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噂の不良は甘やかし上手なイケメンくんでした
イタズラの先に【ハロウィンSS】
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明日は十月三十一日で、世間ではハロウィンデーと呼ばれる日だ。
薫は友達と衣装を合わせて遊んでたみたいだけど、周防くんと付き合うまでは俺には無縁のイベントだったから気にもしていなかった。
でもこれからは毎年意識するようになるんだろうな。なんといっても、周防くんはコスプレが好きだから。
俺、今年は何を着せられるんだろうか。
ハロウィン当日。
周防くんと休みを合わせた朝、俺がふっと目を覚ますとカッコイイ顔がドアップで視界に入り危うく声を上げそうになった。
珍しく周防くんの方が遅起きで、久し振りに寝顔が見れて嬉しくなった俺は我慢出来なくて頬に触れ起こさないように撫でる。寝てる時もイケメンなんて、ホントずるいなぁ。
「⋯⋯周防くん、好き」
何年経っても、何度言っても治まるどころか膨らむ気持ちは時々口にしないと爆発しちゃいそうになる。
「好き、大好き。すーっごく好き」
寝ているのをいい事に身体を擦り寄せながら囁いていたら、腰に乗っていた腕が動いて部屋着の裾から入り込み、大きな手に背中を撫でられゾクリと身体が震える。昨日の余韻も残っててまだ敏感になってるみたいだ。
というか周防くん、もしかして起きてる?
「周防く⋯」
「あー⋯無理、可愛すぎ。何今の」
「い、いつから起きて⋯?」
「湊が起きる前から」
という事は寝たフリしてたって事? 俺、寝てると思って言ってたのに。
あまりにも恥ずかしくて一気に頬が熱くなり、くるりと背中を向けるとすぐに抱き寄せられる。
両手で顔を隠してたらうなじにキスされて、背中にあった手も前に回ってきて胸元を軽く揉まれた。
「ん⋯っ」
「湊、もっと言って」
「⋯や⋯」
別に気持ちを口にするのが恥ずかしいとか嫌だって訳じゃないけど、聞かれてないと思って言ってただけに照れ臭すぎてまともに周防くんの方が見れない。当分顔から熱も引きそうにないし。
緩く首を振ったらクスリと笑った周防くんにお臍の下を軽く押されゾワッとする。
「好きだよ、湊」
「⋯っ⋯」
「可愛い、めちゃくちゃ好き。世界一好き」
「す、周防くん⋯」
「愛してる」
耳元で甘く甘く囁かれ俺の頭はもう沸騰寸前だ。
良く分からない感情に涙目になりながら顔だけ振り向いたら、周防くんと目が合って柔らかく微笑まれた。
そのまま唇が重なって数回啄まれる。
「ん⋯」
「俺の事好き?」
「大好き」
本当は大好きなんて言葉じゃ足りないくらい好きだけど、きっとこの世に言い表し切れる言葉なんてないから、俺は被さってくる周防くんの首に腕を回すと溢れんばかりの想いを込めて彼に口付けた。
もっと〝好き〟にも色んな言い方があればいいのに。
早起きしたのに結局お昼近くにベッドから出た俺と周防くんは、軽くご飯を食べたあとテレビを見ながらソファでまったりしていた。
お昼のバラエティ番組はどれもハロウィン特集を放送していて、平日にも関わらずコスプレをしている人たちがたくさん映ってる。お昼だからかちゃんとした衣装を着てる人ばかりなんだけど、夜になったらもっとはっちゃけた格好の人が増えるんだろうな。
あれ? そういえば今日は周防くんから何も言われてない。
「ねぇ、周防くん」
「ん?」
「今日ハロウィンだけど」
「うん」
「⋯コスプレ、しなくていいの?」
てっきりこれ着てって言われると思ってたから、俺の肩を抱いて髪を弄ってる周防くんにそう聞いたら、目を瞬いたあとどこか気まずそうに視線を逸らす。その反応にあるにはあるんだと気付いて追い掛けるように顔を覗き込んだら、少し黙り込んだあと溜め息をついて俺に頭を寄り掛からせてきた。
「して欲しいんだけど⋯引かない?」
「そんなにえっちな服なの?」
「いや、エロいとかじゃなくて⋯」
どんなにえっちでもいつもすぐに渡してくる周防くんなのに、妙に歯切れが悪くて不思議に思う。一体どんな服にしたんだろう。
「周防くんが着てって言うなら着るから教えて?」
「⋯⋯ちょっと待ってて」
少し考えて立ち上がった周防くんは、廊下にある収納棚を開けると紙袋を手にして戻ってくる。そのまま渡されたから中を確認すると、真っ白な布地が見えた。
首を傾げつつも引っ張りだしたんだけど、広げるまでもなくそれが何か分かってしまった俺は思わず固まる。
「これ⋯ウェディングドレス?」
「コスプレ用だけどな。これ着てる湊を想像したらヤバいくらいテンション上がって⋯その勢いで買った」
「タキシードはないの?」
「それ合わせるなら、ちゃんとした結婚式挙げる」
何気なく言ったんだろうけど、周防くんは俺と結婚式を挙げてもいいって思ってくれてるって事だよね。そうする事が全てじゃないんだけど、それでも結婚って幸せの象徴だから口にしてくれただけでも嬉しい。
本当に周防くんは俺を喜ばせる天才だ。
ドレスを膝に置いて周防くんの腰元に抱き着くと頭を撫でてくれた。
「俺ってほんとに幸せ者だね」
「それは俺のセリフじゃないか?」
「ううん、俺の方が幸せだから」
周防くんは自分が言った事なのにもう覚えてなくて、俺が何に幸せを感じてるか分かっていないけどそれでも良かった。俺だけが知ってるだけでも違うから。
もう一度ぎゅっとしてから腕を離した俺は、ドレスを抱えて立ち上がると周防くんを見上げて寝室を指差した。
「着替えてくるね」
「ああ、楽しみにしてる」
ポンポンと頭を撫でるように叩きソファに座った周防くんを見てから移動し、ベッドにドレスを広げて着ていた服を脱いでいく。全部出して知ったけど短いベールとグローブも付いてて、シンプルなデザインのコスプレ衣装なのにわりと充実したセットだ。
下着だけになり、ワンピースタイプのドレスを着て背中のチャックを上げる。
予想はしてたけど、スカート、膝が見えるくらい短い。
「位置は周防くんに直して貰えばいいからあとはこれ着けて⋯出来た」
とはいえハロウィンに純白のドレスっていうのも変だけど、周防くんが選んだものだしいっか。
スカートのシワを伸ばしてリビングに戻ろうと扉を開けたら、周防くんが立ってて一瞬状況が飲み込めなかった。すぐにハッとしたけど、口を開く前に抱き締められてベールが落ちる。
「周防くん?」
「めっっっっっっっちゃ可愛い」
「た、溜めたね」
「俺だけの花嫁とか、すげぇ贅沢」
髪に頬擦りし、剥き出しの肩を撫でながら嬉しそうな声で話す周防くんに俺の表情も緩む。いつもこうして喜んでくれるから、どんな服でも着ようって思うんだよね。
ただ俺も調べた事あるけどコスプレって可愛いものから際どいものまであるから、ほぼ下着みたいなものを選ばれたらちょっと考えるけど。
「ねぇ、周防くん」
「んー?」
「トリックオアトリート」
「へ」
ハロウィンだし、コスプレもしたんだからと定番の言葉を口にすると、周防くんは身体を離して目を瞬く。それから意味に気付いてリビングに行くと、仕事用のカバンから何かを取り出して手招きしてきた。
ベールを拾い傍まで行くと、有名な焼き菓子店の箱が差し出される。
「これ、ハロウィン限定のやつ。昨日渡そうと思ったのに忘れてた」
「お菓子、準備してたんだ」
「準備してたっていうか、湊が好きそうだったから」
周防くん、もしかして俺が言いたい事分かってない?
箱を受け取り代わりにベールを渡すと髪に挿してくれて、視線だけで見上げると微笑んで首を傾げた。
右手を伸ばして周防くんの服を摘んだら頬を撫でられる。
「どうした?」
「トリックオアトリート」
「だからそれ⋯」
「トリックオアトリート」
「もう新しいのはないんだけど⋯」
何度同じ事を言っても困惑しつつ答えてくれる周防くんににこっと笑い、焼き菓子の箱をテーブルに置いた俺は抱き着くようにして体重をかけて周防くんをソファに座らせると膝に跨った。
「だったら、イタズラしないと」
「⋯⋯そういう事か」
「周防くんはじっとしててね」
腰を抱こうとする周防くんに「ダメ」と言って下ろさせると、首に腕を回して頬に口付ける。子供がじゃれるように軽く触れては離れ、敢えて唇を避けつつ首筋にもキスしたら周防くんがピクリと反応した。
いつもは周防くんにリードされっぱなしだけど、俺だって出来るんだからたまにはこういうのもいいと思うんだ。
「湊⋯」
「ダメだよ。イタズラなんだから」
「生殺し過ぎる⋯」
俺の言葉をちゃんと聞いてくれる周防くんが可愛くて、何回か挑戦するうちに上手に付けられるようになった痕を肩に残して満足した俺は、今度は薄い唇を舌先で舐めてみる。
ドキドキしながらチュッチュッて口付けてたら後頭部が押さえられ、いきなり深く重なって変な声が出た。
「⋯っ、すお、く⋯イタズラ⋯っ」
「ごめん、無理⋯文句ならあとでいくらでも聞くから」
「あ⋯っ」
スカートがたくし上げられ下着の中に手が入ってきて奥の窄まりに指が触れる。
指先が押し込まれてしがみついたら耳元でふっと笑われた。
「さっきまでヤってたからまだ柔らかいな」
「や⋯ん⋯っ」
「すぐ挿入りそう⋯」
一本なんて簡単に入ってしまい、中を擦られるともう俺はイタズラどころじゃなくてただ身体を震わせるしか出来なくなる。
結局そのまま突き入れられ、いつもより余裕のない周防くんにドレスも頭もドロドロになるくらい抱かれてしまった。気付けば外は暗くなってて足腰が立たなくなってたけど、たまにだったらあんな風に少し乱暴にされるのもいいかもしれない。
なんて、危なく変な扉を開きそうになる俺だった。
FIN.
薫は友達と衣装を合わせて遊んでたみたいだけど、周防くんと付き合うまでは俺には無縁のイベントだったから気にもしていなかった。
でもこれからは毎年意識するようになるんだろうな。なんといっても、周防くんはコスプレが好きだから。
俺、今年は何を着せられるんだろうか。
ハロウィン当日。
周防くんと休みを合わせた朝、俺がふっと目を覚ますとカッコイイ顔がドアップで視界に入り危うく声を上げそうになった。
珍しく周防くんの方が遅起きで、久し振りに寝顔が見れて嬉しくなった俺は我慢出来なくて頬に触れ起こさないように撫でる。寝てる時もイケメンなんて、ホントずるいなぁ。
「⋯⋯周防くん、好き」
何年経っても、何度言っても治まるどころか膨らむ気持ちは時々口にしないと爆発しちゃいそうになる。
「好き、大好き。すーっごく好き」
寝ているのをいい事に身体を擦り寄せながら囁いていたら、腰に乗っていた腕が動いて部屋着の裾から入り込み、大きな手に背中を撫でられゾクリと身体が震える。昨日の余韻も残っててまだ敏感になってるみたいだ。
というか周防くん、もしかして起きてる?
「周防く⋯」
「あー⋯無理、可愛すぎ。何今の」
「い、いつから起きて⋯?」
「湊が起きる前から」
という事は寝たフリしてたって事? 俺、寝てると思って言ってたのに。
あまりにも恥ずかしくて一気に頬が熱くなり、くるりと背中を向けるとすぐに抱き寄せられる。
両手で顔を隠してたらうなじにキスされて、背中にあった手も前に回ってきて胸元を軽く揉まれた。
「ん⋯っ」
「湊、もっと言って」
「⋯や⋯」
別に気持ちを口にするのが恥ずかしいとか嫌だって訳じゃないけど、聞かれてないと思って言ってただけに照れ臭すぎてまともに周防くんの方が見れない。当分顔から熱も引きそうにないし。
緩く首を振ったらクスリと笑った周防くんにお臍の下を軽く押されゾワッとする。
「好きだよ、湊」
「⋯っ⋯」
「可愛い、めちゃくちゃ好き。世界一好き」
「す、周防くん⋯」
「愛してる」
耳元で甘く甘く囁かれ俺の頭はもう沸騰寸前だ。
良く分からない感情に涙目になりながら顔だけ振り向いたら、周防くんと目が合って柔らかく微笑まれた。
そのまま唇が重なって数回啄まれる。
「ん⋯」
「俺の事好き?」
「大好き」
本当は大好きなんて言葉じゃ足りないくらい好きだけど、きっとこの世に言い表し切れる言葉なんてないから、俺は被さってくる周防くんの首に腕を回すと溢れんばかりの想いを込めて彼に口付けた。
もっと〝好き〟にも色んな言い方があればいいのに。
早起きしたのに結局お昼近くにベッドから出た俺と周防くんは、軽くご飯を食べたあとテレビを見ながらソファでまったりしていた。
お昼のバラエティ番組はどれもハロウィン特集を放送していて、平日にも関わらずコスプレをしている人たちがたくさん映ってる。お昼だからかちゃんとした衣装を着てる人ばかりなんだけど、夜になったらもっとはっちゃけた格好の人が増えるんだろうな。
あれ? そういえば今日は周防くんから何も言われてない。
「ねぇ、周防くん」
「ん?」
「今日ハロウィンだけど」
「うん」
「⋯コスプレ、しなくていいの?」
てっきりこれ着てって言われると思ってたから、俺の肩を抱いて髪を弄ってる周防くんにそう聞いたら、目を瞬いたあとどこか気まずそうに視線を逸らす。その反応にあるにはあるんだと気付いて追い掛けるように顔を覗き込んだら、少し黙り込んだあと溜め息をついて俺に頭を寄り掛からせてきた。
「して欲しいんだけど⋯引かない?」
「そんなにえっちな服なの?」
「いや、エロいとかじゃなくて⋯」
どんなにえっちでもいつもすぐに渡してくる周防くんなのに、妙に歯切れが悪くて不思議に思う。一体どんな服にしたんだろう。
「周防くんが着てって言うなら着るから教えて?」
「⋯⋯ちょっと待ってて」
少し考えて立ち上がった周防くんは、廊下にある収納棚を開けると紙袋を手にして戻ってくる。そのまま渡されたから中を確認すると、真っ白な布地が見えた。
首を傾げつつも引っ張りだしたんだけど、広げるまでもなくそれが何か分かってしまった俺は思わず固まる。
「これ⋯ウェディングドレス?」
「コスプレ用だけどな。これ着てる湊を想像したらヤバいくらいテンション上がって⋯その勢いで買った」
「タキシードはないの?」
「それ合わせるなら、ちゃんとした結婚式挙げる」
何気なく言ったんだろうけど、周防くんは俺と結婚式を挙げてもいいって思ってくれてるって事だよね。そうする事が全てじゃないんだけど、それでも結婚って幸せの象徴だから口にしてくれただけでも嬉しい。
本当に周防くんは俺を喜ばせる天才だ。
ドレスを膝に置いて周防くんの腰元に抱き着くと頭を撫でてくれた。
「俺ってほんとに幸せ者だね」
「それは俺のセリフじゃないか?」
「ううん、俺の方が幸せだから」
周防くんは自分が言った事なのにもう覚えてなくて、俺が何に幸せを感じてるか分かっていないけどそれでも良かった。俺だけが知ってるだけでも違うから。
もう一度ぎゅっとしてから腕を離した俺は、ドレスを抱えて立ち上がると周防くんを見上げて寝室を指差した。
「着替えてくるね」
「ああ、楽しみにしてる」
ポンポンと頭を撫でるように叩きソファに座った周防くんを見てから移動し、ベッドにドレスを広げて着ていた服を脱いでいく。全部出して知ったけど短いベールとグローブも付いてて、シンプルなデザインのコスプレ衣装なのにわりと充実したセットだ。
下着だけになり、ワンピースタイプのドレスを着て背中のチャックを上げる。
予想はしてたけど、スカート、膝が見えるくらい短い。
「位置は周防くんに直して貰えばいいからあとはこれ着けて⋯出来た」
とはいえハロウィンに純白のドレスっていうのも変だけど、周防くんが選んだものだしいっか。
スカートのシワを伸ばしてリビングに戻ろうと扉を開けたら、周防くんが立ってて一瞬状況が飲み込めなかった。すぐにハッとしたけど、口を開く前に抱き締められてベールが落ちる。
「周防くん?」
「めっっっっっっっちゃ可愛い」
「た、溜めたね」
「俺だけの花嫁とか、すげぇ贅沢」
髪に頬擦りし、剥き出しの肩を撫でながら嬉しそうな声で話す周防くんに俺の表情も緩む。いつもこうして喜んでくれるから、どんな服でも着ようって思うんだよね。
ただ俺も調べた事あるけどコスプレって可愛いものから際どいものまであるから、ほぼ下着みたいなものを選ばれたらちょっと考えるけど。
「ねぇ、周防くん」
「んー?」
「トリックオアトリート」
「へ」
ハロウィンだし、コスプレもしたんだからと定番の言葉を口にすると、周防くんは身体を離して目を瞬く。それから意味に気付いてリビングに行くと、仕事用のカバンから何かを取り出して手招きしてきた。
ベールを拾い傍まで行くと、有名な焼き菓子店の箱が差し出される。
「これ、ハロウィン限定のやつ。昨日渡そうと思ったのに忘れてた」
「お菓子、準備してたんだ」
「準備してたっていうか、湊が好きそうだったから」
周防くん、もしかして俺が言いたい事分かってない?
箱を受け取り代わりにベールを渡すと髪に挿してくれて、視線だけで見上げると微笑んで首を傾げた。
右手を伸ばして周防くんの服を摘んだら頬を撫でられる。
「どうした?」
「トリックオアトリート」
「だからそれ⋯」
「トリックオアトリート」
「もう新しいのはないんだけど⋯」
何度同じ事を言っても困惑しつつ答えてくれる周防くんににこっと笑い、焼き菓子の箱をテーブルに置いた俺は抱き着くようにして体重をかけて周防くんをソファに座らせると膝に跨った。
「だったら、イタズラしないと」
「⋯⋯そういう事か」
「周防くんはじっとしててね」
腰を抱こうとする周防くんに「ダメ」と言って下ろさせると、首に腕を回して頬に口付ける。子供がじゃれるように軽く触れては離れ、敢えて唇を避けつつ首筋にもキスしたら周防くんがピクリと反応した。
いつもは周防くんにリードされっぱなしだけど、俺だって出来るんだからたまにはこういうのもいいと思うんだ。
「湊⋯」
「ダメだよ。イタズラなんだから」
「生殺し過ぎる⋯」
俺の言葉をちゃんと聞いてくれる周防くんが可愛くて、何回か挑戦するうちに上手に付けられるようになった痕を肩に残して満足した俺は、今度は薄い唇を舌先で舐めてみる。
ドキドキしながらチュッチュッて口付けてたら後頭部が押さえられ、いきなり深く重なって変な声が出た。
「⋯っ、すお、く⋯イタズラ⋯っ」
「ごめん、無理⋯文句ならあとでいくらでも聞くから」
「あ⋯っ」
スカートがたくし上げられ下着の中に手が入ってきて奥の窄まりに指が触れる。
指先が押し込まれてしがみついたら耳元でふっと笑われた。
「さっきまでヤってたからまだ柔らかいな」
「や⋯ん⋯っ」
「すぐ挿入りそう⋯」
一本なんて簡単に入ってしまい、中を擦られるともう俺はイタズラどころじゃなくてただ身体を震わせるしか出来なくなる。
結局そのまま突き入れられ、いつもより余裕のない周防くんにドレスも頭もドロドロになるくらい抱かれてしまった。気付けば外は暗くなってて足腰が立たなくなってたけど、たまにだったらあんな風に少し乱暴にされるのもいいかもしれない。
なんて、危なく変な扉を開きそうになる俺だった。
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