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お手伝い
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オレは今日、真那の引っ越しの手伝いをしに朝から転居先のマンションに来ていて、今は荷解きをしている最中だ。
持って行くものを真那から事前に聞いていた為、前日に真那の家にお邪魔して箱に詰めていたのだが、その過程で見付けたものを真那に言うかどうか迷ってる。
というか、何で持ってるんだ。オレの、生まれた時から中学の入学式までの写真が収められたアルバム。
一応梱包したけど、これは最後に出すつもりだ。
「にしても、広いな」
ここは真那が所属する事務所が管理しているマンションらしく、最上階であるこの階には【soar】のメンバーしかいないらしい。階下はスタッフさんや他のタレントが住んでいる以外は空き部屋で、エレベーターで鉢合わせても大丈夫なようになっているそうだ。
真那たちが住む部屋は2LDKと一人暮らしには無駄に広く、南向きで採光も抜群、ベランダもテーブルと椅子が置けそうなくらい幅がある。キッチンもアイランド型でオシャレだし、料理をしない真那には物凄く勿体ないと思った。
防音性もプライバシーもセキュリティもバッチリ。
いつでも来てねって鍵渡されそうになったけど、失くしたら怖いしうっかり真那との関係がバレて【soar】が炎上しても嫌だから即座に断った。物凄くガッカリしてたし本当はオレも受け取りたかったけど、不安の種は少しでも少ない方がいい。
「ヒナ、水分補給忘れずに」
「分かってる。これ終わったらちょっと休憩するつもりだし」
「じゃあ丁度いいから、お昼食べようか。水島さんがサンドイッチと飲み物置いて行ってくれたから」
「うん」
今日は引っ越しという事もあり真那はオフを貰ってる。それなのに水島さんはさすがというか何と言うか、オレにまで気を遣ってくれて本当にいい人だ。
サンドイッチ、有り難く頂きます。
そういえば、二周年記念ライブは申し込みが開始した瞬間アクセスが集中してサイトがパンクしてた。サーバー強化して数日後に改めて開始したけど、それでも重くてなかなか完了まで辿り着けなかったんだよな。何回も落ちたし。
アリーナ席で運を使い果たしたから当たる確率は低いけど、当選したら今度はちゃんと真那に言うつもりだ。
「よし、こんなもんかな」
真那が住む部屋だからとしまう場所を聞いてはみたものの、「ヒナの好きにしていいよ」としか答えが返って来なくて、オレは仕方なく開封して片付けたものと場所をメモしながらやってたんだけど倍疲れた。
ずっと中腰だったから立ち上がって伸びをし部屋の中を見渡す。この調子なら今日中に終わりそうだ。
「終わった?」
「うん。そっちは?」
「服しまうだけだったから楽だったよ。ヒナはソファに座ってて」
「え、いいよ。真那の方が疲れてるだろ? オレがするって」
昨日だって遅くまで収録してたって聞いた。引っ越しは重労働だし、真那は明日も朝早くから撮影が入ってる。少しでも休まないと身が持たないと思って背中を追い掛けたのに、振り向いた真那はオレの腰に腕を回すと唐突に頬にキスして来た。
「たまには素直に頷いて」
「……っ」
いきなり過ぎて頭が追い付いてなかったオレは数秒ポカンってなってたけど、真那の親指がキスした場所をなぞった事に気付いて慌てて何度も首を縦に振る。
そんなオレの様子に微笑んだ真那は手を離してキッチンに向かい、水島さんが買ってくれたサンドイッチを準備し始めた。
お店のテイクアウトだからすぐ食べられるようにはなってるし、そこまで手間ではないとはいえやっぱりさせてしまうのが心苦しい。でも、これも真那の優しさなんだよな。
うちのよりも柔らかいソファはオレが寝転んでも余裕があるくらい広くて、背凭れも高めで寄り掛かりやすい。でもこれは真那の家にあったものじゃなくて、もともとあるものだ。
真那が持ってきたのは枕と洗面具、それから着替えと学校用品、その他真那にとっては必要なものだけで、家具家電は備え付けになってた。
だからかモデルルームみたいにオシャレなものばかりだ。
「お待たせ」
「ありがとう」
背凭れに寄り掛かりぐだーっとしていると真那がトレーを手に隣に腰を下ろした。オレと真那の前にそれぞれサンドイッチとドリンクが入ったプラカップが置かれる。
真那のはカフェオレだなって分かるけど、オレのは紅茶っぽい?
「ヒナはコーヒーよりも紅茶派だよね。ミルクティーにも出来るけどどうする?」
「する。ガムシロ二個で」
「二個で飲めるようになったんだ」
「真那が忙しくしてる間にな」
前はカフェオレでもストレートでもミルクティーでも、ガムシロは三個入れないと甘みが足りなくて嫌だった。でもさすがに身体にも悪いし、大人になった時に男が三個も入れてたら引かれるかなって思って二個で飲み続けたら飲めるようになった。
これはあくまでオレの意見で、オレは相手が例え四個、五個入れてたとしても気にしない。
ポーションミルクを注いでガムシロを二個加えた真那がマドラーでくるくる掻き混ぜる姿が妙に様になってる。
「はい」
「ありがと。真那は何しても似合うな」
「そう?」
「ウェイターとかバーテンダーとか、腰にエプロン巻いてる格好めちゃくちゃ似合いそう。背が高いしスタイル良いもんな。雑誌に載ってる服とかも全部似合ってたぞ」
「ヒナにそう言って貰えると嬉しいよ」
ミルクティーを飲んで一息ついていると、真那がオレの肩に手を乗せ抱き寄せる。額に唇が触れてぎゅっと目を瞑ると小さく笑った気配がした。
「ヒナ」
「何?」
「キスしていい?」
「……何で毎回聞くんだ」
「ヒナが緊張するから」
確かに真那の唇がどこかに触れるたびビクッとするけど、それは条件反射みたいなものだからあんまり気にしないで欲しい。これまでも宝物かってくらい大切にしてくれてるなって部分はあったけど、恋人になってからそれがより顕著になったっていうか…多少強引にされたって怒らないのに。
真那の綺麗な顔が近付き、重なった唇が軽く食まれ身体が震える。でも戯れみたいに触れ合わせるだけのキスにオレはもどかしさを感じていた。
恋人になってから何度かキスをしてるものの、こういう軽いものばかりで舌を入れるようなキスはして来ない。真那の事だからあの日の事を気にしてるんだろうけど、ぶっちゃけオレ、驚きはしたけど嫌じゃなかったんだよな。
いろいろ我慢してくれてるんだろうなってのも分かってるし……これ、オレから動かないとダメか? 正直めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。
「……真那」
「ん?」
「えっと……」
「どうしたの、ヒナ」
うわ、口にするのさえも恥ずかしい。
言い淀むオレに不思議そうな顔をする真那をチラリと見て小さく深呼吸したオレは、真那の服を強めに掴むと伸びをして口付け薄い唇を舌先で舐めた。
「…っ…」
「もっとちゃんと、恋人のキスしろ」
「……必死に耐えてるんだから、煽らないでよ、ヒナ」
「何の話だ……ひぇ…っ」
自分の顔が物凄く赤くなってるだろう事は熱さ具合で分かる。でも真那の言ってる意味が理解出来ずに眉を顰めると大きな手がオレの中心を撫で上げるから変な声が出た。
驚きすぎて固まるオレに珍しく意地の悪い笑みを浮かべた真那は、親指でオレの唇をなぞりさっきとは違う噛み付くようなキスをする。
「んっ…」
あっという間に舌が差し込まれてすぐオレの舌が絡め取られる。粘着質な音が耳奥に響いて変な気持ちになるというか、お腹の下が切なくなるというか。っていうか、口の中を真那の肉厚な舌が這い回るの気持ちいい。
「…ん…は、ぅ……真那……」
「…気持ち良さそうだね、ヒナ」
「んん…っ」
舌が抜かれるんじゃないかってくらい強めに吸われて驚きのあまり思わず真那の肩を押せばすぐに離れてくれる。だけどオレは、口の中がビリビリして涎が垂れそうになったから慌てて両手で塞いだ。
前の時とは全然違うキスに頭の中は若干パニックだ。
「ヒナ、大丈夫?」
「…っ、だ、大丈夫だから、今は触るな…っ」
真那の手が頬に触れビクッと首を竦めると真那は僅かに目を見開きそのまま耳に移動させる。真那がどこかに触るたびそこが熱くなって、勝手に身体が震えるからどうしたらいいか分からない。
「ヒナは凄く敏感なんだね。可愛い」
敏感だから可愛いに繋がる理屈は良く分からないけど、真那にとってオレのこの反応は良いもののようだ。
というか、何で真那はそんなに余裕なんだ? そういう経験があるって事か? 彼女いた事ないのに? 真那が遊んでるなんて話も聞いた事ないし。
まさかこれが年の差というやつ?
「何回もすればきっと慣れるよ」
「…お手柔らかにお願いします」
これを何回もするのか…オレの心臓持つかな。さすがに本気で無理ってなったら真那は止めてくれるだろうけど、出来れば応えてあげたいし。
「なぁ、真那」
「何、ヒナ」
「やっぱり男同士の事、調べちゃダメか? オレもある程度知っておいた方が、真那だって楽じゃないか?」
「駄目。必要な事は俺が教えるから、絶対調べないで」
何でそんなに頑ななんだか。そういえば、小学生の時の宿題とか、中学生になって分からなかった問題とか全部真那が面倒見てくれたっけ。
オレに教えたいって、真那なりの拘りでもあるのか?
「…分かった」
「どうしても知りたくなったら聞いて」
「うん」
割と柔軟にオレの話を聞いてくれる真那だけど、こうと決めたら絶対譲ってくれない頑固さも持ってた。オレはこれ以上は無理だと諦めて頷き、ミルクティーで口の中をリフレッシュさせ、サンドイッチを食べる事にする。
途中で真那の膝の上に乗せられたけど、あれ以上の事は特になくオレの手や髪で遊ぶのを身体の力を抜いて寄り掛かり好きにさせた。
その後、真那抜きで仕事をしていた志摩さんと風音さんが帰りがけに様子を見に来るまで離してくれなくて、結局全部荷解きは出来なかった。
二人に(主に真那が)呆れられたのは言うまでもない。
持って行くものを真那から事前に聞いていた為、前日に真那の家にお邪魔して箱に詰めていたのだが、その過程で見付けたものを真那に言うかどうか迷ってる。
というか、何で持ってるんだ。オレの、生まれた時から中学の入学式までの写真が収められたアルバム。
一応梱包したけど、これは最後に出すつもりだ。
「にしても、広いな」
ここは真那が所属する事務所が管理しているマンションらしく、最上階であるこの階には【soar】のメンバーしかいないらしい。階下はスタッフさんや他のタレントが住んでいる以外は空き部屋で、エレベーターで鉢合わせても大丈夫なようになっているそうだ。
真那たちが住む部屋は2LDKと一人暮らしには無駄に広く、南向きで採光も抜群、ベランダもテーブルと椅子が置けそうなくらい幅がある。キッチンもアイランド型でオシャレだし、料理をしない真那には物凄く勿体ないと思った。
防音性もプライバシーもセキュリティもバッチリ。
いつでも来てねって鍵渡されそうになったけど、失くしたら怖いしうっかり真那との関係がバレて【soar】が炎上しても嫌だから即座に断った。物凄くガッカリしてたし本当はオレも受け取りたかったけど、不安の種は少しでも少ない方がいい。
「ヒナ、水分補給忘れずに」
「分かってる。これ終わったらちょっと休憩するつもりだし」
「じゃあ丁度いいから、お昼食べようか。水島さんがサンドイッチと飲み物置いて行ってくれたから」
「うん」
今日は引っ越しという事もあり真那はオフを貰ってる。それなのに水島さんはさすがというか何と言うか、オレにまで気を遣ってくれて本当にいい人だ。
サンドイッチ、有り難く頂きます。
そういえば、二周年記念ライブは申し込みが開始した瞬間アクセスが集中してサイトがパンクしてた。サーバー強化して数日後に改めて開始したけど、それでも重くてなかなか完了まで辿り着けなかったんだよな。何回も落ちたし。
アリーナ席で運を使い果たしたから当たる確率は低いけど、当選したら今度はちゃんと真那に言うつもりだ。
「よし、こんなもんかな」
真那が住む部屋だからとしまう場所を聞いてはみたものの、「ヒナの好きにしていいよ」としか答えが返って来なくて、オレは仕方なく開封して片付けたものと場所をメモしながらやってたんだけど倍疲れた。
ずっと中腰だったから立ち上がって伸びをし部屋の中を見渡す。この調子なら今日中に終わりそうだ。
