女として兄に尽くすよう育てられた弟は、当たり前のように兄に恋をする

papporopueeee

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兄と弟と弟だった人

玲は主を犯した

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「はぁっ♡ っ~~♡♡」

 体中に充足してはちきれそうになる快感を吐き出すような溜め息。
 自分はこの世で最も幸福な人間だと叫ぶような恍惚とした表情。

 自分の体内にあるべきだったものがずっと欠けていて、
 それがようやく戻ってきたとでも言うような――

「ぁっ♡ ぁっ♡ はぁっ……♡ いっ……っ♡♡」

 夜伽の時、玲はいつも感じすぎないように努めていた。
 目的はあくまで主への奉仕である為、尽くすはずの玲が快感で使い物にならなくなっていては役目を果たせない。

 結局はいつも感じすぎて無様を晒してしまっていたものの、
 その心の内では玲は快感に耐えようとしていて、
 主だけによがってもらおうと努力していた。

 しかし、今日の玲は――

「いっ♡ いくっ♡ いくっ……っっ♡」

 挿れただけで、動いてもいない。
 まだ自身の急所を抉られても擦られてもいない。

 それでも、玲は絶頂した。
 主の性器が体内にあるという感覚だけで。
 この幸せな時間が朝になるまで続けられるのだと認識しただけで。

 快感が膨らんで、びくびくと痙攣する体を抑えられなかった。

 もはや玲の体は絶頂しても射精をしなかった。
 悶えずにはいられない全身を貫くような快感があり、
 心がふわふわと浮いているような多幸感があるだけ。

 勃起もできなくなった性器は痛むこともなく、これならいつまででも続けられてしまう。
 その事実に、また玲は興奮していた。

「はぁっ……♡ はぁっ……♡ かずひろさまぁ……♡」

 今の玲にとって、夜伽なんて言葉だけの上辺の気持ちでしかない。
 主の性器に触れても良いという、都合の良い免罪符でしかない。

 主の体に跨って、奉仕もせずに快感に打ち震えている玲。
 それは正真正銘、ただの夜這いでしかなかった。

 主を自身の性的欲求を満たすだけの道具としか見ていないに等しい。
 夜伽などではなく、主の体を使って自慰をしているだけでしかない。

 つまり、主に夜伽をさせているに等しかった。
 いつもは道具であるように振る舞っている玲が、今夜だけは主を道具として扱っている。

 玲にはその自覚は無かった。
 主を道具扱いしているという認識は、玲の中には無かった。

 どれだけ淫行に耽っていて、快感に脳を埋め尽くされていても。
 自身が従者であるということだけは身体にも思考にも染みついていたから。

 しかし――

「かずひろさま……かずひろさま……♡」

 主の名前を呼ぶ玲。
 まるで、自分の物だと主張するかのように。

 主に夜伽をさせているという自覚は無くとも、
 主を犯しているという状況に玲は興奮し、快感を覚えていた。
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