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七話 寝室
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廊下を薄らと照らすオレンジの電灯が、肌寒い夜には温かみのある灯りが丁度いい。
レオンハルトの部屋は壁一枚の隔てたすぐ隣。良い反応は得られないだろうが、とりあえずノックをしつつ声をかけてみた。
「レオンハルト、気分はどうだ。作ってもらった粥があるんだけど食べないか」
返事がないーーーと思われたがだいぶ拍数が置いてから重苦しい掠れた声が聞こえた。
「……落ち着いて平気だから、今日はこのまま寝るよ」
入ってくるな。お腹が空いているところに粥を持って行き中に入るという、単純な作戦は上手くはいかなかったようだ。
声から察するに、症状は重くなっているように感じる。
「どうだ、リリィ。何か分かるか」
『風邪じゃ無い』
「……」
『冗談じゃん。顔を見ない限りはなんとも言えないけど、確実に症状が悪化しているね。無理矢理入ってみるのもいいんじゃない』
「無理矢理入っても良いのか、悪いのか」
相手は拒絶しているし、心身が弱っている所に無理矢理入って心情を掻き回すのは余計に悪化させる気がする。だから、最後のチャンスにもう一度だけ声をかけてみる。
「レオンハルト、顔だけでもいいから見せてくれないか」
これで無理だったら、この扉を蹴破るまでだ。
しかし、そんな荒事をせずともガチャリと音と共にドアノブが回り、扉がゆっくりと内側に開かれた。
「じゃあ、粥だけもらうよ。そこの机に置いてくれると嬉しい」
「中に入っても?」
「……うん、大丈夫」
血がのぼったような顔色は変わらず。息を吸うたびに窮屈に肩を揺らし、部屋に入って来た俺を避けては、できるだけ遠ざかるように部屋の端にとどまった。
レオンハルトの部屋の中は、借りた寝室とさほど変わらず。真ん中に大きなベッドと小さな机が一つ。違いは衣装ダンスがあるくらいだ。
出来るだけ動作はゆっくりと、状況を掴む為にも時間を稼ぐ。
『鼻につく甘い香りから、察するに薬品を調合した物かな。昔からあるやり方だねーーーこういった物は感覚の一部を麻痺させるとか』
「毒か……」
『毒の類で間違いないけど、何を麻痺させるか。殺すなら血反吐を吐かせた方が早いし。この効果の遅さに加えて症状は熱だけだし、生命の危機はなさそうだね」
粥をのせたトレーを小さな机に置いた。
遅効性の毒と考えてもいいのだろうか。わざわざここに来た彼女はレオンハルトに術をかけて、早々に帰った事となる。
何故彼女はレオンハルトに激怒したのだろうか。術がうまくいかなかったから、それとも、全てが演技で巧妙な罠であり弱ったところを襲うとしているのか。
「いや、違う。成功していたけど反応が返ってこなかったから彼女は怒ったんだ」
『……イナミ、後ろがやばいかも』
驚く暇も無かった。
トレーをのせた机上には骨張った手の平を広げられた。振り向こうにも、背中側から体重をかけられ前のめりなっては、同じく机に手をついた。
首に当たる髪の毛がこしょばゆい。一言も発さないレオンハルトから伝わるのは、こちらまで焼けるような体温と耐える様な湿っぽい息遣いだけ。
理性が無くなる術といったところか。
毒によって相手は酷く興奮している、出来るだけ逆鱗に触れない為にも、身動きは減らし声も低く抑える。
「息を吸え、深くゆっくりな」
言葉に従ってレオンハルトは大きく息を吸い、肺にいっぱいに空気溜めてから、細く長く息を吐いた。
「そうそう……」
しかし、息を整えたところで毒を体内から抜かなくては何の意味もない。
少し頭が冷える感覚を取り戻したレオンハルトは唾を詰まらせながら、やっと言葉を発する。
「イナっ違うっ。今、頭の中がめちゃくちゃで……自分でもよく分からなくて。ここをどうにか逃げてくれるかな」
「逃げろって言うけど」
本能のまま、両手を回され抱き抱えられた体。身を捩ってみたが、逃げる以前に足や手がまともに動かせないほどに強く絞められている。
「もう少し、力を緩められるか」
「分かってるんだけどっ……どうにか」
苦しそうに息をする、感情をどうにか抑えてくれているが、一向に抱えた力は抜けない。
逃げ出そうとすればするほど蔦の様に絡みついてくる。そして刻々と時間が経つほど、やっと手にした理性を少しずつ手放していくレオンハルト。自制のため噛んだ口端からは、血が溜まっていく。
『まだ、じっとしている方がいいんじゃない。術というか、この毒は時間経過で治るから動かない方がいいよ』
「言ってもな。こっちが圧死するのが先だな……レオンハルト、こちらの声が聞こえるなら腕はそのままでいいから体を後ろに引け」
すると、素直に体だけを引いたレオンハルト。その間には少しだけ隙間が出来る。
そこを狙って身を捻り、逆にこちらから飛びかかる様にレオンハルトの体に抱きついた。
ぶつかられた衝撃にレオンハルトは後方にバランスを崩しては、力を込めていた手を離す。足元を崩され、尻餅をついて倒れたレオンハルトは痛みに目を瞑る。
イナミも前へと倒れてはレオンハルトの腹の上に跨った。そして、手は動かさない様に腕に足を乗せて体重をかけながら見下ろす。
目の前で大股を開いて情けない格好ではあったが、目的の自由な動きは止められた。
「ーーー」
「ほらな、こっちの方が早く抜けた」
『無茶苦茶だね』とリリィから呆れた声が聞こえる。
「気分はどうだ、レオンハルト」
まん丸の目をぱちぱちとさせ呆然とこちらを見ているだけで返事はない。
景色が転回して、もう頭の中では整理つかないのだろう。
さて、どうやって対処したらいいんだろうか。このまま、毒が消えるまで拘束し続けるのはこちらの体力的に無理がある。
もう一度、正気に戻ってくれればシーツで体を縛られるのだが。
「……ちょう」
「どうした? 蝶々でも見え始めたか」
幻覚が見え始めたのか目線が合わず、目玉がいろんな方向を見始める。側から見れば恐いが、自分ではどうにもならない欲と戦っているのだから仕方がない。
「しっかりしろ、俺はここだからな」
「……」
「どうにかして自分を保て。今の俺ではお前を抑えらない」
そう声をかければ徐々に視線は戻り、そして再びこちらに視線が戻る。
本能のままに暴れられたら、体格差があるこの体では俺は確実に負ける。自分でどうにか理性を取り戻してほしい。
「そうそう、そのまま」
「ーーーイナミ隊長」
全身の力が抜けた気がした。その瞬間、視界が一気に逆転し灰色カーペットの床から、白い天井に移り変わる。
床に腰を打ち。次はレオンハルトに手首を取られ、股には足を置かれては、胴体に体重をかけられ動きを封じられた。
獲物を捕らえようとするギラついた目がこちらを見ている。
「っ、レオンハルト」
顔が近づいてきたと思えば、首元を分厚い舌で舐めとると、柔らかい喉元を唇で挟みハムハムと噛む。そして、また舐めるのを繰り返し。今、牙を剥かれたなら俺は死ぬ、そんな緊張感の中で自然と指先が震えてくる。
一層、緊張感を高めたのは膝に当たる硬くなった異物だ。理性が吹き飛んでいる状態。三大欲求の一つだから仕方ないと分かっているが、いざ押し付けられると感情が言い表せないほどに戸惑っている。
「ーーーしょっぱい」
人の首周りを舐め回して感想が、それか。
「……だろうな。俺は女じゃない、早く上から退け」
「……」
「おい、聞こえてうんっ……」
口の中でぬるりとした生暖かい感触が入ってきて、唇を奪われた。
血の味がする。レオンハルトが先ほど口端を噛んで食いしばっていたからだ。
血と痛み、快楽はない。雰囲気も何もないのに鼓膜に響く粘着音が頭をおかしくさせる。息継ぎも出来ないくらいの勢いに流されそうになった。
「いっ……た」
「レオンハルト、いい加減にしろ。目を覚ませ、目の前にいるのはっ!」
足が浮く。
レオンハルトは血を拭い、抵抗する余裕もなく手慣れた手つきで俺を抱き上げた。
「はなせっバカ」
手足をばたつかせて抵抗したものの、虚しくスプリングが弾む。相手の舌を噛んで、痛みに少しは冷静さを取り戻すかと思ったが、どうやら違った様だ。
『だから、言ったじゃん』
リリィの言う通りに抵抗すればするほど、彼の本能を揺さぶっていたようでもう彼に理性が残ってはいない。
シーツの海の中で、イナミは大人しくしておけばこうはならなかったと後悔する。
「イナミ隊長、お願いだから触らせて」
そして、全く違う体温が俺の肌に触れる。
レオンハルトの部屋は壁一枚の隔てたすぐ隣。良い反応は得られないだろうが、とりあえずノックをしつつ声をかけてみた。
「レオンハルト、気分はどうだ。作ってもらった粥があるんだけど食べないか」
返事がないーーーと思われたがだいぶ拍数が置いてから重苦しい掠れた声が聞こえた。
「……落ち着いて平気だから、今日はこのまま寝るよ」
入ってくるな。お腹が空いているところに粥を持って行き中に入るという、単純な作戦は上手くはいかなかったようだ。
声から察するに、症状は重くなっているように感じる。
「どうだ、リリィ。何か分かるか」
『風邪じゃ無い』
「……」
『冗談じゃん。顔を見ない限りはなんとも言えないけど、確実に症状が悪化しているね。無理矢理入ってみるのもいいんじゃない』
「無理矢理入っても良いのか、悪いのか」
相手は拒絶しているし、心身が弱っている所に無理矢理入って心情を掻き回すのは余計に悪化させる気がする。だから、最後のチャンスにもう一度だけ声をかけてみる。
「レオンハルト、顔だけでもいいから見せてくれないか」
これで無理だったら、この扉を蹴破るまでだ。
しかし、そんな荒事をせずともガチャリと音と共にドアノブが回り、扉がゆっくりと内側に開かれた。
「じゃあ、粥だけもらうよ。そこの机に置いてくれると嬉しい」
「中に入っても?」
「……うん、大丈夫」
血がのぼったような顔色は変わらず。息を吸うたびに窮屈に肩を揺らし、部屋に入って来た俺を避けては、できるだけ遠ざかるように部屋の端にとどまった。
レオンハルトの部屋の中は、借りた寝室とさほど変わらず。真ん中に大きなベッドと小さな机が一つ。違いは衣装ダンスがあるくらいだ。
出来るだけ動作はゆっくりと、状況を掴む為にも時間を稼ぐ。
『鼻につく甘い香りから、察するに薬品を調合した物かな。昔からあるやり方だねーーーこういった物は感覚の一部を麻痺させるとか』
「毒か……」
『毒の類で間違いないけど、何を麻痺させるか。殺すなら血反吐を吐かせた方が早いし。この効果の遅さに加えて症状は熱だけだし、生命の危機はなさそうだね」
粥をのせたトレーを小さな机に置いた。
遅効性の毒と考えてもいいのだろうか。わざわざここに来た彼女はレオンハルトに術をかけて、早々に帰った事となる。
何故彼女はレオンハルトに激怒したのだろうか。術がうまくいかなかったから、それとも、全てが演技で巧妙な罠であり弱ったところを襲うとしているのか。
「いや、違う。成功していたけど反応が返ってこなかったから彼女は怒ったんだ」
『……イナミ、後ろがやばいかも』
驚く暇も無かった。
トレーをのせた机上には骨張った手の平を広げられた。振り向こうにも、背中側から体重をかけられ前のめりなっては、同じく机に手をついた。
首に当たる髪の毛がこしょばゆい。一言も発さないレオンハルトから伝わるのは、こちらまで焼けるような体温と耐える様な湿っぽい息遣いだけ。
理性が無くなる術といったところか。
毒によって相手は酷く興奮している、出来るだけ逆鱗に触れない為にも、身動きは減らし声も低く抑える。
「息を吸え、深くゆっくりな」
言葉に従ってレオンハルトは大きく息を吸い、肺にいっぱいに空気溜めてから、細く長く息を吐いた。
「そうそう……」
しかし、息を整えたところで毒を体内から抜かなくては何の意味もない。
少し頭が冷える感覚を取り戻したレオンハルトは唾を詰まらせながら、やっと言葉を発する。
「イナっ違うっ。今、頭の中がめちゃくちゃで……自分でもよく分からなくて。ここをどうにか逃げてくれるかな」
「逃げろって言うけど」
本能のまま、両手を回され抱き抱えられた体。身を捩ってみたが、逃げる以前に足や手がまともに動かせないほどに強く絞められている。
「もう少し、力を緩められるか」
「分かってるんだけどっ……どうにか」
苦しそうに息をする、感情をどうにか抑えてくれているが、一向に抱えた力は抜けない。
逃げ出そうとすればするほど蔦の様に絡みついてくる。そして刻々と時間が経つほど、やっと手にした理性を少しずつ手放していくレオンハルト。自制のため噛んだ口端からは、血が溜まっていく。
『まだ、じっとしている方がいいんじゃない。術というか、この毒は時間経過で治るから動かない方がいいよ』
「言ってもな。こっちが圧死するのが先だな……レオンハルト、こちらの声が聞こえるなら腕はそのままでいいから体を後ろに引け」
すると、素直に体だけを引いたレオンハルト。その間には少しだけ隙間が出来る。
そこを狙って身を捻り、逆にこちらから飛びかかる様にレオンハルトの体に抱きついた。
ぶつかられた衝撃にレオンハルトは後方にバランスを崩しては、力を込めていた手を離す。足元を崩され、尻餅をついて倒れたレオンハルトは痛みに目を瞑る。
イナミも前へと倒れてはレオンハルトの腹の上に跨った。そして、手は動かさない様に腕に足を乗せて体重をかけながら見下ろす。
目の前で大股を開いて情けない格好ではあったが、目的の自由な動きは止められた。
「ーーー」
「ほらな、こっちの方が早く抜けた」
『無茶苦茶だね』とリリィから呆れた声が聞こえる。
「気分はどうだ、レオンハルト」
まん丸の目をぱちぱちとさせ呆然とこちらを見ているだけで返事はない。
景色が転回して、もう頭の中では整理つかないのだろう。
さて、どうやって対処したらいいんだろうか。このまま、毒が消えるまで拘束し続けるのはこちらの体力的に無理がある。
もう一度、正気に戻ってくれればシーツで体を縛られるのだが。
「……ちょう」
「どうした? 蝶々でも見え始めたか」
幻覚が見え始めたのか目線が合わず、目玉がいろんな方向を見始める。側から見れば恐いが、自分ではどうにもならない欲と戦っているのだから仕方がない。
「しっかりしろ、俺はここだからな」
「……」
「どうにかして自分を保て。今の俺ではお前を抑えらない」
そう声をかければ徐々に視線は戻り、そして再びこちらに視線が戻る。
本能のままに暴れられたら、体格差があるこの体では俺は確実に負ける。自分でどうにか理性を取り戻してほしい。
「そうそう、そのまま」
「ーーーイナミ隊長」
全身の力が抜けた気がした。その瞬間、視界が一気に逆転し灰色カーペットの床から、白い天井に移り変わる。
床に腰を打ち。次はレオンハルトに手首を取られ、股には足を置かれては、胴体に体重をかけられ動きを封じられた。
獲物を捕らえようとするギラついた目がこちらを見ている。
「っ、レオンハルト」
顔が近づいてきたと思えば、首元を分厚い舌で舐めとると、柔らかい喉元を唇で挟みハムハムと噛む。そして、また舐めるのを繰り返し。今、牙を剥かれたなら俺は死ぬ、そんな緊張感の中で自然と指先が震えてくる。
一層、緊張感を高めたのは膝に当たる硬くなった異物だ。理性が吹き飛んでいる状態。三大欲求の一つだから仕方ないと分かっているが、いざ押し付けられると感情が言い表せないほどに戸惑っている。
「ーーーしょっぱい」
人の首周りを舐め回して感想が、それか。
「……だろうな。俺は女じゃない、早く上から退け」
「……」
「おい、聞こえてうんっ……」
口の中でぬるりとした生暖かい感触が入ってきて、唇を奪われた。
血の味がする。レオンハルトが先ほど口端を噛んで食いしばっていたからだ。
血と痛み、快楽はない。雰囲気も何もないのに鼓膜に響く粘着音が頭をおかしくさせる。息継ぎも出来ないくらいの勢いに流されそうになった。
「いっ……た」
「レオンハルト、いい加減にしろ。目を覚ませ、目の前にいるのはっ!」
足が浮く。
レオンハルトは血を拭い、抵抗する余裕もなく手慣れた手つきで俺を抱き上げた。
「はなせっバカ」
手足をばたつかせて抵抗したものの、虚しくスプリングが弾む。相手の舌を噛んで、痛みに少しは冷静さを取り戻すかと思ったが、どうやら違った様だ。
『だから、言ったじゃん』
リリィの言う通りに抵抗すればするほど、彼の本能を揺さぶっていたようでもう彼に理性が残ってはいない。
シーツの海の中で、イナミは大人しくしておけばこうはならなかったと後悔する。
「イナミ隊長、お願いだから触らせて」
そして、全く違う体温が俺の肌に触れる。
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ここまでの長編を最後までお読みいただきありがとうございます100お気に入りありがとうございます
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