48 / 126
レイになら
しおりを挟む
部屋へと戻ったレイフォードは、まず香を焚いてからベッドに腰掛け苦しいくらいにしがみついているルカの腕を撫でた。
少しして香の効果が現れ始めたのか、僅かに緩みそれに気付いたレイフォードは腕を離させると横抱きに変え頬に口付ける。いつも明るく笑っている顔が可哀想なくらい青褪めていて、髪を撫でた手が両手で掴まれ胸元に抱き寄せられた。
「俺はルカだよな…? 南の村で一緒に住んでたばあちゃんたちが家族で、今はここが家だよな…?」
「ああ。ルカはルカで、ルカの家族は祖母君たちだけだ。ルカも祖母君たちも今はここが家だよ」
「そう、だよな……なのに、何でこんなに不安なんだ…?」
先ほどよりは落ち着いたとはいえ、ルカはまだ得体の知れない何かに怯えている。空いている手で頭を抱き寄せ額や目蓋に唇を落として宥めようとするが、緩く首を振られしがみつかれたままの手が頬に寄せられた。
「あの人と話してから、途切れ途切れだけど頭に浮かんで来るんだよ…暗い部屋の中で俺と誰かが並んで寝転んでて……でも、それがどういう状況なのかは分かんないんだ…」
「ルカ、無理に考えなくていい。今は忘れるんだ」
「忘れたい…思い出したくない…」
蒼碧の瞳が潤み目尻から涙がポロポロと零れる。その姿に胸が痛みどうにか違う事に意識を向けられないかと考えたレイフォードは、ルカの後頭部に手を添えると戦慄く唇を塞いだ。
「ん…っ」
「……今は私の事だけ考えろ」
「レイ……ッン…」
何かを言おうとするルカを遮るように更に深くし、舌を絡め取っていつもよりも激しく口内を貪った。すぐに息苦しくなったのかルカの手がレイフォードの手を離して服を掴んで来た為、少しだけ呼吸の時間を与えまた口付ける。
空いた手でルカの腰元を絞っている紐を解き、肌着の上から重ねて着ていたロングシャツのスリットから手を入れ地肌を撫でるとルカの身体がピクリと震えた。
「んん…っ」
「…ルカ、ここには不安になる事など何もない。ここにいるのは私だけだ」
「…っ…レイ…」
「大丈夫だから」
滑らかな肌の感触を確かめるように背中まで撫で上げ、ルカの頬から首筋へと軽くキスをしつつ鎖骨まで辿る。
ルカの匂いと香の匂いが混ざり合い、理性が眩みそうになるのを感じながらレイフォードはルカをベッドへと押し倒した。
(…なんだろ……これ…)
頭がフワフワして何も考えられなくて、レイフォードが触れるところが痺れるように熱くてジンジンしていた。
おかげでアイリスとの事も怖いと感じていた事も頭から抜けたが、今度は別の事で頭がいっぱいになってる。
いつの間にかベッドに寝かせられていて、服もたくし上げられ胸や腹が露わになっていた。ズボンだけはまだ履いてるけど、太腿まで捲られて今はレイフォードがアザのところに口付けている。
(…アザのとこ、ムズムズする…)
時折レイフォードからアザを見せて欲しいと言われる事があり、特に抵抗もないルカは躊躇いなく見せるのだが、毎度そこに触れられるせいで最近は敏感になっていた。
だから吸われたり舐められたりすると腹の下がぐるぐるして変な声が出そうになる。
「…レイ…、も、そこやだ…っ」
「アザが増えたな」
ふっと笑って起き上がったレイフォードが顔の横に手を付き見下ろしてくる。だがその表情はどこか真剣で、ルカは少しだけ戸惑った。
「ルカ。これ以上私に触れられたくなかったら拒否してくれないか」
「え…?」
「正直、あと少しでも触れてしまったら止まらなくなる」
「止まらなくなる…?」
レイフォードの言っている意味が分からなくて目を瞬くと今度は苦笑され肌着を下げられる。
ほぼ半裸にされた事も身体中にキスされた理由も分からないが、ルカは重ね着用のロングシャツに掛けられた手を握ると見上げて微笑んだ。
「よく分かんないけど、触りたいなら触ればいいんじゃないか? 俺は別に、レイに触られるのは嫌じゃないし」
「…ルカが思ってもいないような場所だとしてもか?」
「思ってもいない場所…」
それがどこを指しているのかは分からないが、ぶっちゃけてしまえば、この身体でレイフォードが触れてはいけない場所なんてないとルカは思っている。
だから握った手を左胸に当てると、彼が心音を感じられるよう強めに押さえてみた。
「もしレイが人の身体の中を触れるんだとしたら、俺の心臓にも触っていいって思うよ?」
「心臓に触れたら死んでしまうだろ?」
「それくらい、レイにならいいって事だよ」
レイフォードが触れた事で死んでしまったとしてもそれでも構わないと思うくらいには、ルカはレイフォードを想っている。
どのみち人間であるルカは、長命な竜族の王であるレイフォードよりも早く天寿を全うしてしまうから彼の手にかかって死ぬのも本望だった。
「触ってよ、レイ」
「……出来る限り優しくする」
「? うん」
いつだって充分優しいけど、と思いながら頷くと柔らかく微笑んだレイフォードが首筋に口付けてきた。チクリとした痛みが走り眉根が寄る。
少しだけカサついた手が再び肌着の中に入って来て、ルカは擽ったさとムズムズする感覚に眉尻を下げレイフォードの首へと腕を回した。
少しして香の効果が現れ始めたのか、僅かに緩みそれに気付いたレイフォードは腕を離させると横抱きに変え頬に口付ける。いつも明るく笑っている顔が可哀想なくらい青褪めていて、髪を撫でた手が両手で掴まれ胸元に抱き寄せられた。
「俺はルカだよな…? 南の村で一緒に住んでたばあちゃんたちが家族で、今はここが家だよな…?」
「ああ。ルカはルカで、ルカの家族は祖母君たちだけだ。ルカも祖母君たちも今はここが家だよ」
「そう、だよな……なのに、何でこんなに不安なんだ…?」
先ほどよりは落ち着いたとはいえ、ルカはまだ得体の知れない何かに怯えている。空いている手で頭を抱き寄せ額や目蓋に唇を落として宥めようとするが、緩く首を振られしがみつかれたままの手が頬に寄せられた。
「あの人と話してから、途切れ途切れだけど頭に浮かんで来るんだよ…暗い部屋の中で俺と誰かが並んで寝転んでて……でも、それがどういう状況なのかは分かんないんだ…」
「ルカ、無理に考えなくていい。今は忘れるんだ」
「忘れたい…思い出したくない…」
蒼碧の瞳が潤み目尻から涙がポロポロと零れる。その姿に胸が痛みどうにか違う事に意識を向けられないかと考えたレイフォードは、ルカの後頭部に手を添えると戦慄く唇を塞いだ。
「ん…っ」
「……今は私の事だけ考えろ」
「レイ……ッン…」
何かを言おうとするルカを遮るように更に深くし、舌を絡め取っていつもよりも激しく口内を貪った。すぐに息苦しくなったのかルカの手がレイフォードの手を離して服を掴んで来た為、少しだけ呼吸の時間を与えまた口付ける。
空いた手でルカの腰元を絞っている紐を解き、肌着の上から重ねて着ていたロングシャツのスリットから手を入れ地肌を撫でるとルカの身体がピクリと震えた。
「んん…っ」
「…ルカ、ここには不安になる事など何もない。ここにいるのは私だけだ」
「…っ…レイ…」
「大丈夫だから」
滑らかな肌の感触を確かめるように背中まで撫で上げ、ルカの頬から首筋へと軽くキスをしつつ鎖骨まで辿る。
ルカの匂いと香の匂いが混ざり合い、理性が眩みそうになるのを感じながらレイフォードはルカをベッドへと押し倒した。
(…なんだろ……これ…)
頭がフワフワして何も考えられなくて、レイフォードが触れるところが痺れるように熱くてジンジンしていた。
おかげでアイリスとの事も怖いと感じていた事も頭から抜けたが、今度は別の事で頭がいっぱいになってる。
いつの間にかベッドに寝かせられていて、服もたくし上げられ胸や腹が露わになっていた。ズボンだけはまだ履いてるけど、太腿まで捲られて今はレイフォードがアザのところに口付けている。
(…アザのとこ、ムズムズする…)
時折レイフォードからアザを見せて欲しいと言われる事があり、特に抵抗もないルカは躊躇いなく見せるのだが、毎度そこに触れられるせいで最近は敏感になっていた。
だから吸われたり舐められたりすると腹の下がぐるぐるして変な声が出そうになる。
「…レイ…、も、そこやだ…っ」
「アザが増えたな」
ふっと笑って起き上がったレイフォードが顔の横に手を付き見下ろしてくる。だがその表情はどこか真剣で、ルカは少しだけ戸惑った。
「ルカ。これ以上私に触れられたくなかったら拒否してくれないか」
「え…?」
「正直、あと少しでも触れてしまったら止まらなくなる」
「止まらなくなる…?」
レイフォードの言っている意味が分からなくて目を瞬くと今度は苦笑され肌着を下げられる。
ほぼ半裸にされた事も身体中にキスされた理由も分からないが、ルカは重ね着用のロングシャツに掛けられた手を握ると見上げて微笑んだ。
「よく分かんないけど、触りたいなら触ればいいんじゃないか? 俺は別に、レイに触られるのは嫌じゃないし」
「…ルカが思ってもいないような場所だとしてもか?」
「思ってもいない場所…」
それがどこを指しているのかは分からないが、ぶっちゃけてしまえば、この身体でレイフォードが触れてはいけない場所なんてないとルカは思っている。
だから握った手を左胸に当てると、彼が心音を感じられるよう強めに押さえてみた。
「もしレイが人の身体の中を触れるんだとしたら、俺の心臓にも触っていいって思うよ?」
「心臓に触れたら死んでしまうだろ?」
「それくらい、レイにならいいって事だよ」
レイフォードが触れた事で死んでしまったとしてもそれでも構わないと思うくらいには、ルカはレイフォードを想っている。
どのみち人間であるルカは、長命な竜族の王であるレイフォードよりも早く天寿を全うしてしまうから彼の手にかかって死ぬのも本望だった。
「触ってよ、レイ」
「……出来る限り優しくする」
「? うん」
いつだって充分優しいけど、と思いながら頷くと柔らかく微笑んだレイフォードが首筋に口付けてきた。チクリとした痛みが走り眉根が寄る。
少しだけカサついた手が再び肌着の中に入って来て、ルカは擽ったさとムズムズする感覚に眉尻を下げレイフォードの首へと腕を回した。
945
お気に入りに追加
1,878
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ぼくは男なのにイケメンの獣人から愛されてヤバい!!【完結】
ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜
・話の流れが遅い
・作者が話の進行悩み過ぎてる
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる