地球破壊ボタン

満天の星空

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第12話

娯楽

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「あとは待つだけだね。」

「おう!不安もあるが、楽しみだぜ!」

「不安しかないよ。」

「ハナさん。弱気ですか?めっずらしぃ。」

「ワンはいつも通りだね。」

「そうだな。あ~なんか暇だなぁ。外うろうろしてくる。」

「気をつけて。」

「大丈夫だ。俺は最強だからな!」

「はいはいー、いってらっしゃーい。」

「へい!」

ワンとメールをするハナはテレビをつける。地球破壊ボタンの話はお蔵入りとなったのだろうか。一切話題として出てこない。
また、地球カウントダウンtvは、視聴率が取れなくなっていき、自然消滅したらしい。

テレビを消して、街中をぶらぶらする。
周りの人たちは、地球破壊ボタンのことはすでに忘れているのであろう。慌ただしく動く人はいない。ゆっくり歩き、ゆっくり話し、ゆっくり食べる。時間を無駄にしていることに気付いていないのだろうか。
そんなことを考えていると、ケーキ屋さんが見えたので入るとする。

「いちごのショートケーキとシュークリームとコーヒーのブラックで。」

「お会計950円になります。」

「1000円からで。」

「50円のお返しとレシートになります。ありがとうございました。ごゆっくりどうぞ。」

椅子に腰掛け、ケーキをもしゃもしゃ食べて、コーヒーをガブガブ飲む。周りの人たちは、おしゃべりに夢中だ。

「ワン。外に出てみたけど、みんなタイムリミット忘れてるのかな。時間無駄にしてない?そう思わない?」とメールを送る。

そして、シュークリームにかじりつく。
感動的な美味しさに涙が出そうだ。
気付けば、頼んだ物は全部なくなっていた。

「ごちそうさまでした。」と店員さんへ。

「ありがとうございましたー。」と返ってくる。

特にすることもないので、家へ帰るとする。
家へ着く。夜ご飯を食べ、風呂に入る。
ワンからメールが返ってきている。

「もしかすると、俺たちの人生は無駄の積み重ねかもしれねぇな。お前だって今日ケーキ食べてただろ?。見てたぞぉー。人生にケーキがいるように、必ずしもいるとは言えないものだって必要なんだよ。」

的を得たことを言うワンに納得するのだが、

「そうだね。詳しい話を後日聞かしてもらいます。」と返す。

科学は娯楽を生んだ。









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