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幕間
夜伽の効能
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理由はわからない。
むしろ、夜伽をさせなかった次の朝の方がスッキリと起きれて然るべきだ。
普通に考えたら逆であるはずなのだ。
それなのに、最近の俺の体は玲に夜伽をさせた次の日に限って疲れが取れている。
先週も、先々週もそうだった。
理由も関連性も不明だけれど、2回も結果が続いたのならそう思うしかない。
俺の体は今、玲に夜伽をさせなければ疲れが取れない体になっているのだと。
「…………」
「……?」
俺の視線を、玲は不思議そうな顔で受け止める。
玲に訊いたところで何もわからないだろう。
玲に人体やら睡眠についての深い知見があるわけがない。
授業を受けたことも無く、スマホでの情報収集もできない玲は、宗田の家の従者としての実用的な知識しか持ち合わせていはいない
単純に考えれば、夜伽でストレスが発散されているのが快眠の理由だろうか。
最近の俺は性欲が薄い自覚がある。
夜伽なんて月一でもいいんじゃないかと思えてしまうくらいに淡白だ。
したがって、性欲の発散は関係性があるとは思えない。
そして、先ほど挙げた通り俺は玲の将来を考えることにストレスを感じている。
そんなストレスの原因である玲を、俺は最近の夜伽でいじめているのだ。
正確には夜伽中にも俺が動くようになったというだけなのだが、喘ぎ悶える玲の姿を他者が見ればいじめていると思うだろう。
おそらくは、これが夜伽の次の日にだけ疲れが取れている理由だ。
根拠は薄いけれど、納得できないほどでもない。
つまり、夜伽で玲をいじめる以外のストレス発散を見つけることができれば、睡眠の質も改善して、夕食直後には欠伸を漏らすような体たらくを晒すことも無くなるはずなのだが――
「……」
「? ひゃうひろひゃま……?」
俺の指がほっぺを引っ張っても、玲は嫌がる素振りも無く、されるがままに疑問符を浮かべている。
「なんでもない……」
「……一宏様がお望みでしたらいつでも、いつまでも、私の頬を差し出しますが」
「いや、いらん。さっさと飯食え」
「承知しました」
はたして、玲に夜伽をさせる以上のストレス発散があるのだろうか。
性欲が無くとも夜伽の気持ちよさは変わらない。
玲が無様に喘ぎ散らすのも夜伽の時だけだ。
3大欲求の1つである性欲を満たす夜伽に匹敵する何かが簡単に見つかるとも思えない。
「そうだ、一宏君。良かったら、今日から筋トレをしてみないかい? 適度な運動は健康に良いし、筋肉量が増えると代謝も良くなるからね。たくさん食べて、たくさん飲んで、たくさん汗をかく。そうやって体内を循環させれば、きっと疲労回復にも効くと思うんだ」
「…………考えておきます」
いつも元気溌剌としている珠美の姿を見ていれば、筋トレが効果的であろうことは予想がつく。
しかしそれは分かっていても、なぜだか珠美の誘いに乗る気は起きなかった。
むしろ、夜伽をさせなかった次の朝の方がスッキリと起きれて然るべきだ。
普通に考えたら逆であるはずなのだ。
それなのに、最近の俺の体は玲に夜伽をさせた次の日に限って疲れが取れている。
先週も、先々週もそうだった。
理由も関連性も不明だけれど、2回も結果が続いたのならそう思うしかない。
俺の体は今、玲に夜伽をさせなければ疲れが取れない体になっているのだと。
「…………」
「……?」
俺の視線を、玲は不思議そうな顔で受け止める。
玲に訊いたところで何もわからないだろう。
玲に人体やら睡眠についての深い知見があるわけがない。
授業を受けたことも無く、スマホでの情報収集もできない玲は、宗田の家の従者としての実用的な知識しか持ち合わせていはいない
単純に考えれば、夜伽でストレスが発散されているのが快眠の理由だろうか。
最近の俺は性欲が薄い自覚がある。
夜伽なんて月一でもいいんじゃないかと思えてしまうくらいに淡白だ。
したがって、性欲の発散は関係性があるとは思えない。
そして、先ほど挙げた通り俺は玲の将来を考えることにストレスを感じている。
そんなストレスの原因である玲を、俺は最近の夜伽でいじめているのだ。
正確には夜伽中にも俺が動くようになったというだけなのだが、喘ぎ悶える玲の姿を他者が見ればいじめていると思うだろう。
おそらくは、これが夜伽の次の日にだけ疲れが取れている理由だ。
根拠は薄いけれど、納得できないほどでもない。
つまり、夜伽で玲をいじめる以外のストレス発散を見つけることができれば、睡眠の質も改善して、夕食直後には欠伸を漏らすような体たらくを晒すことも無くなるはずなのだが――
「……」
「? ひゃうひろひゃま……?」
俺の指がほっぺを引っ張っても、玲は嫌がる素振りも無く、されるがままに疑問符を浮かべている。
「なんでもない……」
「……一宏様がお望みでしたらいつでも、いつまでも、私の頬を差し出しますが」
「いや、いらん。さっさと飯食え」
「承知しました」
はたして、玲に夜伽をさせる以上のストレス発散があるのだろうか。
性欲が無くとも夜伽の気持ちよさは変わらない。
玲が無様に喘ぎ散らすのも夜伽の時だけだ。
3大欲求の1つである性欲を満たす夜伽に匹敵する何かが簡単に見つかるとも思えない。
「そうだ、一宏君。良かったら、今日から筋トレをしてみないかい? 適度な運動は健康に良いし、筋肉量が増えると代謝も良くなるからね。たくさん食べて、たくさん飲んで、たくさん汗をかく。そうやって体内を循環させれば、きっと疲労回復にも効くと思うんだ」
「…………考えておきます」
いつも元気溌剌としている珠美の姿を見ていれば、筋トレが効果的であろうことは予想がつく。
しかしそれは分かっていても、なぜだか珠美の誘いに乗る気は起きなかった。
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