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【二十九ノ星】頑固な暴君
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詩月は唖然としていた。
ずいぶん長い時間を掛けて移動するんだなと思っていたら、いつの間にか観光地に来ていて、いつの間にか立派な旅館の前に立っていて、いつの間にか部屋に案内されている。
しかも用意した覚えのない荷物まであって、龍惺の用意周到さには思わず感心してしまった。
部屋につくなり見えた窓の外は見事なオーシャンビューで何だか違う世界に来た気分だ。海なんて何年ぶりに見ただろう。
ぼんやりと窓の外を眺めていると、後ろに立った龍惺が頭に顎を乗せてきた。
「どした?」
「……いろんな感情が入り交じってよく分かんなくなってる」
「例えば?」
「何でここにいるのかなとか、ここって現実なのかなとか、もしかして夢でもうすぐ目覚ましが鳴るんじゃないかなとか」
「とりあえず、夢じゃなくて現実っつー事だけは答えとく」
「そっか……」
現実か。だがやはり自分がここにいる理由は分からない。
頭の中でいろんな考えを張り巡らせてみた結果、一つだけ思い当たるものがあり詩月はハッとした。
もしかして、龍惺がここ一ヶ月以上働き詰めだったから、その疲れを癒すために旅行に来たのではないだろうか。
それならば詩月のする事はただ一つ、龍惺が楽しめてスッキリとして帰れるよう精一杯ご奉仕する事だ。
頭に顎が乗っているため少しだけ下げてくるりと身体を反転させると、詩月は龍惺を見上げてにこりと笑った。
「龍惺、して欲しい事あったら何でも言ってね」
「いやちげぇ、そうじゃねぇ。言うのはお前だ」
「え?」
「して欲しい事もそうだけど、しようと思ってる事も言えよ。車ん中で言ったろ?」
「うん」
確かにそんな事を言われた気がするけど、これは龍惺のための慰安旅行的なものではないのか。それだと本人がご奉仕する事になるのだが。
ますます訳が分からなくて怪訝な顔をしていると苦笑した龍惺に抱き締められた。
「あんま難しく考えんな。あと、お前は今日財布出すの禁止」
「え! 何で!?」
「何でも。出したら通りにある店の商品全種類買う」
「お、横暴だ……」
俺様ではあるが理不尽な事は言わないのが龍惺だったのに、今日ばかりは妙に暴君ぶりを発揮している。
断固拒否したいところだが、龍惺はやると言ったらやる男だ。通りにどれだけの店があるかは知らないが、もし最初の店に五種類の食べ物があればそれを全部買われるという事で、そうなると詩月の腹は絶対にもたない。
納得はいかなくとも諦めるしか選択肢のない詩月は渋々頷いた。
「まぁそれも夜になったら分かるから」
「うん……」
「よし、じゃあ外行くか」
「わっ」
乱暴に頭を撫でられ思わず目を閉じた瞬間唇に何かが触れた気がした。だが開いた時には何もなくて、詩月は視線だけで龍惺を見上げる。
ニヤリと笑った恋人に少しばかり意地悪をたくなった詩月は、龍惺の襟元を掴んで引き寄せて口付けたあとその唇をペロリと舐めた。
「仕返し」
にこっと笑って手を離し、何かを言われる前にと荷物を纏めて置いている場所へ向かいショルダーバッグを下げて龍惺を振り返る。しかしそこにはしゃがみ込んで項垂れる龍惺がいて詩月は目を瞬いた。
「…………俺は一生お前に敵わねぇ気がする」
赤い顔で悔しそうに呟く龍惺の姿に可愛さを感じた詩月は、クスクスと笑いながら彼の頭を撫でた。
旅館から出て少し歩くと、そこはまるで昭和時代のようなノスタルジックな雰囲気漂う町並みが広がっていて詩月は目を輝かせた。
その時代を過ごした事はないが、こういったどこか懐かしさを感じられる風景は大好きだ。
「龍惺、すごいね!」
「ああ、すげぇな。でも前見ろ、転ぶぞ」
