JOKER

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蓮華高校、蓮華大学、共にギャンブルが合法化された学校。政財界における勝負強さと運と度胸を養う為に作られた高校を、今、卒業しようとする18歳の学生がいた。
蓮華高校で自らを影武者と名乗り、実質高校の裏番として君臨していた男子生徒。名を早乙女流星。
流星は「勝負するなら社会人になってから」を信条とし、大学には進学せず、養父のコネで養父が会長を務める丸大商事に入社した。

この物語は、早乙女流星を取り巻く人間模様を描いたストーリーである。

朝、出勤前に朝食を養父、養母と共にとる流星。
養父が流星に言う。
「流星。お前が高校で家畜、下僕として搾取される側じゃなかったのは嬉しいが、これからは一社会人なんだ。ギャンブルも合法化されていない。くれぐれも会社でギャンブルなんてするんじゃないぞ。お前には期待しているんだ。会社を改革させて利益を上げてもらいたい。」
流星は朝食を食べながら返事をする。
「わかってるよ、父さん。」
その様子を見ていた死神がクスクス笑う。死神の姿は流星にしか見えず、声も流星にしか聞こえない。
「アハハ。流星がそんなに小さく縮こまってるわけないじゃん。アンタらは親なのに何にもわかってない。」
見えず聞こえない事をいい事に、死神は養父の周りをウロチョロする。
流星が死神にテレパシーを送る。
「うるせぇぞ死神。静かにしていろ。」
「いいじゃん。どうせ聞こえないんだし。」
「気が散るんだよ。」
「は～い。」

死神、とは言っても何も命や魂と引き換えに取引をしているわけではない。
死神は流星に取り憑いて、流星の人生を観察しているのである。