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兄と弟

射精、一回目

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「んっ……」

 玲の胸に指先が触れる。

 薄い胸板。
 なめらかな肌にはあばらが浮いていて、指を滑らせるとごつごつとした感触がある。

「はっ……んぅっ……はぅっ……!」

 くすぐったそうに玲が身をよじって、その振動で性器がぴくぴくと跳ねている。

 俺が何をするつもりなのかを問うこともなく、玲はただされるがままだ。

「……」
「っ……ふぅっ……?」

 少し力を入れただけ砕けそうな、薄氷のような玲の胸の上に指を滑らせていって――
 やがて、指先は硬い突起にぶつかった。

「あっ……かずひろさま?」
「……」

 ぷっくりと膨らんだ玲の乳首。
 小さく起っている桃色のそれを親指と人差し指でつまんで――

「かずひろさま……――いひぃっ!?」

 思いっきり捻りあげてやった。

 玲の甲高い悲鳴が耳の中に響いて、視界の中では小柄な体がびくっと跳ねる。
 
 跳ねた反動で玲のカウパーが胸まで飛んできたが、どうせシャツは夜伽が終われば着替えるのだ。
 顔にかからなければそれでいい。

「やっ、やめっ……おやめくだひゃいっ! かっ、かずひろさまぁっ……!」
「どうしてだ? 痛いからか? それともイきそうだからか?」
「いっ、イきそうですっ! いっ、イってしまいますっ、ぅっ……んぅっ!」
「だったら動け、玲。玲は俺の夜伽をしてるんだろ? 玲が動くのなら、俺も力を抜いてやる」
「しっ、しかしっ……あぅっ!」
「このまま動かないでイくのか。それとも俺に奉仕してイくのか。玲、どっちなんだ?」
「ひっ……いっ……あっ、うぅっ……んくっ……あぁっ!」

 そして、玲は腰を動かし始めた。

 涎に塗れた左手も。
 カウパーに塗れた右手も。
 両方の手で俺の体を掴んで、必死に腰を上下に振り始めた。

 玲が動いたのを確認して、俺も玲の乳首を離さないままに力を抜いてやる。

「あっ、あんぅっ……んっ、あくっ……ひっ……いっ、ふっ……はぅっ……!」

 しかし動きだしたのも束の間、玲の動きが段々と緩慢になっていく。
 止まりこそしないものの、襲いかかってくる快感を和らげようとしているのは明白だった。

 まだ先にイくことに抵抗を示しているのか。
 それとも快感が強すぎて体が上手く動かないのか。

 どちらにせよ、過去にもここまで玲の夜伽が下手だったことは記憶に無い。
 忙しくてもちゃんと夜伽をさせた方がお互いの為にも良いのだろうか。

「玲」
「んひぃぃっ! うっ、動きますっ……動きますぅっ……!」

 玲の乳首を捻ってやると、途端に玲の腰が勢いよく跳ねだした。

 ただの思いつきだったが、これは案外便利かもしれない。
 フェラの時に頭を掴むのと同様に、挿入時には手綱として乳首を摘まんでおくことにしようか。

「んぅっ……あっ、あっ、あぁっ……かっ、かずひろさまっ……もっ、もうっ……!」

 甲高く喘ぎ声を漏らしながら。
 涎をだらだらと流しながら。
 蕩けた顔で、玲は限界が近いことを報告した。

「ああ、いいぞ。好きにイけ」
「あっ……あっ……いっくっ……イくっ……いっ……あっ、あれっ!?」

 それは玲が絶頂する直前。
 おそらく、精液を受け止めるためにティッシュを取ろうとしたのだろう。

 玲は傍らを手で漁って――
 しかしその手に触れる物は何もなかった。

「えっ? えっ? あれっ!?」

 玲はパニックを起こしながら何もない床へ手を伸ばすが、その指には何も引っかからない。

 先ほど、玲が俺の上に垂らした涎をティッシュで拭った時。
 あの時の玲は慌てていて。
 ティッシュを引き出す手つきも乱雑で。
 そのために、ティッシュ箱は玲の手の届かない場所へ吹っ飛んでいたのだった。

「どっ、どうし……んぅっ! あぁっ、かっ、かずひろさまぁっ!」

 玲が泣きそうな顔でこちらを見る。

 ティッシュを取って欲しいのか。
 それとも一時中断を許して欲しいのか。

 その判断が着く前に――

「だっ、だめっ、だめっ、あっ、いっ……んんぅぅっ!!」

 パニックを起こした玲には腰を止めることもできず――
 咄嗟に自身の性器を右手で握り締めながら――
 玲は大きく俺の上で体を跳ねた。

「あっ……あっ……んっくっ……はぁっ……」

 小さく体を縮こまらせながら痙攣する玲。
 その右手からはトロトロとした白濁液が、水のように滲み出していた。
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