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※魔王の座
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温かで優しく大きな手が髪を撫でる。その心地よさに、ヴェルダルクは、うっとりと身を寄せた。身体が酷く怠くて、目を覚ますのを躊躇する。もう少し、寝ていたい…。そう思いながら微睡む。
ああ、もうそろそろ起きないとサクライに叱られてしまう。アイツは、口うるさいから、早く起き上がらなければ。面倒な気持ちで、ヴェルダルクはようやっと重い瞼を持ち上げた。視界に入ったのは、金髪の美しい青年。ヴェルダルクの横たわるベッドに腰掛け、黒髪を撫でている。ヴェルダルクが目覚めたのに気が付き、うっすらと微笑み口を開いた。
「貴方と出会ったあの日、僕は貴方を征服するつもりだった。貴方に拾われたのは偶然だったけど、僕が魔界に堕ちたのは偶然じゃない。この国を滅ぼすために、故意に堕とされたんです。貴方を殺して、父や母に認めてもらおうと思っていた。」
静かな声が淡々と話す。
やっぱり自分は、騙されていたのかとぼんやり思う。
「でも、ヴェル様と暮らしていくうちに僕は、貴方を殺せなくなった。」
うっとりと、ヴェルダルクの頬を撫でながらヴァルスは言う。透き通る宝石のような蒼い瞳が近づいてくる。柔らかな感触が唇に触れ、それからすぐに濡れた舌先が閉じている唇を開く。少しザラつきのあるそれが、舌を絡めとり口内を犯していく。混ざり合う唾液を必死に飲み込むうちに、身体が快楽を追った。離れていく唇を、ヴェルダルクは名残惜しそうに見た。
「ヴェル様が、僕を愛しているみたいに大事にするから……、僕は、ヴェル様を愛してしまった。」
「愛…?」
「でも、ヴェル様は、僕を捨てようとした。」
「っ…違うっ!」
「違う…? 何が違うんですか?」
「ひうぁっ!」
違うという言葉に、ヴァルスが反応する。怒りを露にした声のあと、大きな手に陰茎を掴まれた。その手は、やや乱雑にヴェルダルクの陰茎を擦った。同仕様もなく、快楽が高まっていく。
「やぁっ…あっ!…まってぇ…。」
「だから、僕は貴方を征服する。征服して、僕は、貴方から魔王の座を奪うことにした。」
「せい、ふく…? ぁ、んあっ!」
「ふふっ、そういえば、まだここでイってなかったですよね?」
「へっ? ぁあっ‼ やっ、ぁ、あ!」
征服…?
オレを征服して、魔王の座を奪う?
快楽に飲まれそうになりながら、必死に言葉の意味を理解しようとする。しかし、そんな思考を惑わすようにヴァルスの手が動く。先走りが溢れ、ぬるぬると粘りを増す。身体がびくびくとする、腰が勝手に動いてしまう。それに気がついたヴァルスが、更に動きを早めた。ヴェルダルクの呼吸がはっはっと荒くなる。鼓動も高まって、身体がどんどん熱くなった。
「あっ、あ、あっ、イクッ、いっちゃうぅ…。やっ、はっ、ぁあっ!」
熱い欲が迫り上がり、ヴェルダルクは、ついに爆ぜた。足がガクガクと震えて痙攣した。びゅーびゅーっと長い長い射精がつづく。ヴェルダルクは、身体を仰け反らせ、足先をぴんと張った。
「ぁあっ、うあっ……ああ、あっ。」
「気持ちいい? もっとイきたいですよね?」
「…へっ? やっ!、もういいっ! ぁあっ!」
イったばかりで、まだ震える身体。それなのにヴァルスは、欲を吐き出したばかりの陰茎をまた擦り始める。グチュグチュと水音を立てながら、しごかれる。ヴェルダルクは、連続的な声を垂れ流して悶え喘ぐ。
「やだっ…もう、やだぁ! イったぁ! もうやだ…やだぁっ!」
ボロボロと泣きながら、ヴァルスに必死に叫ぶ。もはや精液は垂れ流しの状態だ。ぴゅっぴゅうと、もう何度も何度も射精している。けれど、ヴァルスは手を止めてくれない。
気持ち良い…、気持ち良い…。
苦しい…、気持ちよすぎて、おかしくなるっ。
「ああ、泣いているヴェル様、かわいい。」
耳元で囁かれる甘い声。ヴェルダルクの身体がぴくりと反応した。途端に、身体の奥を電気のようなビリビリとしたものが駆け巡っていく。これ…、やばいっ!
「やぁ! ぁっ、なんか、変んんんっ…ゔぁる、すっ! やだぁっ…やだっ…ぁあっ、あああっ!」
ぷしゅっ…ぱたたたっ…。頭が真っ白になる。一際大きな快感が全身をびくびくと痙攣させる。脚がガクガクと震えた、イってるのに、イクのが…、止まらないっ。精液ではないものが、腹部やシーツを濡らした。
「あはっ♡ ヴェル様、お漏らししちゃったね。」
「ふぁっ…、やぁっ、見ないでぇ。」
羞恥心で涙を浮かべるヴェルダルク。
そんな彼を抱きしめ、ヴァルスは、恍惚の表情を浮かべた。
「こんなんじゃヴェル様、もう魔王なんて務まらないですね。でも大丈夫、僕が貴方の代わりに魔王になりますから。ヴェル様は、ずっと此処で僕のお嫁さんとして囲ってあげます。貴方は、もうこの部屋から出なくていいんだ。ううん、この部屋から出られない。絶対に逃さないです。もし逃げるようなことがあれば…。」
永遠に貴方を犯し続ける。
「今日からは、僕が魔王だ。」
終
ああ、もうそろそろ起きないとサクライに叱られてしまう。アイツは、口うるさいから、早く起き上がらなければ。面倒な気持ちで、ヴェルダルクはようやっと重い瞼を持ち上げた。視界に入ったのは、金髪の美しい青年。ヴェルダルクの横たわるベッドに腰掛け、黒髪を撫でている。ヴェルダルクが目覚めたのに気が付き、うっすらと微笑み口を開いた。
「貴方と出会ったあの日、僕は貴方を征服するつもりだった。貴方に拾われたのは偶然だったけど、僕が魔界に堕ちたのは偶然じゃない。この国を滅ぼすために、故意に堕とされたんです。貴方を殺して、父や母に認めてもらおうと思っていた。」
静かな声が淡々と話す。
やっぱり自分は、騙されていたのかとぼんやり思う。
「でも、ヴェル様と暮らしていくうちに僕は、貴方を殺せなくなった。」
うっとりと、ヴェルダルクの頬を撫でながらヴァルスは言う。透き通る宝石のような蒼い瞳が近づいてくる。柔らかな感触が唇に触れ、それからすぐに濡れた舌先が閉じている唇を開く。少しザラつきのあるそれが、舌を絡めとり口内を犯していく。混ざり合う唾液を必死に飲み込むうちに、身体が快楽を追った。離れていく唇を、ヴェルダルクは名残惜しそうに見た。
「ヴェル様が、僕を愛しているみたいに大事にするから……、僕は、ヴェル様を愛してしまった。」
「愛…?」
「でも、ヴェル様は、僕を捨てようとした。」
「っ…違うっ!」
「違う…? 何が違うんですか?」
「ひうぁっ!」
違うという言葉に、ヴァルスが反応する。怒りを露にした声のあと、大きな手に陰茎を掴まれた。その手は、やや乱雑にヴェルダルクの陰茎を擦った。同仕様もなく、快楽が高まっていく。
「やぁっ…あっ!…まってぇ…。」
「だから、僕は貴方を征服する。征服して、僕は、貴方から魔王の座を奪うことにした。」
「せい、ふく…? ぁ、んあっ!」
「ふふっ、そういえば、まだここでイってなかったですよね?」
「へっ? ぁあっ‼ やっ、ぁ、あ!」
征服…?
オレを征服して、魔王の座を奪う?
快楽に飲まれそうになりながら、必死に言葉の意味を理解しようとする。しかし、そんな思考を惑わすようにヴァルスの手が動く。先走りが溢れ、ぬるぬると粘りを増す。身体がびくびくとする、腰が勝手に動いてしまう。それに気がついたヴァルスが、更に動きを早めた。ヴェルダルクの呼吸がはっはっと荒くなる。鼓動も高まって、身体がどんどん熱くなった。
「あっ、あ、あっ、イクッ、いっちゃうぅ…。やっ、はっ、ぁあっ!」
熱い欲が迫り上がり、ヴェルダルクは、ついに爆ぜた。足がガクガクと震えて痙攣した。びゅーびゅーっと長い長い射精がつづく。ヴェルダルクは、身体を仰け反らせ、足先をぴんと張った。
「ぁあっ、うあっ……ああ、あっ。」
「気持ちいい? もっとイきたいですよね?」
「…へっ? やっ!、もういいっ! ぁあっ!」
イったばかりで、まだ震える身体。それなのにヴァルスは、欲を吐き出したばかりの陰茎をまた擦り始める。グチュグチュと水音を立てながら、しごかれる。ヴェルダルクは、連続的な声を垂れ流して悶え喘ぐ。
「やだっ…もう、やだぁ! イったぁ! もうやだ…やだぁっ!」
ボロボロと泣きながら、ヴァルスに必死に叫ぶ。もはや精液は垂れ流しの状態だ。ぴゅっぴゅうと、もう何度も何度も射精している。けれど、ヴァルスは手を止めてくれない。
気持ち良い…、気持ち良い…。
苦しい…、気持ちよすぎて、おかしくなるっ。
「ああ、泣いているヴェル様、かわいい。」
耳元で囁かれる甘い声。ヴェルダルクの身体がぴくりと反応した。途端に、身体の奥を電気のようなビリビリとしたものが駆け巡っていく。これ…、やばいっ!
「やぁ! ぁっ、なんか、変んんんっ…ゔぁる、すっ! やだぁっ…やだっ…ぁあっ、あああっ!」
ぷしゅっ…ぱたたたっ…。頭が真っ白になる。一際大きな快感が全身をびくびくと痙攣させる。脚がガクガクと震えた、イってるのに、イクのが…、止まらないっ。精液ではないものが、腹部やシーツを濡らした。
「あはっ♡ ヴェル様、お漏らししちゃったね。」
「ふぁっ…、やぁっ、見ないでぇ。」
羞恥心で涙を浮かべるヴェルダルク。
そんな彼を抱きしめ、ヴァルスは、恍惚の表情を浮かべた。
「こんなんじゃヴェル様、もう魔王なんて務まらないですね。でも大丈夫、僕が貴方の代わりに魔王になりますから。ヴェル様は、ずっと此処で僕のお嫁さんとして囲ってあげます。貴方は、もうこの部屋から出なくていいんだ。ううん、この部屋から出られない。絶対に逃さないです。もし逃げるようなことがあれば…。」
永遠に貴方を犯し続ける。
「今日からは、僕が魔王だ。」
終
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