みですよ。もう少し息子を心配してました感出しましょうよ。
「しかし、わからないものね。アレンが気弱だからもしもの時のために二人目を作ったけれど、生まれてきたのは女でがっかりしていたのにそれがこんないい結果を生み出すなんて」
「お母様……」
おいおいおい、隠居時の捨て台詞にしてはちょっと過激な発言だな。子爵はダメだと思ってたけど、このおばさんもダメだわ。遠慮無くぶち込もう。
「じゃあ、私はアレンに会いに行くけどケイト様たちは?」
「私はちょっと使用人にお土産が……」
「私もケイト様に付き添います」
「テレサは?」
「デュランと打ち合わせを」
「付き合いの悪い人たちね」
私はスタスタと邸のメイドに案内されてアレンのところに向かう。
夫人ともイリス様とも別れた私たちは集まる。
「やれやれ、あんなに楽しそうなお嬢様についていくなど誰ができましょうか」
「本当ですね。でも、お兄様のどこが良かったのでしょう?」
「それはちょっとひどくないですか?」
「でも、かっこいい感じもないし、頭は悪くないですけどそこまででもないですし……」
「きっと、話をきちんと聞いてくれるところでしょうね。それと色眼鏡でなく自分自身を見てくれるところでしょう。お嬢様は案外惚れっぽいのですが、これまでは相手が断ってきただけなので……」
「じゃあ、お兄様は運がよかったと?」
「そうですね。今まで自分をないがしろにされてきた中で、褒めてくれて政治など女性があまり行わないことについても理解があったでしょう? きっと、街から帰った時にはこの領を何とかして楽をするのではなく、アレン様のためにどうにかしたいに変わっていたと思いますよ」
「純真な方だったのですね。イリス様は……」
「だから心配だったのです。もう娘みたいなものですよ」
「娘……妹とかでは無くですか?」
「間違いなく娘です。次、何やるかとはらはらしますから」
「これからも頑張ってくださいね。テレサ!」
「無論です。それが私の使命であり生きがいですから」
「アレンいる?」
「イリス? 話はもう終わったの。早いね」
「当たり前よ、確認だけだもの。それより今日はこれから時間ある?」
「大丈夫だけどどうして?」
「なら、ちょっとそこの庭にでも行きましょう」
「え、あっ、うん」
歯切れの悪い言葉だなと思ったけれど、中庭に着いたら分かった。邸から見えるところはまだましだったけど、中は散々だ。枯れているのも放置だし、もう少し何とかならなかったのだろうか?
「ごめん。みんなの手が空いた時にやってもらってるんだけど、こんな調子で……」
「そうなの。じゃあ、アレンがやれば?」
「えっ、だって僕は……」
「領主の息子だって関係ないわ。それにアレンは本を読むのが好きでしょう。細かいことも好きそうだし、きっとうまく出来るわよ!」
「そうかな?」
「そうよ」
「なら、次来る時にはもう少し見れるようにしておくね」
「楽しみにしておくわ」
「そういえばどうしてここに?」
「ん~、ベンチもここに一つしかないようだし、座ってからにしましょう」
私が座ろうとするとアレンがハンカチを下に敷いてくれる。
「あ、ありがと」
「ううん。きれいなドレスが汚れちゃうし。イリスのためだから」
「う、うん」
「それでなんだったの?」
「あのこれなんだけど……」
私は王都の雑貨屋で買ったペンを渡した。ケイトの物とは違って長く文章を書き続けても疲れない、彼に今後必要になると思うものだ。頑張ってねという意味を込めて贈る。
「それは会ってからのお楽しみですよ」
「そう。まあ、期待しますか」
「ええ、期待くださいませ。何せ王都勤めで説得に時間が少しかかりましたので」
「へぇ、テレサがそこまで言うなんて楽しみね」
「お二人は本当に信頼し合っておられますね」
「年月が経ってるだけよ。ケイトとエマもそのうちこうなっちゃうかもね」
「そうなれるといいね、エマ」
そんなことを話しながら領都へはゆったりと進む。ゆったりというのも、もう宿泊先が見えているからだ。
「さあ、明日の朝は早いわよ。それとドレスもきちんとしたのを着て入るわよ」
「はい!」
「ある意味ここが山場よ。みんなしっかりね! 私の人生がかかってるのよ!」
「「「はい!!」」」
なんだかみんなのやる気が高すぎてちょっと怖いわね。まあいいわ。
「さあ、いよいよ今日は乗り込む日よ。準備はいい!」
「完了しております」
「大丈夫です」
「こちらも準備は完了しております」
「いざ、出発!」
こうして私たちは領都に入っていった。領都はやはり元気がない。クレーヒルの方はまだ活気の感じられる町だったのに。そのまま街中を通り抜け、子爵邸へ。
「ようこそいらっしゃいました。ケイト様、イリス侯爵令嬢様」
本当にここの警備にまともなのはいないわね。まあこの顔も見納めならもういいわ。
「通してもらえる?」
「はっ!」
中に入るとご満悦の子爵と夫人が立っていた。
「ようこそ、イリス様。ケイトもよく来たな」
「は、はい」
肉親の気の変わりようが今のケイトにはまだきつかったようだ。
「で、どうでしたかな陛下へのお話は?」
「はい! 問題もなく済みましたわ。ただし、エルマン子爵家については良くないうわさがあるとのことで、私が子供の代まで名義上は当主になり、新たにカーナヴォン子爵に改名されることが決まりました」
「おお、そのようなことは杞憂だ。私たちの流れを汲むということなのだろう?」
「はい」
「そうそうまずは座っていただかないとな」
「では失礼して……」
私たちはようやく椅子に座ることができた。本当に自分のことばっかりなおっさんだ。
「そういえば、代官の方はどうなっておいでかな?」
「ええ、手配しているのですが、王都からこのために呼び戻しているので一緒ではなくて……」
「おお! そのような人材をいただけるとは」
そこから十分ほど苦痛の時間を過ごすと、ようやく代官が来たみたいだ。この苦痛を後で与えてやる!
「失礼いたします」
入ってきたのは金色の髪がきれいな青年だった。短くアッシュでまとまっており清潔感抜群の好青年だ。だけどどこかで……。
「お久ぶりです。イリス様!」
「あ、あなた、デュラン! 王都の内政官として出仕していたんでしょう?」
「この度、優秀な人材をということで馳せ参じました」
「この方は?」
「あ、はい。王都の王立学園首席卒業後は内務省に勤め、現在は内政官として勤めておりますデュランです。生まれのため役職は内務官止まりですが、最年少でその職に就いたほど優秀ですわ」
「なんと! それほど優秀な人材を送ってくださるとは、さすがはイリス様ですな! いや、今夜はゆっくりとおくつろぎください」
「ええ、そうさせて頂きます。それでは代官が彼でよろしければこちらの方と先日の書類にサインを頂けますか?」
「こちらですな。すぐに書きましょう。して、邸の建設の方はどうでしょうか?」
書きながら子爵は新しい邸のことを聞いてくる。この男は本当にごうつくばりだな。
「すでに着工にかかっておりますから、外観ぐらいはお見せできるかと思います」
「さすがは侯爵家ともなれば手回しが違いますな。この邸を建てた者など言い訳ばっかりで……」
そりゃ、普通は建てる側の希望も聞いて不満が出ないように打ち合わせもしっかりするからね。適当に作っていいなら簡単よ。それに今回の内装は作る方も楽だといっていたし、こんなもんでしょ。それにしてもテレサも良くデュランに声をかけたわね! デュランはこの前結婚したばかりなのよ。こんな激務続きの場所に呼んでくるなんて私が奥さんに恨まれちゃうじゃないの。
「では早速、明日にでも邸の下見に向かいましょうか?」
「そうですな。そうと決まれば明日の段取りをしてきますので……」
「私は大丈夫です。その間にアレンとお話をさせていただきますので」
「そうですか。あの子も良い相手が見つかって良かったですわ」
いや、お母様。完全にセリフが棒読みですよ。もう少し息子を心配してました感出しましょうよ。
「しかし、わからないものね。アレンが気弱だからもしもの時のために二人目を作ったけれど、生まれてきたのは女でがっかりしていたのにそれがこんないい結果を生み出すなんて」
「お母様……」
おいおいおい、隠居時の捨て台詞にしてはちょっと過激な発言だな。子爵はダメだと思ってたけど、このおばさんもダメだわ。遠慮無くぶち込もう。
「じゃあ、私はアレンに会いに行くけどケイト様たちは?」
「私はちょっと使用人にお土産が……」
「私もケイト様に付き添います」
「テレサは?」
「デュランと打ち合わせを」
「付き合いの悪い人たちね」
私はスタスタと邸のメイドに案内されてアレンのところに向かう。
夫人ともイリス様とも別れた私たちは集まる。
「やれやれ、あんなに楽しそうなお嬢様についていくなど誰ができましょうか」
「本当ですね。でも、お兄様のどこが良かったのでしょう?」
「それはちょっとひどくないですか?」
「でも、かっこいい感じもないし、頭は悪くないですけどそこまででもないですし……」
「きっと、話をきちんと聞いてくれるところでしょうね。それと色眼鏡でなく自分自身を見てくれるところでしょう。お嬢様は案外惚れっぽいのですが、これまでは相手が断ってきただけなので……」
「じゃあ、お兄様は運がよかったと?」
「そうですね。今まで自分をないがしろにされてきた中で、褒めてくれて政治など女性があまり行わないことについても理解があったでしょう? きっと、街から帰った時にはこの領を何とかして楽をするのではなく、アレン様のためにどうにかしたいに変わっていたと思いますよ」
「純真な方だったのですね。イリス様は……」
「だから心配だったのです。もう娘みたいなものですよ」
「娘……妹とかでは無くですか?」
「間違いなく娘です。次、何やるかとはらはらしますから」
「これからも頑張ってくださいね。テレサ!」
「無論です。それが私の使命であり生きがいですから」
「アレンいる?」
「イリス? 話はもう終わったの。早いね」
「当たり前よ、確認だけだもの。それより今日はこれから時間ある?」
「大丈夫だけどどうして?」
「なら、ちょっとそこの庭にでも行きましょう」
「え、あっ、うん」
歯切れの悪い言葉だなと思ったけれど、中庭に着いたら分かった。邸から見えるところはまだましだったけど、中は散々だ。枯れているのも放置だし、もう少し何とかならなかったのだろうか?
「ごめん。みんなの手が空いた時にやってもらってるんだけど、こんな調子で……」
「そうなの。じゃあ、アレンがやれば?」
「えっ、だって僕は……」
「領主の息子だって関係ないわ。それにアレンは本を読むのが好きでしょう。細かいことも好きそうだし、きっとうまく出来るわよ!」
「そうかな?」
「そうよ」
「なら、次来る時にはもう少し見れるようにしておくね」
「楽しみにしておくわ」
「そういえばどうしてここに?」
「ん~、ベンチもここに一つしかないようだし、座ってからにしましょう」
私が座ろうとするとアレンがハンカチを下に敷いてくれる。
「あ、ありがと」
「ううん。きれいなドレスが汚れちゃうし。イリスのためだから」
「う、うん」
「それでなんだったの?」
「あのこれなんだけど……」
私は王都の雑貨屋で買ったペンを渡した。ケイトの物とは違って長く文章を書き続けても疲れない、彼に今後必要になると思うものだ。頑張ってねという意味を込めて贈る。
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