77 / 110
5
隙間の話3
しおりを挟む
ここは帝都の城にある、騎士団が使う会議室。
今日の会議室は騎士団三番隊が机を出して、資料を書き出しては地道にまとめていた。
「ビーチバレーしない」
机に突っ伏していた一人の隊員、サテツが根を上げるように顔を上げてはそう言った。
しかし、周りは彼の言葉に賛同する者はおらず黙々とペンの先を滑らした。
「なぁ~、ロードリック。お前もそう思うだろ」
サテツはそう隣に座る者に訴えてみるが手を払い拒絶される。
「駄目だ」
「なんでぇ、やろうぜ。ビーチバレー」
「そもそも、海にも来ていないのにどこでするつもりだ」
「もちろん、ここで」
「論外」
ロードリックは無視をして筆を進めた。しかし、諦めることなく机の下から、もう膨らんでいるビーチボールを取り出した。
隊員達は思う『だから、トイレの時間が長かったのか』と丸いビーチボールを白い目で見た。
「だって、聞いてくれよ。この前さぁ、同期が彼女と海に行くんだとか、自慢してきたんだよ。絶対、俺たちが海に行けないの分かってっだよねぇ!」
ビーチボールを腕で囲んでは再び机の上に突っ伏し、悲痛の声がビニールによってくぐもった。
騎士団が各々長期休暇の中、三番隊はある理由があって夏休みを返上してまで書きものに追われていたのだ。
「海行きたい! 波打ち際で女子とバシャバシャしたいー」
「そう思うなら、手を動かせ。それが一番の近道だ」
ロードリックは項垂れるサテツの頭の上に本を置く。本は揺れるが、どうにか平行を保っていた。
サテツも分かっていた、これが終われなければ海どころの話ではないと。このままでは休日だって危うい。
「くそっ……はぁ、イナミ隊長も腕立て追加100回とかにしてくれれば、喜んでするのに」
「そういう事だろ。罰にならないから、こうやって、その場を動けない書類整理を任されているんだろ」
「理解ある鬼畜隊長だこと……違反一つでこんな事になるとは思わなかったな」
「そうだな。なぁ、レオンハルト」
ロードリックが投げかけたのは、向かいに座るレオンハルト。しかし返事はせず、レオンハルトは黙々と書類を分けてはファイルに挟んでいく。
「貴様が勝手な真似しなければ、こんな事にならなかったんだかな」
「ウッザ…….」
「ああ? 何か言ったか。黄色頭」
ポツリと溢した言葉に、針を刺すように睨みつけるロードリック。二人の間に剣幕が立ち込め始めて、まぁまぁと他の隊員達がなだめた。
「二人とも落ち着いて、あれはどっちが悪かったとかの話じゃないし」
「あの人達は助かったんだし。そもそも、手取りだ、なんだと、文句つけてくる奴らが間違っていると僕は思う」
「あの後、レオンハルトは隊長に一時間くらい絞られたから、責めるのはやめようぜ。それにもう終わったことだから」
二人が喧嘩になる前に隊員は口々に仕方なかったと言って落ちつかせた。
三番隊が休みを返上してまで仕事にする羽目になったのは、ある街での作戦の出来事である。
大型種の魔物退治がある街で行われる事になったのだが、今回は三番隊を含んだそれなりの騎士を動員した作戦が組まれた。
罠を張って最後の締めは一番隊が締めるという段取りであり、途中までは、上手くいっていた。
大型種を順調に罠に追い詰めたのだが、追い詰めたその先に居ないはずの人達がいたからだ。
作戦する時に人払い済みだというのに、どこから入って来たのか、商業人達がせっせっと荷物を運んでいたのだ。
当然魔物には、騎士なのか、一般人であるか、の区別はつく訳もなく爪を尖らせ襲いかかった。
イレギュラーな事態に三番隊はすぐに作戦を変更し、住民を守る事に専念した。
魔物は大型種と小型種の群れ。そんな中、人助けをしながら魔物と戦う事は不可能に近く、簡単に荷馬車は壊され三番隊は苦戦を強いられた。
一番の戦力である三番隊長のイナミは人助けに深い傷を負い。呼んだ応援が来るまで耐えるしかない。
と思われた時だった、レオンハルトが単独で動き、周り一帯の建物を切り裂き大型種を一刀両断してしまったのだ。
街と大型の魔物は二つに割れ、小型は他の隊員達によって蹴散らされた。
ここで騎士団が目的は達成する事ができたのだが……、手取りになるはずだった一番隊から、罠をせっかく仕掛けた魔術師の隊から、街の被害、統率を欠く行為だと他の隊からも責められる事となった。
では、騎士団を乱した三番隊はどうすればいいのか。簡単である、責任という名の罰を受ける事である。
三番隊は、夏休みを返上し仕事をするという、不祥事の反省をする事となった。
「じゃあ、俺達は何がいけなかったのかだ。レオンハルト、パス」
「えっ」
サテツは本を頭から払うと、ビーチボールを両手で投げてレオンハルトの方に飛ばした。
レオンハルトは落ちてくるボールに思わず手をついて、上に飛ばす。
高く上がったボールは横に流れて、隣にいた隊員がボールをはたいて斜めにいた者に飛ばした。
そこから、ロードリック以外の隊員達によって打ち上げて飛ばすというボールリレーが続いていく。
「そう何が間違えだったのか。偶然住民がいた事か、三番隊が作戦を無視したことか……俺は違うと思う。というか皆も何となく気付いていると思うけど、単純に」
「戦力不足……」
「そうなんだよ、ロードリック。言ってしまえば、あの時、人助けがどうこうじゃなくて俺達が足手纏いすぎた。もっと言えば、イナミ隊長が一人の方が良かったと思うよ」
隊員達も一斉に頷いた。
サテツはロードリックにボールを投げれば、隊員達と同じようにボールを飛ばす。
「ずっとイナミ隊長の立ち回りが、俺たちの方も気にしつつ、魔物と戦い、人助け、三つを忙しなくやっていたわけだ」
「結果、魔物に押されてレオンハルトが前に出る事になった……分かってる、文句ぐらいは言わせてくれ」
「まぁ、文句が言いたくなるのは仕方ないか」
サテツは苦笑う。全てがレオンハルトのせいではないとは、ロードリックは分かっていても、他の部隊からイナミ隊長が散々責められたと知っているから、口から不満が流れてくるのは止められなかった。
「じゃあ、俺たちのするべき事は何か、ーーーそれはここでビーチバレーをする事だ」
『それは意味がわからない』と隊員達はサテツの方に振り向く。
「意味はあるよ。結束力を高めるという、思い出作り。お互いの事を知らないといけないと思う」
「思い出って……これ見つかったら、イナミ隊長に叱られますよ」
「その時はその時だ。他の仕事に囚われて今日も来ないとみた!」
レオンハルトは呆れ、サテツは笑う。大丈夫か、と思いながら隊員はボールリレーを続けていた。
「うっ!」
続けているとレオンハルトが飛ばしたボールが丁度ロードリックの顔面を弾く。
ロードリックはボールを掴み取り、レオンハルトに怒りを飛ばす。
「おい、こら! 貴様は何しやがる」
「わざとじゃない、たまたまだ」
「嘘つけや、絶対さっきの仕返しだろ」
サテツが「あーあー、喧嘩するな」と仲裁に入る中、ボールを強く掴んだままロードリックはレオンハルトの勢いよく顔面に投げた。
飛んでくるのが分かっていたレオンハルトは、腕でボールを防ぐ。
「本当にすいません。忙しい中わざわざ資料を貸していただいてありがとうございます」
「いえ、お互いさまですし、いつでも言ってください。あとは、アルバン隊長に資料集めくらいはしてくださいと言っておいてっ!」
イナミは二番隊に所属するヤイトとそんな会話しつつ会議室の扉を開けた瞬間に、柔らかいビーチボールが顔にめり込んだ。
その光景を、目を見開いて呆然と見ている隊員達。
「……」
誰もが声を失った瞬間。
イナミはボールが地面に落ちる前に掴み取り、勢い良くレオンハルトに投げつけた。
小粋のいい音を鳴らしてボールを受けたレオンハルトは「っ!」と息を詰まらせて無言で椅子から転げ落ちる。受け止められず弾かれたビーチボールは床に跳ねて壁にぶつかった。
「こんな所で遊ぶとはいい度胸だな」
部屋に入ってくるイナミ。無の表情だというのに、体から真っ黒いオーラのようなもの出しては威圧する。それに圧倒された隊員達は冷や汗をかいて縮こまった。
「……これはサテツだな」
「えへへっ、すいませんでしたっ!」
サテツと隊員達は頭を下げて必死に許しを乞う。
「ビーチバレーしたいんだろ」
「あの……参考資料」ヤイトの震えながら手を伸ばしたが誰にも届かず。
そして、足元に転がってきたビーチボールを再び鷲掴みするイナミに笑顔はない。
あれから、会議室から大きな悲鳴が聞こえたとか、聞こえなかったとか。
とりあえず、夏を味わう為に三番隊は仲良くドッヂボールをしたとかーーー
今日の会議室は騎士団三番隊が机を出して、資料を書き出しては地道にまとめていた。
「ビーチバレーしない」
机に突っ伏していた一人の隊員、サテツが根を上げるように顔を上げてはそう言った。
しかし、周りは彼の言葉に賛同する者はおらず黙々とペンの先を滑らした。
「なぁ~、ロードリック。お前もそう思うだろ」
サテツはそう隣に座る者に訴えてみるが手を払い拒絶される。
「駄目だ」
「なんでぇ、やろうぜ。ビーチバレー」
