5 / 53
3話 三本木 蓮
しおりを挟む
俺にとってセックスは娯楽だ。
カラオケ行ったり、映画見たり、本読んだり、酒飲んだり、そういうのと同じ。
俺は楽しいからセックスする。
「抱かれたい」と言われて面白そうだったから、気まぐれに男を抱いてみた。そしたら、すぐに噂が広まって、何人かの男が俺に「自分も抱かれたい」と言い寄ってきた。それから一週間も経たないうちに、俺のセフレには男が増えた。
ある日、俺より図体のデカイ男が見下ろしながら顔を真っ赤にして「セフレにしてください」と言ってきた。
俺は「おもしろそうだから、良いよ」と思ったままを口にする。
図体のデカイ男は、たかがセフレなのに嬉しそうだった。セフレになったくらいで「ありがとうございます」なんてあんまり言われたことない。抱いたら彼女ヅラ?してくるかな、めんどくさいタイプだったら切ればいいかと連絡先を交換した。
男の名前は佐野 銀二朗。
ホテルに呼べばどんな時でも絶対に来る、忠犬だ。
めんどくさいタイプになるかと思ったが、自分の立場をわきまえているらしい。忠犬はプライベートで一切関わってこない。ただ、暑苦しい視線を俺に向けてくるだけだ。
そんな忠犬が今日はいつも一緒にいる、更にデカイ男に尻尾を振っていた。そのデカイ男が忠犬の頬に触れる。
なついた犬が他のヤツにまで尻尾振ってたら、おもしろくないだろ?
だから、俺は声を掛けてみることにした。肩を抱き、ソイツに見せつける。ソイツは有田 悠馬というらしい。俺を完全に警戒してる・・・過保護だな。
忠犬はいつものように「蓮くん」とは呼ばなかった。「三本木くん」なんて、よそよそしくて、少し苛立った。
困らせてやろうと思い「俺たちトモダチだろー?」と話しかける。
「あ、その、気が付かなくて」なんてシラを切るのがつまらねー。
「俺のこと見てたでしょ?」というとあっという間に顔を赤くする。ほら、見ろ。俺のこと好きでしょうがないんだよ、銀二朗は。
俺はわざと有田の前で「いつもの所で待ってるから」と忠犬に言った。すぐに顔が赤くなるのはコイツの癖なんだろ、そういうところは気に入っている。
そのあと、遠くから見ていると忠犬が有田に唇を撫でられて頬を染めていた。
気に入らねぇ。
いつも通りちゃんとホテルに来た忠犬にキスをしようとする。銀二朗は、いつもキスを拒む。単に嫌いなのだと思っていた...。
「キス、嫌いなの?」と聞くと
「初めてのキスは好きな人としたい」と返ってきた。意味わかんねぇ、お前、俺のこと大好きじゃん。
俺のこと好きって感情、駄々漏れで...。
は?
何?俺を誰かの代わりにしてるってこと?
...誰かって、もしかして、有田か..?
犬のくせにムカつく。
俺はその日、銀二朗をイかせなかった。「相手も自分も気持ち良く」をモットーにしている俺なのに。なんか無性にイライラして、イかせる気になれなかった。
そのまま、いつも通り先に帰る。
ホテル代はアイツが払いたいというので、払わせている。俺の金は減らないし、アイツもそれで満足している様子、WinWin。
カラオケ行ったり、映画見たり、本読んだり、酒飲んだり、そういうのと同じ。
俺は楽しいからセックスする。
「抱かれたい」と言われて面白そうだったから、気まぐれに男を抱いてみた。そしたら、すぐに噂が広まって、何人かの男が俺に「自分も抱かれたい」と言い寄ってきた。それから一週間も経たないうちに、俺のセフレには男が増えた。
ある日、俺より図体のデカイ男が見下ろしながら顔を真っ赤にして「セフレにしてください」と言ってきた。
俺は「おもしろそうだから、良いよ」と思ったままを口にする。
図体のデカイ男は、たかがセフレなのに嬉しそうだった。セフレになったくらいで「ありがとうございます」なんてあんまり言われたことない。抱いたら彼女ヅラ?してくるかな、めんどくさいタイプだったら切ればいいかと連絡先を交換した。
男の名前は佐野 銀二朗。
ホテルに呼べばどんな時でも絶対に来る、忠犬だ。
めんどくさいタイプになるかと思ったが、自分の立場をわきまえているらしい。忠犬はプライベートで一切関わってこない。ただ、暑苦しい視線を俺に向けてくるだけだ。
そんな忠犬が今日はいつも一緒にいる、更にデカイ男に尻尾を振っていた。そのデカイ男が忠犬の頬に触れる。
なついた犬が他のヤツにまで尻尾振ってたら、おもしろくないだろ?
だから、俺は声を掛けてみることにした。肩を抱き、ソイツに見せつける。ソイツは有田 悠馬というらしい。俺を完全に警戒してる・・・過保護だな。
忠犬はいつものように「蓮くん」とは呼ばなかった。「三本木くん」なんて、よそよそしくて、少し苛立った。
困らせてやろうと思い「俺たちトモダチだろー?」と話しかける。
「あ、その、気が付かなくて」なんてシラを切るのがつまらねー。
「俺のこと見てたでしょ?」というとあっという間に顔を赤くする。ほら、見ろ。俺のこと好きでしょうがないんだよ、銀二朗は。
俺はわざと有田の前で「いつもの所で待ってるから」と忠犬に言った。すぐに顔が赤くなるのはコイツの癖なんだろ、そういうところは気に入っている。
そのあと、遠くから見ていると忠犬が有田に唇を撫でられて頬を染めていた。
気に入らねぇ。
いつも通りちゃんとホテルに来た忠犬にキスをしようとする。銀二朗は、いつもキスを拒む。単に嫌いなのだと思っていた...。
「キス、嫌いなの?」と聞くと
「初めてのキスは好きな人としたい」と返ってきた。意味わかんねぇ、お前、俺のこと大好きじゃん。
俺のこと好きって感情、駄々漏れで...。
は?
何?俺を誰かの代わりにしてるってこと?
...誰かって、もしかして、有田か..?
犬のくせにムカつく。
俺はその日、銀二朗をイかせなかった。「相手も自分も気持ち良く」をモットーにしている俺なのに。なんか無性にイライラして、イかせる気になれなかった。
そのまま、いつも通り先に帰る。
ホテル代はアイツが払いたいというので、払わせている。俺の金は減らないし、アイツもそれで満足している様子、WinWin。
3
お気に入りに追加
201
あなたにおすすめの小説
ハッピーエンド
藤美りゅう
BL
恋心を抱いた人には、彼女がいましたーー。
レンタルショップ『MIMIYA』でアルバイトをする三上凛は、週末の夜に来るカップルの彼氏、堺智樹に恋心を抱いていた。
ある日、凛はそのカップルが雨の中喧嘩をするのを偶然目撃してしまい、雨が降りしきる中、帰れず立ち尽くしている智樹に自分の傘を貸してやる。
それから二人の距離は縮まろうとしていたが、一本のある映画が、凛の心にブレーキをかけてしまう。
※ 他サイトでコンテスト用に執筆した作品です。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?
おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。
『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』
※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。
桜吹雪と泡沫の君
叶けい
BL
4月から新社会人として働き始めた名木透人は、高校時代から付き合っている年上の高校教師、宮城慶一と同棲して5年目。すっかりお互いが空気の様な存在で、恋人同士としてのときめきはなくなっていた。
慣れない会社勤めでてんてこ舞いになっている透人に、会社の先輩・渡辺裕斗が合コン参加を持ちかける。断り切れず合コンに出席した透人。そこで知り合った、桜色の髪の青年・桃瀬朔也と運命的な恋に落ちる。
だが朔也は、心臓に重い病気を抱えていた。
明け方に愛される月
行原荒野
BL
幼い頃に唯一の家族である母を亡くし、叔父の家に引き取られた佳人は、養子としての負い目と、実子である義弟、誠への引け目から孤独な子供時代を過ごした。
高校卒業と同時に家を出た佳人は、板前の修業をしながら孤独な日々を送っていたが、ある日、精神的ストレスから過換気の発作を起こしたところを芳崎と名乗る男に助けられる。
芳崎にお礼の料理を振舞ったことで二人は親しくなり、次第に恋仲のようになる。芳崎の優しさに包まれ、初めての安らぎと幸せを感じていた佳人だったが、ある日、芳崎と誠が密かに会っているという噂を聞いてしまう。
「兄さん、俺、男の人を好きになった」
誰からも愛される義弟からそう告げられたとき、佳人は言葉を失うほどの衝撃を受け――。
※ムーンライトノベルズに掲載していた作品に微修正を加えたものです。
【本編8話(シリアス)+番外編4話(ほのぼの)】お楽しみ頂けますように🌙
※お気に入り登録やいいね、エール、ご感想などの応援をいただきありがとうございます。励みになります!((_ _))*
幼馴染から離れたい。
June
BL
アルファの朔に俺はとってただの幼馴染であって、それ以上もそれ以下でもない。
だけどベータの俺にとって朔は幼馴染で、それ以上に大切な存在だと、そう気づいてしまったんだ。
βの谷口優希がある日Ωになってしまった。幼馴染でいられないとそう思った優希は幼馴染のα、伊賀崎朔から離れようとする。
誤字脱字あるかも。
最後らへんグダグダ。下手だ。
ちんぷんかんぷんかも。
パッと思いつき設定でさっと書いたから・・・
すいません。
キミの次に愛してる
Motoki
BL
社会人×高校生。
たった1人の家族である姉の由美を亡くした浩次は、姉の結婚相手、裕文と同居を続けている。
裕文の世話になり続ける事に遠慮する浩次は、大学受験を諦めて就職しようとするが……。
姉への愛と義兄への想いに悩む、ちょっぴり切ないほのぼのBL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる