25 / 133
【十二ノ月】甘え下手な君
しおりを挟む
話し合いも無事に終えた二人は、詩月と美玖、そして瀬尾がいるであろう即興託児室に向かっていた。
このフロアにはオフィスはなく、小会議室や資料室といった人がまばらに出入りするくらいの比較的静かな階で、多少なりとも子供の声が響いても大丈夫だから選んだのだが、どうにも静かすぎる。
龍惺が眉を顰めながらも扉をノックすると、瀬尾が開けてくれた。
「お疲れ様です」
「ああ。二人は?」
「あちらに」
一歩下がった瀬尾に手の平で示された場所を見ると、ジョイントマットの上で詩月と美玖が並んで眠っていた。
驚く龍惺と洋司に瀬尾が説明してくれる。
「美玖さん、最初は詩月さんの抱っこで寝ていたんですけど、玩具を片付けるために下ろしたら起きてグズってしまって。詩月さんが隣に転んで寝かし付けしてたんですが……自分が気付いた時には詩月さんも眠っていました」
「添い寝中に一緒に寝落ちるのは良くある事だね」
「子供は体温が高いですからね。あの、ところで玩具なんですが……美玖さんに全部差し上げようと思っておりまして…」
「え?」
「あちらに積んであるのですが」
「………え?」
二人がそんな話をしている間、龍惺は座り込んでじーっとその光景を眺めていたのだが、おもむろに手を伸ばすと詩月の顔に掛かる髪を避けて柔らかく微笑んだ。
(こんなとこで寝て……無防備っつーかなんつーか)
一緒にいるのが瀬尾とはいえあまりにも不用心だ。そもそも寝顔すら誰にも見せたくないのに、不可抗力とはいえ洋司にも見られてしまった。
当の本人は小高い丘のように積まれている玩具に呆然としているが。
「……ん…」
小さな声を漏らし身動ぎした詩月が数回瞬きしてから目を覚ます。一瞬の間のあと「あれ?」と言って起き上がり、まだ眠っている美玖と目の前にいる龍惺、それから玩具を見ている瀬尾と洋司へと視線を動かしてから首を竦めた。
「寝てた?」
「そりゃもうぐっすり」
「わー……美玖ちゃんが寝たら片付けしようと思ってたのに」
「詩月も美玖と同じでお昼寝いるもんな」
「もう、すぐそういう事言うんだから」
揶揄い混じりにそう言えばすぐにむくれた顔をする詩月の頭を少しだけ乱暴に撫でた龍惺は、まだ悩んでいる洋司をフォローしてやろうと立ち上がって二人のところへ移動する。
適当に選んで買って来いとは言ったが、さすがの龍惺でもこれは買い過ぎだと苦笑しか出ない。予想外だ。例え家の中に置くスペースがあったとしても、この量は安易には頷けないだろう。
「瀬尾、さすがに無理だろ、これは」
「……詩月さんにも言われました」
「気持ちはすごく嬉しいんだけどね」
「あの、わっ…!」
慌てて靴を履いたのか、あとを追って来た詩月が何かを言おうとして、自分で自分の靴の紐を踏んで躓き龍惺の腕にしがみついて来た。
驚きつつもどうにか支える事は出来たが、一瞬本気で焦った。
だが詩月はそんな龍惺には気付かずお礼を言うと、お菓子の紙袋と一緒に置かれた玩具を指差す。
「あの玩具、美玖ちゃんがすごく気に入って遊んでたんです。あれだけでも持って帰ってあげて下さい」
「そうなんですか。……美玖と遊んで下さりありがとうございます」
「いえ、僕も楽しかったので。あと、紙袋に美玖ちゃんが描いた絵とお菓子も入ってますから」
玩具の箱は全て一度は開封してあり遊んだ形跡がある。詩月の事だからどれも美玖の気がすむまで付き合ってやったのだろう。
子供好きにしても相当な体力を消耗したはずだ。そりゃ昼寝もする。
それにしても、だ。
「瀬尾、お前、あんなに買い物下手だったか?」
お菓子が入っているらしい紙袋さえもパンパンなのはどういう事だろうか。
「子供が喜ぶものは分かりません」
「気持ちは分かるけどよ……」
苦手分野では途端にポンコツになる有能な秘書に苦笑すると、龍惺は今だ洋司と美玖の話をしている詩月の足元にしゃがみ込み、解けたままの靴紐を結んでやる事にした。
気付いた詩月が慌てて足を引く。
「りゅ、龍惺、いいよ。あとで自分で結ぶから」
「いいからじっとしてろ。また転びそうになっても知らねぇぞ」
「…………」
そう言うと、少ししてからおずおずと出して来た足にふっと笑い手早く結ぶ。立ち上がると申し訳なさそうな顔と目が合った。
「何でそんな顔すんだよ」
「だ、だって……」
「お前はもうちょい、やってもらう事に慣れた方がいいな」
「やってもらう事?」
「まぁつまりは…………俺にくらい甘えろよって事」
高校時代からそうだったが、詩月は自分で出来る事は何でも自分でしようとする。それは大なり小なりあるが、例えば自分が頑張れば持てる重さの物があったとして、隣に龍惺がいたとしても絶対に手伝ってとは言わない。よろけながらも持ち上げて箱ぼうとするタイプだ。
頼まれると断れない性格だから、良く嫌がらせて無茶振りされていた事も覚えている。それを取り上げて頼んで来た本人に返した事も。
素の状態で甘えて来る事はほとんどないため、詩月を甘やかしたい龍惺はもどかしかった。
言ったところで素直に甘えてくれるとは思わないが、詩月の耳元に唇を寄せてそう囁けば僅かに目が見開かれる。
それから曖昧な顔で微笑むから、今度は龍惺の方が苦笑してしまった。
「まぁいい。無理そうなら俺がそうさせるから」
「え?」
何も声をかけられるまで待っていなくていい。あの頃だってやっていたのだから、甘やかす事に遠慮なんてしなくてもいいだろう。
一人そう決めてニヤリと笑った龍惺は、戸惑う詩月の頭を梳くように撫で「よし」と話を切り替えた。
「昼飯行くぞ」
「……うん」
そしてそんな詩月も、自分の強引さには慣れているから最終的には受け入れるしか選択肢がない事も龍惺は分かっている。
「何食いてぇ?」
「うーん……和食?」
「何で疑問形」
和食で近場ならあそこがいいかとビル周辺を思い浮かべていると、熟睡している美玖を抱き上げた洋司が近付いて来た。
「じゃあ俺はこれで。安純さん、本当に助かりました。ありがとうございます」
「いえいえ。もしまた遊び相手が必要な時は声かけて下さい」
「そう言っていただけると美玖が喜びます」
「出来りゃ早いうちにまた来てくれると助かるんだが」
「ああ。俺としても早く働きたいしね。それじゃ、瀬尾くんも」
「はい、お疲れ様でした」
「お疲れ様」
片手に美玖、片手にパンパンの紙袋を下げた洋司は爽やかに挨拶して帰って行った。
残った三人は改めて玩具の山を見て、顔を見合わせる。
「結局、あれはどうするの?」
「仕方ねぇからここに一時保管しとく。腐るようなもんじゃねぇしな」
「その間ここは使用出来なくなりますが」
「一部屋くらいいいよ。予定が詰まる事もねぇし」
元々あまり使っていない部屋だ。仮に緊急で使う事になっても片付けるかロッカーでも買えばいいと話を終わらせた龍惺は、詩月の肩を抱き歩き出す。
「お前はどうせ一緒には来ねぇんだろうが、ちゃんと飯食っとけよ」
「はい。午後一で会議がありますので、くれぐれも遅れないようお願い致します」
「分かってるって」
「瀬尾さん、またね」
「はい。行ってらっしゃいませ」
慌ただしく出て行く二人を見送った瀬尾は、今度頼まれた時にはしっかり吟味しようと、買い過ぎだ玩具を見て溜め息をついた。
このフロアにはオフィスはなく、小会議室や資料室といった人がまばらに出入りするくらいの比較的静かな階で、多少なりとも子供の声が響いても大丈夫だから選んだのだが、どうにも静かすぎる。
龍惺が眉を顰めながらも扉をノックすると、瀬尾が開けてくれた。
「お疲れ様です」
「ああ。二人は?」
「あちらに」
一歩下がった瀬尾に手の平で示された場所を見ると、ジョイントマットの上で詩月と美玖が並んで眠っていた。
驚く龍惺と洋司に瀬尾が説明してくれる。
「美玖さん、最初は詩月さんの抱っこで寝ていたんですけど、玩具を片付けるために下ろしたら起きてグズってしまって。詩月さんが隣に転んで寝かし付けしてたんですが……自分が気付いた時には詩月さんも眠っていました」
「添い寝中に一緒に寝落ちるのは良くある事だね」
「子供は体温が高いですからね。あの、ところで玩具なんですが……美玖さんに全部差し上げようと思っておりまして…」
「え?」
「あちらに積んであるのですが」
「………え?」
二人がそんな話をしている間、龍惺は座り込んでじーっとその光景を眺めていたのだが、おもむろに手を伸ばすと詩月の顔に掛かる髪を避けて柔らかく微笑んだ。
(こんなとこで寝て……無防備っつーかなんつーか)
一緒にいるのが瀬尾とはいえあまりにも不用心だ。そもそも寝顔すら誰にも見せたくないのに、不可抗力とはいえ洋司にも見られてしまった。
当の本人は小高い丘のように積まれている玩具に呆然としているが。
「……ん…」
小さな声を漏らし身動ぎした詩月が数回瞬きしてから目を覚ます。一瞬の間のあと「あれ?」と言って起き上がり、まだ眠っている美玖と目の前にいる龍惺、それから玩具を見ている瀬尾と洋司へと視線を動かしてから首を竦めた。
「寝てた?」
「そりゃもうぐっすり」
「わー……美玖ちゃんが寝たら片付けしようと思ってたのに」
「詩月も美玖と同じでお昼寝いるもんな」
「もう、すぐそういう事言うんだから」
揶揄い混じりにそう言えばすぐにむくれた顔をする詩月の頭を少しだけ乱暴に撫でた龍惺は、まだ悩んでいる洋司をフォローしてやろうと立ち上がって二人のところへ移動する。
適当に選んで買って来いとは言ったが、さすがの龍惺でもこれは買い過ぎだと苦笑しか出ない。予想外だ。例え家の中に置くスペースがあったとしても、この量は安易には頷けないだろう。
「瀬尾、さすがに無理だろ、これは」
「……詩月さんにも言われました」
「気持ちはすごく嬉しいんだけどね」
「あの、わっ…!」
慌てて靴を履いたのか、あとを追って来た詩月が何かを言おうとして、自分で自分の靴の紐を踏んで躓き龍惺の腕にしがみついて来た。
驚きつつもどうにか支える事は出来たが、一瞬本気で焦った。
だが詩月はそんな龍惺には気付かずお礼を言うと、お菓子の紙袋と一緒に置かれた玩具を指差す。
「あの玩具、美玖ちゃんがすごく気に入って遊んでたんです。あれだけでも持って帰ってあげて下さい」
「そうなんですか。……美玖と遊んで下さりありがとうございます」
「いえ、僕も楽しかったので。あと、紙袋に美玖ちゃんが描いた絵とお菓子も入ってますから」
玩具の箱は全て一度は開封してあり遊んだ形跡がある。詩月の事だからどれも美玖の気がすむまで付き合ってやったのだろう。
子供好きにしても相当な体力を消耗したはずだ。そりゃ昼寝もする。
それにしても、だ。
「瀬尾、お前、あんなに買い物下手だったか?」
お菓子が入っているらしい紙袋さえもパンパンなのはどういう事だろうか。
「子供が喜ぶものは分かりません」
「気持ちは分かるけどよ……」
苦手分野では途端にポンコツになる有能な秘書に苦笑すると、龍惺は今だ洋司と美玖の話をしている詩月の足元にしゃがみ込み、解けたままの靴紐を結んでやる事にした。
気付いた詩月が慌てて足を引く。
「りゅ、龍惺、いいよ。あとで自分で結ぶから」
「いいからじっとしてろ。また転びそうになっても知らねぇぞ」
「…………」
そう言うと、少ししてからおずおずと出して来た足にふっと笑い手早く結ぶ。立ち上がると申し訳なさそうな顔と目が合った。
「何でそんな顔すんだよ」
「だ、だって……」
「お前はもうちょい、やってもらう事に慣れた方がいいな」
「やってもらう事?」
「まぁつまりは…………俺にくらい甘えろよって事」
高校時代からそうだったが、詩月は自分で出来る事は何でも自分でしようとする。それは大なり小なりあるが、例えば自分が頑張れば持てる重さの物があったとして、隣に龍惺がいたとしても絶対に手伝ってとは言わない。よろけながらも持ち上げて箱ぼうとするタイプだ。
頼まれると断れない性格だから、良く嫌がらせて無茶振りされていた事も覚えている。それを取り上げて頼んで来た本人に返した事も。
素の状態で甘えて来る事はほとんどないため、詩月を甘やかしたい龍惺はもどかしかった。
言ったところで素直に甘えてくれるとは思わないが、詩月の耳元に唇を寄せてそう囁けば僅かに目が見開かれる。
それから曖昧な顔で微笑むから、今度は龍惺の方が苦笑してしまった。
「まぁいい。無理そうなら俺がそうさせるから」
「え?」
何も声をかけられるまで待っていなくていい。あの頃だってやっていたのだから、甘やかす事に遠慮なんてしなくてもいいだろう。
一人そう決めてニヤリと笑った龍惺は、戸惑う詩月の頭を梳くように撫で「よし」と話を切り替えた。
「昼飯行くぞ」
「……うん」
そしてそんな詩月も、自分の強引さには慣れているから最終的には受け入れるしか選択肢がない事も龍惺は分かっている。
「何食いてぇ?」
「うーん……和食?」
「何で疑問形」
和食で近場ならあそこがいいかとビル周辺を思い浮かべていると、熟睡している美玖を抱き上げた洋司が近付いて来た。
「じゃあ俺はこれで。安純さん、本当に助かりました。ありがとうございます」
「いえいえ。もしまた遊び相手が必要な時は声かけて下さい」
「そう言っていただけると美玖が喜びます」
「出来りゃ早いうちにまた来てくれると助かるんだが」
「ああ。俺としても早く働きたいしね。それじゃ、瀬尾くんも」
「はい、お疲れ様でした」
「お疲れ様」
片手に美玖、片手にパンパンの紙袋を下げた洋司は爽やかに挨拶して帰って行った。
残った三人は改めて玩具の山を見て、顔を見合わせる。
「結局、あれはどうするの?」
「仕方ねぇからここに一時保管しとく。腐るようなもんじゃねぇしな」
「その間ここは使用出来なくなりますが」
「一部屋くらいいいよ。予定が詰まる事もねぇし」
元々あまり使っていない部屋だ。仮に緊急で使う事になっても片付けるかロッカーでも買えばいいと話を終わらせた龍惺は、詩月の肩を抱き歩き出す。
「お前はどうせ一緒には来ねぇんだろうが、ちゃんと飯食っとけよ」
「はい。午後一で会議がありますので、くれぐれも遅れないようお願い致します」
「分かってるって」
「瀬尾さん、またね」
「はい。行ってらっしゃいませ」
慌ただしく出て行く二人を見送った瀬尾は、今度頼まれた時にはしっかり吟味しようと、買い過ぎだ玩具を見て溜め息をついた。
155
お気に入りに追加
902
あなたにおすすめの小説
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
Tally marks
あこ
BL
五回目の浮気を目撃したら別れる。
カイトが巽に宣言をしたその五回目が、とうとうやってきた。
「関心が無くなりました。別れます。さよなら」
✔︎ 攻めは体格良くて男前(コワモテ気味)の自己中浮気野郎。
✔︎ 受けはのんびりした話し方の美人も裸足で逃げる(かもしれない)長身美人。
✔︎ 本編中は『大学生×高校生』です。
✔︎ 受けのお姉ちゃんは超イケメンで強い(物理)、そして姉と婚約している彼氏は爽やか好青年。
✔︎ 『彼者誰時に溺れる』とリンクしています(あちらを読んでいなくても全く問題はありません)
🔺ATTENTION🔺
このお話は『浮気野郎を後悔させまくってボコボコにする予定』で書き始めたにも関わらず『どうしてか元サヤ』になってしまった連載です。
そして浮気野郎は元サヤ後、受け溺愛ヘタレ野郎に進化します。
そこだけ本当、ご留意ください。
また、タグにはない設定もあります。ごめんなさい。(10個しかタグが作れない…せめてあと2個作らせて欲しい)
➡︎ 作品や章タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。
➡︎ 『番外編:本編完結後』に区分されている小説については、完結後設定の番外編が小説の『更新順』に入っています。『時系列順』になっていません。
➡︎ ただし、『番外編:本編完結後』の中に入っている作品のうち、『カイトが巽に「愛してる」と言えるようになったころ』の作品に関してはタイトルの頭に『𝟞』がついています。
個人サイトでの連載開始は2016年7月です。
これを加筆修正しながら更新していきます。
ですので、作中に古いものが登場する事が多々あります。
この愛のすべて
高嗣水清太
BL
「妊娠しています」
そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。
俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。
※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。
両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。
針の止まった子供時間 ~いつか別れの言葉を言いに来る。その時は、恨んでくれて構わない~
2wei
BL
錆びついたまま動かない時計の針。
柄沢結翔の過去と真実。花束の相手──。
∞----------------------∞
作品は前後編となります。(こちらが後編です)
前編はこちら↓↓↓
https://www.alphapolis.co.jp/novel/76237087/650675350
∞----------------------∞
開始:2023/1/1
完結:2023/1/21
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる