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歩んできた道
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「鷹臣さんにお話があります」
何となく恋人関係だった鷹臣さんと無事正式なお付き合いを始めて一週間。
帰宅して夕食もお風呂も済ませた僕は、同じように全部終わらせてソファでまったりしている鷹臣さんにそう声をかけた。
この先も一緒にいたいって思うから、ちゃんと話さないとフェアじゃないもんね。
あの日、鷹臣さんは僕になら全部教えてくれると言った通り、鷹臣さんに関する色んな話をしてくれた。
僕はあまり世間の事には詳しくなくて、何が流行ってるとか人気の芸能人とか、みんなが当たり前のように知っている事も知らないから〝宝条グループ〟って言われてもピンとも来なくて⋯こっそり調べたらそれはもう大きな会社だって分かって度肝を抜いたんだよね。
手広く事業を展開してて、日本では有名な大企業なんだそう。
でも、正直それを知っても驚きはしたけど、ぶっちゃけそうなんだって気持ちの方が大きかった。だって、僕にとって鷹臣さんは、優しくて温かくて料理上手でとっても素敵な恋人だから。
別に社長さんでもサラリーマンでも何でも、鷹臣さんが鷹臣さんなら変わらない。
他にも誕生日とか血液型とか得意料理とか、細かい事もたくさん教えてくれた。鷹臣さんが男の人しか好きになれなくて、だからこそ秘書さんは恋愛対対象にならないって事も。
でも好みの男の人がいたら好きになっちゃうんじゃってつい零したら、本気で好きで欲しいと思ったのは遥斗くんだけだよって言われて内心舞い上がったのは秘密。
本当に聞けばどんな内容でも答えてくれた鷹臣さんだから、僕も自分の事を話そうって思えたんだ。
それで今に至るんだけど⋯⋯僕はどうして、鷹臣さんの膝に跨って座ってるんだろう。
「もっとリラックスしてごらん?」
「ぅ⋯む、無理です⋯」
向かい合って話すのは、真面目な話だし全然いい事だと思う。でも膝の上は違うと思うんだ。
恥ずかしさと、いつもよりも近く見える端正な顔に緊張してドキドキして、ちゃんと話せる気がしない。
(お、おかしい⋯)
僕も好きって言ってからスキンシップは増えたけど、抱き締めるとか肩を抱くとか、そういうのは僕だって少しは慣れてはきたんだよ。まだビクッとしたりはするけど。
でもこの体勢は⋯初心者の僕には難易度が高すぎる。
「それで、俺に話というのは?」
「⋯⋯その前に⋯鷹臣さん、薄々気付いてたりします⋯?」
「何を?」
「僕の過去⋯とか⋯」
「ああ⋯⋯確証はないから、そうなのかもしれないってくらいだよ」
まぁ一回〝施設〟って言っちゃったし、先生の話はしても両親の話は一切しないから勘のいい人なら何となく察せるよね。
一つ息を吐き、鷹臣さんの顔を真っ直ぐ見た僕は、どこから話し始めようか考えてから口を開いた。
「実は⋯僕、孤児なんです。生後五ヶ月くらいの時に両親が事故で亡くなっちゃったらしくて、二人の親族とは連絡がつかなかったのか、最初からいなかったのかは分からないんですけど⋯僕はそのまま乳児院に引き取られたんです。それから養護施設に移って、高校を卒業すると同時に施設を出ました」
「⋯⋯⋯」
「マンションを借りたり家具を揃えたりは施設の先生が協力してくれてどうにかなったんですけど⋯⋯それからはもうがむしゃらでした。あの喫茶店とマスターに出会えなかったら、もっとひどい生活をしていたと思います」
一人での生活は初めてだから最初は右も左も分からなくて、食事も摂れないほど切り詰めたりして本当にむちゃくちゃだった。支援金もあったけどなるべく頼りたくなくて、フラフラで彷徨ってたところをマスターに声かけられてお店に連れて行かれてご馳走になったんだ。
それから雇って貰って、今もお世話になってる。
「マスターは僕の事情を知ってるから、いろいろ融通を効かせてくれたり助けてくれたりして⋯本当に感謝してるんですよ。岡野くんにも会えたし、苦手だった事が少しずつマシになって初めましての人とも話せるようにもなれたから、いい事尽くめなんです」
マスターがいなかったら抜け殻のように毎日を過ごしていたかもしれない。かろうじて命があるだけで、楽しいも嬉しいもなくただ生きてるだけだったかも。
本当につまらない人生になってたんだろうなって思う。
いつの間にか下を向いていたからか、鷹臣さんの手に頬を挟んで上向かされた。
労るような表情に胸が温かくなるのを感じて口元を緩めた僕は、鷹臣さんの手に自分の手を重ねて目を閉じる。
「⋯⋯それに、鷹臣さんにも会えました。恋人になってって言われた時はびっくりしたし、何で僕なんだろうって思ったけど⋯今は嬉しいって思います」
「遥斗くん⋯」
「自分がこんなに幸せになれるなんて思わなかった。もしかしたら、ずっと一人なのかもしれないって思ってたから⋯」
施設の先生や子供たちは確かに家族だったけど本当の意味ではそうじゃなくて、年を取るにつれ確実に疎遠になっていく。そうなったら最終的には一人だし、もし鷹臣さんと出会えなかったら恋人だって出来たかも分からない。
ちょっとでも何かがズレていたら今のこの時間だってないんだよね。
「⋯⋯僕と出会ってくれて、好きになってくれてありがとうございます」
「それは俺のセリフだよ。気持ちに応えてくれてありがとう」
「大好きです、鷹臣さん」
「⋯⋯遥斗」
「⋯え? あ、あの⋯鷹臣さ⋯っ」
好きになって貰えた事もそうだけど、自分でもこんなに好きになれた事が嬉しくて笑顔で気持ちを伝えたら、目を細めた鷹臣さんが顔を近付けてきた。驚いて引こうとしたけど頬を挟んでいた手に押さえられあたふたしているうちに唇が塞がれる。
嫌な訳じゃないんだけど、どうしたらいいか分からなくて固まってると右手が首の後ろに回って、左手で腰を抱き寄せられた。
「⋯っ、ん⋯」
「⋯愛してる」
「⋯⋯!」
水族館でのデートの時以来の言葉を低く囁かれ全身が一気に熱くなる。
再び唇が重なって、もういっぱいいっぱいな僕は気付いたら気を失っていたらしく、次に目を覚ましたら物凄く申し訳なさそうな鷹臣さんから土下座でもしそうな勢いで謝られてしまった。
びっくりはしたけど、恋人なんだから気にしなくてもいいのに。
何となく恋人関係だった鷹臣さんと無事正式なお付き合いを始めて一週間。
帰宅して夕食もお風呂も済ませた僕は、同じように全部終わらせてソファでまったりしている鷹臣さんにそう声をかけた。
この先も一緒にいたいって思うから、ちゃんと話さないとフェアじゃないもんね。
あの日、鷹臣さんは僕になら全部教えてくれると言った通り、鷹臣さんに関する色んな話をしてくれた。
僕はあまり世間の事には詳しくなくて、何が流行ってるとか人気の芸能人とか、みんなが当たり前のように知っている事も知らないから〝宝条グループ〟って言われてもピンとも来なくて⋯こっそり調べたらそれはもう大きな会社だって分かって度肝を抜いたんだよね。
手広く事業を展開してて、日本では有名な大企業なんだそう。
でも、正直それを知っても驚きはしたけど、ぶっちゃけそうなんだって気持ちの方が大きかった。だって、僕にとって鷹臣さんは、優しくて温かくて料理上手でとっても素敵な恋人だから。
別に社長さんでもサラリーマンでも何でも、鷹臣さんが鷹臣さんなら変わらない。
他にも誕生日とか血液型とか得意料理とか、細かい事もたくさん教えてくれた。鷹臣さんが男の人しか好きになれなくて、だからこそ秘書さんは恋愛対対象にならないって事も。
でも好みの男の人がいたら好きになっちゃうんじゃってつい零したら、本気で好きで欲しいと思ったのは遥斗くんだけだよって言われて内心舞い上がったのは秘密。
本当に聞けばどんな内容でも答えてくれた鷹臣さんだから、僕も自分の事を話そうって思えたんだ。
それで今に至るんだけど⋯⋯僕はどうして、鷹臣さんの膝に跨って座ってるんだろう。
「もっとリラックスしてごらん?」
「ぅ⋯む、無理です⋯」
向かい合って話すのは、真面目な話だし全然いい事だと思う。でも膝の上は違うと思うんだ。
恥ずかしさと、いつもよりも近く見える端正な顔に緊張してドキドキして、ちゃんと話せる気がしない。
(お、おかしい⋯)
僕も好きって言ってからスキンシップは増えたけど、抱き締めるとか肩を抱くとか、そういうのは僕だって少しは慣れてはきたんだよ。まだビクッとしたりはするけど。
でもこの体勢は⋯初心者の僕には難易度が高すぎる。
「それで、俺に話というのは?」
「⋯⋯その前に⋯鷹臣さん、薄々気付いてたりします⋯?」
「何を?」
「僕の過去⋯とか⋯」
「ああ⋯⋯確証はないから、そうなのかもしれないってくらいだよ」
まぁ一回〝施設〟って言っちゃったし、先生の話はしても両親の話は一切しないから勘のいい人なら何となく察せるよね。
一つ息を吐き、鷹臣さんの顔を真っ直ぐ見た僕は、どこから話し始めようか考えてから口を開いた。
「実は⋯僕、孤児なんです。生後五ヶ月くらいの時に両親が事故で亡くなっちゃったらしくて、二人の親族とは連絡がつかなかったのか、最初からいなかったのかは分からないんですけど⋯僕はそのまま乳児院に引き取られたんです。それから養護施設に移って、高校を卒業すると同時に施設を出ました」
「⋯⋯⋯」
「マンションを借りたり家具を揃えたりは施設の先生が協力してくれてどうにかなったんですけど⋯⋯それからはもうがむしゃらでした。あの喫茶店とマスターに出会えなかったら、もっとひどい生活をしていたと思います」
一人での生活は初めてだから最初は右も左も分からなくて、食事も摂れないほど切り詰めたりして本当にむちゃくちゃだった。支援金もあったけどなるべく頼りたくなくて、フラフラで彷徨ってたところをマスターに声かけられてお店に連れて行かれてご馳走になったんだ。
それから雇って貰って、今もお世話になってる。
「マスターは僕の事情を知ってるから、いろいろ融通を効かせてくれたり助けてくれたりして⋯本当に感謝してるんですよ。岡野くんにも会えたし、苦手だった事が少しずつマシになって初めましての人とも話せるようにもなれたから、いい事尽くめなんです」
マスターがいなかったら抜け殻のように毎日を過ごしていたかもしれない。かろうじて命があるだけで、楽しいも嬉しいもなくただ生きてるだけだったかも。
本当につまらない人生になってたんだろうなって思う。
いつの間にか下を向いていたからか、鷹臣さんの手に頬を挟んで上向かされた。
労るような表情に胸が温かくなるのを感じて口元を緩めた僕は、鷹臣さんの手に自分の手を重ねて目を閉じる。
「⋯⋯それに、鷹臣さんにも会えました。恋人になってって言われた時はびっくりしたし、何で僕なんだろうって思ったけど⋯今は嬉しいって思います」
「遥斗くん⋯」
「自分がこんなに幸せになれるなんて思わなかった。もしかしたら、ずっと一人なのかもしれないって思ってたから⋯」
施設の先生や子供たちは確かに家族だったけど本当の意味ではそうじゃなくて、年を取るにつれ確実に疎遠になっていく。そうなったら最終的には一人だし、もし鷹臣さんと出会えなかったら恋人だって出来たかも分からない。
ちょっとでも何かがズレていたら今のこの時間だってないんだよね。
「⋯⋯僕と出会ってくれて、好きになってくれてありがとうございます」
「それは俺のセリフだよ。気持ちに応えてくれてありがとう」
「大好きです、鷹臣さん」
「⋯⋯遥斗」
「⋯え? あ、あの⋯鷹臣さ⋯っ」
好きになって貰えた事もそうだけど、自分でもこんなに好きになれた事が嬉しくて笑顔で気持ちを伝えたら、目を細めた鷹臣さんが顔を近付けてきた。驚いて引こうとしたけど頬を挟んでいた手に押さえられあたふたしているうちに唇が塞がれる。
嫌な訳じゃないんだけど、どうしたらいいか分からなくて固まってると右手が首の後ろに回って、左手で腰を抱き寄せられた。
「⋯っ、ん⋯」
「⋯愛してる」
「⋯⋯!」
水族館でのデートの時以来の言葉を低く囁かれ全身が一気に熱くなる。
再び唇が重なって、もういっぱいいっぱいな僕は気付いたら気を失っていたらしく、次に目を覚ましたら物凄く申し訳なさそうな鷹臣さんから土下座でもしそうな勢いで謝られてしまった。
びっくりはしたけど、恋人なんだから気にしなくてもいいのに。
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