「終わった?」
「うん。そっちは?」
「服しまうだけだったから楽だったよ。ヒナはソファに座ってて」
「え、いいよ。真那の方が疲れてるだろ? オレがするって」
昨日だって遅くまで収録してたって聞いた。引っ越しは重労働だし、真那は明日も朝早くから撮影が入ってる。少しでも休まないと身が持たないと思って背中を追い掛けたのに、振り向いた真那はオレの腰に腕を回すと唐突に頬にキスして来た。
「たまには素直に頷いて」
「……っ」
いきなり過ぎて頭が追い付いてなかったオレは数秒ポカンってなってたけど、真那の親指がキスした場所をなぞった事に気付いて慌てて何度も首を縦に振る。
そんなオレの様子に微笑んだ真那は手を離してキッチンに向かい、水島さんが買ってくれたサンドイッチを準備し始めた。
お店のテイクアウトだからすぐ食べられるようにはなってるし、そこまで手間ではないとはいえやっぱりさせてしまうのが心苦しい。でも、これも真那の優しさなんだよな。
うちのよりも柔らかいソファはオレが寝転んでも余裕があるくらい広くて、背凭れも高めで寄り掛かりやすい。でもこれは真那の家にあったものじゃなくて、もともとあるものだ。
真那が持ってきたのは枕と洗面具、それから着替えと学校用品、その他真那にとっては必要なものだけで、家具家電は備え付けになってた。
だからかモデルルームみたいにオシャレなものばかりだ。
「お待たせ」
「ありがとう」
背凭れに寄り掛かりぐだーっとしていると真那がトレーを手に隣に腰を下ろした。オレと真那の前にそれぞれサンドイッチとドリンクが入ったプラカップが置かれる。
真那のはカフェオレだなって分かるけど、オレのは紅茶っぽい?
「ヒナはコーヒーよりも紅茶派だよね。ミルクティーにも出来るけどどうする?」
「する。ガムシロ二個で」
「二個で飲めるようになったんだ」
「真那が忙しくしてる間にな」
前はカフェオレでもストレートでもミルクティーでも、ガムシロは三個入れないと甘みが足りなくて嫌だった。でもさすがに身体にも悪いし、大人になった時に男が三個も入れてたら引かれるかなって思って二個で飲み続けたら飲めるようになった。
これはあくまでオレの意見で、オレは相手が例え四個、五個入れてたとしても気にしない。
ポーションミルクを注いでガムシロを二個加えた真那がマドラーでくるくる掻き混ぜる姿が妙に様になってる。
「はい」
「ありがと。真那は何しても似合うな」
「そう?」
「ウェイターとかバーテンダーとか、腰にエプロン巻いてる格好めちゃくちゃ似合いそう。背が高いしスタイル良いもんな。雑誌に載ってる服とかも全部似合ってたぞ」
「ヒナにそう言って貰えると嬉しいよ」
ミルクティーを飲んで一息ついていると、真那がオレの肩に手を乗せ抱き寄せる。額に唇が触れてぎゅっと目を瞑ると小さく笑った気配がした。
「ヒナ」
「何?」
「キスしていい?」
「……何で毎回聞くんだ」
「ヒナが緊張するから」
確かに真那の唇がどこかに触れるたびビクッとするけど、それは条件反射みたいなものだからあんまり気にしないで欲しい。これまでも宝物かってくらい大切にしてくれてるなって部分はあったけど、恋人になってからそれがより顕著になったっていうか…多少強引にされたって怒らないのに。
真那の綺麗な顔が近付き、重なった唇が軽く食まれ身体が震える。でも戯れみたいに触れ合わせるだけのキスにオレはもどかしさを感じていた。
恋人になってから何度かキスをしてるものの、こういう軽いものばかりで舌を入れるようなキスはして来ない。真那の事だからあの日の事を気にしてるんだろうけど、ぶっちゃけオレ、驚きはしたけど嫌じゃなかったんだよな。
いろいろ我慢してくれてるんだろうなってのも分かってるし……これ、オレから動かないとダメか? 正直めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。
「……真那」
「ん?」
「えっと……」
「どうしたの、ヒナ」
うわ、口にするのさえも恥ずかしい。
言い淀むオレに不思議そうな顔をする真那をチラリと見て小さく深呼吸したオレは、真那の服を強めに掴むと伸びをして口付け薄い唇を舌先で舐めた。
「…っ…」
「もっとちゃんと、恋人のキスしろ」
「……必死に耐えてるんだから、煽らないでよ、ヒナ」
「何の話だ……ひぇ…っ」
自分の顔が物凄く赤くなってるだろう事は熱さ具合で分かる。でも真那の言ってる意味が理解出来ずに眉を顰めると大きな手がオレの中心を撫で上げるから変な声が出た。
驚きすぎて固まるオレに珍しく意地の悪い笑みを浮かべた真那は、親指でオレの唇をなぞりさっきとは違う噛み付くようなキスをする。
「んっ…」
あっという間に舌が差し込まれてすぐオレの舌が絡め取られる。粘着質な音が耳奥に響いて変な気持ちになるというか、お腹の下が切なくなるというか。っていうか、口の中を真那の肉厚な舌が這い回るの気持ちいい。
「…ん…は、ぅ……真那……」
「…気持ち良さそうだね、ヒナ」
「んん…っ」
舌が抜かれるんじゃないかってくらい強めに吸われて驚きのあまり思わず真那の肩を押せばすぐに離れてくれる。だけどオレは、口の中がビリビリして涎が垂れそうになったから慌てて両手で塞いだ。
前の時とは全然違うキスに頭の中は若干パニックだ。
「ヒナ、大丈夫?」
「…っ、だ、大丈夫だから、今は触るな…っ」
真那の手が頬に触れビクッと首を竦めると真那は僅かに目を見開きそのまま耳に移動させる。真那がどこかに触るたびそこが熱くなって、勝手に身体が震えるからどうしたらいいか分からない。
「ヒナは凄く敏感なんだね。可愛い」
敏感だから可愛いに繋がる理屈は良く分からないけど、真那にとってオレのこの反応は良いもののようだ。
というか、何で真那はそんなに余裕なんだ? そういう経験があるって事か? 彼女いた事ないのに? 真那が遊んでるなんて話も聞いた事ないし。
まさかこれが年の差というやつ?
「何回もすればきっと慣れるよ」
「…お手柔らかにお願いします」
これを何回もするのか…オレの心臓持つかな。さすがに本気で無理ってなったら真那は止めてくれるだろうけど、出来れば応えてあげたいし。
「なぁ、真那」
「何、ヒナ」
「やっぱり男同士の事、調べちゃダメか? オレもある程度知っておいた方が、真那だって楽じゃないか?」
「駄目。必要な事は俺が教えるから、絶対調べないで」
何でそんなに頑ななんだか。そういえば、小学生の時の宿題とか、中学生になって分からなかった問題とか全部真那が面倒見てくれたっけ。
オレに教えたいって、真那なりの拘りでもあるのか?
「…分かった」
「どうしても知りたくなったら聞いて」
「うん」
割と柔軟にオレの話を聞いてくれる真那だけど、こうと決めたら絶対譲ってくれない頑固さも持ってた。オレはこれ以上は無理だと諦めて頷き、ミルクティーで口の中をリフレッシュさせ、サンドイッチを食べる事にする。
途中で真那の膝の上に乗せられたけど、あれ以上の事は特になくオレの手や髪で遊ぶのを身体の力を抜いて寄り掛かり好きにさせた。
その後、真那抜きで仕事をしていた志摩さんと風音さんが帰りがけに様子を見に来るまで離してくれなくて、結局全部荷解きは出来なかった。
二人に(主に真那が)呆れられたのは言うまでもない。
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