竜王陛下の愛し子

ミヅハ

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傷付けないように※

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 披露宴後、軽い事後処理を済ませ入浴も終えて部屋に戻ったレイフォードは、ベッドの上でクッションを抱え居心地悪く座っているルカの姿を見て目を瞬いた。
 全体的に肌色が見えるくらい透け感のあるベールのような物を纏い、腰に結ばれた帯だけで留められた何ともそそられる格好をしているが、それが何を意味するのか気付いたレイフォードは内心で苦笑する。
 光の加減で虹色にも見える柔らかな布は、人間にも竜族にも加工出来る素材ではない為恐らくは精霊王からの贈り物だろう。
 アザ持ちだとここまでされるのかと思っていると何故かあらぬところに視線を感じ、首を傾げたら突拍子もない事を聞かれて僅かに目を見瞠った。しかもレイフォードでさえ初めて耳にする決まりがソフィア発信だと知り、彼女なりの気遣いと知りつつもルカには申し訳なさを抱く。
 だが今日が初夜である以上、下履きなどはあってないようなもので、指先で僅かに触れたまだ柔らかな部分を思い浮かべるだけでレイフォードの下肢も疼いた。
 お互いの所有印をつけ合い、嬉しそうに唇を触れ合わせてくるルカが堪らなく愛おしい。
 レイフォードはしなやかな肢体に誘われるようにその手をルカの肌へと滑らせた。



 村にいた時のルカからは草木とお日様の匂いがしていたが、城に来てからのルカはソフィアが肌や髪の手入れに使う香油の匂いを纏っていてふわりと漂ってくる事がある。
 ルカならどんな匂いでも気にならないレイフォードだが、今日は焼き菓子よりもそそる匂いがして細い首筋に鼻を寄せた。

「今日のルカは一際甘い香りがするな」
「いつもと違うの使ったみたいで…んっ」
「どこもかしこも美味そうだ」

 首や鎖骨周りに口付け吸い付く。指で尖りを弄りながら唇を滑らせ反対の突起まで辿り着くと口に含んだ。

「んん…ッ…」

 快楽だけを与えるように指と舌で柔く甘く刺激していると、腕で目元を隠したルカが腰から下をもじもじと揺らし始めた。ちらりと見ればしっかりと屹立していて、いつもながらの素直な反応には笑みが零れてしまう。
 普段ならこのまま手でしてやるのだが、せっかくの初夜なのだからと腹回りにも赤い花を散らしながら更に下がったレイフォードは、震えて蜜を零すルカの中心を深く咥え込んだ。

「…っ! や、何して…っ」
「今日はここも、たくさん可愛がってあげなければな」
「そ、そこはいい…っ、あ、待って…!」

 初めて射精させた日から手では何度もして来たが口では初めての為ルカが戸惑うのも無理はない。だが今夜はルカの全身に口付けるつもりでいるレイフォードはわざと音を立てて頭を動かし始める。
 ルカの手が押し退けようとしても、細い足が挟んでこようとも自分にとっては抵抗のうちに入らない。

「やぁ…あ、だめ…も、出ちゃう、から…っ」
「ん」
「はなして…や、口に…やだ…ぁ、あ…ん……ッ…んん…!」

 ルカの身体が大きく跳ねたのと口の中に生温かな粘液が放たれたのはほぼ同時だった。
 脈打つたびに出てくる残滓まで飲み干し、唇を拭いながら上体を起こしたレイフォードは真っ赤な顔で小刻みに震えるルカを見て微笑むと、最初に見た時よりも色味が濃くなっている気がするアザを反対の手指の背で撫でる。

「ルカ」
「……?」
「私はルカと一つになりたい。だから、に触れてもいいだろうか」
「ここって……っ…!?」

 膝に口付けながら、怯えさせないようにルカの中心の更に奥にある窄まりに中指を触れさせるとビクリと反応し困惑気味に見上げてきた。
 少しだけ口をもごもごさせたあと膝を寄せて眉尻を下げる。

「えっ、と……レイが触っちゃダメなとこはないけど…そこはさすがに汚いと思う…」
「ルカに汚いところなどない。全部綺麗だ」
「そ、そんな訳…」

 実際レイフォードは本気でそう思っていて、彼なら例え全身汗に塗れていたって躊躇いなく口付けられる。
 覆い被さり戸惑うルカの額に掛かる前髪をよけてやると、おずおずと両手で頬に触れたあと少しの間を開けて小さく頷いてきた。

「…よく、分かんないけど…レイが触りたいならいいよ」

 その言葉と頬を撫でる小さな手を包むように自分の手を添え目を細めれば、気付いたルカが照れ笑いを浮かべて言葉を続ける。

「それに、レイに触られると気持ちいいから…」
「……ここでそういう事を言ってしまうのがルカだな」
「うん?」
「いや、何でもない」

 今からまさに抱こうとしている相手にそんな事を言われ思わず苦笑してしまうも、きょとんとするルカが悪い訳ではない為首を振りサイドテーブルの引き出しから液体の入った瓶を取り出す。
 未開封のそれは男同士なら絶対に必要なもので、男女問わず好きになる竜族なら誰もが持っている専用の潤滑剤だ。もちろんレイフォードも王族の嗜みとしていくつか常備はしていたのだが、ルカと出会わなければ使う事はなかっただろう。
 それを手の平にたっぷりと出して指に絡め、レイフォードは入口へと指を当てゆっくりと押し込んだ。
 中に塗り込むように潤滑剤を足しながら軽く抜き差しする。

「んぅ…っ」
「痛かったり、気持ち悪かったり、やめて欲しい時は言ってくれ」
「…っ…ん…」

 ぎゅっと目を瞑り、レイフォードの服の胸元部分を掴んで小刻みに震えるルカを宥めるよう顔中に口付け、空いている方の手で髪を撫でながら時間を掛けて付け根まで収め様子を伺う。
 真っ赤な顔で忙しなく呼吸しているが、今のところ痛みは感じていないようで安堵した。

(知識しかない以上、いつもより慎重にならなければ…)

 絶対に傷付けてはいけない、痛い思いをさせてはいけない。
 ふとした拍子に外れてしまいそうな箍を理性だけで押し留め、レイフォードは拡げるように指を動かし始めた。
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