97 / 132
ザガルバ編
96.後始末をするよ
しおりを挟む
「っくう……っ、っはあっ、はあっ、はあっ……」
倒したロックドラゴンを自分のインベントリに入れ終えた俺がエリナさんの方に目を向けると、そこには返り血まみれになりながらアサルトドラゴンの頭に脇差を突き立てている彼女の姿があった。ドラゴンは……ピクリとも動かない。どうやら無事に討伐出来たみたいだ。
とは言えエリナさんの苦戦ぶりは、肩で息をしていることからも容易に見て取れる。……ありがとう、お疲れ様。
「エリナさん、そっちも終わったみたいだね」
「っ、ええ、何とか、ね。すう――ふう。うん、大丈夫」
エリナさんはそう言って、俺と同じように自分のインベントリに討伐したアサルトドラゴンを回収する。鱗も牙も血も肉も、何もかもが如何様にも使えるいい素材だからな……久々に、鍛冶やら何やら腕を振るう時が来たかな?
「トーゴさんもお疲れ様。ロックドラゴンの相手、ひとりでさせてごめんね?」
「それはお互い様だよ。素早いアサルトドラゴンをエリナさんだけに任せて、何だかんだでうまく行ってくれてよかったよホント」
「ええ……クララさんも、ありがとうございました」
「クララさん? ……って、倒れてるじゃないですか!」
「アサルトドラゴンに足を払われて動けなくなっていたった私にエクスヒールをかけてくれたの。アレがないと正直危なかったかも……」
エクスヒール……ヒールの派生スキルだったかな。術者の魔力全てと引き換えに対象の体力を全快させ、致命傷になるような怪我でもたちどころに元通りに治す効果があると、製本ギルドの資料で読んだことがある。
……実際に使ったって話は、俺も初めてだけど。そもそも術者は回復するたびに脱力して使い物にならなくなるから、それなりに人数がいるパーティーじゃないと使えない代物なんだよなアレ。
「というか、エクスヒールまで使わなくても大丈夫でしたのに」
「何、言ってるん、ですか……! 情けない、ですけど、あんな、大怪我、私の、ヒールじゃ、治せませんよ……!」
「へ? 大怪我?」
大怪我って何だ、エリナさんは別に平然としてるじゃ――
「って、あの、エリナさん? もしかして足払われて倒された?」
「え? うん、そうだけど……何で分かったの、トーゴさん?」
「……ネストドラゴンの革鎧、背中と脚のところが砕け散ってる」
「え、嘘!?」
言って、慌てて怪我したところを見るエリナさん。……もう治ってるから肉体的には全然変わりないけど、確かにこれだけの衝撃を食らって動けなくなっていたんだったら、そりゃ大怪我しててもおかしくないよなあ……
「あーん、せっかくトーゴさんが買ってくれたのにぃ……!」
「いや、それはどうでもいいんだけどね? ちょうど素材も手に入ったし、新しい防具をちゃんと手作りしてあげるから」
「どうでもいいってことないでしょ! あ、でもトーゴさんの手作り防具は嬉しいなあ」
「いやさっきから会話の内容がおかしいからふたりとも!!!」
……あ、忘れてた。そう言えばサラさんとマルタさんもいたんだった。ドラゴン討伐に全然関わってこなかったからすっかり忘れてた……我ながら失礼な話だとは思うけども!
「あのな、ふたりとも? 普通アサルトドラゴンやロックドラゴンの攻撃を受け止めて平然としてる冒険者とかいねえからな? ましてやドラゴンのテイルアタックで足を払われようものなら、軽くであっても払われた方は骨折どころか足が吹っ飛んでておかしくねえんだからな!?」
「確かに、旦那さんもエリナさんもとんでもなく頑丈だってことは僕にだってわかったよ……まさか、本当にアサルトドラゴンやロックドラゴンなんて代物を討伐出来るとは思ってなかったけど。どうすればそんな芸当が出来るんだい?」
「どうすればって……」
「言われても……ねえ?」
もちろんスキルとかトレーニングとか、色々と要因自体はあるだろうけど……一番影響が大きいと考えられるのはやっぱり――
「「ステータス?」」
「やっぱり神は死んだ!!!!」
と言われても、こればかりはしょうがないよねえ……
「まあとにかく、今回はいい素材が手に入ったので……皆さんにも新しい装備を作って差し上げますよ」
「え、いいのか店長!?」
「クララはともかく、僕たちは今回何もしてないけど……」
「そこはほら、パーティー組んだことで巻き込まれたことに対する迷惑料だったり、依頼を受けたパーティーメンバーとしての分配だったり、色々と理由はつきますけど……サラさんやマルタさんの思う理由を後付けしていただければ」
「していただければって……まあでも、それだったら分配ってことで」
「そうだね、自分たちの意志でパーティーを組んで依頼を受けたのに、迷惑料をもらうだなんて恥知らずなことは出来ないよ。……自分の実力に対して過分な分配だというのは重々承知しているけど、それを棚に上げてお願いするよ」
「こちらこそ承りました……クララさんもそれでよろしいですかね」
「は、はい。ありがとう、ございます……」
何だかんだでクララさんがいなかったらヤバかったしな、彼女にはエリナさんの次にいい装備を作って渡すことにしようか……
「それはそれとして、どうしようかトーゴさん」
「ん、何が?」
「だって、元々の依頼はこの一帯に飛んでいる鳥類を標本として採取せよ、だったんでしょ? この状態じゃ、とてもじゃないけど標本採取なんて出来そうにないけど……失敗扱いになるんじゃないの?」
「ああ、確かにそれはそうかもね……」
そうなったら手付金だけ丸損だ。幾らドラゴンの襲撃があったからと言って、それは流石にまずいんじゃないだろうか……
しかしそんな俺たちの不安を、サラさんは杞憂だと言ってくれた。
「今回の件は、標本なしでも依頼達成扱いになるはずだぜ。そもそも周囲にそんな鳥なんて飛んでねえこともあり得るわけだし、そこら辺はいろいろ融通が利くさ。
それに、今回はドラゴンに襲われたっていうイレギュラーもある。貸与の魔動車も無残な姿にされたわけだし、そこから命からがら帰って来たとでも言えば文句は言われねえはずだ」
「……まあ、そうなら本当に助かるんですけど」
しかしそれでも懸案事項はまだまだある。
「でもですよ。あのドラゴンから命からがら逃げてきたというなら、それなりに足止めをしたってことになりますよね? まかり間違ってアレを討伐したなんて話が漏れようものなら、とんでもない大騒ぎになりませんか?」
「あー、まあ、ドラゴンを足止めっていうのも相当な話だからなー。周囲の環境に恵まれたってことで貫き通すしかねえか……
あ、そうだ。確か魔動車の中に……」
言ってサラさんは、もうめちゃくちゃに潰れた魔動車の運転席付近をガサゴソと探し始める。やがて何かを見つけたようで、彼女は何やら黒い箱を手に戻って来た。
「あったぜ。組合にこいつの中身を見せれば、本当にドラゴンに襲われたって証明になるはずだ。この一帯は岩山だらけだし、逃げるための障害物はたくさんあるってことで納得してくれるだろ。討伐したドラゴンは売りに出せねえが」
「なるほど……で、それは?」
「こいつは魔動車周囲の状況を記録するための魔道具だ。事故やら何やらの記録用に作られたものだから、めっちゃ頑丈だぜ。……まあ信じられねえくらい高価だからそうそう壊れたらたまったもんじゃねえけど」
……ドライブレコーダーかよ。考えることは前世も今世も同じなんだな。記録媒体があった方が圧倒的に助かるからいいけど。しかし信じられないくらい高価ってのは……?
「ところでさっき討伐したドラゴンを収納したの、アレってもしかしてスキルか!? 便利すぎんだろ!!」
「ああいや、それは……」
「サラ、冒険者の詮索は禁忌だよ」
「分かってっけどよー」
……何だかんだと、騒がしくも平和に終わりそうで良かった。いやまあ、起こったことは全然平和じゃなかったけど。
---
ドラゴン倒してはい終わり、で済むわけないのがリアルってことで。
特に今回はいろいろめんどくさいですからね……
次回更新は06/21の予定です!
倒したロックドラゴンを自分のインベントリに入れ終えた俺がエリナさんの方に目を向けると、そこには返り血まみれになりながらアサルトドラゴンの頭に脇差を突き立てている彼女の姿があった。ドラゴンは……ピクリとも動かない。どうやら無事に討伐出来たみたいだ。
とは言えエリナさんの苦戦ぶりは、肩で息をしていることからも容易に見て取れる。……ありがとう、お疲れ様。
「エリナさん、そっちも終わったみたいだね」
「っ、ええ、何とか、ね。すう――ふう。うん、大丈夫」
エリナさんはそう言って、俺と同じように自分のインベントリに討伐したアサルトドラゴンを回収する。鱗も牙も血も肉も、何もかもが如何様にも使えるいい素材だからな……久々に、鍛冶やら何やら腕を振るう時が来たかな?
「トーゴさんもお疲れ様。ロックドラゴンの相手、ひとりでさせてごめんね?」
「それはお互い様だよ。素早いアサルトドラゴンをエリナさんだけに任せて、何だかんだでうまく行ってくれてよかったよホント」
「ええ……クララさんも、ありがとうございました」
「クララさん? ……って、倒れてるじゃないですか!」
「アサルトドラゴンに足を払われて動けなくなっていたった私にエクスヒールをかけてくれたの。アレがないと正直危なかったかも……」
エクスヒール……ヒールの派生スキルだったかな。術者の魔力全てと引き換えに対象の体力を全快させ、致命傷になるような怪我でもたちどころに元通りに治す効果があると、製本ギルドの資料で読んだことがある。
……実際に使ったって話は、俺も初めてだけど。そもそも術者は回復するたびに脱力して使い物にならなくなるから、それなりに人数がいるパーティーじゃないと使えない代物なんだよなアレ。
「というか、エクスヒールまで使わなくても大丈夫でしたのに」
「何、言ってるん、ですか……! 情けない、ですけど、あんな、大怪我、私の、ヒールじゃ、治せませんよ……!」
「へ? 大怪我?」
大怪我って何だ、エリナさんは別に平然としてるじゃ――
「って、あの、エリナさん? もしかして足払われて倒された?」
「え? うん、そうだけど……何で分かったの、トーゴさん?」
「……ネストドラゴンの革鎧、背中と脚のところが砕け散ってる」
「え、嘘!?」
言って、慌てて怪我したところを見るエリナさん。……もう治ってるから肉体的には全然変わりないけど、確かにこれだけの衝撃を食らって動けなくなっていたんだったら、そりゃ大怪我しててもおかしくないよなあ……
「あーん、せっかくトーゴさんが買ってくれたのにぃ……!」
「いや、それはどうでもいいんだけどね? ちょうど素材も手に入ったし、新しい防具をちゃんと手作りしてあげるから」
「どうでもいいってことないでしょ! あ、でもトーゴさんの手作り防具は嬉しいなあ」
「いやさっきから会話の内容がおかしいからふたりとも!!!」
……あ、忘れてた。そう言えばサラさんとマルタさんもいたんだった。ドラゴン討伐に全然関わってこなかったからすっかり忘れてた……我ながら失礼な話だとは思うけども!
「あのな、ふたりとも? 普通アサルトドラゴンやロックドラゴンの攻撃を受け止めて平然としてる冒険者とかいねえからな? ましてやドラゴンのテイルアタックで足を払われようものなら、軽くであっても払われた方は骨折どころか足が吹っ飛んでておかしくねえんだからな!?」
「確かに、旦那さんもエリナさんもとんでもなく頑丈だってことは僕にだってわかったよ……まさか、本当にアサルトドラゴンやロックドラゴンなんて代物を討伐出来るとは思ってなかったけど。どうすればそんな芸当が出来るんだい?」
「どうすればって……」
「言われても……ねえ?」
もちろんスキルとかトレーニングとか、色々と要因自体はあるだろうけど……一番影響が大きいと考えられるのはやっぱり――
「「ステータス?」」
「やっぱり神は死んだ!!!!」
と言われても、こればかりはしょうがないよねえ……
「まあとにかく、今回はいい素材が手に入ったので……皆さんにも新しい装備を作って差し上げますよ」
「え、いいのか店長!?」
「クララはともかく、僕たちは今回何もしてないけど……」
「そこはほら、パーティー組んだことで巻き込まれたことに対する迷惑料だったり、依頼を受けたパーティーメンバーとしての分配だったり、色々と理由はつきますけど……サラさんやマルタさんの思う理由を後付けしていただければ」
「していただければって……まあでも、それだったら分配ってことで」
「そうだね、自分たちの意志でパーティーを組んで依頼を受けたのに、迷惑料をもらうだなんて恥知らずなことは出来ないよ。……自分の実力に対して過分な分配だというのは重々承知しているけど、それを棚に上げてお願いするよ」
「こちらこそ承りました……クララさんもそれでよろしいですかね」
「は、はい。ありがとう、ございます……」
何だかんだでクララさんがいなかったらヤバかったしな、彼女にはエリナさんの次にいい装備を作って渡すことにしようか……
「それはそれとして、どうしようかトーゴさん」
「ん、何が?」
「だって、元々の依頼はこの一帯に飛んでいる鳥類を標本として採取せよ、だったんでしょ? この状態じゃ、とてもじゃないけど標本採取なんて出来そうにないけど……失敗扱いになるんじゃないの?」
「ああ、確かにそれはそうかもね……」
そうなったら手付金だけ丸損だ。幾らドラゴンの襲撃があったからと言って、それは流石にまずいんじゃないだろうか……
しかしそんな俺たちの不安を、サラさんは杞憂だと言ってくれた。
「今回の件は、標本なしでも依頼達成扱いになるはずだぜ。そもそも周囲にそんな鳥なんて飛んでねえこともあり得るわけだし、そこら辺はいろいろ融通が利くさ。
それに、今回はドラゴンに襲われたっていうイレギュラーもある。貸与の魔動車も無残な姿にされたわけだし、そこから命からがら帰って来たとでも言えば文句は言われねえはずだ」
「……まあ、そうなら本当に助かるんですけど」
しかしそれでも懸案事項はまだまだある。
「でもですよ。あのドラゴンから命からがら逃げてきたというなら、それなりに足止めをしたってことになりますよね? まかり間違ってアレを討伐したなんて話が漏れようものなら、とんでもない大騒ぎになりませんか?」
「あー、まあ、ドラゴンを足止めっていうのも相当な話だからなー。周囲の環境に恵まれたってことで貫き通すしかねえか……
あ、そうだ。確か魔動車の中に……」
言ってサラさんは、もうめちゃくちゃに潰れた魔動車の運転席付近をガサゴソと探し始める。やがて何かを見つけたようで、彼女は何やら黒い箱を手に戻って来た。
「あったぜ。組合にこいつの中身を見せれば、本当にドラゴンに襲われたって証明になるはずだ。この一帯は岩山だらけだし、逃げるための障害物はたくさんあるってことで納得してくれるだろ。討伐したドラゴンは売りに出せねえが」
「なるほど……で、それは?」
「こいつは魔動車周囲の状況を記録するための魔道具だ。事故やら何やらの記録用に作られたものだから、めっちゃ頑丈だぜ。……まあ信じられねえくらい高価だからそうそう壊れたらたまったもんじゃねえけど」
……ドライブレコーダーかよ。考えることは前世も今世も同じなんだな。記録媒体があった方が圧倒的に助かるからいいけど。しかし信じられないくらい高価ってのは……?
「ところでさっき討伐したドラゴンを収納したの、アレってもしかしてスキルか!? 便利すぎんだろ!!」
「ああいや、それは……」
「サラ、冒険者の詮索は禁忌だよ」
「分かってっけどよー」
……何だかんだと、騒がしくも平和に終わりそうで良かった。いやまあ、起こったことは全然平和じゃなかったけど。
---
ドラゴン倒してはい終わり、で済むわけないのがリアルってことで。
特に今回はいろいろめんどくさいですからね……
次回更新は06/21の予定です!
0
お気に入りに追加
154
あなたにおすすめの小説
何を間違った?【完結済】
maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。
彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。
今真実を聞いて⋯⋯。
愚かな私の後悔の話
※作者の妄想の産物です
他サイトでも投稿しております
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【完結】復讐は計画的に~不貞の子を身籠った彼女と殿下の子を身籠った私
紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
公爵令嬢であるミリアは、スイッチ国王太子であるウィリアムズ殿下と婚約していた。
10年に及ぶ王太子妃教育も終え、学園卒業と同時に結婚予定であったが、卒業パーティーで婚約破棄を言い渡されてしまう。
婚約者の彼の隣にいたのは、同じ公爵令嬢であるマーガレット様。
その場で、マーガレット様との婚約と、マーガレット様が懐妊したことが公表される。
それだけでも驚くミリアだったが、追い討ちをかけるように不貞の疑いまでかけられてしまいーーーー?
【作者よりみなさまへ】
*誤字脱字多数あるかと思います。
*初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ
*ゆるふわ設定です
私は、忠告を致しましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。
ロマーヌ様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。
音爽(ネソウ)
ファンタジー
見た目だけはユルフワ女子のハウラナ・ゼベール王女。
その容姿のせいで誤解され、男達には尻軽の都合の良い女と見られ、婦女子たちに嫌われていた。
16歳になったハウラナは大帝国ダネスゲート皇帝の末席側室として娶られた、体の良い人質だった。
後宮内で弱小国の王女は冷遇を受けるが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる