【完結】ぶりっ子悪役令息になんてなりたくないので、筋トレはじめて騎士を目指す!

セイヂ・カグラ

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攻略:ウェルギリウス

フィアンセ様が居なくたって!※

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 思わず呼び止めてしまった。呼び止めたは良いが、どうすれば良いのか分からない。

 愛しいと言われたのも、結婚したいと言われたのも、きっとあの事故のようなセックスのせい。だって、ウェルは本当にリアゼルを愛し気に見ていた。あのときウェルが俺を抱いたのは、俺を助けるため。その後の妙な触れ方だって、何かの間違いだったんだ。きっとウェルは寂しかっただけ。俺の勘違い。本来なら俺みたいなのは、眼中にもないだろう。俺じゃ、リアゼルの代わりにはなれない。だったら唯一無二の親友でいたかったけど、それもできそうにない…。恋をすると、全部が幻みたいに見える。全てが疑わしくなる、不安になる。


 考えているうちにウェルの歩みは止まり、こちらを振り向く。床を見るような俯きがちの視線では、長めの金髪に隠れてウェル表情が分からない。ウェルは、コツコツコツと大きな足音を立てながら向かってくる。俺は、つい後退さった。

「フラン…。」
「は、ぃ」

 名前を呼ばれるだけで、俺は過剰に喜ぶ。
 両腕をがっしりと掴み、ウェルは俺の身動きを止めた。
 そんで、ウェルの綺麗な蒼い瞳に捕えられる。

「なんて顔をしているっ…」
「ぁ、、ん……、ふ、」

 あ、うぇ、うぇるの唇が俺のくちに、ぶつかって…? ど、しよう、ど、死、、。

 硬直して動けない。俺の腰は、すっかり抜けて床に座り込んだ。それでもキスは続いて止むことはない。ぬっとりとした熱い舌が開けと唇を撫でる。きゅっと固く閉じていれば、顎下に指が二本挿し込まれ、強制的に空を仰がされる。そうすると顎の力が弱まり、かぱっと口が開いた。その一瞬の隙にウェルは舌をすべり込ませ、奥に縮こまる舌に絡みつく。ジュルと舌を吸い、口内を弄られると、唾液がどんどん溢れていく。

「、、ふ……、ぁ、、ぁふ、」

 息ができないっ…。酸欠で頭がぼんやりしてくる。弄ばれる舌はビリビリ痺れて、体がどんどん熱くなる。腰にも足にも力が入らない。藻掻こうにも離れようにも身体は言うことをきかない…。股間はすっかり熱を持ち、勃ち上がっている。ドクンドクンと言いながら、はしたなく涎を垂らして…。何よりも、尻のずっと奥がジクジクと震えて期待してしまっていた。

「はーー、はーーー、はー」

 やっと唇の責め苦から開放され、俺は肩で必死に呼吸をした。頭に酸素が回ってくると、急に冷静になってくる。自分の身体の有り様に気がついて、俺はふらふらと立ち上がり、手に持ったコートで股間を隠した。だ、だめだ。こんな公共の場で俺の馬鹿! はやくここから、ウェルから逃げないと…。

「ーーっ。おれ、もう行く…。」

 ウェルにそれだけ言って、俺は自分の部屋を目指すことにした。
 こんなの勘違いするだろ…、馬鹿王子。

「そんな顔して、どこに行くつもりだ。」
「へ、や……。」
「誰かに見られたらどうする…? 君は今、欲情しているのだぞ?」

 前かがみな俺を背後から抱き、右手で顎と頬を掴まれる。前方には誰も居ないが、誰かが居てもおかしくはない。左手が胸の辺りを抱き、指先で胸の先を掠めた。服の上からスリスリ乳首を撫でる。その度に俺の身体がぴくんっと情けなく反応した。そんな触り方…、やめてくれっ。

「こんなに熱くなって、一人で慰められるのか…?」

 慰める……。
 それなら、ここ最近随分慣れたこと。
 ウェルを見るとドキドキして、熱くなって、眠る頃には熱に魘される。
 苦しくて、切なくて、俺は自慰を覚えた。
 ただの自慰ではない。……後ろを使った自慰。

「だぃ、じょ、ぶ、だ。」

 一度抱かれただけの身体が熱くて。
 どうしようもなく疼いてしまうから仕方がなかった。

 この世界にも、いわゆる大人の玩具があると知ってしまったら、買わずには居られなかった。まぁ、エロゲ世界だしな。店のおっさんには「お盛んだねぇ、恋人は大事にしてやれよ。そのうち玩具でしか遊んでくれなくなるぞぉ、ガハハっ!」と、からかわれた。おっさんは、まさか俺が一人で自分を慰めるために買ったとは思っていないらしい。それは俺にとって好都合で、オススメを買えたのはラッキーだった。それから、一人遊びにハマった俺の部屋には大人の玩具が少しづつ増えている。最近では、おっさんがサービスで新商品やおまけをくれる、一人部屋ならではの楽しみ……、むっ。なんか、俺、淫乱みたいになって…。いやいやいや! ただの一人遊びだしっ! ここはエロゲBL世界だし、セーフセーフ。

「ふっ、ココをこんなにして大丈夫だと? 濡れているぞ、フラン。さぁ、そろそろオレに教えてくれないか、君の気持ち。」

 お、俺の気持ち…? そんなの言えるもんか。

「ほんと、だい、じょぶ。」
「甘い匂いが溢れているぞ。オレなら一人では届かないところも愛してやれる。」

 こ、こんなのまるでウェルが俺を誘っているみたいだ…。まさか、はっ! もしかしてウェル、溜まっているのか? それなら、もう一度、俺を、、っ。

「…とどく、いらん。」
「ほう、届くと。まぁ、フランの指は長くて綺麗だが…、指より満足できるんだぞ。気持ちよくて、フランもオレも満たされる…。」

 だめ、だめだめだめっ!
 そんなの死んじまうっ、たった1回でも忘れられねぇのに。
 絶対、また欲しくなる…。
 欲しくなっても、そんときお前が抱いてくれなきゃ、俺、死んじまうよ。
 きっと玩具なんかじゃ、足りなくなる。

「……ゆびじゃない。」

 そうだ。俺には、最近お世話になっている玩具くんがいる。
 
「は?」
「気持ち、よく、してもらうから、いい。」

 ちょうど良い、試してみてくれとおっさんに貰った魔法で動くディルドを使ってみたかったところだ。

「へぇ…、フラン、そんな相手が居たのか? 詳しく聞かせてくれたまえ。」
「へ…?」


 ぬっと、腕が伸びてきて俺はウェルに抱え上げられた。

 え? えぇーー?!?!
 こ、こんな大男持ち上げるとかウェルどうなってんの⁉
 いや、そうじゃなくて、わ!
 お、おおお降ろしてくれぇぇえええ!







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