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翌日、会社内、特に三課は緊張に包まれていた。
怖い。恐ろしい…。
死神は面白そうに見ている。
皆の恐怖が見て取れるのだ。
そしてそれは流星があらかじめ予想していた通りだった。
「ホント、面白いほど流星の言った通りになってく。流星の勝ちルート確定ね。」
流星も相づちを打つように笑う。
「フフフ…。」
そして午後16時頃、流星に来客があった。
「流星君。ロビーでお客様がお待ちよ。」
「うっす。」
そして流星が部屋から出た途端、皆大きくため息をついた。
「ハァ~~。もう流星君がいるだけで肩こっちゃう。」
「怖すぎよ。」
「会長も逆らえないってどういう事よ。普通逆でしょ?」
「蓮華高校の裏番ってホントだったんだ。」
「肝が据わってるわけだよな。」
コソコソ話してるところに流星が戻ってきた。
「は~い。2名様ご案内~。」
蓮華高校の制服を着た2名の生徒が三課に入ってきた。
(部外者を入れるなー!)
心を覗かなくても気持ちはすぐにわかる。
そんな事に構わず流星は言う。
「はい、お二人さん、自己紹介。」
1人の男子生徒が挨拶する。
「うっす。蓮華高校2年の横井一馬っす。」
もう1人の女子生徒も挨拶する。
「同じく蓮華高校2年の桜木夢乃です。」
星野が一応軽く注意する。
「流星君、ここ一応部外者立ち入り禁止だから、ね?」
横井が驚く。
「うわ~。早乙女先輩に意見するなんてすごいっすね。」
星野が慌てる。
「意見じゃなくて、あの、その、社外秘の書類もあるし…。」
流星が言う。
「星野さん、まぁいいじゃないっすか。この二人はオレのツレで情報を漏らしたりしないっすよ。社会見学だと思えば。」
「社会見学…。あ、そう?じゃ、ゆっくりしていって。」
星野はそそくさと自分のデスクに戻っていった。
夢乃が言う。
「それにしてもアレねぇ。」
横井も頷く。
「アレだな。」
犬山が聞いてみた。
「アレって何?」
夢乃が答える。
「皆さん、負け犬根性丸出しだなって。」
横井も口をはさむ。
「早乙女先輩が怖いってのはわかりますよ。でも仲間になってもらえたら、これ以上ないくらい頼りがいあるっしょ?」
夢乃が言う。
「怖い怖いって逃げてるだけじゃ、何も変わらない、と。
早乙女先輩、私達の感想はこんな感じだけど、知りたかったのはそれだけ?」
流星が答える。
「ああ、それだけだ。お前達二人にそう見えるんなら間違いないだろ。」
横井が言う。
「それにしても入社早々にシメちゃうなんて、やっぱすごいっすね。これが早乙女先輩の言ってた種っすか?」
「ん?違うぞ。種は全くの別物だ。それよりお前らの手をわずらわせて悪かったな。ロビーで待っててくれ。夕飯おごるわ。」
「ラッキー♪」
「オレ17時であがるからよ。時間つぶしといてくれ。」
きっかけはほんの二言三言。でも流星にはちゃんと意味がある。横井と夢乃がロビーに戻ったあと、自分も飲み会に参加させてくれと三課の人間のほとんどが言ってきたのだ。
誰もが負け犬になりたくない、勝ち馬に乗りたいという気持ちになってもおかしくないだろう。
その中に青木もいた。
もっとも青木に選択権などない。
流星が来いと言うと行くしかないのだ。
怖い。恐ろしい…。
死神は面白そうに見ている。
皆の恐怖が見て取れるのだ。
そしてそれは流星があらかじめ予想していた通りだった。
「ホント、面白いほど流星の言った通りになってく。流星の勝ちルート確定ね。」
流星も相づちを打つように笑う。
「フフフ…。」
そして午後16時頃、流星に来客があった。
「流星君。ロビーでお客様がお待ちよ。」
「うっす。」
そして流星が部屋から出た途端、皆大きくため息をついた。
「ハァ~~。もう流星君がいるだけで肩こっちゃう。」
「怖すぎよ。」
「会長も逆らえないってどういう事よ。普通逆でしょ?」
「蓮華高校の裏番ってホントだったんだ。」
「肝が据わってるわけだよな。」
コソコソ話してるところに流星が戻ってきた。
「は~い。2名様ご案内~。」
蓮華高校の制服を着た2名の生徒が三課に入ってきた。
(部外者を入れるなー!)
心を覗かなくても気持ちはすぐにわかる。
そんな事に構わず流星は言う。
「はい、お二人さん、自己紹介。」
1人の男子生徒が挨拶する。
「うっす。蓮華高校2年の横井一馬っす。」
もう1人の女子生徒も挨拶する。
「同じく蓮華高校2年の桜木夢乃です。」
星野が一応軽く注意する。
「流星君、ここ一応部外者立ち入り禁止だから、ね?」
横井が驚く。
「うわ~。早乙女先輩に意見するなんてすごいっすね。」
星野が慌てる。
「意見じゃなくて、あの、その、社外秘の書類もあるし…。」
流星が言う。
「星野さん、まぁいいじゃないっすか。この二人はオレのツレで情報を漏らしたりしないっすよ。社会見学だと思えば。」
「社会見学…。あ、そう?じゃ、ゆっくりしていって。」
星野はそそくさと自分のデスクに戻っていった。
夢乃が言う。
「それにしてもアレねぇ。」
横井も頷く。
「アレだな。」
犬山が聞いてみた。
「アレって何?」
夢乃が答える。
「皆さん、負け犬根性丸出しだなって。」
横井も口をはさむ。
「早乙女先輩が怖いってのはわかりますよ。でも仲間になってもらえたら、これ以上ないくらい頼りがいあるっしょ?」
夢乃が言う。
「怖い怖いって逃げてるだけじゃ、何も変わらない、と。
早乙女先輩、私達の感想はこんな感じだけど、知りたかったのはそれだけ?」
流星が答える。
「ああ、それだけだ。お前達二人にそう見えるんなら間違いないだろ。」
横井が言う。
「それにしても入社早々にシメちゃうなんて、やっぱすごいっすね。これが早乙女先輩の言ってた種っすか?」
「ん?違うぞ。種は全くの別物だ。それよりお前らの手をわずらわせて悪かったな。ロビーで待っててくれ。夕飯おごるわ。」
「ラッキー♪」
「オレ17時であがるからよ。時間つぶしといてくれ。」
きっかけはほんの二言三言。でも流星にはちゃんと意味がある。横井と夢乃がロビーに戻ったあと、自分も飲み会に参加させてくれと三課の人間のほとんどが言ってきたのだ。
誰もが負け犬になりたくない、勝ち馬に乗りたいという気持ちになってもおかしくないだろう。
その中に青木もいた。
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流星が来いと言うと行くしかないのだ。
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