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キラキラしてる
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レイフォードと口付けを交わしてから三日が経った。
あのあと自分の部屋に戻るように言われたけど、どうしてもレイフォードの顔色が気になったルカはせめて眠るまではと渋る彼を説得して傍にいさせて貰った。それからずっとあの時の事を考えてる。
どんなに仲が良い家族でも口と口をくっつける事はしないから、あれが普通じゃない事はルカも気付いていた。
そもそも、あんな事はよほどの関係じゃないと出来ないだろう。他人の口になんて本来なら触れたくないはずだ。それなのに。
「何で俺⋯嫌じゃなかったんだろ⋯」
出会ってからずっと優しくて親切にしてくれるからだろうか。それとも家族ではないが家族のように信頼しているからだろうか。
もしくは、レイフォードだから?
「⋯⋯こういう時は、他の人とだったらって考えればいいんだよな」
あの時レイフォードに聞かれて答えたように、バルドーやアルマともしああいう状況になったら⋯⋯そう考えてルカは想像した事を後悔するくらい身震いした。
(無理だ。そうなったらたぶん殴る)
つまりはレイフォードだから嫌じゃなかったという事で、そうなると今度はどうして彼なら良かったのかという疑問が湧いてくる。
『その人だから許せる事があったりもします』
不意にソフィアから聞いた〝特別な人〟の話を思い出し、ルカは思考をピタリと止めた。特別な気持ちがあるから、〝その人だから許せる事〟。
(レイだから、許せる事⋯?)
それはつまり、ルカにとってレイフォードが〝特別〟という事になるのではないか。だがもしそうだとしても、そこに付随するはずの恋愛感情というものがやっぱり分からない。
ルカは混乱しそうになる頭を抱えると机に突っ伏し唸った。
「頭パンクしそう⋯」
あの件でルカはルカなりにレイフォードの気持ちを理解した。きっとレイフォードにとってルカが特別だからこそ、ソフィアが言っていたように触れたくなるのだろう。
「好きは好きなんだけどな⋯」
元々嫌いになる要素なんて一つも持ってない人だ。
城でも街でも慕われているところを見れば、レイフォードが如何に良い国政を敷いているのかが分かる。
それに、レイフォードが与えてくれるものは全てが心地良い。傍にいると落ち着くし、あの大きな手で触れられると心が暖かくなるから、少なからずルカは気に入っていた。
「特別、かぁ⋯⋯」
仮にルカにとってレイフォードが特別なのだとしたら、二人の何が変わるんだろうか。
僅かに顔を上げ窓の外を見たルカは、考え過ぎて痛み出した頭を労る為ゆっくりと目を閉じるのだった。
心地良い風が吹き抜ける庭園で、ルカは祖母と共にガゼボに腰掛け話に花を咲かせていた。
「陛下には本当に良くして頂いてるよ。つい最近も屋敷に商人の方が来られて、見た事もない食べ物を買って下さってね」
「へぇ、良かったじゃん。俺も良く食べさせて貰ってるよ」
「そうかいそうかい。嬉しいねぇ」
「うん。レイがくれる食べ物全部美味しい」
クッキーや飴を貰ってから、それがなくなる頃を見計らってレイフォードは新しいお菓子を持ってくる。それもルカが見た事も食べた事もない物ばかりで、今は次に何が貰えるのか楽しみで仕方がない。
ちなみにガゼボの中には簡易的にテーブルが用意されていて、ティーセットと数種類のケーキが並んだケーキスタンドが置かれていた。
「陛下はルカを甘やかして下さっているんだねぇ」
「甘やかしてって、俺は小さい子供か」
「陛下にしてみれば子供だよ」
「うわ、それは何かむかつく」
「こらこら、陛下の事をそんな風に言ってはいけないよ」
年齢差を考えれば仕方ないのかもしれないが、ルカ的には子供扱いだけはされたくない。
ムッとして些か乱暴な仕草でケーキにフォークを刺して食べたルカは、今度はフルーツがたっぷり乗ったミニタルトケーキを皿に乗せて、口の中の物を紅茶で流し込んだ。
その姿に苦笑する祖母をチラリと見て、ルカはソフィアの反応から聞くに聞けなかった事を問うてみる事にした。
「ばあちゃん」
「何だい、ルカ」
「蓮の花のアザって知ってる?」
「蓮の花のアザ?」
あれ以降姿を見なくなった元講師のメアリーにアザの話を聞いてからルカはずっとモヤモヤしていた。
彼女は〝竜妃たる者は、アザがなければいけない〟とも言っていたが、レイフォードやソフィアからは一度もそんな話を聞いた事はない。むしろ、メアリー以外は口にさえしていなかった気がする。
祖母は少し考えるように黙り込むと、シワの寄った手でルカの頭を撫でてきた。
「私も詳しくは知らないんだけどね、確か、竜族の王家に代々伝わる文献があって、そこに蓮の花のアザの事が記されていると聞いた事があるよ」
「どんな風に?」
「朧気だけど、蓮の花のアザを持つ者を娶れば、その代の竜王様による統治は安寧が約束されているとか」
「あんねい?」
「平穏で安らかな世界でいられるという事だね」
その話を聞いてルカはなるほどと思った。
竜族にとって、竜妃が蓮の花のアザを持つ事はとても重要な事なのだろう。誰だって自分が暮らす世界は平和な方がいい。
ルカは太腿に置いた手を握るとそこへ視線を落として眉尻を下げた。
「でもね、蓮の花のアザを持つお方は当代の竜王様に対してお一人だけだから、なかなか見付かる事はないみたいだよ。聞いた話では、アザを持つ方を娶れた竜王様は数える程しかおられないそうだからね」
「そう、なのか?」
「希少な存在のようだよ」
この世界にこれだけの人間や竜族が存在する中、たった一人しかいないのならそれはもう喉から手が出る程欲しいだろう。レイフォードだって、王である以上アザ持ちを竜妃にしたいはずだ。
そう言えば初めて村に来た時、彼は人捜しをしていると言っていなかったか。
(もしそれがアザを持つ人をって事だとしたら⋯)
一瞬、レイフォードに寄り添う綺麗なドレスを見に纏った令嬢の姿が思い浮かびルカの喉がヒュッと鳴った。
(⋯嫌だな。レイが俺の知らない誰かに優しくしてる姿なんて見たくないかも⋯)
いつも自分に向けられていた笑顔が、もしそっぽを向いたら耐えられないかもしれない。
俯いたまま何も言わなくなったルカの顔を祖母が心配そうに覗き込んでくる。
「ルカ?」
「⋯アザがなかったら…意味ない?」
「アザがなくとも、陛下はルカがいいと仰っていたよ」
「⋯⋯⋯」
きっとその言葉は嘘じゃない。
でもこの国にとってアザを持っている事が重要視されるなら、その人が現れたら自分の存在なんて掃いて捨てられる程軽いだろう。
きゅっと唇を噛んで、乾いた喉を潤す為に残っていた紅茶を一気に飲み干したルカは、居場所がなくなった場合どうすればいいのかを祖母に聞こうと顔を上げた。
「ばあちゃん、あのさ⋯」
「おや、ルカ。陛下がいらしてるよ」
「え?」
意気込んで口を開いたのにあっさりと遮られ拍子抜けしてしまう。祖母が見ている方へと視線を移すと、レイフォードが虚空に向かって笑い掛けながらこちらへと歩いて来ていた。
その姿が妙にキラキラしていてルカは思わず目を擦る。
「⋯⋯?」
「どうした? 目に何か入ったか?」
ガゼボまで来たレイフォードの手が頬を挟み、目元を覗き込まれたルカの視界に光がチラつく。訳が分からなくて盛大に困惑したルカは彼の手首を掴むと勢い良く引き剥がした。
それに驚いたのは他でもないルカで、ポカンとしているレイフォードを見て慌てて手を離すと祖母へと抱き着く。
「どうしたんだい、ルカ」
「な、何でもない⋯っ」
「何でもないようには見えないけどねぇ」
レイフォードに触れられた頬も、レイフォードに触れた手も熱い。
自分でも自分の行動が分からなくて頭の中いっぱいにクエスチョンマークを浮かべていると、レイフォードがクスリと笑って頭を撫でてきた。
「もしかして、精霊に悪戯でもされたか?」
「え?」
「ルカの周りを楽しそうに飛んでいる。目を閉じて耳を澄ませてみたら聞こえるかもしれないな」
「精霊⋯」
もしかしてさっき笑っていたのは精霊がいたからだったのか。
何となく腑に落ちないながらも言われた通り目を瞑り周辺の音に意識を集中させたルカの耳に、微かに不思議な音が聞こえてきた。
高くもなく低くもない、言葉であって言葉でないような初めて聞く声。それなのに何を言ってるのか分かる。
―ルカ、ルカ―
―おうさまとなかよし、すてき―
―わたしたちもなかよし?―
反射的に目を開けしまったせいで声はピタリと聞こえなくなったが、嬉しくなったルカは立ち上がると自分の周りにいるであろう精霊へ向かって大きく頷いた。
相変わらず姿は見えないけど、確かにいるのだと感じられる。
「仲良しだよ。遅くなったけど、いつも助けてくれてありがとうな」
手を伸ばして微笑みながらそう言うとふわりと風が舞ってルカの頬を撫でる。
その様子を黙って見ていたレイフォードは、ルカとニコニコと飛び回る精霊達の微笑ましい様子に目を細めた。例え見えなくとも、通じ合う何かがお互いにあるのかもしれない。
しばらく眺めていたら精霊の数がどんどん増えてきて、さすがのルカも違和感を覚えたのか困惑し始めた。いい加減収拾がつかなくなりそうだと苦笑したレイフォードは、精霊達に帰るように声をかけルカを抱き上げる。
よもや精霊にまで嫉妬するとは思わなかったレイフォードであった。
あのあと自分の部屋に戻るように言われたけど、どうしてもレイフォードの顔色が気になったルカはせめて眠るまではと渋る彼を説得して傍にいさせて貰った。それからずっとあの時の事を考えてる。
どんなに仲が良い家族でも口と口をくっつける事はしないから、あれが普通じゃない事はルカも気付いていた。
そもそも、あんな事はよほどの関係じゃないと出来ないだろう。他人の口になんて本来なら触れたくないはずだ。それなのに。
「何で俺⋯嫌じゃなかったんだろ⋯」
出会ってからずっと優しくて親切にしてくれるからだろうか。それとも家族ではないが家族のように信頼しているからだろうか。
もしくは、レイフォードだから?
「⋯⋯こういう時は、他の人とだったらって考えればいいんだよな」
あの時レイフォードに聞かれて答えたように、バルドーやアルマともしああいう状況になったら⋯⋯そう考えてルカは想像した事を後悔するくらい身震いした。
(無理だ。そうなったらたぶん殴る)
つまりはレイフォードだから嫌じゃなかったという事で、そうなると今度はどうして彼なら良かったのかという疑問が湧いてくる。
『その人だから許せる事があったりもします』
不意にソフィアから聞いた〝特別な人〟の話を思い出し、ルカは思考をピタリと止めた。特別な気持ちがあるから、〝その人だから許せる事〟。
(レイだから、許せる事⋯?)
それはつまり、ルカにとってレイフォードが〝特別〟という事になるのではないか。だがもしそうだとしても、そこに付随するはずの恋愛感情というものがやっぱり分からない。
ルカは混乱しそうになる頭を抱えると机に突っ伏し唸った。
「頭パンクしそう⋯」
あの件でルカはルカなりにレイフォードの気持ちを理解した。きっとレイフォードにとってルカが特別だからこそ、ソフィアが言っていたように触れたくなるのだろう。
「好きは好きなんだけどな⋯」
元々嫌いになる要素なんて一つも持ってない人だ。
城でも街でも慕われているところを見れば、レイフォードが如何に良い国政を敷いているのかが分かる。
それに、レイフォードが与えてくれるものは全てが心地良い。傍にいると落ち着くし、あの大きな手で触れられると心が暖かくなるから、少なからずルカは気に入っていた。
「特別、かぁ⋯⋯」
仮にルカにとってレイフォードが特別なのだとしたら、二人の何が変わるんだろうか。
僅かに顔を上げ窓の外を見たルカは、考え過ぎて痛み出した頭を労る為ゆっくりと目を閉じるのだった。
心地良い風が吹き抜ける庭園で、ルカは祖母と共にガゼボに腰掛け話に花を咲かせていた。
「陛下には本当に良くして頂いてるよ。つい最近も屋敷に商人の方が来られて、見た事もない食べ物を買って下さってね」
「へぇ、良かったじゃん。俺も良く食べさせて貰ってるよ」
「そうかいそうかい。嬉しいねぇ」
「うん。レイがくれる食べ物全部美味しい」
クッキーや飴を貰ってから、それがなくなる頃を見計らってレイフォードは新しいお菓子を持ってくる。それもルカが見た事も食べた事もない物ばかりで、今は次に何が貰えるのか楽しみで仕方がない。
ちなみにガゼボの中には簡易的にテーブルが用意されていて、ティーセットと数種類のケーキが並んだケーキスタンドが置かれていた。
「陛下はルカを甘やかして下さっているんだねぇ」
「甘やかしてって、俺は小さい子供か」
「陛下にしてみれば子供だよ」
「うわ、それは何かむかつく」
「こらこら、陛下の事をそんな風に言ってはいけないよ」
年齢差を考えれば仕方ないのかもしれないが、ルカ的には子供扱いだけはされたくない。
ムッとして些か乱暴な仕草でケーキにフォークを刺して食べたルカは、今度はフルーツがたっぷり乗ったミニタルトケーキを皿に乗せて、口の中の物を紅茶で流し込んだ。
その姿に苦笑する祖母をチラリと見て、ルカはソフィアの反応から聞くに聞けなかった事を問うてみる事にした。
「ばあちゃん」
「何だい、ルカ」
「蓮の花のアザって知ってる?」
「蓮の花のアザ?」
あれ以降姿を見なくなった元講師のメアリーにアザの話を聞いてからルカはずっとモヤモヤしていた。
彼女は〝竜妃たる者は、アザがなければいけない〟とも言っていたが、レイフォードやソフィアからは一度もそんな話を聞いた事はない。むしろ、メアリー以外は口にさえしていなかった気がする。
祖母は少し考えるように黙り込むと、シワの寄った手でルカの頭を撫でてきた。
「私も詳しくは知らないんだけどね、確か、竜族の王家に代々伝わる文献があって、そこに蓮の花のアザの事が記されていると聞いた事があるよ」
「どんな風に?」
「朧気だけど、蓮の花のアザを持つ者を娶れば、その代の竜王様による統治は安寧が約束されているとか」
「あんねい?」
「平穏で安らかな世界でいられるという事だね」
その話を聞いてルカはなるほどと思った。
竜族にとって、竜妃が蓮の花のアザを持つ事はとても重要な事なのだろう。誰だって自分が暮らす世界は平和な方がいい。
ルカは太腿に置いた手を握るとそこへ視線を落として眉尻を下げた。
「でもね、蓮の花のアザを持つお方は当代の竜王様に対してお一人だけだから、なかなか見付かる事はないみたいだよ。聞いた話では、アザを持つ方を娶れた竜王様は数える程しかおられないそうだからね」
「そう、なのか?」
「希少な存在のようだよ」
この世界にこれだけの人間や竜族が存在する中、たった一人しかいないのならそれはもう喉から手が出る程欲しいだろう。レイフォードだって、王である以上アザ持ちを竜妃にしたいはずだ。
そう言えば初めて村に来た時、彼は人捜しをしていると言っていなかったか。
(もしそれがアザを持つ人をって事だとしたら⋯)
一瞬、レイフォードに寄り添う綺麗なドレスを見に纏った令嬢の姿が思い浮かびルカの喉がヒュッと鳴った。
(⋯嫌だな。レイが俺の知らない誰かに優しくしてる姿なんて見たくないかも⋯)
いつも自分に向けられていた笑顔が、もしそっぽを向いたら耐えられないかもしれない。
俯いたまま何も言わなくなったルカの顔を祖母が心配そうに覗き込んでくる。
「ルカ?」
「⋯アザがなかったら…意味ない?」
「アザがなくとも、陛下はルカがいいと仰っていたよ」
「⋯⋯⋯」
きっとその言葉は嘘じゃない。
でもこの国にとってアザを持っている事が重要視されるなら、その人が現れたら自分の存在なんて掃いて捨てられる程軽いだろう。
きゅっと唇を噛んで、乾いた喉を潤す為に残っていた紅茶を一気に飲み干したルカは、居場所がなくなった場合どうすればいいのかを祖母に聞こうと顔を上げた。
「ばあちゃん、あのさ⋯」
「おや、ルカ。陛下がいらしてるよ」
「え?」
意気込んで口を開いたのにあっさりと遮られ拍子抜けしてしまう。祖母が見ている方へと視線を移すと、レイフォードが虚空に向かって笑い掛けながらこちらへと歩いて来ていた。
その姿が妙にキラキラしていてルカは思わず目を擦る。
「⋯⋯?」
「どうした? 目に何か入ったか?」
ガゼボまで来たレイフォードの手が頬を挟み、目元を覗き込まれたルカの視界に光がチラつく。訳が分からなくて盛大に困惑したルカは彼の手首を掴むと勢い良く引き剥がした。
それに驚いたのは他でもないルカで、ポカンとしているレイフォードを見て慌てて手を離すと祖母へと抱き着く。
「どうしたんだい、ルカ」
「な、何でもない⋯っ」
「何でもないようには見えないけどねぇ」
レイフォードに触れられた頬も、レイフォードに触れた手も熱い。
自分でも自分の行動が分からなくて頭の中いっぱいにクエスチョンマークを浮かべていると、レイフォードがクスリと笑って頭を撫でてきた。
「もしかして、精霊に悪戯でもされたか?」
「え?」
「ルカの周りを楽しそうに飛んでいる。目を閉じて耳を澄ませてみたら聞こえるかもしれないな」
「精霊⋯」
もしかしてさっき笑っていたのは精霊がいたからだったのか。
何となく腑に落ちないながらも言われた通り目を瞑り周辺の音に意識を集中させたルカの耳に、微かに不思議な音が聞こえてきた。
高くもなく低くもない、言葉であって言葉でないような初めて聞く声。それなのに何を言ってるのか分かる。
―ルカ、ルカ―
―おうさまとなかよし、すてき―
―わたしたちもなかよし?―
反射的に目を開けしまったせいで声はピタリと聞こえなくなったが、嬉しくなったルカは立ち上がると自分の周りにいるであろう精霊へ向かって大きく頷いた。
相変わらず姿は見えないけど、確かにいるのだと感じられる。
「仲良しだよ。遅くなったけど、いつも助けてくれてありがとうな」
手を伸ばして微笑みながらそう言うとふわりと風が舞ってルカの頬を撫でる。
その様子を黙って見ていたレイフォードは、ルカとニコニコと飛び回る精霊達の微笑ましい様子に目を細めた。例え見えなくとも、通じ合う何かがお互いにあるのかもしれない。
しばらく眺めていたら精霊の数がどんどん増えてきて、さすがのルカも違和感を覚えたのか困惑し始めた。いい加減収拾がつかなくなりそうだと苦笑したレイフォードは、精霊達に帰るように声をかけルカを抱き上げる。
よもや精霊にまで嫉妬するとは思わなかったレイフォードであった。
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