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男だらけの異世界転生〜幼少期編〜
弟がやってきた!
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ベェルシードとの悲しい別れの数週間後。
突然、父上に呼び出された。
あの父上がお叱りになるほど悪いことをしてしまったのだろうかと怖い…。
父上が俺を呼び出すなんてことは、まず無い。
だって、父上は勝手に部屋に入ってくるし、食事のときには顔を合わせている。
勝手に部屋に入るなんて思春期の我が妹に同じことをしたら、二週間は口を聞いてくれなくなる。
コンコン…と重厚な書斎の扉を叩く。
ああ、怖い。
「失礼します…。」
「フラン! 待って! 目を瞑って!」
叫ぶように大きな声で言われ、俺は慌てて自分の瞼を掌で覆った。
「よし、ゆっくりこっちに来てごらん。」
父上の大きな手に誘われ、俺は恐る恐る歩みを進める。
ぴたりと足が止まった。
「さぁ、いいよ。ゆっくり目を開けて。」
「…はい。」
俺はそっと瞼を開く。
すると、目の前には少年が立っていた。
俺より少しばかり背が低い。
眩しいほどの銀髪が陽の光に照らされ、さらさらと揺れる。
ぱっちりとした二重の瞼に柔らかく血色のよい頬と唇。
鼻筋がすっと通っている。
すごい美形だ。
「こりゃ、攻略対象かな…。」
「ん? 何か言った…?」
「いえ、なにも。」
「そっか。じゃあ、紹介するね! この子はアシュル、フランドールのひとつ下で12歳。」
父上は無表情な少年の肩をポンポンと叩きながら、俺に紹介する。アシュルと呼ばれた少年は俺に一瞬だけ冷たい視線を送り、床を見る。
どこか、影のあるこの感じ…。
絶対にフランドール側の攻略対象だ。
あまり関わりを持たない方が良さそうだな。
とかなんとか言いながら、過去を振り返ると俺はベェルともウェルとも良好な関係を築いている。今のところ特に異変は感じない。ただの友人、親友といったもの。甘い態度や空気はない。
「アシュル、この子がフランドールだ。」
「…アシュル・メディチです。」
「メディチ…?」
「今日からアシュルはフランの弟になる。フランは、お兄ちゃんになるんだ。」
「お兄ちゃん…、お兄ちゃん?!」
やっぱり完全に攻略対象ではないか!
話によると、アシュルは父上フレンディ・メディチの弟の息子。叔父の4男、つまり俺の従兄弟。らしいのだが、どうやら叔父の息子ではないらしい。妻の浮気相手との隠し子だそうだ…。なんでも、叔父の妻が浮気相手に任せてこっそり育てていたらしく、叔父が水晶に祈った覚えのない子だと。となると、俺との血縁は無い。育てていた浮気相手がアシュルを暴露の手紙と共に、叔父の屋敷に置いて消え、騒動に。一度は引き取ったものの、浮気相手に似たアシュルを愛せず、養子に出すことにした。アシュルの存在を知ったルルーシュがすぐに叔父に連絡を取った。そうして、屋敷に居られなくなったアシュルをフレンディとルルーシュが引き取ったとのこと。
うーん、なかなか重い。
俺のBLの知識上、何か影のあるタイプは所謂「執着攻め」になりやすい。
とても、とても危険なタイプである。
だが…。
睨んでいるのだろうけど、くるりとした瞳で見上げられると……。
ううんっ。
可愛いいいいいいいいい!
可愛すぎるよぉお!
だって、俺の憧れの弟だぜ?!
素っ気なくするとか、距離感取るとかムリムリムリ!
「あ、アシュルく~ん。これからよろしくね?」
さぁ、早くお兄ちゃんと呼んでくれっ!
「…はい。」
「敬語なんて使わなくて良いんだぞ~! 何が好き? 甘いもの? 魔法? 鬼ごっこ?」
「……別に。」
ふいっとそっぽを向かれてしまった。
照れてるのかなぁ…?
可愛いいいいいいいい!!
こうして俺には弟ができた。
ベェルがいなくて寂しい心も弟の存在に温められる。頬が気がつけば緩み、勉強そっちのけで眺めてしまうことも…。ウェルも忙しいらしくて、会えていない。けれど、俺は毎日が楽しかった。我が弟は、なかなかのツンツン系。振り向かせたくて、必死になる。時折、ふんわりと表情が柔らかくなるのに気が付くと、それが見たくて見たくて…っ。
最近、やっと「兄上」とまでは呼んでくれるようになった。まだまだ「お兄ちゃん」とは呼んでくれないけど日々、進歩している。
ちなみにアシュルは、甘いものが好きだ。
俺は苦手だから、アシュルが食べるのをじーと見ている。
とにかく、可愛い俺の癒やしだ。
突然、父上に呼び出された。
あの父上がお叱りになるほど悪いことをしてしまったのだろうかと怖い…。
父上が俺を呼び出すなんてことは、まず無い。
だって、父上は勝手に部屋に入ってくるし、食事のときには顔を合わせている。
勝手に部屋に入るなんて思春期の我が妹に同じことをしたら、二週間は口を聞いてくれなくなる。
コンコン…と重厚な書斎の扉を叩く。
ああ、怖い。
「失礼します…。」
「フラン! 待って! 目を瞑って!」
叫ぶように大きな声で言われ、俺は慌てて自分の瞼を掌で覆った。
「よし、ゆっくりこっちに来てごらん。」
父上の大きな手に誘われ、俺は恐る恐る歩みを進める。
ぴたりと足が止まった。
「さぁ、いいよ。ゆっくり目を開けて。」
「…はい。」
俺はそっと瞼を開く。
すると、目の前には少年が立っていた。
俺より少しばかり背が低い。
眩しいほどの銀髪が陽の光に照らされ、さらさらと揺れる。
ぱっちりとした二重の瞼に柔らかく血色のよい頬と唇。
鼻筋がすっと通っている。
すごい美形だ。
「こりゃ、攻略対象かな…。」
「ん? 何か言った…?」
「いえ、なにも。」
「そっか。じゃあ、紹介するね! この子はアシュル、フランドールのひとつ下で12歳。」
父上は無表情な少年の肩をポンポンと叩きながら、俺に紹介する。アシュルと呼ばれた少年は俺に一瞬だけ冷たい視線を送り、床を見る。
どこか、影のあるこの感じ…。
絶対にフランドール側の攻略対象だ。
あまり関わりを持たない方が良さそうだな。
とかなんとか言いながら、過去を振り返ると俺はベェルともウェルとも良好な関係を築いている。今のところ特に異変は感じない。ただの友人、親友といったもの。甘い態度や空気はない。
「アシュル、この子がフランドールだ。」
「…アシュル・メディチです。」
「メディチ…?」
「今日からアシュルはフランの弟になる。フランは、お兄ちゃんになるんだ。」
「お兄ちゃん…、お兄ちゃん?!」
やっぱり完全に攻略対象ではないか!
話によると、アシュルは父上フレンディ・メディチの弟の息子。叔父の4男、つまり俺の従兄弟。らしいのだが、どうやら叔父の息子ではないらしい。妻の浮気相手との隠し子だそうだ…。なんでも、叔父の妻が浮気相手に任せてこっそり育てていたらしく、叔父が水晶に祈った覚えのない子だと。となると、俺との血縁は無い。育てていた浮気相手がアシュルを暴露の手紙と共に、叔父の屋敷に置いて消え、騒動に。一度は引き取ったものの、浮気相手に似たアシュルを愛せず、養子に出すことにした。アシュルの存在を知ったルルーシュがすぐに叔父に連絡を取った。そうして、屋敷に居られなくなったアシュルをフレンディとルルーシュが引き取ったとのこと。
うーん、なかなか重い。
俺のBLの知識上、何か影のあるタイプは所謂「執着攻め」になりやすい。
とても、とても危険なタイプである。
だが…。
睨んでいるのだろうけど、くるりとした瞳で見上げられると……。
ううんっ。
可愛いいいいいいいいい!
可愛すぎるよぉお!
だって、俺の憧れの弟だぜ?!
素っ気なくするとか、距離感取るとかムリムリムリ!
「あ、アシュルく~ん。これからよろしくね?」
さぁ、早くお兄ちゃんと呼んでくれっ!
「…はい。」
「敬語なんて使わなくて良いんだぞ~! 何が好き? 甘いもの? 魔法? 鬼ごっこ?」
「……別に。」
ふいっとそっぽを向かれてしまった。
照れてるのかなぁ…?
可愛いいいいいいいい!!
こうして俺には弟ができた。
ベェルがいなくて寂しい心も弟の存在に温められる。頬が気がつけば緩み、勉強そっちのけで眺めてしまうことも…。ウェルも忙しいらしくて、会えていない。けれど、俺は毎日が楽しかった。我が弟は、なかなかのツンツン系。振り向かせたくて、必死になる。時折、ふんわりと表情が柔らかくなるのに気が付くと、それが見たくて見たくて…っ。
最近、やっと「兄上」とまでは呼んでくれるようになった。まだまだ「お兄ちゃん」とは呼んでくれないけど日々、進歩している。
ちなみにアシュルは、甘いものが好きだ。
俺は苦手だから、アシュルが食べるのをじーと見ている。
とにかく、可愛い俺の癒やしだ。
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