80 / 185
兄と弟と弟だった人
夢精
しおりを挟む
「んっ……っ…………すー……すー……」
頭を叩いただけでは、玲は目を開けることすらしなかった。
そういえば、玲は朝に弱いのだ。
「起きろっての」
「んにゃっ…………?」
柔らかい頬を抓ると、玲が間抜けな声を漏らしながら瞼を開いた。
覚束ない瞬きをしながら、
鬱陶しそうな顔で、
頬を抓っている人物を探して視線をふらふらとさ迷わせている。
そして、やがて俺と目が合うと――
「ぁっ…………おはようございます、一宏様……」
俺の姿を認めた途端に布団から起き上がり、
表情をキリっと引き締めて座礼をする玲。
しかし口調がふにゃふにゃとしているため、頭はまだ寝惚けているのかもしれない。
「玲、今がどういう状況か理解しているか?」
「はい。昨夜は一宏様に求められるままに同衾をさせていただきました」
寝付くまで傍にいることは求めたが、玲までいっしょに寝ることは求めていなかったけれど。
そこは玲と俺の間で言葉の解釈が違ってしまっただけだろう。
昨日は俺も眠気で頭が働いていなかったし、玲を責めることじゃない。
「随分落ち着いてるが、時間は大丈夫なのか? いつも玲が起きてる時間はとっくに過ぎてるだろうけど、家事の心配は?」
「問題ありません。家事も大事ですが、最も重要なのは一宏様に仕えることです。一宏様が私をお求めになった以上、それに応えるのが最優先事項です。もちろん、これより家事にも取り組むため、心配には及びません」
頭が起き始めたのか、次第に流暢に話し始める玲。
寝不足ではあるのだろうが、一晩寝たことによりいくらかはスッキリできたのかもしれない。
顔はいつも通り無表情で、
声色も機械的だけれど、
どことなく機嫌が良いように感じられた。
しかし、この様子だとまだ自身の粗相には気付いていないのだろう。
「ところで玲、これがなにかわかるか?」
「? ……一宏様の服に、何か……白い…………っ!?」
一瞬で青ざめる玲の顔色。
玲はすぐさま着ている長襦袢をはだけさせ、自身の下半身を確認した。
「っ……ぁっ……!」
わかっていたことだけれど、そこには動かぬ証拠があった。
玲の小さな性器の周りには白濁液がべったりと付着している。
見ただけでわかる、俺のズボンに付着しているのと同じ液体だ。
ズボンと性器の汚れ具合から、玲が夢精をしてからそう時間は経っていない。
もしかしたら俺は玲の夢精を受けて目を覚ましたのではないか。
そんな考えが脳裏をよぎったが、せっかくの爽やかな目覚めが台無しになりそうな気がしたので忘れることにした。
「あっ……あっ……――!」
わなわなと震えながら、額を畳に擦りつける玲。
その後は、凡そわかりきった展開である。
俺は思考のスイッチを切って、とりあえず玲が落ち着くまで謝罪を受け続けることにした。
頭を叩いただけでは、玲は目を開けることすらしなかった。
そういえば、玲は朝に弱いのだ。
「起きろっての」
「んにゃっ…………?」
柔らかい頬を抓ると、玲が間抜けな声を漏らしながら瞼を開いた。
覚束ない瞬きをしながら、
鬱陶しそうな顔で、
頬を抓っている人物を探して視線をふらふらとさ迷わせている。
そして、やがて俺と目が合うと――
「ぁっ…………おはようございます、一宏様……」
俺の姿を認めた途端に布団から起き上がり、
表情をキリっと引き締めて座礼をする玲。
しかし口調がふにゃふにゃとしているため、頭はまだ寝惚けているのかもしれない。
「玲、今がどういう状況か理解しているか?」
「はい。昨夜は一宏様に求められるままに同衾をさせていただきました」
寝付くまで傍にいることは求めたが、玲までいっしょに寝ることは求めていなかったけれど。
そこは玲と俺の間で言葉の解釈が違ってしまっただけだろう。
昨日は俺も眠気で頭が働いていなかったし、玲を責めることじゃない。
「随分落ち着いてるが、時間は大丈夫なのか? いつも玲が起きてる時間はとっくに過ぎてるだろうけど、家事の心配は?」
「問題ありません。家事も大事ですが、最も重要なのは一宏様に仕えることです。一宏様が私をお求めになった以上、それに応えるのが最優先事項です。もちろん、これより家事にも取り組むため、心配には及びません」
頭が起き始めたのか、次第に流暢に話し始める玲。
寝不足ではあるのだろうが、一晩寝たことによりいくらかはスッキリできたのかもしれない。
顔はいつも通り無表情で、
声色も機械的だけれど、
どことなく機嫌が良いように感じられた。
しかし、この様子だとまだ自身の粗相には気付いていないのだろう。
「ところで玲、これがなにかわかるか?」
「? ……一宏様の服に、何か……白い…………っ!?」
一瞬で青ざめる玲の顔色。
玲はすぐさま着ている長襦袢をはだけさせ、自身の下半身を確認した。
「っ……ぁっ……!」
わかっていたことだけれど、そこには動かぬ証拠があった。
玲の小さな性器の周りには白濁液がべったりと付着している。
見ただけでわかる、俺のズボンに付着しているのと同じ液体だ。
ズボンと性器の汚れ具合から、玲が夢精をしてからそう時間は経っていない。
もしかしたら俺は玲の夢精を受けて目を覚ましたのではないか。
そんな考えが脳裏をよぎったが、せっかくの爽やかな目覚めが台無しになりそうな気がしたので忘れることにした。
「あっ……あっ……――!」
わなわなと震えながら、額を畳に擦りつける玲。
その後は、凡そわかりきった展開である。
俺は思考のスイッチを切って、とりあえず玲が落ち着くまで謝罪を受け続けることにした。
0
お気に入りに追加
203
あなたにおすすめの小説
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
クラスの仲良かったオタクに調教と豊胸をされて好みの嫁にされたオタクに優しいギャル男
湊戸アサギリ
BL
※メス化、男の娘化、シーメール化要素があります。オタクくんと付き合ったギャル男がメスにされています。手術で豊胸した描写があります。これをBLって呼んでいいのかわからないです
いわゆるオタクに優しいギャル男の話になります。色々ご想像にお任せします。本番はありませんが下ネタ言ってますのでR15です
閲覧ありがとうございます。他の作品もよろしくお願いします
上司に連れられていったオカマバー。唯一の可愛い子がよりにもよって性欲が強い
papporopueeee
BL
契約社員として働いている川崎 翠(かわさき あきら)。
派遣先の上司からミドリと呼ばれている彼は、ある日オカマバーへと連れていかれる。
そこで出会ったのは可憐な容姿を持つ少年ツキ。
無垢な少女然としたツキに惹かれるミドリであったが、
女性との性経験の無いままにツキに入れ込んでいいものか苦悩する。
一方、ツキは性欲の赴くままにアキラへとアプローチをかけるのだった。
お兄ちゃんは今日からいもうと!
沼米 さくら
ライト文芸
大倉京介、十八歳、高卒。女子小学生始めました。
親の再婚で新しくできた妹。けれど、彼女のせいで僕は、体はそのまま、他者から「女子小学生」と認識されるようになってしまった。
トイレに行けないからおもらししちゃったり、おむつをさせられたり、友達を作ったり。
身の回りで少しずつ不可思議な出来事が巻き起こっていくなか、僕は少女に染まっていく。
果たして男に戻る日はやってくるのだろうか。
強制女児女装万歳。
毎週木曜と日曜更新です。
女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男
湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。
何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
ぼくに毛が生えた
理科準備室
BL
昭和の小学生の男の子の「ぼく」はクラスで一番背が高くて5年生になったとたんに第二次性徴としてちんちんに毛が生えたり声変わりしたりと身体にいろいろな変化がおきます。それでクラスの子たちにからかわれてがっかりした「ぼく」は学校で偶然一年生の男の子がうんこしているのを目撃し、ちょっとアブノーマルな世界の性に目覚めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる