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兎は狼に告げられる
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今度はちゃんとネームプレートを見て、間違いない事を確認して中に入ったオレは、ドアを閉めるなりその場にしゃがみ込んだ。
やった、やってしまった。
部屋を間違えた挙句、中にいた人に悲鳴を上げてちょっとした騒ぎにしてしまった。恥ずかし過ぎる。
「何で階数間違えたかな…」
浮かれてたとしか思えないけど、いくら方向音痴でもそんな初歩的な間違いしないだろう。
ちなみに寮までは、同じ寮住みのクラスメイトと一緒に帰ってきてて、その子は二階だから別れてからの間違いだったりする。
笑って許してくれる人で本当に良かったよ。
いつまでもドアに寄りかかってたら危ないなと立ち上がろうとした時、不意に背中を支えていた壁がなくなりオレはそのまま後ろに倒れ込んだ。後頭部をぶつけると思ってぎゅっと目を瞑ったけど、衝撃の代わりに大きな何かに包まれる。
恐る恐る目を開けた先で、僅かに眉を顰めた大神がオレを見下ろしていた。
「……へ?」
「危ねぇよ、何してんの?」
「し、羞恥で悶えてた」
「は?」
「いや、何でも……あ、ってか、ありがと。ごめんな、びっくりしたよな」
オレが後頭部を強打しなくて済んだのは、大神が手で支えてくれたかららしい。軽い動作で起こされ制服についた汚れを払いながら立ち上がる。
帰って来てドアを開けた瞬間人が倒れて来たら驚くだろうに、良く咄嗟に手が出せたな。
中に入り机に鞄を置くと、大神はポイッとベッドに放り投げそのまま洗面所に消える。鞄、軽そう。
その間に着替えを済ませたオレは、出てきた大神と入れ違いで洗面所に行き手洗いと嗽を済ませた。
夕食までは時間があるし、勉強でもしようかな。
そう思いながら洗面所を出ると、部屋着に着替えてベッドの上で壁に寄り掛かって座っていた大神に手招きされた。
「?」
「ん」
首を傾げながら近付くと、今度は腕を開かれる。まるで恋人を腕の中に呼ぶかのような仕草に固まるオレに、もう一度「ん」と声が掛けられた。
あー、交換条件のやつか。何もこんな恥ずかしいやり方しなくても。
「ってか、部屋着とは言えベッド上がって平気なのか?」
「先輩ならいい」
「基準が分かんないけど、まぁ本人が言うなら…お邪魔します」
身体の大きい大神サイズに作られたベッドは意外にも柔らかく、割といいマットレスを使っているようだ。
這うように近付き、緩く胡座を掻いた足の間に背中を向けて座るとすぐに抱き締められる。
うわ、包まれてる感半端ない。恥ずかしい。
「お、大神、あのさ」
「朔夜」
「へ?」
「朔夜って呼んで」
「さ、朔夜?」
「ん。何、先輩」
「あー…いや、えっと……これ、朔夜的にどうなのかなって…」
「どうって?」
「……楽しいか?」
条件として出してきたって事はまぁ朔夜自身の要望なんだろうけど、ぶっちゃけこれのメリットが分からない。
ちっこいとはいえ男の身体を抱き締めて何がいいのか。
「楽しいっつーか……落ち着く」
「落ち着く……」
「先輩いい匂いするし」
「そうか? 朔夜の方がいい匂いすると思うけど」
「俺のは人工的だから」
そこは香水って言いなさい。朔夜から香る匂いは、柑橘系の爽やかな香りの中にちょっとした甘さがあるっていうのかな。詳しくないから良く分かんないけどいい匂いだ。
それにしても落ち着くのか。こんな骨骨しい男なんて抱き心地最悪だろうに。
「先輩」
「ん?」
「他の奴には、こういう事させんなよ」
「お前以外にこんな要求してくる奴いないだろ。ってかいつまでこうしてるつもりだ?」
「学食開くまで」
「まだ一時間もあるんだけど?」
「うん」
「いや〝うん〟じゃなくて」
一日過ごして気付いた、朔夜は言葉が少なすぎる。会話が途切れるって訳じゃなくて、むしろ話してはくれるんだけどそれが短い。
オレ、一時間も何してりゃいいの? 暇すぎる。
本気で時間まで離してくれそうにない朔夜に溜め息を零し、寄り掛からないよう気を付けていたオレは諦めて身体の力を抜く事にした。
一時間後──。
「先輩、学食開いた」
「…ん……あれ…オレ寝てた…?」
「おはよう」
「おはよ。ごめん、暇だったろ?」
「寝顔見てた」
「見てるなよ、起こせよ」
人の無防備な姿を黙って見てるとか悪趣味だ。
朔夜の長い腕から解放されたオレはベッドから降りて大きく伸びをする。ふかふかマットレスのおかげかお尻とか腰も痛くなくて、むしろ頭がちょっとスッキリして元気になった。
「よし、じゃあ学食行くかー」
「ん」
財布を手に朝と同様に並んで歩くとやっぱりジロジロ見られる。興味があるなら話しかけてくれればいいのに……やっぱり朔夜が怖いのか?
「朔夜、頭下げて」
「?」
「よしよし」
唐突に声をかけたオレに不思議そうにしながらも、素直に下げた朔夜の頭をわしゃわしゃと撫でる。途端にザワつく廊下にオレは少しだけ優越感を覚えた。
こんな事しても怒んないくらいには優しい奴なのにな。
乱れて跳ねた銀髪を整えてから手を離すと、僅かに目を見瞠った朔夜がいて思わず笑ってしまう。
行こっかと言って歩き出したオレの手を朔夜が掴んだ。
「朔夜?」
「先輩、俺決めたから」
「何を?」
「アンタを俺のものにする」
「え?」
「覚悟しといて」
言うなり手を離してさっさと歩いて行った朔夜は、食堂に入る瞬間オレを見てニヤリと笑った。
その顔があまりにも色気に満ちてて、そこで意味を理解したオレは一気に顔が赤くなったのを感じ両手で顔を覆ってしゃがみ込む。
何? 俺のもの? って誰のもの? そもそもオレはものじゃないんだけど。 いやまずどうしてそうなった?
頭の中がぐるぐるして心臓が凄いドキドキしてる。
「う、宇佐見くん、大丈夫?」
「木下さん…下川くん……」
「凄いの見ちゃった」
「宇佐見、勇者だな」
「ど、どんな顔で部屋に戻れば……」
「こういう時、同部屋って困るよねぇ」
バッチリ目撃したクラスメイトに声をかけられ、オレは情けない顔で首を振る。
とんでもない爆弾をみんなの前で落としてくれたものだ。
この後まともに朔夜の顔見れないよ。
いつも以上にザワザワしているエントランスの端で、中々熱の引かない頬を手団扇で扇いでいたオレは、食事を終えて戻って来た朔夜に腕を引かれて部屋に戻されるまでその場から動けずにいた。
それからはなるべく目を合わせないようにして過ごした。学年毎に時間が決められた共同風呂で入浴を済ませ、就寝時間まで勉強して、背中を向けてベッドに入る。空腹とかそんなもん感じる余裕もなかった。
朔夜がじっと見ている事には気付いていたけど、とてもじゃないけど応えられる余裕はない。嫌悪とかそういうんじゃなくて、ただただこっ恥ずかしくて。
ギシッと朔夜のベッドが軋んだ音がして気配が近付く。ひぇ、し、心臓が。
「うさぎ先輩」
「…………」
「俺、本気だから」
「…………」
「何か言ってくんね?」
「…………」
「先輩と話せねぇの、キツい」
「…………何でオレ?」
寝たフリで通そうと思ったのに、朔夜の声があんまりにも落ち込んでて耐えられなくなったオレは、背中を向けたまま問い掛ける。
ぶっちゃけ朔夜なら選り取りみどりだろうに、何で男であるオレなのかが理解出来ない。しかも昨日会ったばっかで、お互いの事まともに知りもしないのに。
サラリと髪を撫でられ、驚きで肩が跳ねた。
「俺、ゲイなんだよ」
「うん?」
「男しか好きになれねぇの」
「そ、そうなんだ」
質問の答えじゃなかった事に肩透かしを食らいながらも、話してくれるならと当たり障りなく返事をする。
そういや昨日も問い掛けには答えてくれなかったな。
「可愛いって思った」
「……?」
「小さくて、可愛いって。それなのに性格男前だし、優しいし」
あ、これは答えだ。
主語がいかに大事かがよく分かるな。
オレは真剣に話してくれてる朔夜に背中を向けてる事を申し訳なく感じ、悩んだ末に身体ごと振り返る。
朔夜は目を伏せてたけど、オレが向いた事にはもちろん気付いて視線を上げ、真っ直ぐ見つめて口を開いた。
「一目惚れ」
やった、やってしまった。
部屋を間違えた挙句、中にいた人に悲鳴を上げてちょっとした騒ぎにしてしまった。恥ずかし過ぎる。
「何で階数間違えたかな…」
浮かれてたとしか思えないけど、いくら方向音痴でもそんな初歩的な間違いしないだろう。
ちなみに寮までは、同じ寮住みのクラスメイトと一緒に帰ってきてて、その子は二階だから別れてからの間違いだったりする。
笑って許してくれる人で本当に良かったよ。
いつまでもドアに寄りかかってたら危ないなと立ち上がろうとした時、不意に背中を支えていた壁がなくなりオレはそのまま後ろに倒れ込んだ。後頭部をぶつけると思ってぎゅっと目を瞑ったけど、衝撃の代わりに大きな何かに包まれる。
恐る恐る目を開けた先で、僅かに眉を顰めた大神がオレを見下ろしていた。
「……へ?」
「危ねぇよ、何してんの?」
「し、羞恥で悶えてた」
「は?」
「いや、何でも……あ、ってか、ありがと。ごめんな、びっくりしたよな」
オレが後頭部を強打しなくて済んだのは、大神が手で支えてくれたかららしい。軽い動作で起こされ制服についた汚れを払いながら立ち上がる。
帰って来てドアを開けた瞬間人が倒れて来たら驚くだろうに、良く咄嗟に手が出せたな。
中に入り机に鞄を置くと、大神はポイッとベッドに放り投げそのまま洗面所に消える。鞄、軽そう。
その間に着替えを済ませたオレは、出てきた大神と入れ違いで洗面所に行き手洗いと嗽を済ませた。
夕食までは時間があるし、勉強でもしようかな。
そう思いながら洗面所を出ると、部屋着に着替えてベッドの上で壁に寄り掛かって座っていた大神に手招きされた。
「?」
「ん」
首を傾げながら近付くと、今度は腕を開かれる。まるで恋人を腕の中に呼ぶかのような仕草に固まるオレに、もう一度「ん」と声が掛けられた。
あー、交換条件のやつか。何もこんな恥ずかしいやり方しなくても。
「ってか、部屋着とは言えベッド上がって平気なのか?」
「先輩ならいい」
「基準が分かんないけど、まぁ本人が言うなら…お邪魔します」
身体の大きい大神サイズに作られたベッドは意外にも柔らかく、割といいマットレスを使っているようだ。
這うように近付き、緩く胡座を掻いた足の間に背中を向けて座るとすぐに抱き締められる。
うわ、包まれてる感半端ない。恥ずかしい。
「お、大神、あのさ」
「朔夜」
「へ?」
「朔夜って呼んで」
「さ、朔夜?」
「ん。何、先輩」
「あー…いや、えっと……これ、朔夜的にどうなのかなって…」
「どうって?」
「……楽しいか?」
条件として出してきたって事はまぁ朔夜自身の要望なんだろうけど、ぶっちゃけこれのメリットが分からない。
ちっこいとはいえ男の身体を抱き締めて何がいいのか。
「楽しいっつーか……落ち着く」
「落ち着く……」
「先輩いい匂いするし」
「そうか? 朔夜の方がいい匂いすると思うけど」
「俺のは人工的だから」
そこは香水って言いなさい。朔夜から香る匂いは、柑橘系の爽やかな香りの中にちょっとした甘さがあるっていうのかな。詳しくないから良く分かんないけどいい匂いだ。
それにしても落ち着くのか。こんな骨骨しい男なんて抱き心地最悪だろうに。
「先輩」
「ん?」
「他の奴には、こういう事させんなよ」
「お前以外にこんな要求してくる奴いないだろ。ってかいつまでこうしてるつもりだ?」
「学食開くまで」
「まだ一時間もあるんだけど?」
「うん」
「いや〝うん〟じゃなくて」
一日過ごして気付いた、朔夜は言葉が少なすぎる。会話が途切れるって訳じゃなくて、むしろ話してはくれるんだけどそれが短い。
オレ、一時間も何してりゃいいの? 暇すぎる。
本気で時間まで離してくれそうにない朔夜に溜め息を零し、寄り掛からないよう気を付けていたオレは諦めて身体の力を抜く事にした。
一時間後──。
「先輩、学食開いた」
「…ん……あれ…オレ寝てた…?」
「おはよう」
「おはよ。ごめん、暇だったろ?」
「寝顔見てた」
「見てるなよ、起こせよ」
人の無防備な姿を黙って見てるとか悪趣味だ。
朔夜の長い腕から解放されたオレはベッドから降りて大きく伸びをする。ふかふかマットレスのおかげかお尻とか腰も痛くなくて、むしろ頭がちょっとスッキリして元気になった。
「よし、じゃあ学食行くかー」
「ん」
財布を手に朝と同様に並んで歩くとやっぱりジロジロ見られる。興味があるなら話しかけてくれればいいのに……やっぱり朔夜が怖いのか?
「朔夜、頭下げて」
「?」
「よしよし」
唐突に声をかけたオレに不思議そうにしながらも、素直に下げた朔夜の頭をわしゃわしゃと撫でる。途端にザワつく廊下にオレは少しだけ優越感を覚えた。
こんな事しても怒んないくらいには優しい奴なのにな。
乱れて跳ねた銀髪を整えてから手を離すと、僅かに目を見瞠った朔夜がいて思わず笑ってしまう。
行こっかと言って歩き出したオレの手を朔夜が掴んだ。
「朔夜?」
「先輩、俺決めたから」
「何を?」
「アンタを俺のものにする」
「え?」
「覚悟しといて」
言うなり手を離してさっさと歩いて行った朔夜は、食堂に入る瞬間オレを見てニヤリと笑った。
その顔があまりにも色気に満ちてて、そこで意味を理解したオレは一気に顔が赤くなったのを感じ両手で顔を覆ってしゃがみ込む。
何? 俺のもの? って誰のもの? そもそもオレはものじゃないんだけど。 いやまずどうしてそうなった?
頭の中がぐるぐるして心臓が凄いドキドキしてる。
「う、宇佐見くん、大丈夫?」
「木下さん…下川くん……」
「凄いの見ちゃった」
「宇佐見、勇者だな」
「ど、どんな顔で部屋に戻れば……」
「こういう時、同部屋って困るよねぇ」
バッチリ目撃したクラスメイトに声をかけられ、オレは情けない顔で首を振る。
とんでもない爆弾をみんなの前で落としてくれたものだ。
この後まともに朔夜の顔見れないよ。
いつも以上にザワザワしているエントランスの端で、中々熱の引かない頬を手団扇で扇いでいたオレは、食事を終えて戻って来た朔夜に腕を引かれて部屋に戻されるまでその場から動けずにいた。
それからはなるべく目を合わせないようにして過ごした。学年毎に時間が決められた共同風呂で入浴を済ませ、就寝時間まで勉強して、背中を向けてベッドに入る。空腹とかそんなもん感じる余裕もなかった。
朔夜がじっと見ている事には気付いていたけど、とてもじゃないけど応えられる余裕はない。嫌悪とかそういうんじゃなくて、ただただこっ恥ずかしくて。
ギシッと朔夜のベッドが軋んだ音がして気配が近付く。ひぇ、し、心臓が。
「うさぎ先輩」
「…………」
「俺、本気だから」
「…………」
「何か言ってくんね?」
「…………」
「先輩と話せねぇの、キツい」
「…………何でオレ?」
寝たフリで通そうと思ったのに、朔夜の声があんまりにも落ち込んでて耐えられなくなったオレは、背中を向けたまま問い掛ける。
ぶっちゃけ朔夜なら選り取りみどりだろうに、何で男であるオレなのかが理解出来ない。しかも昨日会ったばっかで、お互いの事まともに知りもしないのに。
サラリと髪を撫でられ、驚きで肩が跳ねた。
「俺、ゲイなんだよ」
「うん?」
「男しか好きになれねぇの」
「そ、そうなんだ」
質問の答えじゃなかった事に肩透かしを食らいながらも、話してくれるならと当たり障りなく返事をする。
そういや昨日も問い掛けには答えてくれなかったな。
「可愛いって思った」
「……?」
「小さくて、可愛いって。それなのに性格男前だし、優しいし」
あ、これは答えだ。
主語がいかに大事かがよく分かるな。
オレは真剣に話してくれてる朔夜に背中を向けてる事を申し訳なく感じ、悩んだ末に身体ごと振り返る。
朔夜は目を伏せてたけど、オレが向いた事にはもちろん気付いて視線を上げ、真っ直ぐ見つめて口を開いた。
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