JOKER

ひまじん

文字の大きさ
上 下
14 / 28

14

しおりを挟む
流星は続けて言う。
「イカサマ宣言だ。オレの手札は覗かれている。オレの後ろにカメラがないって事は、一見防犯カメラのように見える、監視カメラが見ていた。違うか!?」
ディーラーが認める。
「イカサマ宣言成立。ウィンスター様ペナルティー5億。先程と合わせて10億です。」
ウィンスターは驚いた。イカサマを使いながら勝つつもりが逆に利用されていた事に。
佐々木が怒った。
「ウィンスター!貴様、このままで済むと思うなよ!早乙女だってイカサマしているに決まってるんだ。早乙女のイカサマを見破ってプライドをへし折ってやれ!」
流星が口をはさむ。
「場外乱闘は他でやれ。この部屋の防犯カメラを全部塞ぐんだ。」
ウィンスターには既にわかっていた。この勝負、早乙女には勝てないと。勝負を降りるなら今しかなかった事を。
だが雇い主の佐々木はやれと言っている。今までの勝負を注意深く見ていても早乙女に怪しい動きはない。
防犯カメラを全て布で塞ぎ勝負が続いた。
流星がここぞとばかりに勝負に出る。
「ロイヤルストレートフラッシュ。」
「ロイヤルストレートフラッシュ。」
「ロイヤルストレートフラッシュ。」
流星は3回ともに続けてロイヤルストレートフラッシュを出した。明らかにウィンスターを挑発している。
(くっ!コイツッ!)
佐々木が怒鳴る。
「どうした、ウィンスター!これは明らかにイカサマだろうが!さっさとイカサマ宣言しろ!」
ウィンスターはイカサマの手段がわからない。
死神は笑う。
「キャハハ!見抜けるわけないじゃん。だって流星はイカサマなんてしてないもん。もちろん私だって手を貸してないよん。純然たる引きの強さ。ホント流星ってス・テ・キ♪」
佐々木が再度、怒鳴る。
「ウィンスター!!」
ウィンスターはしぶしぶ言う。
「イカサマ宣言だ。」
流星は余裕で言う。
「ふ~ん。さて何がイカサマなんだ?カードを調べるか?それともオレの体を調べるか?」
「両方調べる。」
だがいくら調べてもイカサマは見抜けない。カードも徹底して調べた。
佐々木が言う。
「ウィンスター!もういい!オレが調べる!早乙女、服を脱げ!」
流星はトランクス1枚の姿になった。
佐々木は必死になって服を調べる。だが何も出てこない。
「早乙女!トランクスも脱げ!」
「断る。何が悲しくて皆の前でストリップしなきゃならねぇんだ?」
「フハハ!やっぱりそのトランクスか!?いいから脱げ!」
「そこまで言うなら覚悟できてんだろうな?トランクスを脱いでも何もなかったんならペナルティー10億だ!」
「な、何ぃ!?」
「佐々木よぉ、皆の前で恥かかせておいてタダって事はねぇだろ?加えてオレの勝負の相手はウィンスターであってアンタじゃない。ウィンスターがさらにイカサマ宣言するなら、そして何も出てこないならお手つき10億のペナルティーは当然だろうがよぉ。」
流星の目が青く光る。
ウィンスターが口をはさむ。
「佐々木さん。私はプロのマジシャンだ。だからこそ、たかがトランクス1枚の為にさらに5億を支払う意味はない。トランクスにはイカサマは仕掛けられてませんよ。それでも調べると言うなら私に命令して下さい。更なるイカサマ宣言を。」
流星がニヤリと笑う。
「さぁ!トランクス1枚に5億支払うか?早く決めろ。さぁ!」
佐々木は悔しがる。
「くそぉぉぉぉ!!!」
ディーラーが勝負終了を宣言した。
「決着です。勝者、早乙女流星様。ウィンスター様12億5千万の支払い。加えてペナルティー15億の支払い。合計27億5千万の支払いです。」
流星が余裕しゃくしゃくで言う。
「今の世の中便利だよなぁ。ネットで支払いがチョチョイだ。さぁ!入金してもらうぜ。」
ウィンスターが佐々木に言う。
「佐々木さん。私の負け分はあなたが支払う約束だ。加えて私へのギャラ1億も支払ってもらいますよ。」
佐々木がハッとする。
「ま、まさかお前らグルじゃねぇだろうな?」
ウィンスターが呆れて言う。
「佐々木さん。私もプロだ。依頼人を貶める行為を行ってもこの世界じゃ生きていけなくなる。それでも疑うならギャンブルしますか?私と早乙女が繋がっているのかどうか、の賭けだ。佐々木さんと私との賭け。賭け金は20億。それでも調べるならご自由に。」
「に、20億!?」
「あなたは私のマジシャンとしてのプライドもギャンブラーとしてのプライドも疑う事になる。20億くらい当たり前でしょう?」
「じょ、冗談じゃない!これ以上財産を失ってたまるか!」
「それが懸命です。プロを疑うならそれなりに覚悟してもらわないと、あなたの方がこの世界でやっていけなくなりますからね。
では、私はこれで失礼します。」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》

小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です ◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ ◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます! ◆クレジット表記は任意です ※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください 【ご利用にあたっての注意事項】  ⭕️OK ・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用 ※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可 ✖️禁止事項 ・二次配布 ・自作発言 ・大幅なセリフ改変 ・こちらの台本を使用したボイスデータの販売

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤマネ姫の幸福論

ふくろう
青春
秋の長野行き中央本線、特急あずさの座席に座る一組の男女。 一見、恋人同士に見えるが、これが最初で最後の二人の旅行になるかもしれない。 彼らは霧ヶ峰高原に、「森の妖精」と呼ばれる小動物の棲み家を訪ね、夢のように楽しい二日間を過ごす。 しかし、運命の時は、刻一刻と迫っていた。 主人公達の恋の行方、霧ヶ峰の生き物のお話に添えて、世界中で愛されてきた好編「幸福論」を交え、お読みいただける方に、少しでも清々しく、優しい気持ちになっていただけますよう、精一杯、書いてます! どうぞ、よろしくお願いいたします!

オタク病

雨月黛狼
キャラ文芸
オタクを公にできない窮屈な青春時代を送った人たちへ 生粋のオタクである猪尾宅也は日々、オタク活動に励んでいた。 しかし、現代では二次元に没頭している人たちを「社会性欠乏障害」通称「オタク病」という病気と診断される。 そんなオタクとして生きづらい世界で宅也は同じくオタク病の少女、久遠環に出会う。 環の手助けをしたのち、告白をされる。 環の目的はこの世界からオタクの差別をなくすこと。 それを、宅也とともに遂行してゆく。 これは、オタクが究極のフィクションを求める新感覚コメディ。 ぜひ、よろしくお願いします。

処理中です...