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兄と弟と弟だった人
玲は耐えようとした
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「はっ……、はっ……」
触れた。
触れてしまった。
まだ服越しではあっても。
鼻先にほんの少し当たっているだけでも。
主の認知していない中、その性器に玲は触れてしまった。
「っ……」
ごくり、と自身の喉が唾を飲み込む音が聴こえた。
それをはしたないと感じる余裕すら無い。
今の玲は、鳴りそうになる鼻を抑えることで精いっぱいだったから。
「ふっ……ふぅっ……」
必死に口で呼吸をする。
だって、主の性器の匂いを嗅ぐなんて不敬極まりない。
夜伽をするのは主からの言いつけではあっても、匂いを嗅ぐこと自体は不要な行為だ。
だから、はしたなく鼻を鳴らすなんてあってはならない。
ましてや主の性器に直接鼻を埋めるなんてことをしてはならない。
そんな姿を見られたら、きっと主は玲を見限ってしまう。
「ふっ…ふっ…!」
主のズボンに手をかける。
脱がさなければ夜伽はできない。
脱がせばもっと匂いが濃くなるけれど。
でも、脱がさないと夜伽をすることができない。
「はっ…はぁっ…はぁっ…!」
乱暴に脱がせては起こしてしまう。
寝ている主は脱がせやすいよう腰を上げてはくれない。
だから少しずつ。
少しずつ。
段々と、匂いが濃くなって――
「っ……か、一宏様?」
名前を呼ぶ。
どうか、起きているのなら教えてくださいと願いながら。
「一宏様……?」
名前を呼ぶ。
どうか、朝までは目を覚まさないでくださいと願いながら。
主の匂いを嗅がないことが立派な従者の条件であるのなら、
玲はとっくのとうに従者失格だ。
本当に忠誠を誓えていれば、毎夜主を思い自慰に耽るようなふしだらはしない。
真に主を敬っていれば、主の脱いだ衣服を自室に持ち込んだりしない。
己の性欲の為に主を欺いた玲に、忠誠心を語る資格なんて無い。
だから、
だから――
「ね、寝ていますよね……? 起きては、いないのですよね……?」
いつもの夜伽の時はこんなことはできない。
主に見られているから。
呼吸に紛れてくる匂いで我慢して耐えるしかなかった。
でも、今は、主は眠っているのだから。
何もしなくても、何をしても、同じことだから。
「っ……っ……――!」
玲は下着越しに主の性器に鼻先をくっつけると、
深く息を吸い込んだ。
「――っ! ――っ!!」
一度嗅いでしまったら、もう止められなかった。
すんすんと鼻を鳴らしながら、鼻先がどんどんと沈んでいく。
もっと近くへ。
もっと深くで。
匂いが詳細に感じられるほど、他の匂いが気になってしまう。
それは洗剤だったり、下着の繊維だったり。
邪魔なものは剥がなければならない。
これから夜伽をするのだから。
下着を履いたままでは、ご奉仕することができないから。
「はっ! はっ! っ……はぁっ……!」
呼吸を荒くした玲は乱暴に下着を脱がせると、
露わになった主の股間へと、深く鼻先を埋めるのだった。
「――っ……♡ かっ、かずひろさま……かずひろさまっ……――っ♡」
それは返事を望まない、自己中心的な思いの告白。
ずきずきと疼いていた玲の股間は、主への思いで濡れ始めていた。
触れた。
触れてしまった。
まだ服越しではあっても。
鼻先にほんの少し当たっているだけでも。
主の認知していない中、その性器に玲は触れてしまった。
「っ……」
ごくり、と自身の喉が唾を飲み込む音が聴こえた。
それをはしたないと感じる余裕すら無い。
今の玲は、鳴りそうになる鼻を抑えることで精いっぱいだったから。
「ふっ……ふぅっ……」
必死に口で呼吸をする。
だって、主の性器の匂いを嗅ぐなんて不敬極まりない。
夜伽をするのは主からの言いつけではあっても、匂いを嗅ぐこと自体は不要な行為だ。
だから、はしたなく鼻を鳴らすなんてあってはならない。
ましてや主の性器に直接鼻を埋めるなんてことをしてはならない。
そんな姿を見られたら、きっと主は玲を見限ってしまう。
「ふっ…ふっ…!」
主のズボンに手をかける。
脱がさなければ夜伽はできない。
脱がせばもっと匂いが濃くなるけれど。
でも、脱がさないと夜伽をすることができない。
「はっ…はぁっ…はぁっ…!」
乱暴に脱がせては起こしてしまう。
寝ている主は脱がせやすいよう腰を上げてはくれない。
だから少しずつ。
少しずつ。
段々と、匂いが濃くなって――
「っ……か、一宏様?」
名前を呼ぶ。
どうか、起きているのなら教えてくださいと願いながら。
「一宏様……?」
名前を呼ぶ。
どうか、朝までは目を覚まさないでくださいと願いながら。
主の匂いを嗅がないことが立派な従者の条件であるのなら、
玲はとっくのとうに従者失格だ。
本当に忠誠を誓えていれば、毎夜主を思い自慰に耽るようなふしだらはしない。
真に主を敬っていれば、主の脱いだ衣服を自室に持ち込んだりしない。
己の性欲の為に主を欺いた玲に、忠誠心を語る資格なんて無い。
だから、
だから――
「ね、寝ていますよね……? 起きては、いないのですよね……?」
いつもの夜伽の時はこんなことはできない。
主に見られているから。
呼吸に紛れてくる匂いで我慢して耐えるしかなかった。
でも、今は、主は眠っているのだから。
何もしなくても、何をしても、同じことだから。
「っ……っ……――!」
玲は下着越しに主の性器に鼻先をくっつけると、
深く息を吸い込んだ。
「――っ! ――っ!!」
一度嗅いでしまったら、もう止められなかった。
すんすんと鼻を鳴らしながら、鼻先がどんどんと沈んでいく。
もっと近くへ。
もっと深くで。
匂いが詳細に感じられるほど、他の匂いが気になってしまう。
それは洗剤だったり、下着の繊維だったり。
邪魔なものは剥がなければならない。
これから夜伽をするのだから。
下着を履いたままでは、ご奉仕することができないから。
「はっ! はっ! っ……はぁっ……!」
呼吸を荒くした玲は乱暴に下着を脱がせると、
露わになった主の股間へと、深く鼻先を埋めるのだった。
「――っ……♡ かっ、かずひろさま……かずひろさまっ……――っ♡」
それは返事を望まない、自己中心的な思いの告白。
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