「そもそも、海にも来ていないのにどこでするつもりだ」
「もちろん、ここで」
「論外」
ロードリックは無視をして筆を進めた。しかし、諦めることなく机の下から、もう膨らんでいるビーチボールを取り出した。
隊員達は思う『だから、トイレの時間が長かったのか』と丸いビーチボールを白い目で見た。
「だって、聞いてくれよ。この前さぁ、同期が彼女と海に行くんだとか、自慢してきたんだよ。絶対、俺たちが海に行けないの分かってっだよねぇ!」
ビーチボールを腕で囲んでは再び机の上に突っ伏し、悲痛の声がビニールによってくぐもった。
騎士団が各々長期休暇の中、三番隊はある理由があって夏休みを返上してまで書きものに追われていたのだ。
「海行きたい! 波打ち際で女子とバシャバシャしたいー」
「そう思うなら、手を動かせ。それが一番の近道だ」
ロードリックは項垂れるサテツの頭の上に本を置く。本は揺れるが、どうにか平行を保っていた。
サテツも分かっていた、これが終われなければ海どころの話ではないと。このままでは休日だって危うい。
「くそっ……はぁ、イナミ隊長も腕立て追加100回とかにしてくれれば、喜んでするのに」
「そういう事だろ。罰にならないから、こうやって、その場を動けない書類整理を任されているんだろ」
「理解ある鬼畜隊長だこと……違反一つでこんな事になるとは思わなかったな」
「そうだな。なぁ、レオンハルト」
ロードリックが投げかけたのは、向かいに座るレオンハルト。しかし返事はせず、レオンハルトは黙々と書類を分けてはファイルに挟んでいく。
「貴様が勝手な真似しなければ、こんな事にならなかったんだかな」
「ウッザ…….」
「ああ? 何か言ったか。黄色頭」
ポツリと溢した言葉に、針を刺すように睨みつけるロードリック。二人の間に剣幕が立ち込め始めて、まぁまぁと他の隊員達がなだめた。
「二人とも落ち着いて、あれはどっちが悪かったとかの話じゃないし」
「あの人達は助かったんだし。そもそも、手取りだ、なんだと、文句つけてくる奴らが間違っていると僕は思う」
「あの後、レオンハルトは隊長に一時間くらい絞られたから、責めるのはやめようぜ。それにもう終わったことだから」
二人が喧嘩になる前に隊員は口々に仕方なかったと言って落ちつかせた。
三番隊が休みを返上してまで仕事にする羽目になったのは、ある街での作戦の出来事である。
大型種の魔物退治がある街で行われる事になったのだが、今回は三番隊を含んだそれなりの騎士を動員した作戦が組まれた。
罠を張って最後の締めは一番隊が締めるという段取りであり、途中までは、上手くいっていた。
大型種を順調に罠に追い詰めたのだが、追い詰めたその先に居ないはずの人達がいたからだ。
作戦する時に人払い済みだというのに、どこから入って来たのか、商業人達がせっせっと荷物を運んでいたのだ。
当然魔物には、騎士なのか、一般人であるか、の区別はつく訳もなく爪を尖らせ襲いかかった。
イレギュラーな事態に三番隊はすぐに作戦を変更し、住民を守る事に専念した。
魔物は大型種と小型種の群れ。そんな中、人助けをしながら魔物と戦う事は不可能に近く、簡単に荷馬車は壊され三番隊は苦戦を強いられた。
一番の戦力である三番隊長のイナミは人助けに深い傷を負い。呼んだ応援が来るまで耐えるしかない。
と思われた時だった、レオンハルトが単独で動き、周り一帯の建物を切り裂き大型種を一刀両断してしまったのだ。
街と大型の魔物は二つに割れ、小型は他の隊員達によって蹴散らされた。
ここで騎士団が目的は達成する事ができたのだが……、手取りになるはずだった一番隊から、罠をせっかく仕掛けた魔術師の隊から、街の被害、統率を欠く行為だと他の隊からも責められる事となった。
では、騎士団を乱した三番隊はどうすればいいのか。簡単である、責任という名の罰を受ける事である。
三番隊は、夏休みを返上し仕事をするという、不祥事の反省をする事となった。
「じゃあ、俺達は何がいけなかったのかだ。レオンハルト、パス」
「えっ」
サテツは本を頭から払うと、ビーチボールを両手で投げてレオンハルトの方に飛ばした。
レオンハルトは落ちてくるボールに思わず手をついて、上に飛ばす。
高く上がったボールは横に流れて、隣にいた隊員がボールをはたいて斜めにいた者に飛ばした。
そこから、ロードリック以外の隊員達によって打ち上げて飛ばすというボールリレーが続いていく。
「そう何が間違えだったのか。偶然住民がいた事か、三番隊が作戦を無視したことか……俺は違うと思う。というか皆も何となく気付いていると思うけど、単純に」
「戦力不足……」
「そうなんだよ、ロードリック。言ってしまえば、あの時、人助けがどうこうじゃなくて俺達が足手纏いすぎた。もっと言えば、イナミ隊長が一人の方が良かったと思うよ」
隊員達も一斉に頷いた。
サテツはロードリックにボールを投げれば、隊員達と同じようにボールを飛ばす。
「ずっとイナミ隊長の立ち回りが、俺たちの方も気にしつつ、魔物と戦い、人助け、三つを忙しなくやっていたわけだ」
「結果、魔物に押されてレオンハルトが前に出る事になった……分かってる、文句ぐらいは言わせてくれ」
「まぁ、文句が言いたくなるのは仕方ないか」
サテツは苦笑う。全てがレオンハルトのせいではないとは、ロードリックは分かっていても、他の部隊からイナミ隊長が散々責められたと知っているから、口から不満が流れてくるのは止められなかった。
「じゃあ、俺たちのするべき事は何か、ーーーそれはここでビーチバレーをする事だ」
『それは意味がわからない』と隊員達はサテツの方に振り向く。
「意味はあるよ。結束力を高めるという、思い出作り。お互いの事を知らないといけないと思う」
「思い出って……これ見つかったら、イナミ隊長に叱られますよ」
「その時はその時だ。他の仕事に囚われて今日も来ないとみた!」
レオンハルトは呆れ、サテツは笑う。大丈夫か、と思いながら隊員はボールリレーを続けていた。
「うっ!」
続けているとレオンハルトが飛ばしたボールが丁度ロードリックの顔面を弾く。
ロードリックはボールを掴み取り、レオンハルトに怒りを飛ばす。
「おい、こら! 貴様は何しやがる」
「わざとじゃない、たまたまだ」
「嘘つけや、絶対さっきの仕返しだろ」
サテツが「あーあー、喧嘩するな」と仲裁に入る中、ボールを強く掴んだままロードリックはレオンハルトの勢いよく顔面に投げた。
飛んでくるのが分かっていたレオンハルトは、腕でボールを防ぐ。
「本当にすいません。忙しい中わざわざ資料を貸していただいてありがとうございます」
「いえ、お互いさまですし、いつでも言ってください。あとは、アルバン隊長に資料集めくらいはしてくださいと言っておいてっ!」
イナミは二番隊に所属するヤイトとそんな会話しつつ会議室の扉を開けた瞬間に、柔らかいビーチボールが顔にめり込んだ。
その光景を、目を見開いて呆然と見ている隊員達。
「……」
誰もが声を失った瞬間。
イナミはボールが地面に落ちる前に掴み取り、勢い良くレオンハルトに投げつけた。
小粋のいい音を鳴らしてボールを受けたレオンハルトは「っ!」と息を詰まらせて無言で椅子から転げ落ちる。受け止められず弾かれたビーチボールは床に跳ねて壁にぶつかった。
「こんな所で遊ぶとはいい度胸だな」
部屋に入ってくるイナミ。無の表情だというのに、体から真っ黒いオーラのようなもの出しては威圧する。それに圧倒された隊員達は冷や汗をかいて縮こまった。
「……これはサテツだな」
「えへへっ、すいませんでしたっ!」
サテツと隊員達は頭を下げて必死に許しを乞う。
「ビーチバレーしたいんだろ」
「あの……参考資料」ヤイトの震えながら手を伸ばしたが誰にも届かず。
そして、足元に転がってきたビーチボールを再び鷲掴みするイナミに笑顔はない。
あれから、会議室から大きな悲鳴が聞こえたとか、聞こえなかったとか。
とりあえず、夏を味わう為に三番隊は仲良くドッヂボールをしたとかーーー
31
ここまでの長編を最後までお読みいただきありがとうございます100お気に入りありがとうございます
お気に入りに追加
124
あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
【完結】「私は善意に殺された」
まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。
誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。
私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。
だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。
どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿中。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる