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その後のはなし
その後のはなし
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「迎えに来て正解だったね」
車の前で腕組みをしながら、しかめっ面をした奏がジトッとした目で俺を見る。
「奏…、言っておくが誤解だ」
数時間前のこと・・・
「だから、何度も言うが迎えは必要ない」
「でもっ、もし何かあったらどうするの!」
「あのなぁ、俺は男だぞ。ただの会社の飲み会だし、何時になるかも分からないし。奏だって疲れてるだろ? ゆっくり休んでろよ」
「司は、司が思っている以上に可愛いんだよ!それ、わかってる?!」
「なっ、かわ…、そんなこと言うの奏くらいだぞ、、!」
結局、俺達は付き合うことになり、すぐに同棲をはじめた。二人で暮らしはじめてもう3年だ。色々あったけど、なんだかんだ仲が良いと思う。奏は心配性で、いつも何かと迎えに来ようとする。必要ないと言っても必ず迎えに来て、何時間も待ってくれていたりする。申し訳ないやら嬉しいやらで複雑な気持ちだ。
今日も予想通り奏が迎えに来てくれたわけだが…。
俺の横には、数年前に一度だけ会った男がいる。彼は俺にとって救世主のような神様のようなそんな存在だ。そんな彼、ミネと再会したのは、ほんの偶然。会社の飲み会で行った居酒屋でミネも自分と同じようにスーツを着ていたのだ。大学卒業後、ミネは大手広告会社に務め、働いているらしい。
「ふっ、懐かしいね。君にも会えるなんて今日は何だかいい日だ」
ミネは朗らかに笑い、以前と変わらない様子。
「それに、上手くいっているみたいだし」
俺の肩を抱き、ほんのり赤い頬でふんわりと笑うミネは、少しだけ色っぽい気がした。
それもそのはず、ミネの左手にはゴールドに輝くリングがはめられている。
きっと恋人がいるのだろう。
「おいっ!触んな!!」
俺の肩を抱いたミネの腕を奏がぐっと掴む。そして俺を背後に隠すと、猫のように毛を逆立てた。
「Get your hands off」
けれど、そんな奏の腕をさらに掴む者が現れた。
左手には、ゴールドのリングが光っている。
「えっ…?」
「へっ?」
堀の深い顔立ちとキラキラ輝くような金髪、青く澄んだ瞳。ミネよりさらに背の高い男が奏を冷たく睨んでいた。
「あ~、アッシュ。ふふっ、お迎え来てくれたんだ?」
「ミネオミ、ケイカイシン、ナイ」
「心配性だなぁ~、こんな大男をとって食おうなんて奴いないよ」
「ボクが、ソウダヨ」
「きゃ~、ケダモノ~!あははっ」
あれ、ミネさん、かなり酔ってる?
アッシュと呼ばれた男は、もう一度、俺達を睨みつけるとミネを横抱きにして連れて行った。
「…なんか、見せつけられちゃったな」
「はぁ!?オレたちの方がラブラブだしっ!」
「んむぅっ…!? んっ、ふっ、…んん!!」
バカッ!ここ、外っ!
ああっ、まだ会社の人も近くにいるかもしれないのにっ。
「んっ…、ぅっ、…んはぁっ!馬鹿っ!奏っ!」
「帰るよ、早く乗って」
「えっ?はっ?わっ、あっ!押すなっ!」
「泣いても犯す」
「へっ、、、?な、なんでだよ!?」
奏は、違反ギリギリの運転で俺達の住処へと急いだ。
車の前で腕組みをしながら、しかめっ面をした奏がジトッとした目で俺を見る。
「奏…、言っておくが誤解だ」
数時間前のこと・・・
「だから、何度も言うが迎えは必要ない」
「でもっ、もし何かあったらどうするの!」
「あのなぁ、俺は男だぞ。ただの会社の飲み会だし、何時になるかも分からないし。奏だって疲れてるだろ? ゆっくり休んでろよ」
「司は、司が思っている以上に可愛いんだよ!それ、わかってる?!」
「なっ、かわ…、そんなこと言うの奏くらいだぞ、、!」
結局、俺達は付き合うことになり、すぐに同棲をはじめた。二人で暮らしはじめてもう3年だ。色々あったけど、なんだかんだ仲が良いと思う。奏は心配性で、いつも何かと迎えに来ようとする。必要ないと言っても必ず迎えに来て、何時間も待ってくれていたりする。申し訳ないやら嬉しいやらで複雑な気持ちだ。
今日も予想通り奏が迎えに来てくれたわけだが…。
俺の横には、数年前に一度だけ会った男がいる。彼は俺にとって救世主のような神様のようなそんな存在だ。そんな彼、ミネと再会したのは、ほんの偶然。会社の飲み会で行った居酒屋でミネも自分と同じようにスーツを着ていたのだ。大学卒業後、ミネは大手広告会社に務め、働いているらしい。
「ふっ、懐かしいね。君にも会えるなんて今日は何だかいい日だ」
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「それに、上手くいっているみたいだし」
俺の肩を抱き、ほんのり赤い頬でふんわりと笑うミネは、少しだけ色っぽい気がした。
それもそのはず、ミネの左手にはゴールドに輝くリングがはめられている。
きっと恋人がいるのだろう。
「おいっ!触んな!!」
俺の肩を抱いたミネの腕を奏がぐっと掴む。そして俺を背後に隠すと、猫のように毛を逆立てた。
「Get your hands off」
けれど、そんな奏の腕をさらに掴む者が現れた。
左手には、ゴールドのリングが光っている。
「えっ…?」
「へっ?」
堀の深い顔立ちとキラキラ輝くような金髪、青く澄んだ瞳。ミネよりさらに背の高い男が奏を冷たく睨んでいた。
「あ~、アッシュ。ふふっ、お迎え来てくれたんだ?」
「ミネオミ、ケイカイシン、ナイ」
「心配性だなぁ~、こんな大男をとって食おうなんて奴いないよ」
「ボクが、ソウダヨ」
「きゃ~、ケダモノ~!あははっ」
あれ、ミネさん、かなり酔ってる?
アッシュと呼ばれた男は、もう一度、俺達を睨みつけるとミネを横抱きにして連れて行った。
「…なんか、見せつけられちゃったな」
「はぁ!?オレたちの方がラブラブだしっ!」
「んむぅっ…!? んっ、ふっ、…んん!!」
バカッ!ここ、外っ!
ああっ、まだ会社の人も近くにいるかもしれないのにっ。
「んっ…、ぅっ、…んはぁっ!馬鹿っ!奏っ!」
「帰るよ、早く乗って」
「えっ?はっ?わっ、あっ!押すなっ!」
「泣いても犯す」
「へっ、、、?な、なんでだよ!?」
奏は、違反ギリギリの運転で俺達の住処へと急いだ。
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こういうお話好きです!読ませて頂きありがとうございました!!
こここ様!
ありがとうございます✨
りんご様、いつもありがとうございます✨
ミネを受けにせずにはいられませんでした🙈
りんご様✨
いつもありがとうございます!
ミネくんなかなか良い男なんですよ…😁
だらだら書きですが、これからもよろしくお願いします。