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番外編
君が存在する幸せ【鷹臣視点】
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九月十三日は遥斗の二十一になる誕生日だ。
大学からの友人には祝われた事のある遥斗だが、施設では九月生まれの子との合同で当日に祝われた事もロウソクを吹き消した経験もなく、プレゼントも文房具などの他の子と同じ物だったそうだ。
そこは仕方のない部分だとは思いつつ、それならば恋人である俺が全て叶えてあげればいいとパーティの計画を立てたものの何せ初めてで⋯現在見事に頓挫していた。
控えめで大人しい性格の遥斗が、誕生日とはいえ派手で盛大な物を望むだろうか。遥斗の為と銘打って家中を飾り立てシェフを呼んでパーティを開く事は容易だが、果たして喜んで貰えるのか。
遠慮がちだから、申し訳なさの方が勝ってしまうかもしれない。
「という訳で、ぜひご教示頂きたい」
「はあ⋯」
遥斗の友人である宮代くんへと連絡を取り、大学近くの喫茶店に来て貰い事の詳細を説明したら何とも難しい顔をされてしまった。
頼れるのは彼か彼の彼女である広瀬くんだけだから、頑張って下さいとしか言われなかったらどうしようかと思ったけど、宮代くんは首を傾げて考えたあと口を開く。
「まぁ言わずもがなですが、遥斗は宝条さんがいるならそれでいいって言うと思いますよ。アイツ、本当に無欲だからプレゼントもご馳走もいらない、いつも通りでいいって」
「⋯だよね。それは俺も思ってた」
「飾りとかも自分には勿体ないって言うでしょうね。でも、祝って貰える事には素直に喜ぶと思います」
「するとしたら、テーブルに花を飾るくらいにした方がいいのかな」
「それくらいなら」
プレゼントは用意してあるし、誕生日ケーキは予約してあるからあとは飾りと食事関連だけだったのだが、宮代くんの言葉で残りは最低限にして本当の意味でのサプライズにしようと決めた。
遥斗に気を遣わせたい訳ではないから、夕飯も俺が作った物でいいだろう。
俺はにこりと笑うとメニュー表を彼へと差し出した。
「ありがとう。お腹空いてない? 好きな物頼んでいいよ」
「あ、ありがとうございます」
「ちなみに、君たちは何をプレゼントするか決まってる?」
「今年はギフトカードにしようかなと。ネットショッピングで使える物なら、遥斗も使いやすいと思うんで」
「ああ、それはいいね」
欲しい物を口にしないならそうして自分で買わせる手段もあるか、賢いな。
なかなか上手い事を考えるものだと感心した俺は、真剣にメニューを見る宮代くんを見て口元を緩めた。
遥斗の傍に、彼のような友人がいてくれて本当に良かったな。
当日。町田くんに調整して貰って定時より前に上がった俺はケーキを受け取り、遥斗がバイトをしている間に準備をする事にした。と言っても、いつもと変わらず夕飯を作るだけだけど、今夜のメニューは遥斗の好きな和食尽くしと決めている。
テーブルには、俺が遥斗に告白した時に渡したバラの花五本が挿さった花瓶を置いた。本当は百本用意したかったけど、さすがに飾り切れないからな。
遥斗へのプレゼントであるスニーカーは高い場所に隠しておき、少し休憩すれば迎えの時間だ。
車の鍵を手に家から出た俺は、遥斗の反応を楽しみにしながら喫茶店へと向かった。
宮代くんたちからもプレゼントを貰っているだろうし、さすがにマスターや岡野くんが遥斗を祝わないとは思ってなくて、自分の誕生日だという事は分かっているはずの遥斗は普段通りの笑顔を俺に向けてくれる。
ソワソワしてたり落ち着かない様子は見られなくて、もしかしなくても俺が祝うとは思っていないのだろうか。
(遥斗の事だから、祝われない方が当たり前だと思ってそうだけど⋯)
これからはその考えも払拭させて、誕生日もクリスマスもその他のイベントも、全部当たり前に与えられるものだと教えてあげたい。
家に帰り、部屋に荷物を置いた遥斗が洗面所に行き手洗い嗽をする。
その間に下準備していた夕飯を完成させていると、遥斗がスリッパを鳴らしながらリビングに入ってきた。いつもならそのままソファに座るのだが、今日は足音がテーブルに近付き小さく声が上がる。
「薔薇⋯懐かしいですね。鷹臣さんがくれた薔薇、飾ってましたよ」
「そうなんだ。嬉しいな」
「あんなにたくさんどうしようって思ったんですけど、いろんな容器を駆使しました」
「俺の本気を知って欲しかったからね」
「意味を知った時は恥ずかしかったです」
「伝わって良かったよ」
本当は本数が増えれば増えるだけ意味はあったんだけど、さすがにあれ以上は困らせると思ったから諦めたんだ。そもそも、誰かに花束を贈る事自体が初めてだったから本数で意味があるのも知らなかった。
遥斗が嬉しそうに薔薇をつつく姿を見て微笑み、料理をテーブルに並べて行く。
自分の好物ばかりだからか、パッと表情を明るくする遥斗が可愛らしい。
「遥斗、少しだけ目を閉じてくれる?」
「? はい」
首を傾げながらも素直に目を瞑ってくれたのを確認し、ロウソクに火を灯してテーブルへと運ぶと花瓶をズラして真ん中へと置く。
チョコプレートには〝たんじょうびおめでとう、遥斗くん〟とチョコペンで書かれており、それが遥斗の目に入るようにした。ついでにプレゼントも手に取り遥斗へと声をかける。
「目を開けてもいいよ」
「はい。⋯⋯え?」
「誕生日おめでとう、遥斗。君が生まれた特別な日を、こうして祝える事が出来て嬉しいよ」
「⋯⋯⋯」
ケーキを見て驚いた顔のまま固まった遥斗が、俺の言葉を聞いてくしゃりと顔を歪める。泣き出す一歩手前で唇を噛む様子が色んなものを耐えているように見えて胸が切なくなった。
何も言わない遥斗に更にプレゼントの箱を差し出すと、今度は困惑して箱と俺の顔を交互に見始める。
「遥斗のだから、受け取って」
「あ⋯⋯ぼ、僕⋯」
「はい」
「⋯⋯あ、ありがとう⋯ございます⋯」
やっぱり貰えると思っていなかったのか、呆けたまま手も出さない遥斗に無理やり持たせると目を瞬きつつも受け取ってくれる。実はメッセージカードも添えてるけど、気付いてくれるだろうか。
どう反応したらいいか分からない遥斗がおろおろしていて、肩に手を置いたらビクッとして俺を見上げてきた。
「鷹臣さん⋯」
「ん?」
「ありがとうございます⋯びっくりしました⋯」
「みんなにも祝って貰たんだろう?」
「はい。でもみんなみたいに前もって聞かれなかったから⋯」
驚かせたかったから確かに聞かなかったけど、だから俺からはないって思われるのは心外だ。
苦笑し遥斗の頭を撫でると、視線をケーキに戻してソワソワし始めた。
「あ、あの、ロウソクって、消してもいいんですか?」
「いいよ。遥斗のだからね」
「僕、ロウソク吹き消すの初めてです」
「思いっきりやってごらん」
「はい」
よほど嬉しいのか、箱を両手で抱えた遥斗は大きく息を吸うと勢い良くロウソクへと吹き掛け見事に一度で消しきった。
そんな小さな事でにさえ幸せそうにはにかむのだから堪らない。
「嬉しい⋯僕だけの誕生日会だ⋯」
「そうだよ。全部、遥斗の為だけに用意したんだから」
「ありがとうございます」
「ケーキはあとで食べようね」
「はい」
ひとまず下げようとケーキを持ち上げワークトップに置きロウソクを取って蓋を被せる。
その間にプレゼントの箱を見下ろした遥斗は、しかしどうしてか開けようとはせず表面を撫でたりリボンを弄ったりしていたけど、ふとメッセージカードが挟まっている事に気付いて目を瞬いていた。
抜いて封筒から出して開いたあと瞳を潤ませ俯く。
『誕生日おめでとう、遥斗。君と出会えたからこそ、俺は幸せを知る事が出来た。生まれてきてくれてありがとう。愛してるよ』
気持ちを伝えるには全然足りないけど、あのメッセージカードにはそう書き記した。
自分に自信のない遥斗が少しでも前向きになれるように、少なくとも俺にとって遥斗は必要不可欠な存在だからその部分だけでも支えになればと思ってる。
聞きたいと遥斗が言ってくれるなら、好きなだけ聞かせてあげるんだけどね。
プレゼントを開ける事なくテーブルに置いて立ち上がった遥斗は、袖で滲んだ涙を拭うと俺の方へと駆け寄るなり抱き着いてきた。
「どうかした?」
「⋯鷹臣さん⋯」
「ん?」
「⋯⋯大好き⋯」
思っている事も言いたい事も、全てを詰め込んだような言葉に俺の心が暖かいもので満たされていく。
遥斗だからこそこんなにも満たされる事を、本人は分かっているんだろうか。
「俺も愛してる。来年も楽しみにしていて」
「⋯はい」
「歳を取っても、遥斗が生まれた日を祝わせてね」
「はい」
頭頂部に口付けながらそう言えば、遥斗は顔を上げて泣き笑いで頷いた。
来年も再来年も何十年先も、こうして二人で幸せを積み重ねていきたい。誰よりも一番近くで遥斗の笑顔を見る為に、俺が出来る事すべてを用いてでも明るい未来を歩んで欲しいから。
目尻に浮いた涙を拭い頬に手を添えた俺は、服を強く掴む様子に笑みを浮かべると身を屈めて口付けた。
まずは明日からの一年、楽しい思い出をたくさん作らなくては。
FIN.
大学からの友人には祝われた事のある遥斗だが、施設では九月生まれの子との合同で当日に祝われた事もロウソクを吹き消した経験もなく、プレゼントも文房具などの他の子と同じ物だったそうだ。
そこは仕方のない部分だとは思いつつ、それならば恋人である俺が全て叶えてあげればいいとパーティの計画を立てたものの何せ初めてで⋯現在見事に頓挫していた。
控えめで大人しい性格の遥斗が、誕生日とはいえ派手で盛大な物を望むだろうか。遥斗の為と銘打って家中を飾り立てシェフを呼んでパーティを開く事は容易だが、果たして喜んで貰えるのか。
遠慮がちだから、申し訳なさの方が勝ってしまうかもしれない。
「という訳で、ぜひご教示頂きたい」
「はあ⋯」
遥斗の友人である宮代くんへと連絡を取り、大学近くの喫茶店に来て貰い事の詳細を説明したら何とも難しい顔をされてしまった。
頼れるのは彼か彼の彼女である広瀬くんだけだから、頑張って下さいとしか言われなかったらどうしようかと思ったけど、宮代くんは首を傾げて考えたあと口を開く。
「まぁ言わずもがなですが、遥斗は宝条さんがいるならそれでいいって言うと思いますよ。アイツ、本当に無欲だからプレゼントもご馳走もいらない、いつも通りでいいって」
「⋯だよね。それは俺も思ってた」
「飾りとかも自分には勿体ないって言うでしょうね。でも、祝って貰える事には素直に喜ぶと思います」
「するとしたら、テーブルに花を飾るくらいにした方がいいのかな」
「それくらいなら」
プレゼントは用意してあるし、誕生日ケーキは予約してあるからあとは飾りと食事関連だけだったのだが、宮代くんの言葉で残りは最低限にして本当の意味でのサプライズにしようと決めた。
遥斗に気を遣わせたい訳ではないから、夕飯も俺が作った物でいいだろう。
俺はにこりと笑うとメニュー表を彼へと差し出した。
「ありがとう。お腹空いてない? 好きな物頼んでいいよ」
「あ、ありがとうございます」
「ちなみに、君たちは何をプレゼントするか決まってる?」
「今年はギフトカードにしようかなと。ネットショッピングで使える物なら、遥斗も使いやすいと思うんで」
「ああ、それはいいね」
欲しい物を口にしないならそうして自分で買わせる手段もあるか、賢いな。
なかなか上手い事を考えるものだと感心した俺は、真剣にメニューを見る宮代くんを見て口元を緩めた。
遥斗の傍に、彼のような友人がいてくれて本当に良かったな。
当日。町田くんに調整して貰って定時より前に上がった俺はケーキを受け取り、遥斗がバイトをしている間に準備をする事にした。と言っても、いつもと変わらず夕飯を作るだけだけど、今夜のメニューは遥斗の好きな和食尽くしと決めている。
テーブルには、俺が遥斗に告白した時に渡したバラの花五本が挿さった花瓶を置いた。本当は百本用意したかったけど、さすがに飾り切れないからな。
遥斗へのプレゼントであるスニーカーは高い場所に隠しておき、少し休憩すれば迎えの時間だ。
車の鍵を手に家から出た俺は、遥斗の反応を楽しみにしながら喫茶店へと向かった。
宮代くんたちからもプレゼントを貰っているだろうし、さすがにマスターや岡野くんが遥斗を祝わないとは思ってなくて、自分の誕生日だという事は分かっているはずの遥斗は普段通りの笑顔を俺に向けてくれる。
ソワソワしてたり落ち着かない様子は見られなくて、もしかしなくても俺が祝うとは思っていないのだろうか。
(遥斗の事だから、祝われない方が当たり前だと思ってそうだけど⋯)
これからはその考えも払拭させて、誕生日もクリスマスもその他のイベントも、全部当たり前に与えられるものだと教えてあげたい。
家に帰り、部屋に荷物を置いた遥斗が洗面所に行き手洗い嗽をする。
その間に下準備していた夕飯を完成させていると、遥斗がスリッパを鳴らしながらリビングに入ってきた。いつもならそのままソファに座るのだが、今日は足音がテーブルに近付き小さく声が上がる。
「薔薇⋯懐かしいですね。鷹臣さんがくれた薔薇、飾ってましたよ」
「そうなんだ。嬉しいな」
「あんなにたくさんどうしようって思ったんですけど、いろんな容器を駆使しました」
「俺の本気を知って欲しかったからね」
「意味を知った時は恥ずかしかったです」
「伝わって良かったよ」
本当は本数が増えれば増えるだけ意味はあったんだけど、さすがにあれ以上は困らせると思ったから諦めたんだ。そもそも、誰かに花束を贈る事自体が初めてだったから本数で意味があるのも知らなかった。
遥斗が嬉しそうに薔薇をつつく姿を見て微笑み、料理をテーブルに並べて行く。
自分の好物ばかりだからか、パッと表情を明るくする遥斗が可愛らしい。
「遥斗、少しだけ目を閉じてくれる?」
「? はい」
首を傾げながらも素直に目を瞑ってくれたのを確認し、ロウソクに火を灯してテーブルへと運ぶと花瓶をズラして真ん中へと置く。
チョコプレートには〝たんじょうびおめでとう、遥斗くん〟とチョコペンで書かれており、それが遥斗の目に入るようにした。ついでにプレゼントも手に取り遥斗へと声をかける。
「目を開けてもいいよ」
「はい。⋯⋯え?」
「誕生日おめでとう、遥斗。君が生まれた特別な日を、こうして祝える事が出来て嬉しいよ」
「⋯⋯⋯」
ケーキを見て驚いた顔のまま固まった遥斗が、俺の言葉を聞いてくしゃりと顔を歪める。泣き出す一歩手前で唇を噛む様子が色んなものを耐えているように見えて胸が切なくなった。
何も言わない遥斗に更にプレゼントの箱を差し出すと、今度は困惑して箱と俺の顔を交互に見始める。
「遥斗のだから、受け取って」
「あ⋯⋯ぼ、僕⋯」
「はい」
「⋯⋯あ、ありがとう⋯ございます⋯」
やっぱり貰えると思っていなかったのか、呆けたまま手も出さない遥斗に無理やり持たせると目を瞬きつつも受け取ってくれる。実はメッセージカードも添えてるけど、気付いてくれるだろうか。
どう反応したらいいか分からない遥斗がおろおろしていて、肩に手を置いたらビクッとして俺を見上げてきた。
「鷹臣さん⋯」
「ん?」
「ありがとうございます⋯びっくりしました⋯」
「みんなにも祝って貰たんだろう?」
「はい。でもみんなみたいに前もって聞かれなかったから⋯」
驚かせたかったから確かに聞かなかったけど、だから俺からはないって思われるのは心外だ。
苦笑し遥斗の頭を撫でると、視線をケーキに戻してソワソワし始めた。
「あ、あの、ロウソクって、消してもいいんですか?」
「いいよ。遥斗のだからね」
「僕、ロウソク吹き消すの初めてです」
「思いっきりやってごらん」
「はい」
よほど嬉しいのか、箱を両手で抱えた遥斗は大きく息を吸うと勢い良くロウソクへと吹き掛け見事に一度で消しきった。
そんな小さな事でにさえ幸せそうにはにかむのだから堪らない。
「嬉しい⋯僕だけの誕生日会だ⋯」
「そうだよ。全部、遥斗の為だけに用意したんだから」
「ありがとうございます」
「ケーキはあとで食べようね」
「はい」
ひとまず下げようとケーキを持ち上げワークトップに置きロウソクを取って蓋を被せる。
その間にプレゼントの箱を見下ろした遥斗は、しかしどうしてか開けようとはせず表面を撫でたりリボンを弄ったりしていたけど、ふとメッセージカードが挟まっている事に気付いて目を瞬いていた。
抜いて封筒から出して開いたあと瞳を潤ませ俯く。
『誕生日おめでとう、遥斗。君と出会えたからこそ、俺は幸せを知る事が出来た。生まれてきてくれてありがとう。愛してるよ』
気持ちを伝えるには全然足りないけど、あのメッセージカードにはそう書き記した。
自分に自信のない遥斗が少しでも前向きになれるように、少なくとも俺にとって遥斗は必要不可欠な存在だからその部分だけでも支えになればと思ってる。
聞きたいと遥斗が言ってくれるなら、好きなだけ聞かせてあげるんだけどね。
プレゼントを開ける事なくテーブルに置いて立ち上がった遥斗は、袖で滲んだ涙を拭うと俺の方へと駆け寄るなり抱き着いてきた。
「どうかした?」
「⋯鷹臣さん⋯」
「ん?」
「⋯⋯大好き⋯」
思っている事も言いたい事も、全てを詰め込んだような言葉に俺の心が暖かいもので満たされていく。
遥斗だからこそこんなにも満たされる事を、本人は分かっているんだろうか。
「俺も愛してる。来年も楽しみにしていて」
「⋯はい」
「歳を取っても、遥斗が生まれた日を祝わせてね」
「はい」
頭頂部に口付けながらそう言えば、遥斗は顔を上げて泣き笑いで頷いた。
来年も再来年も何十年先も、こうして二人で幸せを積み重ねていきたい。誰よりも一番近くで遥斗の笑顔を見る為に、俺が出来る事すべてを用いてでも明るい未来を歩んで欲しいから。
目尻に浮いた涙を拭い頬に手を添えた俺は、服を強く掴む様子に笑みを浮かべると身を屈めて口付けた。
まずは明日からの一年、楽しい思い出をたくさん作らなくては。
FIN.
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コメントありがとうございます!🙇♀️
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コメントありがとうございます🙇♀️
長く続いたお話ほど名残惜しさが増しますね😢
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本当は今月末に上げるSSに集中する為、次回作の公開を遅らせようかなとは思ったのですが、まだ日があるのとそれなりに話数は作ってあるので公開しました☺️
お優しいお言葉ありがとうございます😢
今回はとことんまで甘いお話にしたいので、鷹臣にはたっぷりと遥斗を甘やかして貰いたいと思います~😆