98 / 126
甘ったるい※(微)
しおりを挟む
ルカが竜族になってから一週間が過ぎた。つまりはもうベッドから出る事が可能になった訳だが、忙しいはずのレイフォードはしょっちゅうルカの様子を見に来るし散歩には必ず同行する。
本当の番になってから過保護が増している気がして、ルカは嬉しいような照れ臭いようなもじもじする気持ちを抱いていた。
それからもう一つ。
「⋯ん、ゃ⋯レイ⋯」
「ん?」
「もうや⋯⋯これいじょ、は⋯」
「⋯触っていいか?」
「だ、だめ⋯っ」
また一緒に寝るようになり、額や頬には唇で触れてくれるレイフォードに我慢出来なくなったルカが三日目の夜に口付けてから舌を絡めるようなキスをまたするようになったのだが、どうしてもルカの下肢が反応してしまいそのたびにレイフォードは手で治めてくれていたのだ。
最後までしないのはルカの体調や体力を考慮してくれているからだというのは分かるが、ルカはそれが不満だった。
「このままだと辛いだろう?」
「大丈夫⋯ほっとけばいつか小さくなるから⋯あっ」
「出した方がスッキリする」
「ゃ、ん⋯っ⋯レイだって、おっきくなってるくせに⋯っ」
「私はいい。ほら、こっちに集中して」
「ん、ん⋯っ」
触らなくていいって言ってるのに、レイフォードはどうしてもルカを気持ち良くしたいのか隙をついて刺激してくる。そうなるともう抵抗も出来なくて、ルカは追い上げられるままに達した。
余韻で震えている間に身綺麗にされ服を整えられる。
「いい子だ。さぁ、そろそろ寝ようか」
「⋯俺も、レイの触りたい⋯」
「また今度」
このやり取りもここ数日の当たり前になっていた。
ぶすくれながらも大きな手に髪を撫でられれば心地良さで目蓋が重くなり、ルカはものの数分もすれば寝息を立て始める。
それを見て深く息を吐いたレイフォードは、痛いくらいに張り詰めている自身に眉を顰めると目を閉じて無理やり寝る体勢に入った。
この凶悪なものは、まだ出してはいけない。
朝、目が覚めて一番最初に見えるのは綺麗な寝顔だ。
最近はルカの方が早起きで、今は身動ぎ一つせずレイフォードの眠る姿を見る事が日課になっている。
(よく寝てるなぁ)
竜族になる前はレイフォードの方が先に起きている事の方が多かったが、ここまで熟睡してくれると一緒に寝ている身としては嬉しい限りだ。だって、それほど安心してくれているという事だから。
閉じられた目蓋から生える長い睫毛をじっと見ていたら、腰に乗っているだけだった腕が背中を抱き寄せ薄い唇が額に触れた。
「おはよう、ルカ」
「おはよ、レイ」
腕枕をしていた方の手が頭を撫で唇が目蓋から頬に滑り、最後に首筋へと口付ける。
「ん⋯擽ったい」
「ルカは相変わらず良い匂いがするな」
「それはレイだろ? 俺、レイの匂い好き」
痕をつけるでもなく、戯れのように啄まれゾワゾワとした感覚が背筋を這い上がる。
ソフィアが使う香油以外に自分が匂うようなものはつけてなくて、緩く頭を振ったルカはレイフォードの首に腕を回すと彼の耳の後ろを嗅いだ。そこは番同士だけが感じる事の出来るフェロモンが発せられる場所なのだが、ルカはそれを良い匂いだと認識しているらしい。
それはレイフォードにとって何よりも嬉しい事だった。
「ずいぶんと可愛らしい事を言ってくれる」
「だって本当の事だし」
「ルカが良い匂いなのも本当の事だがな」
「⋯⋯自分じゃ分かんないや」
腕を鼻に寄せ匂いを嗅ぐがまったくもって分からない。諦めてレイフォードに擦り寄ると頬にキスされた。
「そろそろソフィアが来る時間だが…離れ難いな」
「またすぐ会えるのに?」
「私は、ルカをずっとこの腕の中に収めておきたいんだよ」
「俺はクマのぬいぐるみか」
「それほど愛くるしくはあるが、ルカでないと意味がない」
どういう事だと見上げると、ふっと笑って上体を起こしたレイフォードが覆い被さってきた。梳くように前髪が撫で上げられ露わになった額に唇が触れる。
「抱き返して貰えないと悲しいからな」
「それは確かに⋯」
「ルカの可愛らしい手が私に触れないなど耐えられない」
「何言って⋯」
「ルカ」
「ん」
起きてからずっと空気が甘い。
レイフォードの声も表情も言葉も触れる手も、全部が甘すぎて戸惑っていると殊更に優しく名前が呼ばれ口付けられた。
長い指が肩から腕を滑って手まで辿り指を絡めるように握られる。
触れるだけで離れたが、朝から甘味をドカ食いしたかのような甘ったるさが口の中に広がり、ルカは空いている方の手で口元を隠した。
「ま、まだ口、濯いでないのに⋯」
「だから舌までは入れていないだろ?」
「そういう事じゃなくて⋯」
「ん?」
言いたい事が伝わっていなくて、絡まった指を握り返しながら首を振ると器用に片眉を跳ね上げる。
口付けは好きだけど、それにはもう絶対付随して欲しい事があった。
「俺が舌くっつけるの好きだって知ってるくせに⋯」
「⋯⋯はぁ⋯」
「な、何⋯?」
口を隠していた手でレイフォードの襟元を摘み、少しだけムッとして言うとどうしてか盛大な溜め息がつかれルカの上に倒れてきた。背中が浮くくらいぎゅっと抱き締められたと思ったら、鎖骨のあたりを思いっきり吸われて思わず声が漏れる。
「ルカはもう少し、自分の言葉が如何に私を刺激するかを考えた方がいい」
「ん⋯何⋯」
「私は、悪い大人だからな」
首や肩周りに何度もチクリとした痛みが走りルカの息が上がる。
レイフォードの言葉の意味が分からずにただされるがままのルカは、ソフィアが扉をノックするまで彼のものだという印を付けられまくっていた。
本当の番になってから過保護が増している気がして、ルカは嬉しいような照れ臭いようなもじもじする気持ちを抱いていた。
それからもう一つ。
「⋯ん、ゃ⋯レイ⋯」
「ん?」
「もうや⋯⋯これいじょ、は⋯」
「⋯触っていいか?」
「だ、だめ⋯っ」
また一緒に寝るようになり、額や頬には唇で触れてくれるレイフォードに我慢出来なくなったルカが三日目の夜に口付けてから舌を絡めるようなキスをまたするようになったのだが、どうしてもルカの下肢が反応してしまいそのたびにレイフォードは手で治めてくれていたのだ。
最後までしないのはルカの体調や体力を考慮してくれているからだというのは分かるが、ルカはそれが不満だった。
「このままだと辛いだろう?」
「大丈夫⋯ほっとけばいつか小さくなるから⋯あっ」
「出した方がスッキリする」
「ゃ、ん⋯っ⋯レイだって、おっきくなってるくせに⋯っ」
「私はいい。ほら、こっちに集中して」
「ん、ん⋯っ」
触らなくていいって言ってるのに、レイフォードはどうしてもルカを気持ち良くしたいのか隙をついて刺激してくる。そうなるともう抵抗も出来なくて、ルカは追い上げられるままに達した。
余韻で震えている間に身綺麗にされ服を整えられる。
「いい子だ。さぁ、そろそろ寝ようか」
「⋯俺も、レイの触りたい⋯」
「また今度」
このやり取りもここ数日の当たり前になっていた。
ぶすくれながらも大きな手に髪を撫でられれば心地良さで目蓋が重くなり、ルカはものの数分もすれば寝息を立て始める。
それを見て深く息を吐いたレイフォードは、痛いくらいに張り詰めている自身に眉を顰めると目を閉じて無理やり寝る体勢に入った。
この凶悪なものは、まだ出してはいけない。
朝、目が覚めて一番最初に見えるのは綺麗な寝顔だ。
最近はルカの方が早起きで、今は身動ぎ一つせずレイフォードの眠る姿を見る事が日課になっている。
(よく寝てるなぁ)
竜族になる前はレイフォードの方が先に起きている事の方が多かったが、ここまで熟睡してくれると一緒に寝ている身としては嬉しい限りだ。だって、それほど安心してくれているという事だから。
閉じられた目蓋から生える長い睫毛をじっと見ていたら、腰に乗っているだけだった腕が背中を抱き寄せ薄い唇が額に触れた。
「おはよう、ルカ」
「おはよ、レイ」
腕枕をしていた方の手が頭を撫で唇が目蓋から頬に滑り、最後に首筋へと口付ける。
「ん⋯擽ったい」
「ルカは相変わらず良い匂いがするな」
「それはレイだろ? 俺、レイの匂い好き」
痕をつけるでもなく、戯れのように啄まれゾワゾワとした感覚が背筋を這い上がる。
ソフィアが使う香油以外に自分が匂うようなものはつけてなくて、緩く頭を振ったルカはレイフォードの首に腕を回すと彼の耳の後ろを嗅いだ。そこは番同士だけが感じる事の出来るフェロモンが発せられる場所なのだが、ルカはそれを良い匂いだと認識しているらしい。
それはレイフォードにとって何よりも嬉しい事だった。
「ずいぶんと可愛らしい事を言ってくれる」
「だって本当の事だし」
「ルカが良い匂いなのも本当の事だがな」
「⋯⋯自分じゃ分かんないや」
腕を鼻に寄せ匂いを嗅ぐがまったくもって分からない。諦めてレイフォードに擦り寄ると頬にキスされた。
「そろそろソフィアが来る時間だが…離れ難いな」
「またすぐ会えるのに?」
「私は、ルカをずっとこの腕の中に収めておきたいんだよ」
「俺はクマのぬいぐるみか」
「それほど愛くるしくはあるが、ルカでないと意味がない」
どういう事だと見上げると、ふっと笑って上体を起こしたレイフォードが覆い被さってきた。梳くように前髪が撫で上げられ露わになった額に唇が触れる。
「抱き返して貰えないと悲しいからな」
「それは確かに⋯」
「ルカの可愛らしい手が私に触れないなど耐えられない」
「何言って⋯」
「ルカ」
「ん」
起きてからずっと空気が甘い。
レイフォードの声も表情も言葉も触れる手も、全部が甘すぎて戸惑っていると殊更に優しく名前が呼ばれ口付けられた。
長い指が肩から腕を滑って手まで辿り指を絡めるように握られる。
触れるだけで離れたが、朝から甘味をドカ食いしたかのような甘ったるさが口の中に広がり、ルカは空いている方の手で口元を隠した。
「ま、まだ口、濯いでないのに⋯」
「だから舌までは入れていないだろ?」
「そういう事じゃなくて⋯」
「ん?」
言いたい事が伝わっていなくて、絡まった指を握り返しながら首を振ると器用に片眉を跳ね上げる。
口付けは好きだけど、それにはもう絶対付随して欲しい事があった。
「俺が舌くっつけるの好きだって知ってるくせに⋯」
「⋯⋯はぁ⋯」
「な、何⋯?」
口を隠していた手でレイフォードの襟元を摘み、少しだけムッとして言うとどうしてか盛大な溜め息がつかれルカの上に倒れてきた。背中が浮くくらいぎゅっと抱き締められたと思ったら、鎖骨のあたりを思いっきり吸われて思わず声が漏れる。
「ルカはもう少し、自分の言葉が如何に私を刺激するかを考えた方がいい」
「ん⋯何⋯」
「私は、悪い大人だからな」
首や肩周りに何度もチクリとした痛みが走りルカの息が上がる。
レイフォードの言葉の意味が分からずにただされるがままのルカは、ソフィアが扉をノックするまで彼のものだという印を付けられまくっていた。
745
お気に入りに追加
1,878
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ぼくは男なのにイケメンの獣人から愛されてヤバい!!【完結】
ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる