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かくして桜川邸に着く。
勘のいい人ならわかるだろう。
百夜VSウィンスター。
ウィンスターの敗北である。
百夜が言う。
「どうかしら?ウィンスターさん。あなたの財産は全然残ってないわね。借用書にサインするだけで100億お貸しいたしますわ。さぁ!人生一発大逆転を狙いましょう!」
「ひぃっ!」
「ところでこんな法律はご存知?人間は皆、最低限の生活は保証されてるって。100億借金があろうが最低限の生活はできるのよ?どうですか?落ちるならとことん落ちようじゃありませんか?」
「ひぃぃぃぃ!か、勘弁してくれ!」
百夜は冷めた目で見下ろす。
「なぁ~んだ。つまらない男。」
百夜はスマホを取り出し流星に連絡する。
「もしもし、流星君?約束通りウィンスターのお金を搾り取ったわ。ちょっとキリが悪かったけど13億の借用書も書かせたわ。」
ウィンスターは思う。
(何だ?何の電話をしている?やっぱりこの女、早乙女と繋がっていたのか!?)
「貴様ぁ!!」
「きゃっ!」
次の瞬間、ウィンスターは関節技を決められSPに取り押さえられていた。
「大丈夫か!?百夜!!」
心配そうに言う流星。
百夜は平然と答えた。
「大丈夫よ。ウチのSPが取り押さえたから。えっ?それはいいけど…。勝負?う~ん、まあまあかしらね。それなりに楽しめたわ。じゃ、また連絡するわね。」
百夜は電話を切った。
ウィンスターが怒鳴る。
「貴様!嘘をついていたのか!?」
「私は嘘をついてないわ。イカサマだってしてないし。」
「早乙女の飼い犬ではないと言っただろ!?」
「そうね、飼い犬ではないわ。ギャンブルで出た利益の半分をよこせ、でしたっけ?そんなふざけた条件のむ必要ないものね。フフフ…。」
「なっ!?本当に飼い犬ではない?それならさっきの電話は…?」
「私と流星君の関係を疑うのなら言っておくわ。私は流星君とはお友達のようなものよ。対等な立場なのよ。わかる?それよりあなた、自分の心配をした方がいいわ。何しろ流星君を裏切ったのだから…。」
百夜はSPに言う。
「もうこの男には用はないわ。つまみ出してちょうだい。」
桜川邸を放り出されたウィンスターを待ち構えていたかのように警察官が近づいてきた。
「匿名で通報がありました。あなたが出演している番組で公然とギャンブルをしていると。署まで同行願えますね?」
警察での取り調べ。
「困りますねぇウィンスターさん。テレビ番組を使ってギャンブルをされては。立派な犯罪ですよ?」
ウィンスターが力なく答える。
「あれは…プロデューサーに…無理矢理…。」
「無理矢理のようには見えませんなぁ。しかも素人さんを相手に嬉々として喜んでいるように見えますなぁ。賭博法違反、罰金が払えなければ、あなたは逮捕だ。」
「そ、そんな…。」
「知ってます?あなたが賭けで負かした相手達、皆がイカサマだ、1億だまし取られた、と言って集団訴訟を起こす準備をしているそうですよ?」
「なっ!?そんな…。」
「きっと長い裁判になるでしょうなぁ。マジックショーだけをやっていればいいものを、実にもったいない。」
「う、うわぁぁぁぁ!!」
すべては流星の計画通りだった。流星はウィンスターのギャンブル相手に電話をかけただけだ。あなた達はウィンスターにイカサマで負けた、言わば被害者だ。1億円取り返したくないですか?精神的苦痛を受けた慰謝料、欲しくないですか?と。
後はほとんど回収見込みのない13億の借用書を百夜からもらう。流星は借用書を闇金に安値で売り渡し、こうメッセージを添える。
「借金を返したかったら蓮華大学に入って一発当てるしかない。大学ならギャンブルは合法化されている。そこから這い上がってこい」と。
実際的にはそれはほとんどムリな話。
裁判の間もどんどんと雪だるま式に増えていく借金。お金があればギャンブルの相手に慰謝料も払わないといけない。
それに大学にはギャンブルの猛者達がいっぱいいる。這い上がる事自体が難しいのだ。
流星はウィンスターに三行半を突きつけただけでなく、自分に逆らえば合法的に始末する、と周りの人間に思い知らせたのだ。
勘のいい人ならわかるだろう。
百夜VSウィンスター。
ウィンスターの敗北である。
百夜が言う。
「どうかしら?ウィンスターさん。あなたの財産は全然残ってないわね。借用書にサインするだけで100億お貸しいたしますわ。さぁ!人生一発大逆転を狙いましょう!」
「ひぃっ!」
「ところでこんな法律はご存知?人間は皆、最低限の生活は保証されてるって。100億借金があろうが最低限の生活はできるのよ?どうですか?落ちるならとことん落ちようじゃありませんか?」
「ひぃぃぃぃ!か、勘弁してくれ!」
百夜は冷めた目で見下ろす。
「なぁ~んだ。つまらない男。」
百夜はスマホを取り出し流星に連絡する。
「もしもし、流星君?約束通りウィンスターのお金を搾り取ったわ。ちょっとキリが悪かったけど13億の借用書も書かせたわ。」
ウィンスターは思う。
(何だ?何の電話をしている?やっぱりこの女、早乙女と繋がっていたのか!?)
「貴様ぁ!!」
「きゃっ!」
次の瞬間、ウィンスターは関節技を決められSPに取り押さえられていた。
「大丈夫か!?百夜!!」
心配そうに言う流星。
百夜は平然と答えた。
「大丈夫よ。ウチのSPが取り押さえたから。えっ?それはいいけど…。勝負?う~ん、まあまあかしらね。それなりに楽しめたわ。じゃ、また連絡するわね。」
百夜は電話を切った。
ウィンスターが怒鳴る。
「貴様!嘘をついていたのか!?」
「私は嘘をついてないわ。イカサマだってしてないし。」
「早乙女の飼い犬ではないと言っただろ!?」
「そうね、飼い犬ではないわ。ギャンブルで出た利益の半分をよこせ、でしたっけ?そんなふざけた条件のむ必要ないものね。フフフ…。」
「なっ!?本当に飼い犬ではない?それならさっきの電話は…?」
「私と流星君の関係を疑うのなら言っておくわ。私は流星君とはお友達のようなものよ。対等な立場なのよ。わかる?それよりあなた、自分の心配をした方がいいわ。何しろ流星君を裏切ったのだから…。」
百夜はSPに言う。
「もうこの男には用はないわ。つまみ出してちょうだい。」
桜川邸を放り出されたウィンスターを待ち構えていたかのように警察官が近づいてきた。
「匿名で通報がありました。あなたが出演している番組で公然とギャンブルをしていると。署まで同行願えますね?」
警察での取り調べ。
「困りますねぇウィンスターさん。テレビ番組を使ってギャンブルをされては。立派な犯罪ですよ?」
ウィンスターが力なく答える。
「あれは…プロデューサーに…無理矢理…。」
「無理矢理のようには見えませんなぁ。しかも素人さんを相手に嬉々として喜んでいるように見えますなぁ。賭博法違反、罰金が払えなければ、あなたは逮捕だ。」
「そ、そんな…。」
「知ってます?あなたが賭けで負かした相手達、皆がイカサマだ、1億だまし取られた、と言って集団訴訟を起こす準備をしているそうですよ?」
「なっ!?そんな…。」
「きっと長い裁判になるでしょうなぁ。マジックショーだけをやっていればいいものを、実にもったいない。」
「う、うわぁぁぁぁ!!」
すべては流星の計画通りだった。流星はウィンスターのギャンブル相手に電話をかけただけだ。あなた達はウィンスターにイカサマで負けた、言わば被害者だ。1億円取り返したくないですか?精神的苦痛を受けた慰謝料、欲しくないですか?と。
後はほとんど回収見込みのない13億の借用書を百夜からもらう。流星は借用書を闇金に安値で売り渡し、こうメッセージを添える。
「借金を返したかったら蓮華大学に入って一発当てるしかない。大学ならギャンブルは合法化されている。そこから這い上がってこい」と。
実際的にはそれはほとんどムリな話。
裁判の間もどんどんと雪だるま式に増えていく借金。お金があればギャンブルの相手に慰謝料も払わないといけない。
それに大学にはギャンブルの猛者達がいっぱいいる。這い上がる事自体が難しいのだ。
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