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17話 ※残り香
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遊園地から出て、悠馬とも別れ質素なアパートに帰ってきた銀二郎は、遊んだ後の消耗感にベッドへと突っ伏した。
みんなに気を使わせてしまったな・・・。
あの日以来、蓮に返すこともなく、そのままになっていた上着をおもむろに雑貨店の紙袋から取り出す。鼻を布に押し付けて、深く息を吸った。もう長い間、感じることができなくなっている女性受けの良さそうな香水の香り...、上着からも、日に日に薄まるその匂いに寂しさを煽られる。
「スゥ...蓮くん、、ごめんなさい、、」
恋しい香りに、身体は簡単に熱を持ちはじめる。最近、ひとりで自身を慰めることが増えた。
ベルトを外し、ズボンに手を伸ばす。まだ、女の温もりを知らないそこは触れる前から涎を垂らしている、この青年が女を知ることなど今後も訪れないだろう。銀二郎は自分の男らしい掌で欲望を包み込んだ。ゆるゆると擦りあげる...次に、先っちょの小さな穴と引っ掛かりを両手の指先で弄る。
ベッドの上には蓮の上着、それに顔を埋めながら優しい声を思い出す。
『ぎんじろう、、気持ちい?』
「...れ、れんくぅ...あっ...ふ、」
ときどき擦って出すだけだった、銀二郎の慰め方は蓮に出会ってから変わってしまった。自慰をするとき、彼を思い出さないと達することが難しくなった。
『まだ、ダメ。後ろでイけるよな』
頭の中で造り上げられる、ちょっといじわるな蓮と命令。ただの想像に欲を知る後ろが生唾を飲み込む喉のようにゴクりと、ひくつく。
「んぅ...」
先走りで濡れた指先を蕾に当てる。ゆっくりとほぐしてくれた感覚を思い出しながら、指を中へと挿入する。蓮よりも太い自分の指は彼のように上手く動いてくれない。触れると気持ちの良いトコロを指先の感覚で探す、ふと少し腫れた場所見つけ指先に力を入れた。
ぐちゅぐちゅと、好き勝手に前立腺を刺激する。ど、どうしよう、指を動かすのを・・・止められない・・・!
「ぁあ!..んぅ...ひっ、れんくん..あ、あ...きもちっ...いいっ、んぁぁ!!」
生ぬるい白濁がシーツと蓮の上着に広がった。しばらくは、快楽にぼーとしていたが、はっきりとしてくる頭をすぐに罪悪感と虚しさが埋め尽くした。
目頭が熱くなる、銀二郎はベッドの上で頭を抱えるようにして踞った。じわじわと喉が痛み、涙が溢れ出す。
「うう、、、ぐすっ、ううぅ」
大の男が声をあげて泣くなんて、みっともないと言わないでください。
この恋は、僕には苦しすぎるのです。
∇
「よごしちゃった・・・」
ついに洗わなければならない日が来てしまった、と銀二郎は落ち込んだ。
出してしまったモノが、そこまで派手に掛かっていなくて不覚にも安心してしまったのは僕だけの秘密・・・。
みんなに気を使わせてしまったな・・・。
あの日以来、蓮に返すこともなく、そのままになっていた上着をおもむろに雑貨店の紙袋から取り出す。鼻を布に押し付けて、深く息を吸った。もう長い間、感じることができなくなっている女性受けの良さそうな香水の香り...、上着からも、日に日に薄まるその匂いに寂しさを煽られる。
「スゥ...蓮くん、、ごめんなさい、、」
恋しい香りに、身体は簡単に熱を持ちはじめる。最近、ひとりで自身を慰めることが増えた。
ベルトを外し、ズボンに手を伸ばす。まだ、女の温もりを知らないそこは触れる前から涎を垂らしている、この青年が女を知ることなど今後も訪れないだろう。銀二郎は自分の男らしい掌で欲望を包み込んだ。ゆるゆると擦りあげる...次に、先っちょの小さな穴と引っ掛かりを両手の指先で弄る。
ベッドの上には蓮の上着、それに顔を埋めながら優しい声を思い出す。
『ぎんじろう、、気持ちい?』
「...れ、れんくぅ...あっ...ふ、」
ときどき擦って出すだけだった、銀二郎の慰め方は蓮に出会ってから変わってしまった。自慰をするとき、彼を思い出さないと達することが難しくなった。
『まだ、ダメ。後ろでイけるよな』
頭の中で造り上げられる、ちょっといじわるな蓮と命令。ただの想像に欲を知る後ろが生唾を飲み込む喉のようにゴクりと、ひくつく。
「んぅ...」
先走りで濡れた指先を蕾に当てる。ゆっくりとほぐしてくれた感覚を思い出しながら、指を中へと挿入する。蓮よりも太い自分の指は彼のように上手く動いてくれない。触れると気持ちの良いトコロを指先の感覚で探す、ふと少し腫れた場所見つけ指先に力を入れた。
ぐちゅぐちゅと、好き勝手に前立腺を刺激する。ど、どうしよう、指を動かすのを・・・止められない・・・!
「ぁあ!..んぅ...ひっ、れんくん..あ、あ...きもちっ...いいっ、んぁぁ!!」
生ぬるい白濁がシーツと蓮の上着に広がった。しばらくは、快楽にぼーとしていたが、はっきりとしてくる頭をすぐに罪悪感と虚しさが埋め尽くした。
目頭が熱くなる、銀二郎はベッドの上で頭を抱えるようにして踞った。じわじわと喉が痛み、涙が溢れ出す。
「うう、、、ぐすっ、ううぅ」
大の男が声をあげて泣くなんて、みっともないと言わないでください。
この恋は、僕には苦しすぎるのです。
∇
「よごしちゃった・・・」
ついに洗わなければならない日が来てしまった、と銀二郎は落ち込んだ。
出してしまったモノが、そこまで派手に掛かっていなくて不覚にも安心してしまったのは僕だけの秘密・・・。
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