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勘違い(廉視点)
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その日、生徒会の仕事を終えた俺は父親から夕飯に呼ばれ久し振りの家族団欒を過ごした。特に仲が良いとか悪いとかはない普通の家庭だが、父親の意向で早くから一人暮らしを始めていた俺にはあの家は窮屈だった。
近況を報告し、父と母と妹で食卓を囲む。
その際ちょっとした事で父と喧嘩をした妹は、今晩は俺の家に泊まると言って帰宅する俺の後を追って一緒に出てきた。正直面倒臭いからさっさと仲直りして欲しいんだが、コイツは一度言い出したら聞かねぇんだよ。
マンションまでついてきた上に居住階にまで来やがったから、渋々了承すると玄関前に真尋が立っていた。
まさかいるとは思わなかったし、荷物の量を見れば泊まりにでも来てくれたのかと思ったが、真尋は叫ぶなり俺を振り切って走り去ってしまった。慌てて追い掛けたが、無情にもエレベーターの扉が目の前で閉まり下がり始めた。
……大嫌いって言われたんだが……。
「お兄ちゃん?」
「……お前、帰れ」
「え、何で?」
「いいから帰れ」
たぶん、いや絶対アイツ誤解してる。妹がいる事を言ってなかった俺も俺だが、だからって何で浮気に直結させるんだ。
とりあえずタクシーを呼んで、待っている間に電話をかけるが予想通り繋がらない。何度かけても出ない事に焦っていると、タクシーが来た。
妹を押し込みタクシー代を渡してから走り出す。残念な事に真尋の家を知らない俺は、マンションを出てどっちに行ったかすら分からないためアタリをつけてはみたのだが、結局見付ける事が出来なかった。
「どこ行ったんだよ…」
早く誤解を解かないと家にも帰れねぇ。
しばらく探し回り最寄り駅まで行くべきかと考えていると、不意に受けた電話から真尋の居場所を知る事になる。まさか暁のとこにいるとは思わなかった。
迎えに行くと甘ったるい匂いが部屋に充満していて俺は顔を顰める。これがどういう物かは俺もよく知っているし、これを真尋に吸わせた暁にも内心怒っていた。
ベッドで力なく横たわる真尋は幸いな事に特に何かをされた訳ではなさそうだが、この匂いのせいで動けないのだろう。
「大嫌いなんて…嘘だ……嘘だよ…っ…ごめ……ごめんなさい……っ」
そう言って泣く姿に安堵する。本心じゃないってのは分かってはいたけど、さすがに傷付いたからな。
子供のように声を上げて泣く真尋を初めて見た俺は、戸惑いながらも髪を撫で慰め続けた。その内に泣き疲れて眠ってしまったため、俺は帰るべく抱き上げる。真尋の荷物も肩に下げ、暁に小言とお礼を言って外へ出ると温い風が纏わりついて来た。
汗で身体中ベトベトだ、早く帰って風呂に入りたい。
「妹ぉ!?」
マンションに戻り浴槽に湯を張ると、真尋が眠っているのをいい事に服を脱がせて一緒に入った。少しだけ洗いにくかったが、そこは体格差を活かしてどうにかし、湯船に浸かった頃に真尋は目を覚ました。
案の定、寝惚けて俺に甘えて来たから据え膳とばかりに頂いたのだが、ベッドの上で落ち着いた頃に「この変態!」と怒鳴られてしまった。
それからあの子は誰かと聞かれたため簡潔に妹と答えてからの冒頭だ。
妹を浮気相手だと勘違いした真尋は物凄く申し訳なさそうな顔をして謝ってきたけど、許せないくらい俺が好きなんだろと言えば真っ赤になって頷いた。珍しく素直だ、可愛い奴め。
「アイツはもう帰ったし、お前もこのまま泊まってくだろ?」
「うん…」
「来週からはまた昼飯一緒に食えるから」
生徒会に真尋が来なくなってから、学校では昼休みくらいしか時間がなかったのに、今は夏休み前という事もあり少し忙しい。短い時間だけでも会いに行けりゃいいんだけど移動だけで終わるからな。
腕枕にした方の手で真尋の髪を撫でていると、返事以降何も喋らなくなった事に気付いた。肘をついて背中を向ける真尋の顔を覗き込む。
「真尋?」
「……俺、暁先輩の家で襲われそうになった時、廉の事しか頭になかった」
「ん?」
「頭、ちゃんと働いてなかったのに…廉以外の人に触られたくないって思って…………廉がいいって、廉じゃないと嫌だって……」
「真尋……」
「……俺をこんなにしやがって…」
途中までは可愛らしい事を言っていたのに急に恨み節に変わった。
下唇を噛んで何かを考えていた真尋は徐に身体を反転させ俺の胸に顔を埋める。
「……大好きだ、ばかやろう…」
くぐもった声が精一杯の言葉を発する。見下ろせば耳まで赤くしている真尋がいて俺は思わずそこへ口付けた。
「……っ」
反応しつつも嫌がらない事に気を良くして舐めて甘噛みし、耳孔へと舌を差し込んだ瞬間胸元を叩かれる。これ以上は駄目って事だ。
俺は素直に引いて、ついていた肘を伸ばすと小さくて細い身体を抱き締めた。そうして甘く囁いてやる。
「俺も、愛してる」
照れ屋で恥ずかしがり屋な可愛い恋人が俺の腕から逃げたのは言うまでもない。
一学期の終業式後、あらかじめ生徒会室で真尋と待ち合わせていた俺はソファに腰掛け考えていた。
夏休み、真尋は家族と旅行に行ったりするんだろうか。生憎と俺はそういう予定があろうとなかろうと行くつもりはねぇけど……もし嫌じゃねぇんならどっか連れてってやりてぇな。
海好きそうだし、香月のプライベートビーチとか。家が経営してる温泉旅館とかもいいな。
真尋の喜ぶ顔を想像してたらインターホンが鳴らされる。そういや、手伝い終わった後カードキー返却されたんだった。
立ち上がり解錠して扉を開けると、にこにこ顔の真尋が立っていた。あまり見る事のないご機嫌さに目を瞬いていると、俺を押しのけて中に入ってくる。
「久しぶりの生徒会室!」
「……何でそんな機嫌いいんだ?」
「へ? だって明日から夏休みだぞ? 長期休みだぞ? 課題はあるけど遊べるんだぞ?」
ああ、なるほど。……小学生か。
「真尋は夏休みの予定あるのか?」
「来週の土曜日は、倖人の家族とバーベキューする。それ以外は特にねぇな」
「寂しい奴だな」
「うっせ! どうせ友達いませんよーだ。そういう廉はどうなんだよ」
机にカバンを置いた真尋の手を引きソファに腰を下ろすと開いた膝の間に座らせる。最近は反抗も抵抗も少なくなってきて、それはそれで可愛いんだが少し物足りないと感じるあたり俺も大概だな。
「俺も特に予定はねぇな。まぁ補講やら生徒会の仕事やらはあるけど」
「講習は?」
「ねぇな、俺頭良いから」
「うわ、ムカつく」
「何、お前講習あんの?」
「……言っとくけど、俺赤点取った事ねぇからな?」
「え、意外」
まさかの事実。賢かったんだな、コイツ。
真尋はムッしたのか眉根を寄せると上体を捻って俺の頬をつまんで来た。
「お前はホントに失礼だな」
「悪い悪い。予定ないなら、俺とどっか行かね?」
「? うわっ…」
顔を見ていたくなり、徐に脇の下に手を入れて持ち上げ向かい合わせで膝に乗せる。一瞬警戒していたが、背中を撫でると大人しくなった。
マジでネコみてぇ、クソかわ。
「海でも温泉でも、お前が行きてぇとこどこでも連れてってやるよ」
「え、急に言われても…」
「ねぇの?」
難しい顔をして考え始めた真尋は小さく「ここ? いや、あそこ?」とブツブツ呟いている。別に今回限りじゃねぇのに絞ろうとしてんのか。
敢えて言わねぇけど、何でこれからもあるって思わねぇんだろうな。
「何も思い浮かばねぇ……ちょ、帰って調べてからでもいい?」
「ああ、いいよ。しっかり吟味しろ」
どこに行ったって、お前となら絶対楽しいだろうしな。
少しだけ乱暴に頭を撫でると、真尋が一瞬視線を彷徨わせた後上目遣いで俺を見てきた。何だ?
「まひ……」
制服の袖から伸びる細い腕が俺の首に回り、言葉が途中で塞がれる。
滅多にない真尋からのキスに嬉しくなった俺は、首に回された腕が強めに背中を叩くまで柔らかな唇を貪った。
近況を報告し、父と母と妹で食卓を囲む。
その際ちょっとした事で父と喧嘩をした妹は、今晩は俺の家に泊まると言って帰宅する俺の後を追って一緒に出てきた。正直面倒臭いからさっさと仲直りして欲しいんだが、コイツは一度言い出したら聞かねぇんだよ。
マンションまでついてきた上に居住階にまで来やがったから、渋々了承すると玄関前に真尋が立っていた。
まさかいるとは思わなかったし、荷物の量を見れば泊まりにでも来てくれたのかと思ったが、真尋は叫ぶなり俺を振り切って走り去ってしまった。慌てて追い掛けたが、無情にもエレベーターの扉が目の前で閉まり下がり始めた。
……大嫌いって言われたんだが……。
「お兄ちゃん?」
「……お前、帰れ」
「え、何で?」
「いいから帰れ」
たぶん、いや絶対アイツ誤解してる。妹がいる事を言ってなかった俺も俺だが、だからって何で浮気に直結させるんだ。
とりあえずタクシーを呼んで、待っている間に電話をかけるが予想通り繋がらない。何度かけても出ない事に焦っていると、タクシーが来た。
妹を押し込みタクシー代を渡してから走り出す。残念な事に真尋の家を知らない俺は、マンションを出てどっちに行ったかすら分からないためアタリをつけてはみたのだが、結局見付ける事が出来なかった。
「どこ行ったんだよ…」
早く誤解を解かないと家にも帰れねぇ。
しばらく探し回り最寄り駅まで行くべきかと考えていると、不意に受けた電話から真尋の居場所を知る事になる。まさか暁のとこにいるとは思わなかった。
迎えに行くと甘ったるい匂いが部屋に充満していて俺は顔を顰める。これがどういう物かは俺もよく知っているし、これを真尋に吸わせた暁にも内心怒っていた。
ベッドで力なく横たわる真尋は幸いな事に特に何かをされた訳ではなさそうだが、この匂いのせいで動けないのだろう。
「大嫌いなんて…嘘だ……嘘だよ…っ…ごめ……ごめんなさい……っ」
そう言って泣く姿に安堵する。本心じゃないってのは分かってはいたけど、さすがに傷付いたからな。
子供のように声を上げて泣く真尋を初めて見た俺は、戸惑いながらも髪を撫で慰め続けた。その内に泣き疲れて眠ってしまったため、俺は帰るべく抱き上げる。真尋の荷物も肩に下げ、暁に小言とお礼を言って外へ出ると温い風が纏わりついて来た。
汗で身体中ベトベトだ、早く帰って風呂に入りたい。
「妹ぉ!?」
マンションに戻り浴槽に湯を張ると、真尋が眠っているのをいい事に服を脱がせて一緒に入った。少しだけ洗いにくかったが、そこは体格差を活かしてどうにかし、湯船に浸かった頃に真尋は目を覚ました。
案の定、寝惚けて俺に甘えて来たから据え膳とばかりに頂いたのだが、ベッドの上で落ち着いた頃に「この変態!」と怒鳴られてしまった。
それからあの子は誰かと聞かれたため簡潔に妹と答えてからの冒頭だ。
妹を浮気相手だと勘違いした真尋は物凄く申し訳なさそうな顔をして謝ってきたけど、許せないくらい俺が好きなんだろと言えば真っ赤になって頷いた。珍しく素直だ、可愛い奴め。
「アイツはもう帰ったし、お前もこのまま泊まってくだろ?」
「うん…」
「来週からはまた昼飯一緒に食えるから」
生徒会に真尋が来なくなってから、学校では昼休みくらいしか時間がなかったのに、今は夏休み前という事もあり少し忙しい。短い時間だけでも会いに行けりゃいいんだけど移動だけで終わるからな。
腕枕にした方の手で真尋の髪を撫でていると、返事以降何も喋らなくなった事に気付いた。肘をついて背中を向ける真尋の顔を覗き込む。
「真尋?」
「……俺、暁先輩の家で襲われそうになった時、廉の事しか頭になかった」
「ん?」
「頭、ちゃんと働いてなかったのに…廉以外の人に触られたくないって思って…………廉がいいって、廉じゃないと嫌だって……」
「真尋……」
「……俺をこんなにしやがって…」
途中までは可愛らしい事を言っていたのに急に恨み節に変わった。
下唇を噛んで何かを考えていた真尋は徐に身体を反転させ俺の胸に顔を埋める。
「……大好きだ、ばかやろう…」
くぐもった声が精一杯の言葉を発する。見下ろせば耳まで赤くしている真尋がいて俺は思わずそこへ口付けた。
「……っ」
反応しつつも嫌がらない事に気を良くして舐めて甘噛みし、耳孔へと舌を差し込んだ瞬間胸元を叩かれる。これ以上は駄目って事だ。
俺は素直に引いて、ついていた肘を伸ばすと小さくて細い身体を抱き締めた。そうして甘く囁いてやる。
「俺も、愛してる」
照れ屋で恥ずかしがり屋な可愛い恋人が俺の腕から逃げたのは言うまでもない。
一学期の終業式後、あらかじめ生徒会室で真尋と待ち合わせていた俺はソファに腰掛け考えていた。
夏休み、真尋は家族と旅行に行ったりするんだろうか。生憎と俺はそういう予定があろうとなかろうと行くつもりはねぇけど……もし嫌じゃねぇんならどっか連れてってやりてぇな。
海好きそうだし、香月のプライベートビーチとか。家が経営してる温泉旅館とかもいいな。
真尋の喜ぶ顔を想像してたらインターホンが鳴らされる。そういや、手伝い終わった後カードキー返却されたんだった。
立ち上がり解錠して扉を開けると、にこにこ顔の真尋が立っていた。あまり見る事のないご機嫌さに目を瞬いていると、俺を押しのけて中に入ってくる。
「久しぶりの生徒会室!」
「……何でそんな機嫌いいんだ?」
「へ? だって明日から夏休みだぞ? 長期休みだぞ? 課題はあるけど遊べるんだぞ?」
ああ、なるほど。……小学生か。
「真尋は夏休みの予定あるのか?」
「来週の土曜日は、倖人の家族とバーベキューする。それ以外は特にねぇな」
「寂しい奴だな」
「うっせ! どうせ友達いませんよーだ。そういう廉はどうなんだよ」
机にカバンを置いた真尋の手を引きソファに腰を下ろすと開いた膝の間に座らせる。最近は反抗も抵抗も少なくなってきて、それはそれで可愛いんだが少し物足りないと感じるあたり俺も大概だな。
「俺も特に予定はねぇな。まぁ補講やら生徒会の仕事やらはあるけど」
「講習は?」
「ねぇな、俺頭良いから」
「うわ、ムカつく」
「何、お前講習あんの?」
「……言っとくけど、俺赤点取った事ねぇからな?」
「え、意外」
まさかの事実。賢かったんだな、コイツ。
真尋はムッしたのか眉根を寄せると上体を捻って俺の頬をつまんで来た。
「お前はホントに失礼だな」
「悪い悪い。予定ないなら、俺とどっか行かね?」
「? うわっ…」
顔を見ていたくなり、徐に脇の下に手を入れて持ち上げ向かい合わせで膝に乗せる。一瞬警戒していたが、背中を撫でると大人しくなった。
マジでネコみてぇ、クソかわ。
「海でも温泉でも、お前が行きてぇとこどこでも連れてってやるよ」
「え、急に言われても…」
「ねぇの?」
難しい顔をして考え始めた真尋は小さく「ここ? いや、あそこ?」とブツブツ呟いている。別に今回限りじゃねぇのに絞ろうとしてんのか。
敢えて言わねぇけど、何でこれからもあるって思わねぇんだろうな。
「何も思い浮かばねぇ……ちょ、帰って調べてからでもいい?」
「ああ、いいよ。しっかり吟味しろ」
どこに行ったって、お前となら絶対楽しいだろうしな。
少しだけ乱暴に頭を撫でると、真尋が一瞬視線を彷徨わせた後上目遣いで俺を見てきた。何だ?
「まひ……」
制服の袖から伸びる細い腕が俺の首に回り、言葉が途中で塞がれる。
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