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暴走の買い物編
頼れるのはあなただけ
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「ふーっ……」
とりあえずの危機は去った。ミミを危険にさらすことだけは避けられた。あとは翔斗自身の身の安全だけだ。
ミミの言う通り、射精しなくとも勃起を静めるのは難しいことじゃない。ただ落ち着いていれば自然と小さくなっていく。鏡に半裸の少女が映っているが、見なければいいだけだ。
「うん……よし……」
小さくなったら後は下着のサイズを確認するだけだ。変に意識することはない。ただ、今履いている下着の上から着けることができればいい。似合ってるかどうかを今確認するのは無理だ。そこはもう帰ってから見るしかない。
「小さくなってれば履けるな」
履いて帰るつもりだったが、今日は諦めよう。欲望よりも理性。身の安全こそが第一だ。翔斗は手早くショーパンを履きなおし、ミミと合流した。
「おまたせ」
「どうでしたか?」
「バッチリ。ただ、今日は履かないで帰るわ」
「その方が賢明かもしれませんね。ネコのことだから、更衣室から出られなくなってしまいそうですし」
「ぐっ……まあ、事実かもしれないけど……」
「くすっ。良かったらボクがお会計をしてきましょうか? ネコは店員さんと話すのが恥ずかしいみたいですから」
「いいよ。自分の物くらい、ちゃんと自分で買ってくる。それに会計だけだったら大して話すこともないだろ」
「そうですか。それじゃあボクはここで待っていますね。前言撤回はいつでも受け付けますので、困ったら頼ってくださいね」
「ばーか、男に二言はないっての」
試着コーナーの店員にお礼を言って、レジへ向かう。レジには十人程度の行列ができており、少しだけ時間がかかりそうだ。
「……へへっ」
手の中の下着見ていたら、思わず笑みがこぼれてしまった。女性用の下着なんて恥ずかしいと思っていたが、気に入ったデザインを見つけられるとなんとも嬉しい。しかも、これを履くことでさらに可愛くなれるのだからわくわくして仕方がない。
(しかし、改めて見てもすごいな、これ)
紐パンな上にTバック。もはや布の面積は隠すと言うことを放棄している。こんなスケベな下着がお気に入りだという事実は少し恥ずかしくもあるが、ミミとリサのおかげか吹っ切れた気がする。それにどうせ見られるとしてもあのふたりにだけだ。ふたりの方がよっぽど変態だから問題ないだろう。
レジの行列は着々と解消されていく。店員に下着を渡して、会計して、受け取って……。
(店員に、渡す……?)
ここにいる女性たちは、自分が身に着ける下着を買いに来ている。下着の会計をするということは、店員に対して私はこの下着を履きますと宣言するのと同じだ。
翔斗の手に握られているそれは文字通り布切れだ。これを、「私はこれが気に入りました。これが履きたいんです」、と店員に渡して初めて会計が成立する。
「お待ちのお客様どうぞー」
翔斗を呼ぶ女性店員の声が頭の中に響いた。
「あ、あの……ミミ……?」
「どうかしたんですか? 今にも泣きそうなほどに顔を真っ赤にして。それじゃあまるで恥ずかしがり屋の女の子みたいですよ。ネコはさっき男に二言はないと言いながらレジに向かったと思っていたのですが」
「うっ……」
「くすっ、前言を撤回するのならそれなりの頼み方があると思いませんか? ねえ、可愛い女の子のネコちゃん?」
「……ぅっ、あ、あた、あたしの代わりに、これの会計をお願いします」
「そんなに履きたいんですか? こーんなにえっちな下着が?」
「くっそ……! あ、あたしはエロい下着が大好きなんです……! こ、こんなのが履きたくて仕方がないんです!」
とりあえずの危機は去った。ミミを危険にさらすことだけは避けられた。あとは翔斗自身の身の安全だけだ。
ミミの言う通り、射精しなくとも勃起を静めるのは難しいことじゃない。ただ落ち着いていれば自然と小さくなっていく。鏡に半裸の少女が映っているが、見なければいいだけだ。
「うん……よし……」
小さくなったら後は下着のサイズを確認するだけだ。変に意識することはない。ただ、今履いている下着の上から着けることができればいい。似合ってるかどうかを今確認するのは無理だ。そこはもう帰ってから見るしかない。
「小さくなってれば履けるな」
履いて帰るつもりだったが、今日は諦めよう。欲望よりも理性。身の安全こそが第一だ。翔斗は手早くショーパンを履きなおし、ミミと合流した。
「おまたせ」
「どうでしたか?」
「バッチリ。ただ、今日は履かないで帰るわ」
「その方が賢明かもしれませんね。ネコのことだから、更衣室から出られなくなってしまいそうですし」
「ぐっ……まあ、事実かもしれないけど……」
「くすっ。良かったらボクがお会計をしてきましょうか? ネコは店員さんと話すのが恥ずかしいみたいですから」
「いいよ。自分の物くらい、ちゃんと自分で買ってくる。それに会計だけだったら大して話すこともないだろ」
「そうですか。それじゃあボクはここで待っていますね。前言撤回はいつでも受け付けますので、困ったら頼ってくださいね」
「ばーか、男に二言はないっての」
試着コーナーの店員にお礼を言って、レジへ向かう。レジには十人程度の行列ができており、少しだけ時間がかかりそうだ。
「……へへっ」
手の中の下着見ていたら、思わず笑みがこぼれてしまった。女性用の下着なんて恥ずかしいと思っていたが、気に入ったデザインを見つけられるとなんとも嬉しい。しかも、これを履くことでさらに可愛くなれるのだからわくわくして仕方がない。
(しかし、改めて見てもすごいな、これ)
紐パンな上にTバック。もはや布の面積は隠すと言うことを放棄している。こんなスケベな下着がお気に入りだという事実は少し恥ずかしくもあるが、ミミとリサのおかげか吹っ切れた気がする。それにどうせ見られるとしてもあのふたりにだけだ。ふたりの方がよっぽど変態だから問題ないだろう。
レジの行列は着々と解消されていく。店員に下着を渡して、会計して、受け取って……。
(店員に、渡す……?)
ここにいる女性たちは、自分が身に着ける下着を買いに来ている。下着の会計をするということは、店員に対して私はこの下着を履きますと宣言するのと同じだ。
翔斗の手に握られているそれは文字通り布切れだ。これを、「私はこれが気に入りました。これが履きたいんです」、と店員に渡して初めて会計が成立する。
「お待ちのお客様どうぞー」
翔斗を呼ぶ女性店員の声が頭の中に響いた。
「あ、あの……ミミ……?」
「どうかしたんですか? 今にも泣きそうなほどに顔を真っ赤にして。それじゃあまるで恥ずかしがり屋の女の子みたいですよ。ネコはさっき男に二言はないと言いながらレジに向かったと思っていたのですが」
「うっ……」
「くすっ、前言を撤回するのならそれなりの頼み方があると思いませんか? ねえ、可愛い女の子のネコちゃん?」
「……ぅっ、あ、あた、あたしの代わりに、これの会計をお願いします」
「そんなに履きたいんですか? こーんなにえっちな下着が?」
「くっそ……! あ、あたしはエロい下着が大好きなんです……! こ、こんなのが履きたくて仕方がないんです!」
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