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兄と弟

事後

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 びくびくと玲が痙攣する度に、玲の中の粘膜も蠢く。
 きゅうきゅうと性器を扱きあげて、まるで精液を搾り取るように。

「っ……くっ……!」

 その蠕動に逆らわないままに、玲の中に精液を吐き出していく。

 玲の腰を思いっきり引き寄せて。
 逆に俺の腰は思いっきり押し付けて。 
 その奥の奥に。

「あ゙っ……♡ あ゙っ……♡ はっ……――っ♡」

 精液を出し切ると、力尽きたのか玲が布団に倒れ込んだ。

 ちゅぷっという音と共に性器が抜けて、
 ぬちゃっという音と共に布団へダイブする。

 まともに受け身も取らず、顔面から倒れ込む有様だ。

「はぁー…………疲れたな……」

 今までで一番気持ちよかったのは間違いない。
 玲の絶頂に邪魔されることもなく、少しのストレスもなかった。

 しかし体力の消耗も過去一番だ。
 あんな腰をパンパンと押し付ける動きは日常生活ではまず行わない。
 快感が大きいとどんどんと気が急ってしまい、
 ペースもどんどんと加速して、
 結果として体力も余計に消費してしまった。

 疲れている時には、以前のように玲に任せるやり方も検討するべきかもしれない。
 玲の消耗と快感も大きいようだし、あまり無理をさせては次の日の家事に支障を来たすだろう。

「……玲、生きてるよな……?」
「…………」

 うつ伏せに倒れたまま玲はピクリとも動かない。
 注ぎ込まれた白濁液を垂らしながら、布団から起きる気配がない。

「おーい……玲……?」
「…………」

 性行為で死の危機に瀕するなんてことはありえないと思うが、
 玲のあえぎっぷりを思い返すとまさかという思いがよぎった。

「いや、さすがにな……?」
「……すー……すー……」

 玲の顔に耳を寄せてみると、穏やかな呼吸音が聴こえてきた。
 どうやら終わった途端に気絶するように眠ってしまったらしい。

「おい、玲。起きろ。おいっ……」

 頬をペチペチと叩いてみても起きる気配がない。
 身じろぎすらしないことから、よほど深い眠りに入ってしまっているようだ。

「あー……どうしたもんかな……」

 新しい布団は自分で敷けばいい。
 汚れた布団は廊下に出しておけば、明日玲がなんとかするだろう。

 問題なのは玲自身をどうするかだ。

 下半身だけでなく上半身まで玲の精液でべっとりと濡れているし、汗もびっしょりとかいている。
 そのまま寝かせては風邪を引きかねない。
 明日は珠美もやってくるし、体調を崩されると都合が悪い。

「濡れタオルか……風呂か……」

 手間がかからないのはタオルだが、どうせ俺も風呂に入るのだ。
 ついでに玲の体をシャワーで流す方が楽かもしれない。

「よいしょっと……やっぱ軽いな、こいつ……」

 玲の体を抱きかかえて、俺は自室を後にした。
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