ボクとサナ ~淫魔はミステリーに恋し、ロジックを愛する~

papporopueeee

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22. 調査:写真

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「これが、あの時の写真ッスか……」
「うん……懐かしいね」
「俺、マジですごい顔してるッスね」
「でしょー? まさに決定的な一枚だよねー……」
「……」
「……」

 少しの談笑を終えた後、部室の中には静寂が訪れた。
 聞こえるのは微かな息遣いと、風が入り込んでくる音と、運動部たちの遠い喧騒。

 テーブルの上に広げられたアルバムを三葉、嶺二、純夏が囲んでいる。
 入口付近に立っているシオンの位置からは例の写真を見ることはできない。

 テーブルから少し離れた位置では津が佇んでいて、先ほどから何かブツブツと呟いている。
 もしかしたら、また何か逆転の道筋を考えているのかもしれない。

「……どうっスか?」
「んー……なんか、キラキラした物が写ってる……ような?」
「……烏丸お前、ほんとどうやったらこんな小さな破片になるまで砕けるんだよ」
「……元サッカー部なんで」
「関係ないだろ……」

 写真部の会話内容は芳しくない。

 いまこの場においては、カメラである証拠を見つけられないこととあのUSBメモリがカメラではないことは同義だ。
 証拠もなく津からUSBメモリを押収することはできない。

 後日プロに依頼して証拠を見つけたとしても、津が過去に所持していたUSBメモリにカメラ機能があったことしか証明できない可能性が高い。

「……ねえねえ、この透明なやつってレンズだったりしないかな?」
「おおっ!?」
「……インジケータ―じゃないですか?」
「あー、そっちかー……」
「インジ……?」
「要はランプだよ。使用中だったら光ってわかりやすくするようなやつだ」
「な、なるほど……」

 写真一枚を検分するのに5分もかかることはない。
 雑談が主だった3人の調査も口数が減っていき、やがて三葉が幕引きを予告した。

「……そろそろ、いい?」
「……そっスね。自分はこれ以上は見てもわかんないっス」
「……」

『シオン、いまどんな気分だ?』
『……まだ、プロに見てもらってないし』
『クックッ、オッサンに泣き寝入りする準備が必要かもなぁ? 媚び声の練習をするなら付き合ってやるぜ?』

「レイくんももう……レイくん?」
「嶺二さん?」

 三葉と純夏が嶺二に声をかける。

 しかし2人の声も無視して、嶺二はテーブルの上のアルバムを見つめ続けていた。

「っ……これって、多分……いや、でも……」
「レイくん、何か見つけたの?」

 嶺二はまだ何も言っていない。
 しかし、写真の中に何かを見つけたことはその様子を見ていればすぐにわかった。

『あぁ……良かった』

 安堵して息を吐いたシオン。

 その次の瞬間、突然大きな物音が鳴り響いた。
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