通りには石畳が敷かれサイドに店が建ち並んでいるが、この道は土産物メインというよりは飲食店が多く、甘味処や喫茶店のような軽食屋がほとんどだ。
喫茶店よりも甘味処に惹かれた詩月は、龍惺と繋いでいた手を引き一番外観が好みの店を指差した。
「龍惺、あそこ入りたい」
「はいはい」
甘い物が苦手な龍惺は渋ると思っていただけにあっさり頷かれて少し拍子抜けするものの、気が変わらないうちにと中に入ると可愛らしい格好をしたお姉さんが席へ案内してくれた。
周りには女性客が多く入店した際には注目を浴びてしまったが、椅子に座ってメニューを見るとそれも気にならなくなる。
「あ、龍惺。コーヒーあるよ」
「んじゃ俺はそれで」
「僕は白玉あんみつにしようかな」
「よくそんな甘いの食えんな」
「龍惺だって、たまにチョコ食べてるじゃない」
「ブラックだけどな」
逆に詩月は苦い物は苦手で、ブラックコーヒーもブラックチョコもとてもじゃないが口に出来ない。世間ではカカオ何パーセントなどというチョコもあるが、一番低い数字のものでも無理だった。
詩月は案内してくれた店員に注文を受け付けて貰いその後ろ姿を見送る。
「店員さん可愛いね。制服も可愛い」
「そうか? ……ああでも、制服は詩月の方が似合うな」
「そんな訳ないでしょ」
可愛らしく控えめな柄の着物にフリル付きのエプロンだ。いくら男っぽくないと言われる詩月でもさすがに似合わないだろう。
だが龍惺は半分以上は本気だったみたいで、「絶対似合う」と一人言のように呟いている。ないとは思うが、着せられない事を思わず祈ってしまった。
「お待たせしました~」
「ありがとうございます。美味しそー」
「……匂いがやべぇ……」
「いただきまーす」
顰めっ面で鼻を押さえる龍惺にクスリと笑い、詩月は人生初のあんみつにワクワクしながら白玉をスプーンで掬い口に運んだのだった。
財布を出すのは禁止と言われていた事を忘れて危うくバッグから取り出すところだった詩月は、じっと見ている龍惺に気付いて慌てて何でもない風を装い手を挙げた。
ほぼ掴んで引っ張るまでいっていたが、どうやら端も出なかったようでホッとする。
うっかりだけは避けないと命取りになる事は分かっていた。
「詩月、坂の上とあっちとどっちがいい?」
「えっと……じゃああっちで」
支払いを終えて出てきた龍惺がおもむろに選択肢を出してきたが、半引きこもりの詩月に正直坂を登り切る自信はない。
へらりと笑って平坦な道を選べば最初から分かっていたとばかりに吹き出され手を握られる。
「あっちは土産物屋がいっぱいあるみてぇだし、欲しいのあったら言えよ」
「僕が人にあげるお土産は自分で買ってもいい?」
「ん? 駄目。全部俺が出す」
「でもほら、バイト先とか彩芽さんとか」
「一緒に来てんだからどっちが買っても一緒だって。いいから、今日は俺に出させろ」
「……もー、頑固なんだから」
どうしても出させたくないらしい龍惺にこれ以上言っても聞いては貰えないと溜め息を零した詩月は、仕方がないと彼の隣に立ち土産物屋が並ぶ通りを目指した。
龍惺に支払いを任せる買い物は非常に疲れるものとなってしまった。少しでも視線に入れた物を買おうとするから、それを止めるのが本当に大変だった。他も見て、それでも欲しいと思ったら買って貰うからと何度言った事か。
旅館に戻りテーブルに顔を伏せて項垂れていると、頭に何か柔らかい物が乗せられる。
「?」
「大浴場行くぞ」
「今から?」
「この時間で貸し切ってんだよ」
「……貸し切り……」
二人しかいないのに、大浴場を貸し切る必要はあったのか。
しばらく呆けていた詩月は、動かないなら抱き上げて連れて行くと龍惺に言われて慌てて立ち上がり浴衣を抱えて大浴場に向かった。
海の見える大浴場は、内装も綺麗で湯加減もちょうどよく、広々とした浴槽に二人で浸かれて大変良かったのだが、少しだけ龍惺にイタズラをされたのは内緒だったりする。
ずいぶん長い時間を掛けて移動するんだなと思っていたら、いつの間にか観光地に来ていて、いつの間にか立派な旅館の前に立っていて、いつの間にか部屋に案内されている。
しかも用意した覚えのない荷物まであって、龍惺の用意周到さには思わず感心してしまった。
部屋につくなり見えた窓の外は見事なオーシャンビューで何だか違う世界に来た気分だ。海なんて何年ぶりに見ただろう。
ぼんやりと窓の外を眺めていると、後ろに立った龍惺が頭に顎を乗せてきた。
「どした?」
「……いろんな感情が入り交じってよく分かんなくなってる」
「例えば?」
「何でここにいるのかなとか、ここって現実なのかなとか、もしかして夢でもうすぐ目覚ましが鳴るんじゃないかなとか」
「とりあえず、夢じゃなくて現実っつー事だけは答えとく」
「そっか……」
現実か。だがやはり自分がここにいる理由は分からない。
頭の中でいろんな考えを張り巡らせてみた結果、一つだけ思い当たるものがあり詩月はハッとした。
もしかして、龍惺がここ一ヶ月以上働き詰めだったから、その疲れを癒すために旅行に来たのではないだろうか。
それならば詩月のする事はただ一つ、龍惺が楽しめてスッキリとして帰れるよう精一杯ご奉仕する事だ。
頭に顎が乗っているため少しだけ下げてくるりと身体を反転させると、詩月は龍惺を見上げてにこりと笑った。
「龍惺、して欲しい事あったら何でも言ってね」
「いやちげぇ、そうじゃねぇ。言うのはお前だ」
「え?」
「して欲しい事もそうだけど、しようと思ってる事も言えよ。車ん中で言ったろ?」
「うん」
確かにそんな事を言われた気がするけど、これは龍惺のための慰安旅行的なものではないのか。それだと本人がご奉仕する事になるのだが。
ますます訳が分からなくて怪訝な顔をしていると苦笑した龍惺に抱き締められた。
「あんま難しく考えんな。あと、お前は今日財布出すの禁止」
「え! 何で!?」
「何でも。出したら通りにある店の商品全種類買う」
「お、横暴だ……」
俺様ではあるが理不尽な事は言わないのが龍惺だったのに、今日ばかりは妙に暴君ぶりを発揮している。
断固拒否したいところだが、龍惺はやると言ったらやる男だ。通りにどれだけの店があるかは知らないが、もし最初の店に五種類の食べ物があればそれを全部買われるという事で、そうなると詩月の腹は絶対にもたない。
納得はいかなくとも諦めるしか選択肢のない詩月は渋々頷いた。
「まぁそれも夜になったら分かるから」
「うん……」
「よし、じゃあ外行くか」
「わっ」
乱暴に頭を撫でられ思わず目を閉じた瞬間唇に何かが触れた気がした。だが開いた時には何もなくて、詩月は視線だけで龍惺を見上げる。
ニヤリと笑った恋人に少しばかり意地悪をたくなった詩月は、龍惺の襟元を掴んで引き寄せて口付けたあとその唇をペロリと舐めた。
「仕返し」
にこっと笑って手を離し、何かを言われる前にと荷物を纏めて置いている場所へ向かいショルダーバッグを下げて龍惺を振り返る。しかしそこにはしゃがみ込んで項垂れる龍惺がいて詩月は目を瞬いた。
「…………俺は一生お前に敵わねぇ気がする」
赤い顔で悔しそうに呟く龍惺の姿に可愛さを感じた詩月は、クスクスと笑いながら彼の頭を撫でた。
旅館から出て少し歩くと、そこはまるで昭和時代のようなノスタルジックな雰囲気漂う町並みが広がっていて詩月は目を輝かせた。
その時代を過ごした事はないが、こういったどこか懐かしさを感じられる風景は大好きだ。
「龍惺、すごいね!」
「ああ、すげぇな。でも前見ろ、転ぶぞ」
通りには石畳が敷かれサイドに店が建ち並んでいるが、この道は土産物メインというよりは飲食店が多く、甘味処や喫茶店のような軽食屋がほとんどだ。
喫茶店よりも甘味処に惹かれた詩月は、龍惺と繋いでいた手を引き一番外観が好みの店を指差した。
「龍惺、あそこ入りたい」
「はいはい」
甘い物が苦手な龍惺は渋ると思っていただけにあっさり頷かれて少し拍子抜けするものの、気が変わらないうちにと中に入ると可愛らしい格好をしたお姉さんが席へ案内してくれた。
周りには女性客が多く入店した際には注目を浴びてしまったが、椅子に座ってメニューを見るとそれも気にならなくなる。
「あ、龍惺。コーヒーあるよ」
「んじゃ俺はそれで」
「僕は白玉あんみつにしようかな」
「よくそんな甘いの食えんな」
「龍惺だって、たまにチョコ食べてるじゃない」
「ブラックだけどな」
逆に詩月は苦い物は苦手で、ブラックコーヒーもブラックチョコもとてもじゃないが口に出来ない。世間ではカカオ何パーセントなどというチョコもあるが、一番低い数字のものでも無理だった。
詩月は案内してくれた店員に注文を受け付けて貰いその後ろ姿を見送る。
「店員さん可愛いね。制服も可愛い」
「そうか? ……ああでも、制服は詩月の方が似合うな」
「そんな訳ないでしょ」
可愛らしく控えめな柄の着物にフリル付きのエプロンだ。いくら男っぽくないと言われる詩月でもさすがに似合わないだろう。
だが龍惺は半分以上は本気だったみたいで、「絶対似合う」と一人言のように呟いている。ないとは思うが、着せられない事を思わず祈ってしまった。
「お待たせしました~」
「ありがとうございます。美味しそー」
「……匂いがやべぇ……」
「いただきまーす」
顰めっ面で鼻を押さえる龍惺にクスリと笑い、詩月は人生初のあんみつにワクワクしながら白玉をスプーンで掬い口に運んだのだった。
財布を出すのは禁止と言われていた事を忘れて危うくバッグから取り出すところだった詩月は、じっと見ている龍惺に気付いて慌てて何でもない風を装い手を挙げた。
ほぼ掴んで引っ張るまでいっていたが、どうやら端も出なかったようでホッとする。
うっかりだけは避けないと命取りになる事は分かっていた。
「詩月、坂の上とあっちとどっちがいい?」
「えっと……じゃああっちで」
支払いを終えて出てきた龍惺がおもむろに選択肢を出してきたが、半引きこもりの詩月に正直坂を登り切る自信はない。
へらりと笑って平坦な道を選べば最初から分かっていたとばかりに吹き出され手を握られる。
「あっちは土産物屋がいっぱいあるみてぇだし、欲しいのあったら言えよ」
「僕が人にあげるお土産は自分で買ってもいい?」
「ん? 駄目。全部俺が出す」
「でもほら、バイト先とか彩芽さんとか」
「一緒に来てんだからどっちが買っても一緒だって。いいから、今日は俺に出させろ」
「……もー、頑固なんだから」
どうしても出させたくないらしい龍惺にこれ以上言っても聞いては貰えないと溜め息を零した詩月は、仕方がないと彼の隣に立ち土産物屋が並ぶ通りを目指した。
龍惺に支払いを任せる買い物は非常に疲れるものとなってしまった。少しでも視線に入れた物を買おうとするから、それを止めるのが本当に大変だった。他も見て、それでも欲しいと思ったら買って貰うからと何度言った事か。
旅館に戻りテーブルに顔を伏せて項垂れていると、頭に何か柔らかい物が乗せられる。
「?」
「大浴場行くぞ」
「今から?」
「この時間で貸し切ってんだよ」
「……貸し切り……」
二人しかいないのに、大浴場を貸し切る必要はあったのか。
しばらく呆けていた詩月は、動かないなら抱き上げて連れて行くと龍惺に言われて慌てて立ち上がり浴衣を抱えて大浴場に向かった。
海の見える大浴場は、内装も綺麗で湯加減もちょうどよく、広々とした浴槽に二人で浸かれて大変良かったのだが、少しだけ龍惺にイタズラをされたのは内緒だったりする。
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