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二話 魔術の杖
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今日から一時的に住む事になった屋敷は、城から降りてすぐの城下町にあった。
門を入る前から一人暮らしでは勿体無いほどの屋敷の広さ、緑溢れる綺麗な外観であったが、ここではこの屋敷はまだ小さい方である。
こじんまりとは言わないが屋敷には使用人がいないのかレオンハルト自ら門を開けて、自ら玄関の扉を開けてはイナミを手招きする。
「狭いところだけど、ここではのびのびしていいから」
「え、ああ」
歯切れが悪くなるのは、この屋敷に来てから部下の寝室を覗いているような気分になって居心地が悪いからだ。レオンハルトも、他人を家にあげて気色悪くならないのだろうかと思うけれど、嫌な顔を一つもせず笑みが崩れる事はない。
「緊張してる?」
「多少なりとも……しないですか」
「しているけど、君とは違う意味かもね」
「どう意味」
「とりあえず、着いてきてよ」
屋敷に上がりついて行くと、再び地下に続く道を開けられた。地下に降りる階段を進むほどに、なぜか心臓が高鳴っていく。
手に汗握るような、ずっと待っていたようなそんな気持ちだ。
階段を降りれば狭い地下が見える。牢獄の違いといえば、天井に明かりが一つあり、等間隔に並べられた棚に食料が保存されており、食糧庫となっていた。
そして、すぐに気がついた。ここに似合わない物が一つだけ壁に立てかけてある。
ここに来てから、ずっと呼ばれているような気がしていた。
「この杖はさっきと同じ物なのか」
レオンハルトと顔を見合わせた。城で持った杖は背丈も、装飾と全てが酷似した物が目の前にある。細かな違いは、頭についた魔法石はひび割れ、装飾は一部欠けていて端々は焼けこげていた。この杖には戦った跡がある。
「同じタイプではあるかな。でも君にとっては違うはずだよ」
触っていいよとレオンハルトに場所を譲れる。
まるで導かれるようだった、イナミはゆっくりと手を伸ばしては杖を手に取る。
手に馴染むような感覚にどこか懐かしさを感じる温かみ、杖は震え出し、魔法石は虹色に光を放ち輝いた。
『イナミ、初めましてだね』
「いっ!」
脳内に語りかけるような声、に驚いてイナミは杖を投げた。
「っ大丈夫?」
背中側から倒れそうになったイナミを、レオンハルトは両手で受け止めた。
地面にカランと落ちる杖。心配そうに覗いてくる顔に、イナミは「びっくりしただけだ」と言って立ち上がる。
「持った時に何かあったの?」
「声が……」
「杖から声がするの?」
「いや、一瞬過ぎて分からなかった。もう一度持ってみる」
「よく分からないけど、気をつけて」
久しぶりに自身の名前を呼ばれたから驚いたとは言えず、イナミは手首を軽く振り息を整えてから杖を拾う。
再び握った杖はやはり、君が主人だと言わんばかりに魔法石が輝く。
『もう、壊れそうなんだから大事に扱ってよ。えっと三番隊長だったかな、騎士団は杖の大事さを教えられてないわけ』
「やっぱり、喋っている」
『あーイナミ、無視しないでよ」
「へーすごいね。同調って言うんだったかな」と横から見ているだけで手を一つも出してこないレオンハルト。
『そんなものじゃないんだけど』と杖が何かを騒ぎ立てているがイナミは無視を続けて杖で地面を小突く。
「後で聞くから黙ってろ。これで帝都を襲撃したのは誰かが、分かった訳だな」
「そうだね。騎士団と戦ったのはリリィだったという確証が取れた訳だ」
「レオンハルト、俺はお前を犯罪者にする為に協力した訳じゃない。この事が騎士団に知られたら、懲戒免職で済まないし、確実に牢獄行きになる」
城とレオンハルトの屋敷に同じ形の杖があるという事は、単純な明快な話だ。本来落ちていた方の杖と、同じ形の杖を入れ替えて杖の持ち主ではないように偽装した。
その事実にイナミは血がフツフツと湧き上がるような怒りを感じ、杖を強く握る。
杖には『壊さないでよ』と小言を言われたが今はどうだっていい。
「騎士団長まで、騙してお前は何がしたい。お前が知りたい事を知っても、その後タダでは済まない。やってきた事が全部無駄になるんだぞ」
「分かってる、それでも俺は知りたい。ここまで来た理由だから、何もかも捨てる事になったとしても、俺はそれでいいとさえ思っている」
自分の手のひらを見ては、部屋の暗さも相まってレオンハルトの表情が曇る。
「何年も待ち続けて、やっと何を掴めた気がしたんだ。ここで諦めたらもう掴む事すら出来なくなるかもしれない、また同じ事を繰り返すなら罠だったとして俺は通るって決めたから」
何がレオンハルトをそこまで突き動かすのか。覚悟を決めたように拳を作り、こちらに顔を上げた。
「ーーー城の内部に敵がいる」
「レオンハルト……お前は」
「もう、取り返しがつかないのなら、俺は最後まで突き進むしかない。それに、やっと君とは対等な関係になれたと思わない?」
目を細めてレオンハルトから痛々しい笑いが飛ぶ。
『よかったね、堕ちるところまで堕ちってくれるって』と杖がふざけた事を言うので木が軋むくらいには握っておいた。
「レオンハルト様、お客様がお見えですよ。スーリーさんだったかね、とにかくお嬢さんです」
すると、静寂を断ち切るように階段上から声がかかる。
そちらの方を覗いてみると、階段前で立つのは白いエプロンをつけた老婆が手を振っていた。
屋敷に使用人がいないと思っていたが、居たようである。
「はいー分かりました。すぐに行くので、彼を部屋まで案内してくれないか」
「分かりました、お部屋の案内ですねー」
腰が少し曲がった老婆の、のんびりとした口調と共に、動作も一コマずつゆっくりとしていた。
「ごめん、客が来たらしいから行ってくるよ。部屋の案内は彼女に任せているから不備があったら言って」
イナミが返事をする前にレオンハルトは階段を駆け上がり玄関の方に行ってしまう。
大事な客なのかと不審になりつつイナミも階段を上がり、老婆に部屋を案内してもらう。
「えっと、始めしてリリィと言います。今日から屋敷にお邪魔する事になります」
「ああ、リリィさん。レオンハルト様が聞いていますよ、お家が大変らしいですね。気は休まらないと思いますが、何なりとこのバァバァに相談してくださいね」
「ええ、ありがとうございます」
「では、案内いたしますね。お部屋はお二階になりますから、足元を気をつけてくださいね」
老婆はゆっくりと方向転換すると俺の前を歩き始めて先導する。手に持っている杖をどうしようかと悩んだが、手の中で杖が動いては地面から少し浮き。
浮いた途端に丸く杖が小さくなっては光の玉のようになる。そして、玉が再び形を変化させては、杖だった物が手の中に収まった。
手の中に木で出来た腕輪があった。真ん中にはひび割れた魔法石が埋まっている。
ーーー連れて行けって事か。
「あっ、リリィ様は聞いていませんでしたね」
忘れていたと前を歩く老婆が振り返った。
「はい? 何ですか」
「お部屋はレオンハルト様とご一緒でよろしかったですか」
「もちろん、別でお願いします」
腕輪を付けながらも、イナミは満遍な笑みだった。
門を入る前から一人暮らしでは勿体無いほどの屋敷の広さ、緑溢れる綺麗な外観であったが、ここではこの屋敷はまだ小さい方である。
こじんまりとは言わないが屋敷には使用人がいないのかレオンハルト自ら門を開けて、自ら玄関の扉を開けてはイナミを手招きする。
「狭いところだけど、ここではのびのびしていいから」
「え、ああ」
歯切れが悪くなるのは、この屋敷に来てから部下の寝室を覗いているような気分になって居心地が悪いからだ。レオンハルトも、他人を家にあげて気色悪くならないのだろうかと思うけれど、嫌な顔を一つもせず笑みが崩れる事はない。
「緊張してる?」
「多少なりとも……しないですか」
「しているけど、君とは違う意味かもね」
「どう意味」
「とりあえず、着いてきてよ」
屋敷に上がりついて行くと、再び地下に続く道を開けられた。地下に降りる階段を進むほどに、なぜか心臓が高鳴っていく。
手に汗握るような、ずっと待っていたようなそんな気持ちだ。
階段を降りれば狭い地下が見える。牢獄の違いといえば、天井に明かりが一つあり、等間隔に並べられた棚に食料が保存されており、食糧庫となっていた。
そして、すぐに気がついた。ここに似合わない物が一つだけ壁に立てかけてある。
ここに来てから、ずっと呼ばれているような気がしていた。
「この杖はさっきと同じ物なのか」
レオンハルトと顔を見合わせた。城で持った杖は背丈も、装飾と全てが酷似した物が目の前にある。細かな違いは、頭についた魔法石はひび割れ、装飾は一部欠けていて端々は焼けこげていた。この杖には戦った跡がある。
「同じタイプではあるかな。でも君にとっては違うはずだよ」
触っていいよとレオンハルトに場所を譲れる。
まるで導かれるようだった、イナミはゆっくりと手を伸ばしては杖を手に取る。
手に馴染むような感覚にどこか懐かしさを感じる温かみ、杖は震え出し、魔法石は虹色に光を放ち輝いた。
『イナミ、初めましてだね』
「いっ!」
脳内に語りかけるような声、に驚いてイナミは杖を投げた。
「っ大丈夫?」
背中側から倒れそうになったイナミを、レオンハルトは両手で受け止めた。
地面にカランと落ちる杖。心配そうに覗いてくる顔に、イナミは「びっくりしただけだ」と言って立ち上がる。
「持った時に何かあったの?」
「声が……」
「杖から声がするの?」
「いや、一瞬過ぎて分からなかった。もう一度持ってみる」
「よく分からないけど、気をつけて」
久しぶりに自身の名前を呼ばれたから驚いたとは言えず、イナミは手首を軽く振り息を整えてから杖を拾う。
再び握った杖はやはり、君が主人だと言わんばかりに魔法石が輝く。
『もう、壊れそうなんだから大事に扱ってよ。えっと三番隊長だったかな、騎士団は杖の大事さを教えられてないわけ』
「やっぱり、喋っている」
『あーイナミ、無視しないでよ」
「へーすごいね。同調って言うんだったかな」と横から見ているだけで手を一つも出してこないレオンハルト。
『そんなものじゃないんだけど』と杖が何かを騒ぎ立てているがイナミは無視を続けて杖で地面を小突く。
「後で聞くから黙ってろ。これで帝都を襲撃したのは誰かが、分かった訳だな」
「そうだね。騎士団と戦ったのはリリィだったという確証が取れた訳だ」
「レオンハルト、俺はお前を犯罪者にする為に協力した訳じゃない。この事が騎士団に知られたら、懲戒免職で済まないし、確実に牢獄行きになる」
城とレオンハルトの屋敷に同じ形の杖があるという事は、単純な明快な話だ。本来落ちていた方の杖と、同じ形の杖を入れ替えて杖の持ち主ではないように偽装した。
その事実にイナミは血がフツフツと湧き上がるような怒りを感じ、杖を強く握る。
杖には『壊さないでよ』と小言を言われたが今はどうだっていい。
「騎士団長まで、騙してお前は何がしたい。お前が知りたい事を知っても、その後タダでは済まない。やってきた事が全部無駄になるんだぞ」
「分かってる、それでも俺は知りたい。ここまで来た理由だから、何もかも捨てる事になったとしても、俺はそれでいいとさえ思っている」
自分の手のひらを見ては、部屋の暗さも相まってレオンハルトの表情が曇る。
「何年も待ち続けて、やっと何を掴めた気がしたんだ。ここで諦めたらもう掴む事すら出来なくなるかもしれない、また同じ事を繰り返すなら罠だったとして俺は通るって決めたから」
何がレオンハルトをそこまで突き動かすのか。覚悟を決めたように拳を作り、こちらに顔を上げた。
「ーーー城の内部に敵がいる」
「レオンハルト……お前は」
「もう、取り返しがつかないのなら、俺は最後まで突き進むしかない。それに、やっと君とは対等な関係になれたと思わない?」
目を細めてレオンハルトから痛々しい笑いが飛ぶ。
『よかったね、堕ちるところまで堕ちってくれるって』と杖がふざけた事を言うので木が軋むくらいには握っておいた。
「レオンハルト様、お客様がお見えですよ。スーリーさんだったかね、とにかくお嬢さんです」
すると、静寂を断ち切るように階段上から声がかかる。
そちらの方を覗いてみると、階段前で立つのは白いエプロンをつけた老婆が手を振っていた。
屋敷に使用人がいないと思っていたが、居たようである。
「はいー分かりました。すぐに行くので、彼を部屋まで案内してくれないか」
「分かりました、お部屋の案内ですねー」
腰が少し曲がった老婆の、のんびりとした口調と共に、動作も一コマずつゆっくりとしていた。
「ごめん、客が来たらしいから行ってくるよ。部屋の案内は彼女に任せているから不備があったら言って」
イナミが返事をする前にレオンハルトは階段を駆け上がり玄関の方に行ってしまう。
大事な客なのかと不審になりつつイナミも階段を上がり、老婆に部屋を案内してもらう。
「えっと、始めしてリリィと言います。今日から屋敷にお邪魔する事になります」
「ああ、リリィさん。レオンハルト様が聞いていますよ、お家が大変らしいですね。気は休まらないと思いますが、何なりとこのバァバァに相談してくださいね」
「ええ、ありがとうございます」
「では、案内いたしますね。お部屋はお二階になりますから、足元を気をつけてくださいね」
老婆はゆっくりと方向転換すると俺の前を歩き始めて先導する。手に持っている杖をどうしようかと悩んだが、手の中で杖が動いては地面から少し浮き。
浮いた途端に丸く杖が小さくなっては光の玉のようになる。そして、玉が再び形を変化させては、杖だった物が手の中に収まった。
手の中に木で出来た腕輪があった。真ん中にはひび割れた魔法石が埋まっている。
ーーー連れて行けって事か。
「あっ、リリィ様は聞いていませんでしたね」
忘れていたと前を歩く老婆が振り返った。
「はい? 何ですか」
「お部屋はレオンハルト様とご一緒でよろしかったですか」
「もちろん、別でお願いします」
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ここまでの長編を最後までお読みいただきありがとうございます100お気に入りありがとうございます
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